韓国フェリー旅・その3.シーワールド高速フェリー/クイーンメリー2 (済州→木浦) 乗船記

2023/05/16 - 2023/05/16

第245部-1123冊目　No3
(2024年3月11日配信)

皆様、こんにちは。
オーヤシクタンでございます。

コロナで自粛していた海外旅行を再開させようと、韓国へ行くことにしました。
出発前に予約したのはソウル往復航空券と1泊目の安宿だけ。
世界遺産の済州島に行くにも関わらず、観光名所は一切寄らず、韓国のフェリーにひたすら乗るだけでありまして‥
一応行程は組んでいるものの、現地のフェリーについては予約をせず(厳密にはできなかった)ので、なんとかなるだろうと行き当たりばったりな4泊5日の韓国フェリー旅です。

本編は、大阪-新門司航路に就航していた名門大洋フェリー/フェリーふくおかⅡが韓国/シーワールド高速フェリー㈱へ売船され、クイーンメリー２となったフェリーで済州島→木浦4時間30分の船旅を楽しみます。

表紙画像‥シーワールド高速フェリー/クイーンメリー２。

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2023年5月15日～19日 4泊5日。

5月16日(火) 第2日目-3　はれ一時あめ
①シーワールド高速フェリー:クイーンメリー２.木浦行
済州.17:00→木浦.21:30

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シーワールド高速フェリー‥34,600ｳｫﾝ (3,523円)
クイーンメリー２‥‥12,800ｳｫﾝ (1,304円)

エリア 済州島 チェジュ(韓国)

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 5万円 - 10万円
• 交通手段: 船
• 旅行の手配内容: 個別手配

予定していた、済州から釜山へのフェリーが欠航！
さて、どうしようか‥

16:37
急遽計画を変更！
17:00出航の木浦行に乗ることに決め、国際旅客船ターミナルへやって来ました。

只今の時刻は16:37。
出航まであと23分しかありません。
急げ～

ハァハァハァ‥
ぎりぎり間にあいました。

拙い韓国語で乗船券を購入。
外国人が乗船券を購入する場合、パスポートの提示を求められます。
クレジットカード使えましたよ。

▼乗船券(済州→木浦)
エコノミー/3等‥34,600ｳｫﾝ (3,523円)

シーワールド高速フェリーの看板。
済州/17:00出航の木浦行は、クイーンメリー号(左白枠の船)が就航しています。

実はこの船は‥

大洗-苫小牧航路に就航していた、商船三井フェリー/さんふらわあさっぽろ(13,654t)なのです。

東日本フェリー/ばるなとして、直江津-岩内(北海道)航路に1998年に就航。
後に商船三井フェリー/さんふらわあさっぽろ(2代目)となり、大洗と北海道を結ぶ定期航路就航船として活躍してきましたが、後継となる新造船/さんふらわあさっぽろ(3代目)の就航に伴い2017年10月をもって引退。
韓国に売船され、クイーンメリーと改名されました。

旧さんふらわあさっぽろ(2代目)に乗ろうと思って来たのですが‥

んんっ？
着岸中の木浦行フェリー、元さんふらわあではありませんね。
でも、何か見たことがある船のような気がするのは、気のせいか‥

16:45
では、乗船しましょう。

エントランスホールに入ると‥

あっ！
この円形ソファを見て、この船の正体がわかりましたよ。

=クイーンメリー2=
船種‥フェリー
総トン数‥9,731ｔ
全長‥167m
全幅‥25.6m
所有/運用‥シーワールド高速フェリー㈱
船籍‥韓国.木浦
建造所‥三菱重工業下関造船所
就航‥2002年(日本/名門大洋フェリー)
　　　2022年(韓国/シーワールド高速フェリー)

この船‥
大阪-新門司航路に就航していた、名門大洋フェリー/フェリーふくおかⅡ(9,731t)でした。

大阪と北九州を結ぶ定期航路就航船として2002年10月から活躍してきましたが、後継となる新造船/フェリーふくおかの就航に伴い2022年3月に引退。
韓国に売船され、クイーンメリー2と改名。
これまで就航していたクイーンメリー(先代)の後継船として済州航路に就航しました。

※先代のクイーンメリー(旧さんふらわあさっぽろ)は2022年8月をもって2度目の引退をし、バングラデシュ/チッタゴンで解体されたそうです。

名門大洋フェリー 乗り物

案内所で個室のキーを受け取る富裕層の上級船客の方々を横目に、今夜の城へ向かいます。

503号室は‥
あっ、ここですね。
入りましょう。

=エコノミー/3等室=
クイーンメリー2.最下級船室で、船旅の基本とも言える大部屋の和室です。

フェリーふくおかⅡ時代と変わりませんな。

=救命胴衣着用法=
これは重要です。
よく見ておきましょう。

出航15分前です。
儀式に参列する為、甲板に出ました。

異国の地でも、出航の儀(単に眺めるだけ)は欠かせない筆者。(笑)

クイーンメリー2のファンネル。
シーワールド高速フェリーのマークが描かれています。

名門大洋フェリーのマークがうっすらと残っていますね。

船尾に大極旗を掲揚。
韓国の船に乗っていることを実感します。

16:56
ゴゴゴゴォー

後進で離岸成功！
パチパチパチ‥

韓国各地からのフェリーが就航する済州港。

手前の船は、莞島航路・韓一高速/ブルーパール (元.名門大洋フェリー/フェリーきょうとⅡ)。
奥の船は、鹿洞航路・南海高速/アリオンチェジュ (元.マルエーフェリー/琉球エキスプレス)。
今乗っているクイーンメリー2 (元.名門大洋フェリー/フェリーふくおかⅡ)。

偶然かもしれないのですが、大阪南港に就航していた船舶が済州に集結！
これは船好きにとってタマラナイ光景だ。

※2024年1月現在。
ブルーパールは韓国済州航路での運用を終え、フィリピンへ売船されたようです。

あっ！
我が国日本を代表する豪華クルーズ客船、郵船クルーズ/飛鳥Ⅱですぞ。

博多発着済州島往復2泊3日のショートクルーズで、これから博多へ戻るみたい。
気になる代金を調べてみると‥
一番安いKステート 128,500円。
最上級船室となるS.ロイヤルスイート 607.000円！

はあぁ～
筆者の経済力では無理だ。

飛鳥II 乗り物

滞在時間1時間だったけど‥
済州島よ、一旦さらばじゃ。

済州→木浦/4時間30分の船旅が始まりました。

=船内案内=
5F～7Fが旅客区画となっています。
フェリーふくおかⅡ時代にあった浴場はなくなったみたい。

それでは、船内視察を始めましょう。

乗船タラップ及び車両甲板から、エスカレーターで旅客区画へあがります。

=エントランスホール=
乗船すると、広いエントランスホールが船客を迎えます。

おぉー！
床は張り替えられているけど、フェリーふくおかⅡ時代とほぼ変わらないですね。

=案内所・ベーカリー=
案内所は船内のご案内/等級変更手続きや船内のご案内を行い、ベーカリーが併設されております。

フェリーふくおかⅡ時代はベーカリーのある位置に売店があり、関西･九州のお土産やお菓子・飲み物・日用雑貨を取り揃え、名門大洋フェリー太平洋フェリーオリジナルグッズを販売していました。

=給湯コーナー=
カップ麺の調理にかかせないアイテムですね。
売店(セブンイレブン)に併設され、電子レンジも設置。

=売店(セブンイレブン)=
大手コンビニ/セブンイレブンが出店しており、お菓子・飲み物・日用雑貨などコンビニに準じた品物を取り揃えています。

フェリーふくおかⅡ時代、ここはレストランの一部でした。
日本のフェリーでは販売される就航地のお土産やフェリーオリジナルグッズなどはありませんでした。

=木浦オムク 五線堂=
ハングル読みで、モッポオムク.オソンダンと言うお店が船内に出店。
就航地.木浦の名物、オムク(揚げた練り物)のお店ですが、カフェみたいでお洒落ですね。
ソウルにも出店しているそうですよ。

フェリーふくおかⅡ時代、ここは自販機コーナーでした。

=レストラン=
韓国語で食堂のことをシクタンと言います。

私のトラベラーネームのシクタンは、韓国語の食堂からとったものなのです。

=自販機コーナー=
飲料とお菓子の自販機を設置。
ビールやカップ麺の自販機はありませんね。

船内にはATMを設置。
これは日本のフェリーにはありませんな。

=ゲームコーナー=
フェリーあるある設備ですね。
カラオケボックスもありますよ。

=多人ベッド室=
階段式2段ベッドの寝台です。
フェリーふくおかⅡ時代は、ツーリスト/2等洋室と呼ばれていました。

近年のフェリーの寝台は階段昇降タイプが主流になりつつありますが、このタイプの寝台を初めて採用したのは、名門大洋フェリーのフェリーふくおかⅡとフェリーきょうとⅡだったのです。

=キサシル/技士室=
韓国の物流を支えるトラックドライバー様の為の区画です。
ドライバーのことを韓国ではキサ(技士)と言うのですよ。

右はチャリャンカッパン/車両甲板と表記されています。

=洗面所=
ドライヤー完備。
ここはフェリーふくおかⅡ時代のまんまだ。

=トイレ=
ここも変わりなし。
ウォッシュレット付で綺麗です。

そう言えば、船旅の救世主G〇RO袋がありませんね。

次は、6Fに行ってみましょう。

エレベーターもありますよ。

エレベーターのボタン。
日本語表記が残っているのはここだけ。

=6F展望ストリート (フェリーふくおかⅡ時代)=
海を眺めながらお寛ぎ頂ける空間。
この画像はフェリーふくおかⅡ時代のもので、円形ソファが並んでいました。

=6F展望ストリート (クイーンメリー2)=
そして、クイーンメリー2となった今‥
外が眺められるカウンター席と、高性能マッサージ椅子が並べられています。
円形ソファはひとつだけとなりました。

ここは給湯コーナーがあった場所ですね。
今は物置になっていました。

=シャワー室=
フェリーふくおかⅡ時代にあった浴室は廃止されましたが、個室タイプのシャワー室は健在。
アメニティは用意されていませんが、無料で汗をながすことができます。

ここだけ通路が激狭なのは、フェリーふくおかⅡ時代と変わらず。

8Fの上級船室利用客専用休憩室をチラ見。
ここも、フェリーふくおかⅡ時代から継承された設備なのです。

ペットゾーンの区画。
クイーン2になって増設されました。

ドッグランも新設されましたね。

7F甲板。
潮風にあたれる開放感のある展望デッキです。

外部甲板後部からは、航跡を眺めながら黄昏ることが可能。(笑)

今日は美しい夕日が見られそう。
その期待は後に裏切られることになります。

18:36
ちょっと昼寝をして、夕日を甲板に出てみたら‥

ありゃりゃ。
靄の中を航行していますよ。

こりゃ、夕日は見れませんね。
残念！

お腹すきましたね。
船内レストランで食事にしましょう。

スントゥブチゲは、おぼろ豆腐のチゲ鍋です。

■スントゥブチゲ定食‥10,000ｳｫﾝ (1,019円)
①スントゥブチゲ
②大根キムチ
③オモク(練り物)
④白菜キムチ
⑤米飯
⑥カスビール‥2,800ｳｫﾝ (285円)

20:38
夜になりました。
甲板が濡れているところを見ると、雨が降ったみたい。

前方に木浦大橋が見えてきました。

=木浦大橋=
木浦北港と高下島を結ぶ全長4,129mの自動車専用橋梁です。
2012年12月に開通しました。
主塔と斜張橋のケーブルの形は、木浦の市鳥となっている鶴が二羽、木浦の海に飛んで行く姿を形象化したものなのだとか。

21:05
おぉー
こりゃ圧巻！

橋の真下を通過。
これぞ船旅の醍醐味。

ライトアップされた、木浦海上ケーブルカーの支柱。

木浦海上ケーブルカーは、木浦の街と海を一望できる全長3.23kｍのロープウェイ。
韓国ではロープウェイのことをケーブルカーと呼び、木浦海上ケーブルカーは韓国最長の距離を誇るんだとか。

フェリー後方の眺め。
ライトアップされた木浦大橋と木浦海上ケーブルカーの支柱が未来的な景観を造りだしています。
夜景がとても美しいですね。

木浦港に入港。
木浦港国際ターミナルに着岸します。

前進で着岸態勢にはいりましたよ。

狭い！
僚船/クイーンジェヌヴィアと接触しそう。
巧みな操船で最終の着岸態勢に入りました。

あぁ～
楽しい船旅が終わっちゃうよ～

ホーサーがビットにつながれました。

・ホーサー‥係留用ロープ
・ビット‥係留用鉄杭

21:22
着岸完了。
パチパチパチ‥

木浦港 海岸・海

21:28
名残惜しいですが、下船しましょう。

シーワールド高速フェリー/クイーンジェヌヴィア (木浦-済州)。
現代尾浦造船で建造された韓国国産の大型カーフェリーです。

次回はこの船に乗ります。
ご覧下さいまして、誠にありがとうございました。

-つづく-