![自転車旅行関西編2<br /><br /> 8月5日、サイクリング4日目。<br /> 深夜2時。一宮駅に到着する。駅前のバス停広場に手ごろなベンチがあり、近くに寝てる人もいるのでここで寝ることにしてシュラフに潜る。屋根はないけど名古屋城公園と違って蚊がいなくて快適だ。移動は正解正解大正解。<br /><br /> 一眠りして明るくなり始めた5時に目覚める。さすがにこの時間に駅にやって来る勤め人はいないようだ。て言うより電車の始発って何時なんだろう。駅の自販機でジュースを買って飲み、寝袋をたたんで早々に出発する。近くで寝ていた人は知らない内にどこかへ行ってしまっていた。私が来たので警戒したのかも知れない。<br /><br /> 少し走った町中の公園に水のみ場があったので洗面歯磨きを済ませると、なんとなく爽やかな気分になる。公園の水飲み場でこんなことやってる私ってホームレスみたいかな。人間、トイレと水さえあればどこでも暮らして行けることを実感する。](https://cdn.4travel.jp/img/thumbnails/imk/travelogue_album/11/74/04/650x_11740453.jpg?updated_at=1648295503)
1975/08/02 - 1975/08/16
6258位(同エリア9935件中)
おくさん
自転車旅行関西編2
8月5日、サイクリング4日目。
深夜2時。一宮駅に到着する。駅前のバス停広場に手ごろなベンチがあり、近くに寝てる人もいるのでここで寝ることにしてシュラフに潜る。屋根はないけど名古屋城公園と違って蚊がいなくて快適だ。移動は正解正解大正解。
一眠りして明るくなり始めた5時に目覚める。さすがにこの時間に駅にやって来る勤め人はいないようだ。て言うより電車の始発って何時なんだろう。駅の自販機でジュースを買って飲み、寝袋をたたんで早々に出発する。近くで寝ていた人は知らない内にどこかへ行ってしまっていた。私が来たので警戒したのかも知れない。
少し走った町中の公園に水のみ場があったので洗面歯磨きを済ませると、なんとなく爽やかな気分になる。公園の水飲み場でこんなことやってる私ってホームレスみたいかな。人間、トイレと水さえあればどこでも暮らして行けることを実感する。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 同行者
- 一人旅
- 旅行の手配内容
- その他
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自転車も20円取られる有料橋を渡り大垣市へ入る。橋のたもとにお金を入れる金属製の箱があって、係は誰もいないので20円入れずに渡ることも出来るが、やっぱり20円位で後ろめたい気持ちになる方がずっと損だ。
道ばたに朝からやってる食堂があったので白牛乳と、サンプルのボリュームに惹かれて鍋焼きうどんを食べる。涼しい朝方と言えども、さすがに真夏に鍋焼きうどんは熱すぎる気がする。こんなん頼まなきゃ良かった。
有名な関ケ原古戦場の脇を通るが特に記念碑がある訳じゃなかったので止まることなく通過。何度も時代劇の舞台になった古戦場だが、こんな所で昔に大規模な殺し合いがあったんかなーと何となく想像する。
暑くて暑くてぬるま湯になったボトルの水を頻繁に飲んでいる。公共の水道等があるたびにボトルに水を補給するのだが、ここん所さっぱり見つからないまま走り続けている。何しろ凄い暑さなので水を飲まずに走り続けると病気になりそうなので、仕方無く民家から恵んで貰おうと考える。ちょうどお勝手と思われる窓にご婦人の姿が見えたので、窓越しに「これに水を貰えますか」とボトルを差し出して頼んだら、その他に冷たいスプライトをコップに一杯恵んでくれた。へー、こんなこともあるんだなぁ。 -
10時40分、琵琶湖のほとりの彦根にたどり着く。彦根城を見物する前にかき氷を食べるのを楽しみにしてたのでお年寄りがやっているぼろっちい店に入る。中学生が学校帰りに立ち寄るような店だ。
あれっ!?店員のお爺さんの言葉が関西弁になっているではないか。「ここは関西ですか?」と、思わず声が出てしまう。「そうだす。あんさんどこからでっか」ヤッタ、もう関西に来たんだ。でも群馬辺りで「ここは関東ですか?」なんて聞く人がいたら随分間抜けに見えるだろうから、ここで聞いてもそう見えるんだろうなー。何はともあれ関西到達祝いにイチゴとレモンのかき氷豪華2本だてにする。
彦根城内をざっと見て、また京都を目指す。せっかく琵琶湖のそばまで来たんだから今までの国道を離れて、しばらく琵琶湖沿いの道を走ることにする。これがいんだか悪いんだか、国道を行くよりかなりな遠回りの上、この日人生で一番暑い日を体験することになる。運の悪いことに、この日はTシャツの袖を切り落としたのを着ていたので、両肩が凄い日焼けになるというオマケが付く。日焼けと言うより立派なヤケド。 -
見せられる写真が極端に少ないので、代わりに走った地図を作る作戦にしました。これでも無いよりましかなな考えで。
琵琶湖の景色は堪能できるが暑さで茹だった琵琶湖の水が蒸発しているのか、他よりずっと暑く感じる。この田舎道では頼みの水が中々手に入らないし自販機は皆無に等しい。たまに水道があったかと思えば、どういう訳かこの辺では皆、カラン(ハンドルね)が取り外してあるので水の補給ができない。仕方無く清水だか川の水だか分からないのも数回頂いた。ま、この平地で清水も無いもんだが。それほど暑い一日なのです。帰ってきて知ったことだが、この夏の暑さは数十年ぶりの暑さだったと言うことです。どーりで。
湖沿いに大きな国民宿舎があった。こんな所に泊まれるといいなーと羨ましかったが、安く泊まれる国民宿舎は人気があるので飛び込みで訪ねて泊まれる訳がない。残念ながら横目で見て通過。
長命寺という大きい寺の境内でやっとお参り用の水場を見つけたので、顔を洗ったり、うがいをしたりと思いさま水を使っていると、地元のばあさんがやって来て何やら文句を言い出した。そのくせ自分はその水でバチ当たりに鎌なんか洗っている。「あたしゃいいんだブツブツブツ」と。何なんだこのババアは。どこにでもいる嫌みなばあさんだ。お嫁さんがいるなら大変だな。
飽きるほど田舎道を走り、やっと本来の国道に出てホッとする。珍しい琵琶湖沿いの道を走れたので良かったのか苦労しただけだったのか微妙なルート選択だった。でも、普通の国道を走っただけよりは珍しい経験をしたことだし、こっちで良かったのかも知れない。こうしてブログにも書けるし。
アスファルトの道路は暑さのためどこも溶けてグニャグニャに波打っている。表面が溶けてギラギラ光ったアスファルト道路は珍しくなかったが、溶けて大げさに盛り上がったアスファルト道路を始めて見た。それもあって下からはもの凄い熱気が上がってくる。ずーっとサウナに入ってるようなものだ。
3時、大篠原という所で遅い昼飯(毎回遅い)にする。冷めんとコーラ。疲れているのか、珍しくフルーツポンチも注文する。ウェイトレスさんがどこから来たのですかと聞いてきて、隅っこにいる他のウエイトレスさんに「群馬からだってよー」と報告している。長野辺りでは京都に行くと言うと感心してくれて、この辺では群馬から来たと言うと感心してくれるようだ。感心されるのは何でも悪い気はしないもんだ。感心したんなら何かサービスしてくれればいいのにと思うが、バイトであろうお嬢さんには出来ない相談だ。 -
6時近く、自分では名所と思っている大津大橋を途中まで渡って写真を撮ってから戻って大津市へ入る。ここから京都へは、あと一歩というところだ。大津で唯一見物する予定の芭生と木曽義仲の墓がある義仲寺へ行って見たが、生憎、門は閉まっていて入れなかった、残念。お寺って夜は閉めるんだな。
訳が分からない分岐に出たので、方向を知るために方位磁石を取り出したら磁石が狂っていることに気付く。自転車のダイナモ(ライトの発電器)の近くに仕舞っておいたので磁化されてしまったらしい。使い物にならないが、磁化が取れて又使えるようになるかも知れないと捨てないでおく。
ここまで来ると京都は目の前だが、観光都市の京都より、ここの方が宿を取り易いだろうと考え、ここ瀬田で宿を探すことにする。ビジネス旅館の「水光園」と言うのに決める。飛び込みなので食事は出せないそうだが素泊まり2400円の前払い。諏訪湖で泊まった安宿と比べるとチョット高い気がするな。京都が近いのでこんなもんなのか。廊下を歩くと他の宿泊客が夕飯を食べている声が聞こえてくるので寂しくなる。
風呂に入ってから近くの飲み屋でビールと茶漬けで夕食にする。栄養面では不満があるが、付近にはこんな店しかないし、この店では酒の肴ばかりで腹の足しになると言えばこんな物しかなかった。仕方無いのだ。
8月6日、サイクリング5日目。
瀬田の宿を6時に出発する。天下の国道1号に出さえすれば迷うことはない。道端に牛乳屋があったので、牛乳とヤクルトを2本ずつ飲む。こういうのを飲むと一日の栄養の内の何パーセントかは取れた気がして何となく安心する。それに牛乳の専門店で飲むと、5円安くておまけによく冷えてるから更にお得。 -
しばらく走ると次の町に入る。この辺はもう京都市内の筈だ。道路も赤い欄干の橋も何となく京都らしい雅やかな雰囲気が感じられる。
辺りをキョロキョロ見ながら走っていくと突然、目の前に中国建築を思わせるドハデな神社が現れる。オッやったぁ、これは①平安神宮じゃないか!ほんとに京都にきたんだと実感し感激する(あまり感激を表してない文章だけど凄く感激している)。京都って群馬からは凄く遠い意識があるけど、自転車で5日走るだけで着いちゃうんだなと実感する。 -
境内に入るのに特に金はいらないようだ。本堂は修復工事中だったが、記念すべき京都到達初の観光名所だ。いよいよこれからお待ちかね京都見物のスタートだ、ワクワクワク。
出発前に膨大な時間をかけて名所旧跡の下準備をしてきて、京都での見物場所も効率よく見られるように、回り順もこと細かく決めてきた。なんつっても自転車だから、そうしないと余分に何時間も走ることになってしまうから真剣だ。今日は京都に限りなく散らばっている神社仏閣の東方面を見て回る予定。
現在地が分かったので、立てたコースに従って見て回ることにする。ホントは京都に入ったら一番に南禅寺に行く筈で、平安神宮は二番だったのだが、まあ大体コース通りだ。 -
7時40分、②三十三間堂。まだ早朝の内だろうが開館していて中に入ることができる。さすが京都は超の付く観光地だ。8時前から入れる名所ってのもザラにはないだろう。お陰で時間を無駄にしないで済んだ。
中は、ガラガラなので、静かにゆっくりと見ることができる。ふつうの時間ならワイワイガヤガヤの中での拝観だろうが早朝の拝観はメリットがあった。静かな雰囲気の中で見られるのはこういう所では貴重なのかもしれない。千一体もあるという観音像は中々の迫力だ。こういう所は見物と思っても拝観と言う。また、寺を観光地と思っていても口に出して言ってはいけない。
外の庭にでると建物の全景が見渡せる。この長い建物の端から端まで弓矢を射通す行事が残っているそうだが本当だろうか?実際に行ってみて建物の大きさを見ると不可能のような気がする。建物の中でライナーで射ると言うより、外で山なりに射るのだろな。 -
8時45分、③清水寺へ行ってみる。もうこの時間になると一般の観光客達も(たしかに私は一般観光客ではないかも)精力的に動き回ってるようだ。寺も周辺の土産物屋も結構にぎやか。華やかな三年坂を大荷物を付けた自転車とともに歩く私はちょっと浮いてる気がする。
自転車は賑やかな入り口近くに停めるしかないが、一応チェーン錠は掛けておこう。清水の大舞台は板張りのだだっ広いだけの空間に見えたが、有名な所なのでここを歩けることに感激だ。 -
テレビや本で何度か見たことのある水が垂れている所があった。あー、これ見たことある奴だ。知っている名所が出てくると来た甲斐が感じられて嬉しい。自分でもひしゃくで水を受けて観光気分を満喫する。
一周したところ、清水寺はゲートも何もない出口からならタダで入れるのが分かった。観光地ではこういう方式の所がときたまある。次回は無いかも知れないけど次はこっから入るといいな。 -
写真が悪くてすみません。地図を見ながら④南禅寺へ行く。ここには石川ゴエモンが「あ、絶景かなーっ」とやったとかやらないとかの山門があるので、50円払って上ってみる。いつもはケチケチ旅行してるが、京都へ来たからには名所見るのに金は惜しまないのだ。山門の上にあがって、周りに人がいないのを確かめてから「あ、絶景かなー・・」と小さく言ってみる。
この近くにガイドブックおすすめの湯豆腐の老舗「奥丹」がある。来る前から幾ら高くても食べるのだと心に決めてきたので臆することなく立派な扉から入って行く。見事な白壁の回ってる料理屋さんで、いかにも高そう。その白壁に自転車を止めて入る客というのも中々いないのでは。 -
メニューは意外と少なく、「一通り」というのを頼む。二千円だ(当時の二千円は今よりずっと高いです当たり前ですが)。「お飲物は?」にはジュースを頼む。出てきたのはバヤリースオレンジだった。こっちの300円は妙に高い気がした。庭の大きな縁台で食べたので、蚊に刺されてしまったよ。料理は有名と言っても豆腐が主なので「ま、こんなものか」程度。トーフはトーフだ。
デジカメの現代なら絶対に料理の写真を撮るでしょうが、悲しいかなフィルムカメラの時代では枚数に限りがあるので滅多な所では撮りません。料理の写真なんて撮る考えさえ浮かびませんでした。あー勿体ない。写真はネットから頂きました。私の食べたのもこれと同じようでした。現在の料金は3300円になっていました。 -
近くに⑤金地院というのが有ったので入ってみたが、30分ほど中にいる間、私の他に誰も入ってこなかった。観光コースの寺ではないようだ。そうなると入場料(拝観料とも言う)200円は高い気がしてくる。後でテレビで見た時に「あっあそこ行った」と言えるところに行きたいのだ。高いお金を出す私の拝観基準はその一点だけ。
-
哲学の小道なるものをのんびり走って、⑥銀閣寺へ行ってみる。こっちはさすが観光客でいっぱいだ。銀閣寺はテレビに切りなく出てくるだろう。そのたんびに「あっあそこ行った」と言えるぞ。150円は安い。ぞろぞろと観光客に混じって見物をする。貧乏旅行者の身なので、観光客に混じると華やいだ気持ちになれて嬉しい。
お約束のリポビタンDとジュースを飲んで、大原の里へ向かう。途中、一乗寺下り松があるらしいのだが、どこだか分からないまま通り過ぎてしまう。もう一時を過ぎているが、十一時頃朝飯代わりの高い豆腐を食べたので、今日はお昼はいいや。
市街を離れ、⑦大原の里目指して幾らか山めいた中へ入っていくと不運なことに雨が降り出してきた。雨具は何も持ってないので、雨宿りするしかない。八瀬の小さなロープウェイ乗り場があったので飛び込む。
※今なら雨具を持たずに旅するのは考えられないことですが、この頃の私はいかに旅慣れていないかが分かります。
しばらく待っても雨は止みそうもないので公衆電話で天気予報を聞いてみるが、今日は晴れる望みはないそうだ。大原方面は諦めることにする。結構な降りの雨の中、京都市内へ向けて出発。
やっぱり京都で宿を探すのは大変みたい。安い適当な宿が中々見つからないし、それ以上に一人旅に部屋は貸したくないようだ。雨の中を宿を求めてびしょびしょになる。何だか惨め。
五時半、東本願寺近くの近江屋という安そうな宿に決まる。食事も出してくれるそうだ。ジャジャーン、今回初の食事付き宿。でも通された部屋は、普段は客用としては使ってなさそうな部屋だった。硝子障子一枚隔てた向こうはここの人の住まいだったようで生活の音が聞こえてくる。
小さな風呂に入って、たまった洗濯をいっぱいしておく。明日の天気が心配で、旅館から電話の天気予報を2回もかけてみるが、明日も一日雨らしい、ガッカリだ。
自転車旅行関西編3へ続く
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