2024/05/23 - 2024/05/23
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ドイツ発!世界を歩く旅人ガイドKeikoさん
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この旅行記は、ドイツ観光局の提供により投稿しています。
◯ヴァルトブルク城の魅力
◯ヴァルトブルク城にまつわる伝説や逸話
◯ヴァルトブルク城周辺の山歩き
◯お勧めのフォトスポット
◯行き方
フランクフルトから電車ICEで2時間45分程度
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 5.0
- グルメ
- 5.0
- 交通
- 5.0
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 鉄道
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もう、この景色を見るためならどんな坂でも登ります。
(街からバス、そして駐車場からシャトルバスがあります。)
青空をバックに世界文化遺産のヴァルトブルク城!
1999年12月に世界遺産登録がされた。
ベルクフリートと呼ばれる、真ん中の高い塔が堂々と聳えてて、さらにベージュっぽい石、真ん中の黒っぽい石、そして木組み部分と。
本当に美しいのです。
<ホームページ>
https://www.wartburg.de/ヴァルトブルク城 城・宮殿
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石橋を渡り(もちろん昔は跳ね橋だった)、お城の外観をちらちら見ながらワクワク城門をくぐり・・・
ヴァルトブルク城 城・宮殿
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城門をくぐると、広い中庭が。
ワクワク。
ゲーテも18世紀~19世紀にかけて何度もこの場所を訪れている。
有名なのは、1793年の滞在時に描いたお城のスケッチ。
なんでも気象観測に来ていたとか?
(さすがマルチタレント)
1815年、ゲーテはヴァルトブルクに美術館を整備するべきだと当時のワイマール公爵クリスティアン・ゴットリープ・フォン・フォイクト(Christian Gottlob von Voigt)に提案。
現在のヴァルトブルクがあるのは、ゲーテのお陰と言っても良いくらいだそう。
その後、18世紀後半に太公カール・アレクサンダーの命でヴァルトブルクが現在のような姿に大々的に改修、建設された。ヴァルトブルク城 城・宮殿
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お城の中は、ガイドツアーで見学できます。
まず最初に来るのは半地下のような石の展示室。
破壊されたり、修復時にお城で使われなくなった建材などの展示があり、私が一番好きなのは、これ!
嫉妬を表現した石の彫刻です。
どの時代にも恋の悩みはつきものだなぁと感心する一方、嫉妬がどんなに恐ろしい結果を招くかを示唆している(のか?)深いモチーフ。
だって頭を龍に食べられてるし!ヴァルトブルク城 城・宮殿
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今回のヴァルトブルク訪問では、聖エリザベートのお部屋をじっくり見たいと思っていた。
1207年、四歳でハンガリーからこのお城にお嫁に来て、14歳でテューリンゲン方伯ルートヴィヒと結婚。
しかし1227年、5回目の十字軍遠征に出た先でルートヴィヒが疫病で亡くなってしまい、結果的に城を追われてしまう。
その後はマールブルクに移り住み、施療院と教会を建設して貧困層や病気の人のために尽力。
1231年、自身も病気で24歳の若さで亡くなってしまった。
彼女が住んでいたこの部屋、当時はもっともっと質素な作りだった。
このモザイク画は20世紀初めに創られ、聖エリザベートの生涯が描かれている。
この地にいた頃から精力的に民衆のために尽力し、特に1225-26の大飢饉の際にはお城で蓄えていた食料を全て解放。
設立していた病院で、病人の看病にも勤めた。
ヴァルトブルクのあるテューリンゲン州と、マールブルクのあるヘッセン州両方の守護聖人となっている。ヴァルトブルク城 城・宮殿
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じっくり一つずつ見て行きたいところ。
これは、ヴァルトブルク城の修復、再建を決めた太公カール・アウクストを描いたシーン。ヴァルトブルク城 城・宮殿
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1270年ごろ、ロマネスク様式で作られたチャペル。
壁には当時のオリジナルのフレスコ画が残っている!
今でも月一回ミサが行われる。ヴァルトブルク城 城・宮殿
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展示されている家具の足元をみたら、こんな彫刻が。
何でしょうね?これ!面白い。ヴァルトブルク城 城・宮殿
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歌人の間(Sängersaal)
元々は、この地で行われた歌合戦の伝説がモデルとなり、ワーグナーがオペラの作品とした。
1200年ごろ、歌人たちが行ったコンテスト(喧嘩、Streitと表現されている)がどのような風だったのか正確には分からないが、歌詠みが文化として花咲いていた時代なのは間違いなさそう。
Moritz von Schwindの描いた歌合戦のフレスコ画が有名(写真中央)。
元々は武器庫だった部屋が19世紀の改築でこのようになった。
2003年以降、この部屋で定期的にワーグナーのオペラが上演されているそうなので、一度は鑑賞してみたい。
あの有名なノイシュヴァンシュタイン城にある歌人の間が、ここをモデルにしていることはよく知られている。
ノイシュヴァンシュタイン城の歌人の間を建設するに当たり、ルートヴィヒ二世がここを訪れスケッチさせた。
ノイシュヴァンシュタイン城はこの部屋だけヴァルトブルク城をモデルにしたという解釈もあれば、お城全体から着想を得ているという解釈もあるけれど。
あちこち見ると、やはりこの部屋だけではなく、外観なども似ているところがあるように思う。ヴァルトブルク城 城・宮殿
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方伯の部屋(Landgrafenzimmer)に飾ってある。
テューリンゲン侯爵ルートヴィヒ・デァ・スプリンガー(Ludwig der Springer)が狩りに出た山で、「待て(Warte)、城よ。(Burg)」と言ったことからここにお城を建設し、Wartburgと名付けたと言う伝説がある。
そのシーンがこれ。
他にも「Warte」には見張りと言う意味があり、文字通り見張りのために建てられたと言う説も。
そもそも、ロマン主義真っ只中の1854年に描かれたことだし、後者ももっともらしいけど、やっぱり前者の方が伝説っぽくて良い(笑)
画家Moritz von Schwindの作で、大公爵カール・アレクサンダー(Großherzog Carl Alexander von Sachsen-Weimar-Eisenach)の命で、ヴァルトブルクを修復再建した際に描かれた。ヴァルトブルク城 城・宮殿
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饗宴の間(Festsaal)
そう、歌人の間に加え、もう一つあるんです。
ここは天井の音響が素晴らしいカセット型天井(Kasettendecke)で、二重構造になっている。
中は空洞で、それが素晴らしい音響を作り出しているらしい。
ここでも年間40以上ものコンサートが開かれる。
そうそう、音楽家のフランツ・リストは、聖エリザベートの生涯に大きな感銘を得ていて、オラトリウム『聖エリザベートの伝説』を作曲、自身でヴァルトブルク城でも指揮棒を振ったことでも知られていて、当時の指揮台も残っている。ヴァルトブルク城 城・宮殿
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座席はナラの木でできていて、壁のフレスコ画や彫刻に負けないほど素晴らしい彫刻が施されている。
鷹、ライオン、蛇、ユニコーン、山猫、そして犬。
森の木々、花々。
こちらもじっくり見ていくと、キリがない・・・。ヴァルトブルク城 城・宮殿
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お城から、テューリンゲンの森を見渡す絶景。
ヴァルトブルク城 城・宮殿
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通路(Wehrgang)
お城の木組み部分、中から見るとこうなっている。
この先には、「ロバの管理人」の部屋がある。
山の上にあるヴァルトブルク城では、重労働のお供としてロバがとても大きな役割を果たしていた。
数年前、ヴァルトブルク城を上る山道に「ロバの散歩道」が整備され、子どもたちに人気だとか。ヴァルトブルク城 城・宮殿
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ルターの小部屋(Lutherstube)
1521-22年に亡命中のルターが匿われていた。
10ヶ月で新約聖書をドイツ語に訳し、ドイツ語の地位も確立するのに貢献した。
ここでは、偽名を使い生活していたものの、16世紀中にはすでに巡礼地となった。
ただ、偽名を使った逃亡生活で疲れていたののか、悪魔の幻覚を見てインク壺を投げつけた話は有名。
写真中央、やや右に悪魔がいて、木の部分(少し凹んでいる)にインクの染みが見られる。ヴァルトブルク城 城・宮殿
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おやつ~?
敷地内にはセルフサービスのカフェがあり、ソーセージなどの軽食や、カップケーキなどのスイーツを楽しめる。
出店しているのはアイゼナハに何店舗か出店しているZucker & Zimtだけど、ヴァルトブルク城限定のタワーケーキがあるということで、食べてみた。
南塔をイメージしたケーキで、階段部分も敷紙でうまく表現されているし、色が違う部分は木苺ジャムで似せてある。
美味しかったです!
南塔には牢屋があり、狭い穴の中で何人も亡くなったみたい。
入ってみる体験もできるらしいけど・・・
<カフェのホームページ>
https://www.zucker-und-zimt.de/ヴァルトブルク城 城・宮殿
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ヴァルトブルク城の周りを歩ける歩道もある。
ところで、ヴァルトブルク城にあった古城ホテルは現在休業。
新しい経営者を探しているそうで、誰かお願い。泊まりたい。ヴァルトブルク城 城・宮殿
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ヴァルトブルク城から、街とは反対方向に降りるトレイルを行くと、間も無く展望スポットが。
こちら側から見るヴァルトブルク城、なかなか見れないよ!
(後述の、龍の峡谷方面にも行ける)
歩いて10分くらいだけど、トレッキングシューズがあった方がいい。 -
ヴァルトブルク城のテラスから見るMetilstein。
山の中腹に、少し開けていて、岩が見える。ヴァルトブルク城 城・宮殿
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せっかくなのでMetilsteinまで行ってみた。
ヴァルトブルク城から駐車場方面へ降り、森の中に入っていくとすぐ。
こちらも歩いて15分くらいだけど、トレッキングシューズがあった方がいい。 -
Metilsteinで後ろから激写されていた!(笑)
(この時撮影した写真が↑一つ上の) -
ヴァルトブルク城の駐車場奥に、2022年にオープンした体験ワールド(Erlebniswelt)が。
ここでは、360度の映像と共に、お城にまつわる歴史や伝説を学ぶことができる。ヴァルトブルク城 城・宮殿
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せっかくなので、アイゼナハの街に下りてマルクト教会へ。
ロマネスクからゴシック、そしてバロックへと改築。
それぞれの名残が見えて興味深い。 -
バッハ博物館へ。
この街で産まれたヨハン・セバスチャン・バッハ。
ドイツ3Bの中で最も年長。(バッハ、ベートーベン、ブラームス)
彼が産まれた家は残念ながら残っていないけど、近くのお家が博物館になっている。
<ホームページ>
https://www.bachhaus.de/バッハの家 建造物
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ぶら下がってのんびりバッハについてお勉強。
バッハがその生涯を終えたライプチヒのバッハ博物館とはまた一味異なり、興味津々で見学。
10歳でアイゼナハを去ったバッハはヴァルトブルク城には行っていないそうだけど。バッハの家 建造物
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実はバッハって、どこにでも歩いて行ってたんですね!
馬車は故障が多いから嫌だ、歩く時間が好きだ、自然との対話や、途中で見つけた教会のオルガン弾いてみたいし・・・ということで、アイゼナハ近郊のお兄さんの家から、北ドイツのリューネブルクまで350km歩いた時の靴ですって。
オルガンフリークだったのですね!
なんか、バッハって怖いって思っていたけど(?)そういう部分を知って、凄~く親近感を覚えてしまった。
<参考>
https://www.br-klassik.de/themen/klassik-entdecken/bach-schnelle-beine-100.htmlバッハの家 建造物
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ルターが学生の頃滞在していたお家(右側)が現在はルター博物館となっている。
つまり、ヴァルトブルク城に亡命する以前から、ルターはアイゼナハに縁があったということ。
この家が特徴的なのは、一階部分の壁が斜めになっていて、上に行く程細くなっていること。
より太陽光を家の中に取り込むための工夫だそうだけど、こんな家初めてみた。
木組みの家が盛んに建設されていた中世、土地の面積や間口の広さで税金が決まったので、上に行けば行くほど広くなる逆三角形構造になっていたり、出窓を工夫して居住区を増やすのが一般的だったが、この家は逆なの。
つまり、お金持ちのお家だった事がわかる。
親戚をたらい回しにされていた青年ルターの才能を見抜き、下宿先として、1498年から1501年までルターを受け入れた名士コッタ家(Familie Cotta)。
<ホームページ>
https://www.lutherhaus-eisenach.com/ルターの家 建造物
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ルター博物館に示されているゲーテの言葉。
「聖書は理解すればするほど、美しい。」
もう一度整理するために・・・
◎マルティン・ルターが生きたのは1483~1546年
◯1517年に『95ヶ条の論題』をヴィッテンベルクの教会に提出、宗教改革が始まる。
◯1521年~1522年にルターは、Junker Joergn偽名でヴァルトブルク城に亡命、新約聖書を10ヶ月でドイツ語に訳した。
◎ヨハン・ヴォルフガング(・フォン)・ゲーテが生きたのは1749~1832年ルターの家 建造物
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ヴァルトブルク城からも、お城からアイゼナハの街に降りる途中にも見えるブルシェンシャフト・デンクマル(Burschenschaft Denkmal)。
1815年に設立された学生運動結社がBurschenschaftで、今でも活動が続いているらしく、アイゼナハの文化財保護にも寄与しているとか。
高いところに上りたくてしょうがない私は、やっぱり「行くしかない!」と・・・
<ホームページ>
https://burschenschaftsdenkmal.de/ -
そんなわけで、ブルシェンシャフト・デンクマルまで行ってみた。
街から1,5kmくらい。
塔には狭い螺旋階段で上ることができる。ブルシェンシャフト記念碑 (学生結社記念碑) モニュメント・記念碑
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塔の上からの眺め、アイゼナハの街方面。
ヴァルトブルク城も見えるけど、写真に撮るにはちょっと小さいので、観て楽しむだけにした。
ここから見る夕日も最高らしいので、見てみたい。ブルシェンシャフト記念碑 (学生結社記念碑) モニュメント・記念碑
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今回のヴァルトブルク城訪問に当たり、どうしても行きたいと思っていたのが龍の峡谷(Drachenschlucht)
天気がとても良かったので、トレッキングシューズを履いてさあ出発!
ヴァルトブルク城から山道を歩いて4kmくらい。
アイゼナハの街からなら190番のバスで近くまで行ける。
<ホームページ>
https://www.drachenschlucht-eisenach.de -
龍の峡谷にはたくさんの滝が流れている!
凄い綺麗~。
岩の間のとても狭いところを歩いていくのと、あちこちから水が垂れてくるので、濡れてもいい格好で。 -
龍の峡谷を抜け、せっかくならと大回りの周遊コースへ。
登ったり降りたりと15km、3時間半くらい歩いたかな・・・。
木々の間から漏れる夕日が綺麗だった~。 -
アイゼナハの駅舎は文化財保護大将になっているユーゲントシュティル建築。
大きなアーチとステンドグラスが素敵。
全く余談ですが、駅近くのケバブ屋さん、破格に安くて美味しかった。
以前も行ったことがあるけど、相変わらず美味しかったのでリピート。バーンホーフ通り (アイゼナハ) 散歩・街歩き
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