
2022/07/09 - 2022/07/09
18位(同エリア912件中)
旅猫さん
先週訪れた八戸の是川縄文館で、『発掘された日本列島2022』展が、埼玉県立歴史と民族の博物館で開催されていることを知ったので、ふらりと出掛けてみた。その博物館は大宮公園にあるので、氷川神社の参拝と氷川ブリュワリーの麦酒を併せて楽しむことにした。
(2022.07.15投稿)
- 旅行の満足度
- 3.5
- 観光
- 3.5
- グルメ
- 4.5
- 交通
- 3.5
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- タクシー JRローカル 徒歩
-
思い付きで出掛けたので、大宮駅に着いた時には11時になるところであった。氷川ブリュワリーは、いつも開店と同時に混み合うので、博物館とどちらか迷った。結局、麦酒の誘惑には勝てず、開店時間が迫っていることもあり、駅前からタクシーで向かった。ところが、着いてみると、貼り紙がしてあり、開店時間が12時からとなっていた。仕方が無いので、氷川神社へと向かうことにした。
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この日も陽射しは強かったが、参道を覆う樹々のおかげで、いくらか涼しい。参道に入ってすぐ、右手に3年前に閉館したさいたま市立大宮図書館の建物が見えて来る。跡地がどうなるか気になっていたが、そのまま飲食店や雑貨店が入る商業施設として利用されているようである。
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昨年訪れた時には、参道も境内も人で溢れかえっていたが、この日は暑さのせいか、人出も少なく、思いの外静かであった。
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参拝を済ませた後、隣接する大宮公園へと向かう。園内も、嘘のように静かである。舟遊池まで来ると、さらに人気が無くなった。コロナ禍前は、舟遊びをする市民で賑わっていたのが嘘のようである。後で聞けば、舟遊びが近いうちに再開されるようである。
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その池の畔には、茶店が3軒ほど建っている。どの店も、昭和の風情が色濃い。店先には、夏らしく、かき氷やラムネの旗が風に吹かれていた。店内では、地元のお年寄りたちが、お酒とつまみを頼んで寛いでいた。しかし、県は大宮公園の大規模な改修を計画しており、このような長閑な風景も、いずれ過去のものとなる。
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池の北側に佇む博物館ようやく着いた。早速、特別展を鑑賞する。毎年行われ、全国を巡回する展示会だが、今年は埼玉県などが順番となった。
埼玉県立歴史と民俗の博物館 美術館・博物館
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期待していた展示会であったが、実際に観てみると、思ったよりも見応えは無い。それでも、京都で発掘された公家文化を伝える出土品は、そこそこ興味深かった。
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その先で、地域展『埼玉の史跡』が同時開催されていた。城跡や古墳の調査結果などが展示されていたが、ある意味、こちらの方が面白かった。
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特別展の鑑賞券で、常設展も観られるので、立ち寄ることにする。埼玉県は、多くの遺跡があるので、出土品は多い。土偶は、かなり変わった形のものが展示されていた。
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最近は、土偶に光が当てられているので、埴輪は影が薄い。思えば、縄文時代の造形に比べ、後世である古墳時代の方が装飾美が感じられないのである。素焼きの簡素な置物の様なのである。
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源頼朝に仕えた武将畠山重忠が奉納した大鎧も展示されていたが、残念ながら模造品であった。それでも、その豪壮さはよく分かる。
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博物館を後にして、公園を戻る。湖畔では、静かに過ごす人の姿がちらほらと見えるだけである。雲が出て来たので、少し過ごしやすくなった。
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途中、児童スポーツランドと言うものがあった。小さな遊園地と動物園が一緒になった施設で、そこも昭和の香りが漂っていた。
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公園を抜け、氷川神社の参道を戻る。その途中に、お気に入りの手焼き煎餅の店『小林屋』がある。もちろん立ち寄り、今回は満月を購入した。
小林屋 グルメ・レストラン
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小林屋の先で参道を離れ、往きに開いていなかった氷川ブリュワリーに立ち寄る。13時前だったので、まだ混んでいるかと思ったが、席は半分ほどしか埋まっていなかった。
氷川の杜 グルメ・レストラン
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この日は、八種類が提供されていた。カウンター席に座り、まずは定番の『HANA』を呑む。いつ呑んでも美味しい麦酒である。続いて、『蝉声IPA』を注文。『蝉声』は、『せんせい』と読むそうである。ホップと麦の香りが賑やかで、まさに蝉の声と言った感じである。味わいは思いの外まろやかであった。
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料理は、これまた定番のスモークチキンをいただく。食べてみると、いつもながらに美味しかった。今回はこれだけにしたが、次回はソーセージも味わってみたい。
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それにしても、この店は居心地が良い。この後、店主が現れ、この日の麦酒についていろいろと話を伺うことが出来た。そして、三杯目には、『首夏PaleAle』を頼んだ。『首夏』とは、初夏のことである。味わいは、軽めだがホップが利いていた。
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最後に、気になる『僥倖IPA』と『郷愁IPA』を半分ずついただいた。『僥倖』は、ホップの香りと苦味が程よい味わいで、『郷愁』は、喉を越した後に、じわりと苦味が湧いてくる感じであった。小規模な手作りのブリュワリーらしく、訪れる度に新しい味わいの麦酒が楽しめて面白い。名前も日本語を使っているので風情もある。ここは、やはりお気に入りである。
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駅へと戻る途中、道沿いで呉服屋を見つけた。こう暑いと、浴衣でも着たくなる。と言うか、夏向けの着物とか欲しくなる。
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そして、大宮駅に着いた。東北、秋田、山形、上越、北陸の5つの新幹線が通る県下最大の駅であるが、その東口には、半世紀以上も前に建てられた駅舎が現役で使われている。旧中山道や氷川神社などがある東口は大宮の中心であり、駅舎は街の顔でもある。その見慣れた駅舎も、『大宮駅グランドセントラルステーション化構想』と言う再開発により、ついに姿を消すこととなる。
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交通の要衝であるにも関わらず、駅前には高層ビルなども無く、首都圏の主要駅とは思えないほど長閑な駅前である。空も広く、気持ちが良い。とは言え、再開発により、その長閑な風景も失われる。東武野田線が南側へ移設され、北側には高層ビルが数棟建つ予定であり、その風景は一変してしまうことだろう。多くの飲食店などが軒を連ねる路地が数多くある特徴的な街並みが、少しでも残ることを願わずにはいられない。
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この旅行記へのコメント (6)
-
- hot chocolateさん 2022/07/26 18:36:37
- 大宮への旅
- 旅猫さま
こんばんは。
今朝、此方はゲリラ豪雨に見舞われました。
ほんの30分ほどですが、激しい雨でした。
氷川神社は名前だけは知っていますが、未踏の地です。
氷川神社だけでなく、大宮や浦和も多分行った事はないかも・・・
東北、秋田、山形、上越、北陸の5つの新幹線が通る大宮駅も、随分と
昭和の香りのする、ローカルな駅ですね。
再開発は、時代の流れで仕方のないことかもしれませんが、
町が変わってしまうのは少々寂しいですね。
私はお酒が飲めないので、ビールの味もよく分からないのですが、
思わず「ごっくん」となったのが、表紙のスモークチキン!
本当は、皮はカリカリ、中はジューシーなチキンソテーならもっといい♪
コロナの感染者数がまた、急上昇して来ています。
暑さと併せて、ご自愛くださいね。
hot choco
- 旅猫さん からの返信 2022/07/26 22:14:38
- RE: 大宮への旅
- hot chocoさん、こんばんは。
書き込みありがとうございます。
都内も、昼頃は大雨でした。
氷川神社は、武蔵国、今の荒川流域の埼玉や東京の一部にある氷川信仰の中心です。
埼玉には、氷川神社がたくさんあります。
大宮や浦和などは、観光地とは言えませんから、あまり訪れないでしょう。
見沼田んぼの辺りは、長閑で良い所ですが。
首都圏でも有数の駅である大宮駅ですが、東口は半世紀も変わっていません。
昭和の風情が色濃く残っています。
政治的な思惑と、住民とが対立し、長い間再開発されていませんでしたが、世代が変わり、政財界の力に屈してしまい、ついに再開発されることになりました。
ある意味、訪れるなら今の内です。
今回立ち寄った麦酒工房は、お気に入りです。
中でも、表紙のスモークチキンは看板商品で、とても美味しいです。
チキンソテーもいいですよねぇ
皮がパリパリしていると、堪りません。
コロナがまた拡大し、先週末に予定していた北海道への旅を中止しました。
職場でも感染者や農耕接触者が増え、休みが取りずらくなったせいもありますが。
また、しばらくお預けですね。
旅猫
-
- ポテのお散歩さん 2022/07/18 00:19:47
- 氷川神社
- 旅猫さん こんばんは。
氷川神社の参道、凄く長くて歩くと気持ちよさそうですね。
こんな長い参道って、立派な神社に違いないとGoogleマップで見たら
武蔵一宮なんですね!
歴史も相当古くて、境内もとても広い。
大宮公園は氷川神社の境内の一部だったようで、
動物園や野球場などもあるのですね。
大宮は氷川神社のお膝元で発展してきた街なんですね。
交通の要衝でありながら、などかな風情が残るのは
そういった背景があるからでしょうか。
再開発をしても、その風情を生かす街並みにして欲しいですね。
ポテ
- 旅猫さん からの返信 2022/07/18 11:49:19
- RE: 氷川神社
- ポテさん、こんにちは。
いつもありがとうございます。
氷川神社の参道は、いつも最後の部分だけ歩いています。
実際には、隣のさいたま新都心駅近くから続いていて、それはそれは長いです。
まだ一度も歩いたことはありません。
武蔵一宮ですが、かなり古い時代からあるらしいです。
この界隈は氷川信仰があり、多くの氷川神社があります。
その中心的な存在なのです。
大宮公園もかなり広いです。
長閑な風景なのは、氷川神社側だけですが。
中山道の宿場町の風情は無くなってしまいましたが、昭和の風情は残っています。
それも、再開発で失われてしまいますが、飲食店が路地裏にひしめく大宮らしさは残して欲しいものです。
旅猫
-
- Decoさん 2022/07/15 18:37:58
- 縄文と弥生
- 旅猫さん、こんばんは。
前回の旅行記から続けて拝見していますが、縄文文化の土器の表現の豊かさが印象に残りました。丸みを帯びた造形、どこかユーモラスな雰囲気、全体から心の豊かさやゆとり、遊び心を感じます。それに対して弥生の土器は、素朴かも知れないけど、どこか武張った印象があります。
確か、ジブリの宮崎駿監督も縄文が好きだったように記憶しています。縄文時代、戦の痕跡がなかったようで、平和で穏やかな時代だったのでしょうね。稲作もそれ自体は平和なイメージですが、土地をめぐり水をめぐりの、争いの始まりだったのかも知れません。
大宮公園の茶店、令和の時代にあんな雰囲気が残っていたとは! 貴重な一画ですが、改修されてしまうのですね…。
大宮駅も、昔ながらのどっしりした風格が感じられますが、今時の鋭角的なデザインになるのかな…。町は時代と共に変わっていくものですが、昔から見慣れた風景が失われるのは寂しいですね。五年後、十年後、旅猫さんのこの旅行記の写真、貴重な記録になっているかも知れませんね。
Deco
- 旅猫さん からの返信 2022/07/17 11:17:52
- RE: 縄文と弥生
- Decoさん、こんにちは。
書き込みありがとうございます。
縄文時代と弥生時代の表現の差は大きいですね。
弥生期は、飾りを極端に無くした簡素な造りです。
それに比べて、縄文はかなり凝っていますね。
日本で長く醸成された文化と、大陸から入って来た文化の違いと言う感じです。
稲作の普及で、それまで以上に水が貴重になり、さらに低地が利用されるようになったことで、争いが一気に増えたような気がしますね。
大宮公園の茶店は、どれも時が止まったかのような佇まいです。
しかし、大規模な改修が始めるらしく、これまでとは違う、都市公園風に改修されてしまうそうです。
大宮駅東口も、再開発され、風情の無いどこにでもある街に変わってしまいます。
残念ですが、これも時代の変遷ですからね。
そうなると、写真や絵画と言うものは、その時代時代を写し取るので、とても貴重だと感じています。
旅猫
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