2021/10/24 - 2021/10/24
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kirinbxxさん
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オーストラリアはかって英国の自治領でした。第一次世界大戦が始まると、同じく自治領だったニュージーランドとともに、ANZACという略称で呼ばれることになったオーストラリア・ニュージーランド軍団 (Australian and New Zealand Army Corps)を結成し、40万人を動員して英国軍指揮下で戦いました。これがそのあとの自治領の発言権強化、ひいては完全な独立へとつながります。そういう歴史もあってこの国では多くの軍事関係の行事や、博物館、小さな展示などがあります。
アデレードの近郊、エジンバラという地区にある軍事車両の博物館を訪ねようと思い立ち、ついでにもう一つの航空機関係の小さな博物館も訪れることにしました。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- グルメ
- 4.5
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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まず訪れたのは、パラフィールド空港わきにある、Classic Jets Fighter Museumです。この名前からすると、初期のジェット戦闘機が展示されているのかと思いますが、看板の写真はジェット戦闘機じゃないですねぇ。
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博物館といっても、アデレード中心部から北に18㎞ほどにあるパラフィールド空港のハンガーの一つです。この空港は現在は小型機や遊覧飛行用の飛行機、そして南オーストラリア大学などパイロット養成機関が訓練に使用しています。
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入場は無料です。でもこういう場合は寄付をするのが基本。無料でこんなものが維持できるわけはないのですから。
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現在の目玉はこれ、第二次世界大戦期のアメリカ製艦上戦闘機F4Uコルセアです。
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戦争中に撃墜された機体を引き上げてきてリストアしています。その経緯はつぶさに記録されていますから、興味ある人はじっくりと読むこともできます。
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操縦席を間近で見ることができます。
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こんな残骸は、「南方」と日本軍が呼んでいた地域にはたくさんある(あった)ようです。
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軍用機だけではなく、自動車のリストアもやっているんですね。
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奥の方は立ち入り禁止ですが、ジェット戦闘機のリストアもやっていました。
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ここでリストア、展示されていたジェット戦闘機は現在は別の場所にあるようです。オーストラリアの他州の博物館にあるものは、近いうちに見に行きたいものです。が、いくつかはin private hand、つまり個人所有、中には飛べるように作業中というものまで。個人で戦闘機を持っているって・・・まぁ、我が家の近くには第二次大戦初期の対空砲をガレージに置いていたお宅もありますから・・
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近くにあるベトナム料理店でお昼ご飯にしました。お店の名前は、「Pho Linh in Salisbury North」。人気のある店で、客がたくさんはいっています。半分近くはベトナムの人たちのようでした。
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オーストラリアはベトナム難民を多く受け入れたこともあって、ベトナム料理屋はたくさんあるのですが、スープに関してはここが今のところ我が家の1番です。しっかり旨味が出ていて、甘ったるくなく、そしてスープが熱々。なぜ生で出すのか意味がわからないモヤシですが、スープが熱々なのでかなり入れてもぬるくならず、ある程度火も入ります。麺は、先日行った市中心部の店の方が美味しいですが、全体としてレベルは高い。機会があればまた来ましょう。
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本命の国立軍事車両博物館にやってきました。
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この日は、Edinburgh Defence Dayという催しが開かれました。これは、エディンバラ防衛地区設立80周年を記念するものです。大人の入場料は15ドル、車両に乗るには別に料金が必要です。
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入場して最初にいたのは、消防隊の車両でした。国防軍、消防、警察は互いの催しによく参加しています。目的はリクルート。この国でも、生粋のオーストラリア人の若者の多くはこれらの職に就きたがらないようです。これらは、国防軍はオーストラリア市民権が、他の二つは永住ビザを取得済みであることが条件ですから、外国人労働者に頼ることもできません。
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昔のドイツ軍の装備や備品の展示がありました。
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これは米軍の糧食(野戦食)や応急キットなど。
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この博物館は国立で、ADF(オーストラリア国防軍)のエジンバラ防衛地区内にありますが、運営は南オーストラリア軍用車両保存協会がボランティアベースで行っています。歴史的な車両の多くも協会メンバーその他の個人が所有しているものです。
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それらの古い車両もきちんと整備され、こうしてナンバーを取得しているものさえあります。たとえばこの車両は、現役ADFの士官の結婚式後のパレードにも使用されました。
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一方、現役車両は基本的にADF所有です。このMAN社製のトレーラーもそうです。
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このようにナンバーがADFのものです。MANという会社は、アデレードメトロのバスなども製造している大手メーカーです。
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入場してすぐ右手の広場で土煙をあげて走っている小さな戦車がいました。これが乗車体験ですね。
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操縦していたのは、いかにも!という感じのこの方。これは、アメリカ製の軽戦車M3ですね。このあと乗っていた家族連れが出てきました。
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Stuartは無料で貸与されて使っていた英国軍がつけた愛称です。南北戦争で活躍した南軍の将軍の名前に由来しているのですが、なぜかこんな絵が。
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次に走りだしたのは、こちら。調べてみると、FV601 サラセン(FV603 Saracen)という6輪式装甲兵員輸送車(装輪装甲車)のようです。
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1954年から1969年まで第一線部隊で運用され、北アイルランドでは1991年まで使用されたのだとか。オーストラリア軍が使った、というわけではなさそうです。
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展示車両のうち、新しいものはこのように説明パネルが用意されていました。
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M113 AS4 APCという兵員輸送車両です。ベトナム戦争から今日まで、オーストラリア陸軍で活躍してきました。ちょうど先月、後継の兵員輸送車両を選定する最終試験がはじまっています。
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これは、アメリカ合衆国で開発されてベストセラーとなったM113に銃塔を搭載し、車体全周に増加装甲を装備するなどした改良型で、兵員11名を載せることができます。
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オーストラリア国防軍や、その前身であるANZACが使っていた装備などを展示している建物がありました。COVID-19のせいで、館内はマスク着用が必須となっていました。
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館内展示の車両には、きちんと説明パネルがつけられていました。たとえばこの写真の左側の車両は、ダイムラー社が製造したフェレットMK2/3です。実はこの車両は日本で「THE NEXT GENERATION パトレイバー」という映画に使われたらしく、しかもその車両が後でヤフオクで売られて話題になったのだそうです。つまり、日本の公道も走れる。もちろん、ここでもちゃんとナンバーを持ってます。
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ずらりと古い軍用車両が並び、中にはナンバープレートつきのものがある、そんな博物館は日本にはないので、軍事関係のマニアにはとてもよい博物館です。
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左のは1939年式のシボレー、RAAF(オーストラリア空軍)のスタッフカーとして使われました。今もナンバーがついていて、いろんな撮影会やパレードに参加しています。カレンダーに使われたこともある人気の車両です。
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これはワイルズ社が製造した可動式のスチームクッカー、蒸気を利用した前線での調理用車両です。これは2輪式で、ジープで牽引できるだけではなく、パラシュートをつけて輸送機から投下もできるタイプ。4輪でトラックで牽引するタイプのものもあります。
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他にも、戦闘車両、後方支援車両とりまぜたくさんの車両が展示されています。
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軍事関係では、とかく戦闘部隊が注目されがちですが、実際の戦争には通信が非常に重要です。英国は早くから、その重要性に気づいていて特別の部隊を編成しました。というわけで、Royal corps of signals(英国陸軍の通信部隊)や、Royal Australian Signals(オーストラリア陸軍の通信部隊)など、通信部隊関連の展示が充実しています。
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これは1946年に製造された、オーストラリアの無線セットです。
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ずらりと並んだ通信機の数々、圧巻のコレクションです。
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戦争関係の博物館には必ずある、種々の制服の展示もありました。
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これは野戦病院のようすですね。
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各種の砲弾などの展示です。
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こちらは小火器類のいろいろ。
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階級章と特別徽章の展示もありました。
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こんなものも・・・米国製のジェット戦闘機、マクダネル・ダグラスF-4J、「ファントム」と言えば私の世代なら漫画で知っている人が多いはず。前半分だけで、操縦席に座ることができます。
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いよいよ大砲の発射イベントの時間が近づいたので会場に戻ると、この白い装甲車が乗車体験中。これは南オーストラリア州警察の特殊任務部隊であるSTAR(Special Tasks and Rescue) FORCEのために作られたTenix-S600です。ベースはメルセデス・ベンツのウニモグ、言わずと知れた多目的自動車の王様です。
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これはもともとアイルランドの企業が開発したShorland S-600の設計図を、最終的にはオーストラリアのTenix Defenceという企業が購入して改良したのち、オーストラリア国内で製造しました。ウニモグがベースなんですから、こんなの乗り越えるのは当然ですね。2011年まで現役だったようです。世界でこれ一台だけの完全オリジナルの装甲車です。現役時代はもちろん真っ白ではなく、白と青のSA州警察カラーでした。
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さて、やってきたのはこちら。25ポンド野砲です。1942年にビクトリア州リッチモンドにあるRuwalt Industriesによって製造されたものです。
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1941年製のトラクターで運んで来て切り離し・・・
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ドン!
なかなか迫力のある音でしたが、コンパクトデジカメの動画モードでは、ポン!くらいの音にしか聞こえませんでした。これはやはり臨場してこそですね。
今回は初めての訪問で、次の予定もあるのでここまで。 来年は新しい車両も来るそうですから、また訪れたいものです。
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