2021/11/15 - 2021/11/16
468位(同エリア1340件中)
まりも母さん
開村時間から見て歩き続けている明治村。
1丁目にもガイドツアーに参加したい建物があります。
自分なりの建物鑑賞ポイントを中心に
見て見て見まくった
最後の1丁目地区です。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- 同行者
- カップル・夫婦
- 一人あたり費用
- 3万円 - 5万円
- 交通手段
- 自家用車 徒歩
PR
-
旅行記には5丁目から逆回りで掲載していますが、
実は1丁目は2丁目より先に見学しています。
と、言うのは 1丁目にガイドツアーに参加したい建物があったので
そちらを優先した為です。
実際の順番とは違うので、 画像の日当たりが2丁目より明るい 等もあります。
1丁目 一番最初に見たのは
森鴎外・夏目漱石住宅 国指定登録有形文化財
明治20年頃(1887)東京都文京区千駄木
見た目は明治期のごく普通の木造の建物。
医学博士 中島襄吉の為に 父が建てたものの 新築空き家だった家に
森鴎外が借家し1年あまり住み
後に夏目漱石も3年ほど借りて住んだ家です。 -
漱石は この家に住んでいる間に「吾輩は猫である」を発表。
それにちなみ 猫の人形が飾られていました。
このニャンコ なんともかわいらしいです。
まりも母が 想像した 「吾輩は猫」は こんなかわいい猫ではなかったなぁ。 -
庭側から見る屋内
座敷が六間並んだ 伝統的な田の字形式の間取りです。
ひとつ 新しい点は、南面 玄関脇に書斎が突き出ていて
この部分が 後年 洋間の応接室に発展した過程が見て取れる、と言うことです。 -
お庭のもみじも色づき 良い雰囲気。
明治期の千駄木もきっとこんな静かな佇まいだったのでしょうねぇ。
そんな家に文豪がお二人も住まわれたなんて
それだけで、文化財ポイント、と言うものですね。 -
次にぜひガイドツアーに参加したいと思っていた
西郷從道邸 国指定重要文化財
明治13年(1880)フランス人技師レスカス設計(と考えられる)
木造銅板葺き 東京都目黒区上目黒
コロナ禍でもあり、通常と違いガイドツアーも縮小気味の開催なのです。 -
玄関はこちら。
西郷隆盛の弟 從道が目黒の自邸敷地内に建てた接客用の洋館。
今も目黒区青葉台にある西郷山公園あたりにありました。
20分おきに開催されるガイドツアーの開始を待ちます。 -
ロングドレス姿のガイドさんが来てツアー開始です。
まず、1階のお部屋から。
各お部屋には 当時の様子が感じられるような家具も置かれています。
テラスに面した明るいお部屋にはダイニングテーブルがセットされていました。
二間ぶち抜きのような広いお部屋なので、
当時もここがダイニングルームっぽいです。
間取り図には何の部屋だったのかが書いていないので
はっきりしませんが、
この建物に厨房は無かったかも。
ちなみにここに置かれているダイニングチェアは
赤坂の迎賓館で使われていた物が展示されているそうです。 -
天井がちょっと珍しい。
格天井のようなデザインになっています。
この天井の素材 漆喰ではなく、鉄鈑のパネルなんだそう。
あれですね。ティンパネルってやつ。
実はまりも母 最近これに注目しててアンティークのやつが欲しいんですよ~。
鉄板にプレスで凹凸をつけて、装飾に使うもので、
特にアメリカで沢山使われたそうですが、
こちらの天井材も輸入品である、と言うことです。 -
そして、このらせん状の階段がとても美しいのです。
手すりの材のなめらかさ、ガイドさんおすすめの触れて感じる明治って事で、
ぜひこの手すりを触りながら上がって下さい、との事でした。 -
階段を上がって2階のホール。
窓が多く明るいのです。 -
総二階の建物なので 2階にもいくつもの部屋があります。
案内されたのはベランダに面したお部屋。
建物内 様々なデザインのマントルピースがありました。
中でもこのマントルピースが一番すごかった!
日本三景を描いた陶器製の物です。
瀬戸焼だそう。 -
超豪華なカーテンボックスもありました。
ごっつい彫刻付き。
他に もう少し簡易的なデザインのもありました。
カーテン自体もドレープ盛り盛りですが~。
これら装飾アイテム類も 舶来品ばかりだそう。
横浜で見たのと同じ、ろうそく立て付きのアップライトピアノも置かれていました。
自邸内の建物であっても明治政府の要人だった西郷従道。
外交官の来客も多く ここは、国の迎賓館とも言えるレベルの
おもてなしの場所だったでしょう。 -
ベランダにも出られます。
半円形に張り出したかわいいテラス。
手すりの透かし模様が床に映っていました。 -
見えにくいですが
ベランダの天井もティンシーリングパネル
こちらは円形と花のようなモチーフの柔らかいデザインのものでした。
アメリカ製のパネルは62cm角(2フィート)っていうのが多いような気がしますけど
これも同じ位かなぁ?? -
ガイドツアーは15分ほどなので
そんなにのんびり見ていられないのが残念。
ガイドさんに促され1階に下ります。
(ツアーに参加しないと2階は見られません)
1階の奥の方
ベッドが置かれたお部屋。
実際にお客様用の宿泊室とかだったのか?は不明ですが。
ガイドさんがここでクイズ、と言われたのは
サイドテーブルの下に入ってる蓋つきの入れ物は何か?って。
まりも母は知ってま~す。
チェンバーポットですね。
おまるです。
この建物にはトイレはなかったのでしょうね。
明治の初期 もちろん腰掛トイレなんて舶来品位しか無いでしょうし
そもそも下水設備がありませんから
トイレはおまる使用 って事だったのでしょうね。 -
お部屋の天井にある照明部分。
メダリオン的な天井飾りもついていました。 -
豪華なカーテンの窓の向こうに赤いもみじ。
カーテンと借景のカラーコーデが完璧! -
何基もある建物内の暖炉。
マントルピースのデザインは様々。
1階には漆塗りのものがいくつか。
他に大理石らしいものもありました。
西郷従道邸 見ごたえありました。
やはり もっとじっくりゆっくり見たかったけどね。 -
移動します。
色づいたもみじと赤い建物が 秋らしい景色を見せてくれています。
もみじのグラデーションもきれい。
学習院長 官舎 国指定登録有形文化財
明治42年(1909)文部省技師久留正道設計
東京都豊島区目白
江戸末期に京都で始まり 皇室、華族の子弟教育の学校として創立された学習院。
宮内省所管の官立学校でした。
目白に移転してから建てられたのがこの官舎。
洋館と和館が接続した造りで
洋館部分は公的用務、和館は生活部分となっているそう。
こちらもガイドツアーがあったのですが、コロナ対応で休止中。
内部は見られませんでした。 -
建物に対して斜めにつけられた玄関ポーチ
ちょっと違和感があるもの ポーチのひさしが素敵です。
アイアン製の唐草模様がつけられ 中央には校章の桜も入っていました。 -
次も見たかった建物
聖ヨハネ教会堂 国指定重要文化財
明治40年(1907)J.M.ガーディナー設計
京都市下京区 煉瓦及び木造 銅板葺
正式名は旧日本聖公会京都聖約翰教会堂(ヨハネが漢字表記です)
ゴシック様式の美しい教会。
京都には結構洋館もありますが、この建物は目立った事でしょうねぇ。 -
中をじっくり見たいと思います。
赤い扉。鉄製の飾り金具がついています。
この扉 同じくガーディナーの設計した
日光真光教会礼拝堂で見たぞ~。と思ってチェックしてみたら
丁番に繋がっている上下の物は全く同じデザインでした!
日光の教会は大正3年に建てられた物ですが。
ちなみにガーディナー夫妻はその日光真光教会礼拝堂に埋葬されています。 -
天井から下がるランプ。
上に笠が乗った 筒状のガラスシェード。
アイアンの部分も これ又 旧三笠ホテルで見たパイプペンダントにそっくり。
年代的には三笠ホテル明治38年。ほぼ同時期です。
いままで見てきたあれこれと比べて見るのも楽しいものですな。 -
この教会建物 普通とちょっと違っているのは
2階が教会堂、1階は日曜学校や幼稚園に使われていた、と言う事。
入り口を入って左側にこの広いお部屋が。
しかし!この壁際の斜めは一体なんなんだー!!
奥の壁 端から端まで同じ傾斜で絨毯っぽい物が敷きつめられているのです!
よーく見ると壁に「立って滑るのはキケンです」と書いた紙がある・・・。
これ・・・どうやら滑り台らしい・・・。
いやぁ~幼稚園だの日曜学校だので 子供が来て遊ぶってのは判りますが
だからって壁面全部が滑り台ってどうよ~。
もう~つっこみどころありすぎっ!って言うか~。
他にやりようがあるでしょう~。
意味わからん・・・。
まぁ明治時代からこれがあったとは思えませんけど・・・。 -
気を取り直して 階段を上がることにします。
階段室のあたりは 教会っぽくてよかった(何に安心?さっきの滑り台の衝撃が。)
小ぶりな階段ですが、柱頭飾りもある ゴシックな重厚さがあります。 -
階段室の窓。
尖塔の下 外から見て三角屋根の所の窓です。
ステンドグラスは入って無いものの枠のデザインが素敵です。 -
階段踊り場から上を見ると 尖塔内部が見えます。
梯子の先、ハッチが見えます。
ここを開けると 尖塔の最上部に出られるのですね。
塔屋の中 鐘はありませんでしたね。 -
2階 教会堂は 十字型の素晴らしい空間でした!
小屋裏が全て見られます。
アーチ状になった材と部分的に鉄筋も使われた
こんな小屋組みは初めて見たと思います。
天井に張られているのは 竹のすだれだそうです。
これは、京都の気候に合わせて採用されたと言う事。
すだれの色が 室内を明るく見せる効果もありますね。 -
古そうなりっぱなオルガンが置かれています。
日本に現存する最大級のリードオルガン。
明治村に建物が移築された際 一緒に寄贈されたものの すでに音が出なかったそう。
2018年 クラウドファンディングにより修理が出来
音が鳴るようになりました。
イベントなどの機会に演奏されるそうです。
他にも古いオルガンが5台 展示されていました。 -
内陣
聖公会はプロテスタントなので、聖人像などはありません。 -
十字型の左右の出っ張り部分のトレーサリーにはステンドグラス。
教会がまだ京都にあった昭和9年(1934)室戸台風によって
ステンドグラスは破損してしまいました。
現在のステンドグラスは平成10~11年に復原されたものです。 -
内部を見終え 再び外から眺めます。
1階の煉瓦造部分 バッドレスがいくつもあります。
明治27年の明治東京大震災も経験した ガーディナーは
地震に強い建物を意識して この教会を設計した と言う事です。
バッドレスも補強の為に沢山つけたのでしょう。
2階部分は木造なのも上を軽くするためです。 -
赤坂離宮正門哨舎 国指定登録有形文化財
明治41年(1908)
赤坂離宮迎賓館の正門あたりにあるかわいい建物ですね。
現在も ほほ同様のものがありましたね。
昔の物の方が装飾が少し複雑です。 -
三重県尋常師範学校・蔵持小学校 国指定登録有形文化財
明治21年(1888)県土木掛 清水義八設計
木造 桟瓦葺き
元は左右対称のE型の建物だったものの一部が移築されています。
入り口上部のアーケードがかわいらしいですね。
トスカナ式のオーダーもあり
和洋折衷の明治期建物らしいと思います。 -
教室内部はシンプルです。
学び舎ですから、余計な装飾は要らないって事かも。
展示物や古い木製の椅子と机などが置かれていました。 -
2階もありますが 立入禁止でした。
案外 こんな風に非公開のお部屋や場所も多いのでした。
もっと隅から隅まで見られたら・・・と言う気もしつつ
そうだったら2日かけても見きれないな。とも。 -
大井牛肉店 国指定登録有形文化財
明治20年(1887)神戸市生田区 木造 漆喰塗
外国商館の近くに建てられた 牛肉販売と牛鍋の店。
半円アーチ窓 コリント式オーダーとベランダ。
正に明治の洋館のスタイルです。 -
中に入ってみます。
天井の照明器具。 シャンデリアが当初の物かも不明です。
メダリオンはシンプルな円形の蛇腹のみ。
ここ現在は牛鍋の食べられるレストランとして営業しているので、
見られるのは1階部分だけです。
5~6000円の牛鍋 ゆっくり食べる時間は全くありましぇん~。 -
この急な階段を上がった2階が
レストラン。
昔も 1階は店舗、2階は客室で 上客の会食に使われたお部屋だったそう。 -
明治村の正門にたどり着きました。
普通は、ここから始まるべき明治村歩きなんでしょうね。
内側からの眺めです。
第八高等学校正門 国指定登録有形文化財
明治42年(1909)名古屋市瑞穂区
赤い煉瓦に花崗岩の白い帯の入る 辰野式~。 -
大きな建物がありました。
三重県庁舎 国指定重要文化財
明治12年(1879)清水義八設計
先に見た 三重県尋常師範学校と同じ 県の職員だった大工の清水義八の設計。
こちらはE型の建物がそのまま移築されています。 -
上の画像の右側
左右対称で正面側には二層のベランダが廻らされているのは
明治9年に建てられた内務省庁舎にならったものと言う事。
宮城県登米市で見た教育資料館(旧登米高等尋常小学校)も
完成度は もっと質素でしたが、
建物の形状はそっくりでしたね。
2丁目の東山梨郡役所も正面側にベランダを巡らせ 左右対称の翼屋付き
官庁建築から その影響は学校建築にも及んでいたって事なのでしょうね。 -
車寄せ部分の天井。
コロニアル様式の住宅でよく見る格子状の板が天井部分に。
ベランダの天井も同様でした。
庇の柱は円柱が3本も! -
階段部分。
こちらは2階へも上がれました。 -
明治時代に造られた国内外の時計の展示がありました。
定期的にネジも巻かれているそうで動いているものも。 -
家具の置かれている部屋もありました。
この建物にも先に見た 杢目塗りがあちこちのドアに施されていました。
天井が豪華です。
格子デザインが組まれ ここのメダリオンには
銅版のレリーフっぽいものがはめられていました。 -
知事室は最も豪華な造りのようです。
天井は格天井の洋風バージョンと言った所でしょう。
カーテンや什器も当時の雰囲気が伝わるように再現されています。 -
暖炉も良いですねぇ。
柑橘系の植物が描かれたタイルが使われています。
紀州のみかんは 江戸時代から栽培されていたそうですから
やっぱり三重県を象徴するモチーフのひとつなのかも。 -
広いお部屋もありました。
豪華な感じです。
ここは天井に唐紙か?壁紙のようなものが張られていました。
床は寄木っぽいものでした。
シャンデリアにブラケットもあり 舞踏会が出来そうなお部屋。
なんのお部屋だったのか?は不明です。
三重県庁舎 結構な見ごたえでした。
そうそう、この建物前でウエディングの撮影が行われていましたね。
「映える建物」な訳です。 -
1丁目もほぼ廻りつくしました。あと少し。
鉄道局新橋工場 国指定登録有形文化財
明治22年(1889)
国産鉄材で建てられた古い建物です。
鉄柱に「明治二十二年 東京鉄道局鋳造」の文字が入ったものが。 -
鉄製キングポストトラスと言う小屋組み。
4丁目にあった イギリスから輸入された資材で作られた
鉄道寮新橋工場に倣ったものですが
国産鉄材で造られたものです。
そして 見どころは建物だけでなく
内部に置かれた御料車。 -
窓越しにしか見られないし、中は暗いのでロクな写真も撮れませんでしたが
最初の皇后用御料車として製作された車輌が。
昭憲皇太后御料車(5号御料車)
家紋の入った椅子や天井画も。車体には菊の紋も。
明治天皇御料車も展示されていました。 -
時間は閉村の20分前。
5丁目北口手前で 今日は運行していなかったSL9号が見えたました。
SLって乗ったこと無い。ちょっと乗ってみたかったかも。
終了時間ギリまで歩いて歩いて
持っていた万歩計は15700歩を超えていました~。
2日かけてみるつもりが、明日また来ても見るところわずかになりそう・・・と
マキを入れての見学になってしまいました。
めったに来れない愛知県。
時間が出来れば他も見たい、と言う欲が出ちゃった。
少し見逃した部分はあったけど
ほぼ満足する位見まくった一日でした。
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
犬山(愛知) の旅行記
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
旅行記グループ 建物見物愛知県1
0
53