2023/07/30 - 2023/07/30
807位(同エリア899件中)
Domiさん
自業自得とは言いながら、遅くにたどり着いたゲストハウスでやや肩身の狭い思いをしたが、やはり最北端は面白かった。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- ホテル
- 3.0
- 同行者
- 家族旅行
- 交通手段
- ANAグループ
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
それから我々は、暗くなっていく北海道の最北端への道を直走った。
まだこの風車列の写真を撮るぐらいまでは文明の香りもしていたのだが、この後は本気の北海道の原野が広がっていた。
人家もない、店もない、というか建物がない。
街灯もない。信号もない。そして対向車すら滅多に見ない。
野生動物に怯えながらただただ原野を貫く対面二車線道路をハイエースで走る。
心細いことこの上ないドライブとなったが、走りに走ってなんとか稚内市内に入り、ようやく宿に辿り着いたのは21時近かった。 -
本日の宿はゲストハウス「モシリパ」。
モシリパとはアイヌ語で北の果ての土地という意味だとのこと。
元はユースだったそうだ。
元ライダーの夫氏はこういう宿が好きである。昔取った杵柄というか、青春時代を思い出すのだろう。
私も別に嫌ではない…が、子供がいると話は別なのである。 -
息子も気をつけていないわけではない。
しかし、疲れている上に宿は蒸し暑かった。
日本最北端の宿にクーラーはないのである。
共同シャワールームで宿が貸してくれたバスタオルを使おうとして、古いタオルの毛がなぜかベタベタと濡れた体にくっついた時、息子が声をあげてしまった。
シャワールームのすぐ横は相部屋のベッドルームで、早朝出発するライダーさんたちがすでに寝ていた。
迷惑をかけてしまって本当に申し訳なかった。
全体として悪い宿ではなかったと思う。
我々が泊まったファミリールームも蒸し暑い以外は特に問題なかったし。
でも。
やはり今後はもうちょっと落ち着く宿に泊まろう。
それかキャンプ場。その方がよほど落ち着いて滞在できる気がする。 -
旅行三日目の朝、雨が降っていた。
今日はまず、日本最北端の水族館、その名も「稚内市立ノシャップ寒流水族館」に行ってみる。
水族館はノシャップ岬にあるという。
「日本最北端の岬って、宗谷岬じゃなかったっけ?」
「そうだよ、ここじゃないよ。」
相当北に来たつもりだったが、まだ最北端じゃなかったか。
で、そのノシャップ岬付近には、水族館だけじゃなくて、美味しい海鮮丼が食べられるお店があるという。
到着が遅すぎてまだ美味しい海鮮を食べていないので、朝ごはんを食べに「みなとや」という食堂にやってきた。
ちなみに水族館はすぐ隣である。 -
壁にお品書きがベラーっと貼ってある。
海鮮丼、めっちゃ種類ある。二色丼だの三色丼だの特選だの。うわあ、目移りするわあ。テンション上がる上がる。
海鮮ラーメンとかもあったが、ここはやっぱり丼物でしょう!
そして出てくる超豪華海鮮丼。
朝から新鮮な魚介丼を食べて、めっちゃ元気が湧いてきた。
息子も満面の笑みで大好きなウニやイクラをモリモリ食べている。
やっぱり北海道はいいね!最高だね!!
よーし、今日も元気に楽しむぞ!! -
朝食をとって外に出てみたら、風雨が激しくなっていた。
雨すごい。風強い。っていうか、台風じゃないよね?
とりあえず傘を斜めに傾けながらノシャップ寒流水族館に辿り着く。
行ってみてわかったが、ここは水族館だけではなく、同じ敷地内に稚内市青少年科学館と南極越冬隊資料展示コーナーがあった。
そしてどこも閑散としていた。
まあねー、ウィークデーだし、暴風雨だし。
面白そうな複合施設なので、目一杯楽しむことにした。 -
まずは科学館から行ってみることにした。
入って早々の場所に
「君も宇宙飛行士になってみよう!」
と、子供用のNASA作業着が吊るしてある。
うん、まあ、とりあえず着せますわなあ。
本人もノリノリで着ますわなあ。
ロケットの模型とか天体図とかもあるけど、科学館といえば体験コーナー。
電流イライラ棒とか置いてあって、一回もゴールせずに終わる。
後から来た大人ばかりのグループも必死に挑戦してはブザーを鳴らしまくっていた。 -
そして南極観測隊関連の展示が充実しまくっていた。
南極観測船の模型やら樺太犬の剥製やらいろんな展示があって見応えありまくり。
南極観測船とか聞いたことはあるけど、実際模型とか見ると初期型って、こんな装備で南極まで行けるのかっていうか結構無理あるような感じだった。タロとジロがとり残されたのも無理ないのかもしれない。
っていうか人間が無事に行って帰るのだけでもいっぱいいっぱいな感じ。 -
中でもめちゃくちゃ面白かったのがこれ。
日本人初の南極探検を敢行した白瀬中尉の来歴が書かれた稚内市長の文章である。
これ読むだけで大体白瀬中尉の生涯がわかるという名文だった。
少年時代に冒険家に憧れ、そのためには酒飲むなタバコ吸うなという手習いの師匠の教えを生涯忠実に守ったとか(当時としては画期的に健康的な生活だった気がする)、生命の保証はしないという但し書きのある求人で集まったメンバーで上陸隊を結成したとか、もうなんていうか。読み応えありすぎて。
そして大スポンサー大隈重信の「征け目的達成まで帰るな」という電文が血も涙もなくてすごい。
それにしても南極観測船「しらせ」ってこの人の名前だったんか、初めて知ったわ。 -
風雨の中外に出て「南極越冬隊資料展示コーナー」に行ってみた。
完全に倉庫をそのまま展示施設にしましたという設備だったが、中は見どころだらけだった。
「南極昭和基地の一次隊の建物」とか「南極昭和基地の第十次居住棟」だのがそのまま展示してあって中に入れたり、小型雪上車がそのまま展示してあったりした。トドの剥製も迫力あったし。
プレハブ住居の中には食卓やらベッドやらも置いてあって、南極越冬隊の生活の写真なども展示してあってすごく臨場感があった。
雨の中外の建物に行くのがめんどくさくてスルーしようかと思っていたけど、来てみて良かった。これ見ないで帰るのはもったいなかったと思う。 -
さて、いよいよメインの水族館に行ったのだが、外の風雨は激しさを増していた。
そして、ここの水族館のウリであるゴマアザラシ(群れ)は屋外プールにいるのであった。
しまった、順番を間違えた。というか、風雨がどんどん激しくなってくるのは想定外だった(雨風がおさまるまで屋内施設を見ておこうというつもりだった)。
屋内も小規模ながらなかなか面白い水族館だった。お客さんは全然いなくて、時々スタッフさんには遭遇した。
ドクターフィッシュに手を心ゆくまでつつかせたり、水槽をあちこちたっぷり見たりと屋内をのんびり楽しんだ。 -
風雨は全くおさまらなかったため、意を決して外に出て、ゴマアザラシ達とご対面した。
ここでは、ゴマアザラシに餌やりができるのである。
小さなバケツにはお魚が数匹入っていて、それを専用トングでアザラシに食べていただくという趣旨であった。
それで、雨の中、一生懸命息子がトングで魚を差し出してみたら…
バシャシャシャシャ!!!!
と、ゴマアザラシ達が猛烈な勢いで餌に飛びついてきた。
そうねー、この雨だもんねー、今日は餌あげるお客さんいなかったよねー。
勢いにびっくりした息子がトングをプールに落としてしまい、スタッフさんに謝ったら「ああ、いいですよー、後でとっておきますー」とかるーく言われた。
雰囲気的によくあることらしかった。
この後あまりの雨に夫氏が駐車場まで一人で車を取りに行ってくれて、それを差し掛けの下で待っていたのだが風雨が吹き込んでくるので、スタッフさんが気の毒がって奥の方で待たせてくれた。
というか、なんなのこの天気。 -
そして、最北端ではないがかなり北にあるノシャップ岬である。
水族館とほぼ同じエリアだけど、何せ風雨が洒落にならなくなってきたので車で移動する。
こんなこともあろうかと、全員分のカッパはちゃんと持ってきている。
フル装備が必要になるとはあまり思っていなかったのだが、ここまでの風雨だと写真を撮る間だけでずぶ濡れになるレベルである。
全員カッパで撮った写真は、新人アナウンサーの屋外台風中継みたいな状態となった。まあ載せないけど。
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