2021/12/19 - 2021/12/19
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kirinbxxさん
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アデレード近郊の港町ポートアデレードは、市内の博物館を複数訪れる際には2カ所目からは25%オフになる、というサービスを実施しています。航空博物館、海洋博物館、鉄道博物館は普通の博物館ですが、4つめは少し趣がことなります。それはCity of Adelaideと名付けられた古い船で、現在修復が進められているものです。
- 旅行の満足度
- 3.5
- 観光
- 3.5
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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City of Adelaide号を見に行くついでに、見たい物があってセント・ビンセント湾を望むところまで来ました。
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現在工事が行われているここは、1960年代に南オーストラリア州のポリスアカデミーが置かれた場所ですが、その前は外敵に備える防衛基地でした。その外敵とはなんとはるか北のロシア帝国、1877-78年の露土戦争の影響なのだとか。この戦争は英国からすれば「ロシア帝国によるインドへの潜在的な拡大計画の一環」に見えたのだそうです。やがて1961年にこの場所に南オーストラリア州のポリスアカデミーが開校しました。それも2012年には移転、長く放置されていましたが2020年に住宅地としての再開発が決定し、工事が始まっています。
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なので中には入れませんが、お目当ての物がちらりと見えました。実戦で使われることなく任務を終えた大砲です。このあと、どうなるのかなぁ?
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さて、本日の目的地はこちら。実は2021年12月31日からすべてのツアーは一時的に停止されたままです。あぶない、あぶない。
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横断幕に大書してあるとおり、古い船を復元しようというプロジェクトです。
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ガイドツアーが毎日午前10時から午後3時まで行われていて、大人の入場料が20ドル、カップルで30ドルでした。ここで、せっかく25%割引があるというのに、肝心のこれまでに行った他の博物館を示すスタンプカードを忘れる失態に気づく・・・・
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こちらが入場券です。
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裏を見ると、次回誰か連れて来ればば無料になるようです。
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この日は他に誰もおらず貸し切り状態ですが、ツアー開始時刻までこちらで待機です。
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船の歴史についての写真つきの掲示がありました。この船は、往路は移民、復路は英国が必要とした資源を運ぶ船として始まり、その持ち主と用途を変えながら1991年まで働き続けた船です。
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2010年に作られたCity of Adelaideの模型です。この船は錬鉄製のフレームに木材を貼ったクリッパーと呼ばれるタイプの帆船です。最も有名なのはカティサークでしょうが、それとともに現存する最古の複合型クリッパー船とされています。
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在りし日のお姿です。
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ガイドさんが現れましたが、ツアーの前にまず室内展示とビデオを見るようにいわれました。室内展示はこういう歴史的な船の模型です。大航海時代ファンとしては、胸が高まる展示です。例えばこれはガレオン、スペインとポルトガルで武装商船として使われ、その最大進化形といえるのが有名な無敵艦隊に使われた1000トンクラスのものです。
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これはキャラベル、1400年代によく使われた100トン未満の小型船です。ポルトガルでよく使われていました。
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帆船かと思いきや、真ん中に煙突、サイドホイール、というこの船はSSシリウス、1835年に建造された船です。アイルランドのコークから、ニューヨークまで平均8ノット以上の速度で航海した記録を持ちます。もっともその記録はわずか1日で別の船に破られてしまいました。
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これはバークという形式の船です。
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ノルウェーの国旗とともにあるこれはもちろん10世紀のバイキング船。
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古くはバイキング船から、1901年に建造された蒸気タービンエンジン装備の客船まで、いろんな模型が展示されています。
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City of Adelaideの修復プロジェクトに関するプロモーションビデオを見た後、いよいよ船内へ。
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船上にはためくのは、ユニオンジャックとスコットランドの国旗です。City of Adelaideはその後半生をスコットランドで練習船とし、その任を解かれたあとはスコットランドの名門貴族であり海軍提督であったモントローズ公爵ジェイムズ・グラハムによって保存団体に贈られ、本来はそこで博物館船となるはずでした。
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まずは船尾の部分から見学が始まりました。
City of Adelaideという名は1838年建造の移民船にも使われましたが、この船は1864年に乗客と物資運搬のために建造されました。ロンドン、プリマスの両港からアデレードへ移民と彼らの荷物を運び、代わりにわずかの乗客と当時の主要産出品だった羊毛と銅鉱石をアデレード、ポートオーガスタからロンドンに運んでいました。 -
内部はこんな感じになっていました。プラスチック椅子が沢山あるのは、団体向けの教育ツアーの他、コーラスグループなどのイベントに使われたり、保存団体の会合も開かれるからです。
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建造中、修復中の船の中に入ったのははじめてです。だから、こんな部分もとても興味深い。
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長寿の船は、その用途が変更されることが珍しくありません。City of Adelaideも、移民の移動が一段落すると石炭と木材の運搬がメインになり、次に1893年から浮体式隔離病院になり、航海をやめました。当時、英国では猩紅熱が流行しており(19世紀末に出生した英国出身の著名人の伝記などを読むと、多くの人が自分が罹患していたり、家族が死んでいたりします)その対策として多くの船が病院船とされていました。
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1923年、英国海軍省がこの船を買収、RNR(英国海軍の志願兵補充部隊)で訓練船として使用しました。ただ、英国海軍では1918年、巡洋艦HMAS Adelaideが就役していたので混乱を避けるためにHMS Carrickに改名されました。
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この船をアデレードで修復しよう、というプロジェクトが始まると多くの人たちが所有していた部品や調度品を寄付したそうです。この舵輪もそのひとつ。
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こちらはメインマストの柱があった穴ですが、今は塞がれています。
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プロジェクトが開始してから、広報と資金集めのためにいろんなイベントがあったようです。もちろん、市長夫妻や知事が訪問していますし、ブラックタイディナーなども開かれました。現時点では、工事が行われていないスペースにそれらの写真や、使われていた調度品などが雑然と置かれています。扇風機、この現場ではエアコンはありませんから必需品ですね。
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1864年の航海では、乗客は各自食料などを持ち込んでいました。はるばるとロンドンやプリマスからアデレードを目指した移民の家系の多くは、その後この街の政治と経済を支えました。
スコットランドの海事博物館が諸般の事情でこの船を維持できなくなったあと、すったもんだの挙げ句、その名を冠し、23回も移民を運んだアデレードにやってきて修復プロジェクトが始まりました。
プロジェクトはまだまだ先が長く、船内はまだ「博物館」と呼べるほど整備されてはいません。しかし、近い将来修復が完了し、立派な博物館船となる日が来ることでしょう。
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