吉原遊郭

2022/01/24 - 2022/01/24

浅草名所七福神めぐりではどうしても仲之町通りを通らねばなりません。
仲之町通りをまっすぐ歩けば吉原神社に辿り着けるのですが折角なので吉原遊郭についてどんなとこなのか歩いて検証してみました。
遊郭について徳川家康が江戸に幕府を開いて間もなくの元和4年（1618年）、現在の日本橋人形町に遊女屋を構えたのが始まりです。
しかし、明暦の大火を契機に遊廓は現在の場所に移転、以後、戦前から戦後と350年もの歴史を連ね、現在の吉原があるのです。
現在では鬼滅の刃・遊郭偏で有名になりましたが観光地ではないのでカメラ撮影に注意が必要です。

エリア 浅草(東京)

• 同行者: 一人旅
• 旅行の手配内容: 個別手配

土手通りには吉原遊郭へ向かう遊客が大勢歩いていたそうです。
当然、飲食店も多くあり桜鍋の「中江」（大正13年築）、その隣が天ぷらの「いせや」（昭和2年築）は現在でも営業が続いています。
馬肉も天ぷらも精がつく食べ物なので、登楼前にここで精をつけようという遊客が多かったと想像できます。

土手の伊勢屋 グルメ・レストラン

大門交差点のガソリンスタンド横には見返り柳

見返り柳 自然・景勝地

見返り柳
旧吉原遊郭の名所のひとつで、京都の島原遊郭の門口の柳を模したという。遊び帰りの客が、後ろ髪を引かれる思いを抱きつつ、この柳のあたりで遊郭を振り返ったということから、「見返り柳」の名があり、きぬぎぬのうしろ髪ひく柳かな　見返れば意見か柳顔をうちなど、多くの川柳の題材となっている。
かつては山谷掘脇の土手にあったが、道路や区画の整理に伴い現在地に移され、また、震災・戦災による焼失などによって、数代にわたり植え替えられている。

遊客が名残惜しそうにこの柳のある辺りで遊郭を振り返ったということから、この名が付いたといわれる。
その気持ちは察しできます！

見返り柳と東京スカイツリー

吉原大門交差点
大門は「おおもん」と呼びます。
増上寺の大門は「だいもん」と呼び区別するために呼び方を分けたそうです。

見返り柳付近にある吉原大門のバス停
上４６が南千住駅、草６４が池袋駅、とげぬき地蔵方面で、本数もそれなりにあります。

衣紋坂
このS字型のカーブは「衣紋坂」と呼ばれる通りで、遊郭が直接見えないように敢えて曲げています。
江戸幕府は似た手法で宿場の前後、城内を直角にするなどの知恵があったと様です。
「衣紋坂」は登楼前にとは身なりを整える場所でもあったようです。

大門跡
仲之町通りには両サイドに大門跡が設けられていますが江戸時代、明治時代、大正時代にはアーチ型の門が設けられていました。

４トラの地図の場所は誤りで、グーグルの地図には大門跡として登録されてあるのです。

吉原大門 名所・史跡

遊郭への入り口はこの大門だけだったそうです。
吉原遊郭はこの先にある吉原交番から吉原神社のすく手前までのほぼ正方形の土地は盛土で高く造成され、その周囲には「お歯黒どぶ」と呼ばれる堀が掘られていました。

仲之町通りには喫茶店が多いのに気付きます、
江戸時代にには「引手茶屋」として予算等を聞いて案内してもらってから角遊郭に向かうのが一般的だったそうです。
現在でもソープの案内所として営業が続いているのであっているのです。
そのため、ソープ同様に喫茶店の前にお兄さんが立っているので写真が撮れませんでした。

Ｓ字カーブが終わるこのマンションが本来の遊郭入り口でした。
一階部分は交番（吉原交番）があり大変珍しいと思います。

一階の吉原交番の場所は江戸時代には「四郎兵衛会所」と呼ばれていました。
「四郎兵衛会所」（あるいは「吉原会所」）という吉原サイドの番小屋で、総名主の三浦屋が雇人の四郎兵衛を常勤させて、遊女や未払いの客の脱走を監視したことからついた名称である。

この交番から吉原神社までのほぼ正方形の中に遊郭として存在していたのです。

交番の横を歩いていますがこの道路は遊郭の周囲にあった「お歯黒どぶ」で埋められてしまったので想像するしかありません。
左側のマンションの一階に交番があります。

見えてきたのは遊郭専門書店の「カストリ書房」
遊郭専門書店とは初めて聞く名で、４トラでは登録されてないので、グーグルでは情報が得られます。

吉原遊郭で唯一遺構として残されてある「お歯黒どぶ」です。
お歯黒どぶには９カ所あったそうで跳ね橋のひとつがにあったそうです。

造成を造成する際に一段高く盛土したため周囲より高くなっています。
以前は湿地帯で葦が一面に生えていたそうで、この葦が吉原の語源だそうです。

この写真はグーグルでも「お歯黒どぶの石垣儀定地」として登録されていますが案内板などはありませんが吉原遊郭の唯一の遺構です。
吉原遊郭は震災、戦災等で何度も火災によって被災されているのるので木造建築は何一つ残っていません。

大きな児童公園が見えて来ました。
名称は吉原公園で遊戯が見える通り児童公園です。
公園の横はどこにでもある民家、マンションがあり何ら変哲もないように見えますが・・・・

吉原公園の正面に見える建物は全てソープで給水塔とボイラーの煙突がソープの存在を示しています。
児童公園を示すブランコも写っています。

吉原公園には児童は見られませんでした。
この公園は「大文字楼」という吉原の中で一番大きな遊郭の跡地なのです。

吉原公園の名前を何故吉原と命名したのでしょうか？
千束公園にすればまだ許されるのですが、この光景を前にして吉原の名称は考え物です。（住所表示では吉原は存在しません、千束です）

実際存在する千束児童公園は大田区にあります。
この公園も問題があり、大田区には北千束と南千束があり、千束は江東区にあるのです。
北千束３－１６の住所表示なので北千束児童公園に改名すべきです。

吉原公園の正面にあるソープ街
一瞬を狙って撮った一枚です。
写真を見ると一見ゴーストタウンに見えますが常に店舗の前にはお兄さんが客待ちしているので一瞬だけ見えなくなったので撮りましたが実際には何人も歩いている方も見えましたし、各店舗では客待ちのお兄さんが顔を出しているのです。
観光地ではないので撮影には注意が必要です。
ついでに店舗名は手前からムーランルージュ、王室、嬢王蜂、薔薇の園と続きます。
それぞれクリックすると営業時間等の情報、クチコミも見られます。
グーグルは４トラよりも遥かに情報量があるので便利です。

角海老本店
関東では３０店舗を有する角海老本店ですが臨時休業となっています。
角海老は江戸時代に角海老楼の名で御三家の一つでしたが名を借りているだけで直接の関係はないようです。
ＨＰを拝見しても休業とはなっていません、ただし、来店前には電話での連絡をとなっていました。

角海老の横に見えるコンパニオン募集ののぼりが何本も見えます。

角海老の筋向いには旧赤線時代の建物（カフェー建築）が残っています。
特徴として入口のドアが二か所、タイル等の装飾が見られることだそうでタイルは剥げかかっていますが取り壊されるのも時間の問題だけのようです。
「赤線」と言う言葉はもう死語でしょう！

この建物も旧赤線時代の建物が残っていました。
赤線は1958年で廃止されてしまいました。

ポストがある半円形した窓から女郎が顔を出して呼び込みをしていたと思われます。

この建物も旧赤線時代の建物が残っていました。

全体滑らかなカーブした一見ハートマークにも見え、立体的となっています。
解体されるのも時間の問題だと思います。

花園通りには「お歯黒どぶ」の形跡が残っています。
一見中央分離帯があってそれぞれの車線がある普通の道路に見えますが幅が違うのです。

左側が埋められた「お歯黒どぶ」、右側が従来からの道路なのです。
丁度９ｍの幅があります。

仲之町通りですが怪しい店が並んでいます。
私も何度も店頭でやさしく声をかけてくるので思わずその気になりそうでしたが、本日の私は神聖なる浅草名所七福神めぐりの道中なので丁寧にお断りした次第です。

電柱には「新吉原診療所　働く女性のための性感染予防検査専門」の文字が
ＨＰには新吉原検診所は｢働く女性｣のための性感染症に特化した専門医療機関と記されています。

歴史がありそうな民家？

その横には感染症、婦人科のクリニックが
新型コロナの感染症もまだ終わりが見えない状況です？

現役料亭「金村」で屋号は江戸時代から変わらないようです。
桜鍋の中江の系列店です。

桜なべ中江別館 金村 グルメ・レストラン

旧町名由来案内
旧浅草新吉原京町一丁目
　元和三年（一六一七）幕府は日本橋葺屋町東側（現日本橋人形町二丁目付近）に江戸では唯一の遊廓開設を許可した。遊廓は翌年、営業を開始したが葭の茂るところを埋め立てて造ったことから、はじめのころは″葭原″と呼ばれた。そして寛永三年（一六二六）に縁起のいい文字にかえて吉原となった。明暦二年（一六五六）になると町奉行から、吉原を浅草日本堤へ移転するように命じられ、翌三年に移転した。それから、この付近は浅草新吉原と呼ばれるようになった。
　日本橋に開設されたころの吉原は江戸町一丁目、二丁目、京町一丁目、二丁目、角町の五力町であった。そのうちの京町一丁目は元和四年にできた町で、名の起こりは、そこで営業していた者の多くが京都出身者であったことに由来している。

ところで私は浅草名所七福神めぐりの最中なのであまり遊郭で時間を費やしてはいけません。
吉原神社は目の前です。