◆幽玄の水鏡～白川ダム湖の水没林 ②

2021/05/11 - 2021/05/11

☆念願の山形県飯豊町の白川ダム湖の水没林を見に行ってきました。
ずっと行きたいと思いながらも
厳しい条件を全て満たしてくれる日が中々ありませんでした。
しかし、ついに、キタ～！！
5年越しの念願成就です。
Part①では出発から白川ダム湖公園のビューポイント（A）（B）までを紹介したので
今回は（B）～(C）～（D）と進んで折り返し
帰途につくまでの様子をご覧いただきます。
正直言ってPart①と大差ないのですが
相変わらず取捨選択が下手くそで似たような写真のオンパレードです(^^;)。
ま、それだけどこを撮っても絵になる所だってことですね。

エリア 飯豊・小国(山形)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0
• 交通: 5.0

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 1万円未満
• 交通手段: 自家用車 徒歩

☆山形県飯豊町　白川ダム湖Map　（※Google Earthに加筆）

https://www.google.co.jp/maps/@37.9313581,139.9081999,1482m/data=!3m1!1e3?hl=ja

初めての人でも撮影ポイントが分かるようにA～Fで書き込んだので
参考にして下さい。
ただ道路は基本的には駐車禁止なのでご配慮願います。

☆幽玄の水鏡～白川ダム湖の水没林～西岸・白川ダム湖公園　B　

対岸に見えている橋は須郷橋。
須郷とはこの地区の住所のようです。

☆幽玄の水鏡～白川ダム湖の水没林～西岸・白川ダム湖公園　B　

須郷橋は県道4号からの取り付け道路から渡ることができます。





　　　　　　

☆幽玄の水鏡～白川ダム湖の水没林～西岸・白川ダム湖公園　B　

☆幽玄の水鏡～白川ダム湖の水没林～西岸・白川ダム湖公園　B　

それにして、こんな美しい水没林がわずか１か月の期間限定とは
あまりに勿体ないですよね。
もちろん白川ダム湖の事情もあるので仕方ないとは思いますが
せめて２か月くらいは見られると嬉しいです。

☆幽玄の水鏡～白川ダム湖の水没林～西岸・白川ダム湖公園　B　

☆幽玄の水鏡～白川ダム湖の水没林～西岸・白川ダム湖公園　B　

でもダム湖を常時満水にし水没林がいつも見られる状態にしたら
いくら水に強いシロヤナギでも枯れてしまうかも知れません。
ま、枯れたら枯れたで『立ち枯れ水没樹』『白骨水没林』として美しいのですが
枯れた木の水没林はやがて腐食や風化で消滅してしまう可能性があります。

☆幽玄の水鏡～白川ダム湖の水没林～西岸・白川ダム湖公園　B　

☆幽玄の水鏡～白川ダム湖の水没林～西岸・白川ダム湖公園　B　

例えば、上高地の大正池も活火山である焼岳が1915年（大正4年）に噴火し、泥流によって梓川が堰き止められて池ができ、立ち枯れの木々のある景観は、1928年（昭和3年）に「上高地」が史蹟名勝天然紀念物保存法による「名勝及ビ天然紀念物」に指定される際の理由の一つでした。
しかし現在は立ち枯れ木は朽ちたり風化してかなり少なくなり、
できた当初の景色ではありません。

☆幽玄の水鏡～白川ダム湖の水没林～西岸・白川ダム湖公園　B　

☆幽玄の水鏡～白川ダム湖の水没林～西岸・白川ダム湖公園　B　

現在、『立ち枯れ水没樹』『白骨水没林』として人気のある
北海道美瑛町の『青い池』や栃木県日光市の湯西川ダムの『白骨林』も
次第に朽ちて今のような景色は見られなく恐れがあります。

☆幽玄の水鏡～白川ダム湖の水没林～西岸・白川ダム湖公園　B　

☆幽玄の水鏡～白川ダム湖の水没林～西岸・白川ダム湖公園　B　

そう考えると、期間限定の水没林は木そのものが枯れることは少ないので
立ち枯れ木の水没林より長期に渡って楽しめる優位点もあります。
観光資源として短期集中的に稼ぐか細く長く稼ぐか、
難しい問題ですね。

☆幽玄の水鏡～白川ダム湖の水没林～西岸・白川ダム湖公園　B　

☆幽玄の水鏡～白川ダム湖の水没林～西岸・白川ダム湖公園　B　

福島県裏磐梯の桧原湖西岸の細野でも期間限定の水没樹が見られます。
期間はやはり雪解け水が多く、放水を控える田植えの前の頃ですが
白川ダム湖ほどは明確ではありません。
さらにその水没樹が出現する地点は民有地が多く
一般観光客が近づけないのが難点です。

☆幽玄の水鏡～白川ダム湖の水没林～西岸・白川ダム湖公園　B　

☆幽玄の水鏡～白川ダム湖の水没林～西岸・白川ダム湖公園　B　

☆幽玄の水鏡～白川ダム湖の水没林～西岸・白川ダム湖公園　B　

赤いカヌーが水没林を漕ぎ進んでいます。
カヌーからだと水面に限りなく近い位置から撮影できるので
丘とはまた違った位置や角度で写真が撮れます。
でも昨秋、裏磐梯で私もカヌーで撮影してみましたが
思っていたほど素晴らしい写真は撮れませんでした。
想定外だったのはカヌーを完璧に止めないと
水面が常時波立つので水鏡撮影には向かないと言うことです。
丘から行けない場所に行けるメリットはありますが
時間にゆとりが無い人はやはり丘からの撮影が無難かも。

☆幽玄の水鏡～白川ダム湖の水没林～西岸・白川ダム湖公園　B　

☆幽玄の水鏡～白川ダム湖の水没林～西岸・白川ダム湖公園　B　

いとも簡単に年中見られるより期間限定の方が希少性が高まるので
是非行ってみたい,見て見たいという野次馬的な心理を
くすぐるかも知れませんね。

☆幽玄の水鏡～白川ダム湖の水没林～西岸・白川ダム湖公園　B　

☆幽玄の水鏡～白川ダム湖の水没林～西岸・白川ダム湖公園　B　

解説によれば、白川湖の水没林を形成している木々は主に
ヤナギ科の「シロヤナギ」という木です。
シロヤナギは、湿地を好む木で、名前の由来は白い幹からきてるとか・・・
空から見てみるとブロッコリーが生えているようにもみえます。
春にかけて新芽が芽吹き花を咲かせ、綿毛が風で舞う様子は、
雪が降っているようでとても美しいです。

☆幽玄の水鏡～白川ダム湖の水没林～西岸・白川ダム湖公園　B　

☆幽玄の水鏡～白川ダム湖の水没林～西岸・白川ダム湖公園　B　

水没樹の全てがシロヤナギの純林かどうかは分かりませんが
ヤナギは種類が多くイヌコリヤナギ（犬行李柳）なども水辺に強く
ブッシュを形成するので
シロヤナギ以外のヤナギも混じっているかも知れません。

☆幽玄の水鏡～白川ダム湖の水没林～西岸・白川ダム湖公園　B　

イヌコリヤナギ(犬行李柳/ヤナギ科ヤナギ属)は
全国の日当たりの良い川岸、湿った裸地に普通に自生。
根元から叢生し、多くの枝を分け、樹高は2～3m、
大きいもので6mになります。
若木の樹皮は、皮目はあるが比較的滑らかで、
太くなると円形状あるいは縦の割れ目ができます。

☆幽玄の水鏡～白川ダム湖の水没林～西岸・白川ダム湖公園　B　

植物名でよく見られるイヌとは、まがい物、偽物、役立たない、
などの意味で使われます。
つまりイヌコリヤナギはコリヤナギに似ているけど
行李(ヤナギの木を編んで作られた荷物入れ)の材料にはならない
まがい物の柳と言う意味です。
今は行李そのものが死語になっていますね。

☆幽玄の水鏡～白川ダム湖の水没林～西岸・白川ダム湖公園　B　

☆幽玄の水鏡～白川ダム湖の水没林～西岸・白川ダム湖公園　B　

☆幽玄の水鏡～白川ダム湖の水没林～西岸・白川ダム湖公園　B　

☆幽玄の水鏡～白川ダム湖の水没林～西岸・白川ダム湖公園 D　

白川ダム湖公園 にはパークゴルフ場があり
その周辺に八重桜が植えられていて丁度満開を迎えていました。

☆幽玄の水鏡～白川ダム湖の水没林～西岸・白川ダム湖公園 D　

☆幽玄の水鏡～白川ダム湖の水没林～西岸・白川ダム湖公園 D　

☆幽玄の水鏡～白川ダム湖の水没林～西岸　C　　オートキャンプ場

パークゴルフ場と入り江を挟んだ北側にはオートキャンプ場があります。
本来ここはキャンプ場利用客以外は入ってはいけないようですが
帰宅後に飯豊町のHPを見るまでは知りませんでした。

歩道入口には注意書きがあったのかも知れませんが
私は湖岸ギリギリを歩いてきたので気付かなかったのかも。

☆幽玄の水鏡～白川ダム湖の水没林～西岸　C　　オートキャンプ場

オートキャンプ場から眺める水没林は他と比べて
取り立てて見事と言うわけでは無いので
入れなかったとしても写真に大きな影響は無かったような気がします。

☆幽玄の水鏡～白川ダム湖の水没林～西岸　C　　オートキャンプ場

☆幽玄の水鏡～白川ダム湖の水没林～西岸・白川ダム湖公園　C　オートキャンプ場

対岸の山は尾幡山(646m)かな？

☆幽玄の水鏡～白川ダム湖の水没林～西岸　C　　オートキャンプ場

☆幽玄の水鏡～白川ダム湖の水没林～西岸　C　　オートキャンプ場

☆幽玄の水鏡～白川ダム湖の水没林～西岸　C　　オートキャンプ場

☆幽玄の水鏡～白川ダム湖の水没林～西岸　C　　オートキャンプ場

☆幽玄の水鏡～白川ダム湖の水没林～西岸　E　　オートキャンプ場

白川荘やオートキャンプ場のある白川ダム湖の西岸から
飯豊山は手前の山が邪魔になって山頂辺りしか見えません。


　　　　　

　　　　　　　　白川ダム湖の水没林～西岸

☆幽玄の水鏡～白川ダム湖の水没林～西岸・白川ダム湖公園 D　

再びパークゴルフ場のある白川ダム湖公園に戻ってきました。
八幡神社裏手の小高い山。

☆幽玄の水鏡～白川ダム湖の水没林～西岸・白川ダム湖公園 D　

☆幽玄の水鏡～白川ダム湖の水没林～西岸・白川ダム湖公園 D　

白川ダム湖公園 内にあるパークゴルフ場にある八重桜は丁度満開でした。

☆幽玄の水鏡～白川ダム湖の水没林～西岸・白川ダム湖公園 D　

一言で八重桜と言っても八重桜はとくに品種が多く
素人が品種を見分けるのは容易ではありません。

☆幽玄の水鏡～白川ダム湖の水没林～西岸・白川ダム湖公園 D　

☆幽玄の水鏡～白川ダム湖の水没林～西岸・白川ダム湖公園 D　

風は無く素晴らしい青空です。
早朝は軽めの防寒対策をしないと寒いくらいでした。

☆幽玄の水鏡～白川ダム湖の水没林～西岸・白川ダム湖公園 D　

☆幽玄の水鏡～白川ダム湖の水没林～西岸・白川ダム湖公園 D　

☆幽玄の水鏡～白川ダム湖の水没林～西岸・白川ダム湖公園 D　

八幡神社裏手の山と八重桜のコラボ。
やはり桜は青空が良く似あいますね。

☆幽玄の水鏡～白川ダム湖の水没林～西岸・白川ダム湖公園 D　

☆幽玄の水鏡～白川ダム湖の水没林～西岸・白川ダム湖公園　B　

シロヤナギは春になと猫柳のような花を咲かせたあと
綿毛のようになって風に飛ばされます。

☆幽玄の水鏡～白川ダム湖の水没林～西岸・白川ダム湖公園　B　

このヤナギの綿毛は柳絮(りゅうじょ)と呼ばれ、柳の種子が付いているので
風に乗って飛ばされていきます。
この柳絮の季節になると大量の雪虫のようにフワフワと空中を舞い
周囲が霞むほどです。

☆幽玄の水鏡～白川ダム湖の水没林～西岸・白川ダム湖公園　B　

この柳絮が水面に落ちると、水面が真っ白くなることもあります。
余りにも多いと風情を通り越し水面が汚らしく見えます。
水面に流れはあればまだいいですが、流れが無い場所だと
折角の水鏡も台無しになりかねません。

☆幽玄の水鏡～白川ダム湖の水没林～西岸・白川ダム湖公園　B　

今回は柳絮が舞う時期は過ぎていたので
水鏡はとてもキレイな状態だったのでほっとしました。

☆幽玄の水鏡～白川ダム湖の水没林～西岸・白川ダム湖公園　B　

☆幽玄の水鏡～白川ダム湖の水没林～西岸・白川ダム湖公園　B　

☆幽玄の水鏡～白川ダム湖の水没林～西岸・白川ダム湖公園　B　

☆幽玄の水鏡～白川ダム湖の水没林～西岸・白川ダム湖公園　B　

対岸の山にはまだ残雪がわずかに残っていました。
この辺りは標高３５０ｍほどですが
豪雪地帯なので中々雪が消えないのでしょう。

☆幽玄の水鏡～白川ダム湖の水没林～西岸・白川ダム湖公園　B　

☆幽玄の水鏡～白川ダム湖の水没林～西岸・白川ダム湖公園　B　

☆幽玄の水鏡～白川ダム湖の水没林～西岸・白川ダム湖公園　B

この辺りは白川と広河原川の合流地点で
名前のように元々広い河原だったようです。
なので満水になっても水位はしれたもので
木々が完全に水没することは無いでしょう。

☆幽玄の水鏡～白川ダム湖の水没林～西岸・白川ダム湖公園　B　

☆幽玄の水鏡～白川ダム湖の水没林～西岸・白川ダム湖公園　B　

裏磐梯の湖沼群にも磐梯山噴火後は水没林がありましたが
その多くは枯れて朽ちてわずかに根元が残っている状態です。
その根元の水没樹もやがては朽ちて無くなることでしょう。

☆幽玄の水鏡～白川ダム湖の水没林～西岸・白川ダム湖公園　B　

でも磐梯山の湖沼群には噴火による山体崩壊で流れ出した土石が
流山という形で島状に点々とあるため
水没林と言う形ではなく多島海のような景色を作り出しました。

☆幽玄の水鏡～白川ダム湖の水没林～西岸・白川ダム湖公園　B　

桧原湖や秋元湖、小野川湖などにたくさんの小島があるのは
磐梯山噴火による山体崩壊で土石流の塊りが水没したものなのです。
なので裏磐梯は流山で出来た小島に植物が自然に生えたもので
満潮になっても水没することなく植物が成長できるのです。

☆幽玄の水鏡～白川ダム湖の水没林～西岸・白川ダム湖公園　B　

☆幽玄の水鏡～白川ダム湖の水没林～西岸・白川ダム湖公園　B　

その流山によってできた小島でも
大きかったり、高さがあったりすると
マツやカエデ、山桜などそれほど水に強い性質でなくても
生長できますが、島が小さいとやはり水分の影響を受けやすいので
ハンノキやヤナギなど水分に強い樹木しか生き残れません。

☆幽玄の水鏡～白川ダム湖の水没林～西岸・白川ダム湖公園　B　

☆幽玄の水鏡～白川ダム湖の水没林～西岸・白川ダム湖公園　B　

☆幽玄の水鏡～白川ダム湖の水没林～西岸・白川ダム湖公園　B　

☆幽玄の水鏡～白川ダム湖の水没林～西岸・白川ダム湖公園　B　

☆幽玄の水鏡～白川ダム湖の水没林～西岸・白川ダム湖公園　B　

同じ新緑でも芽出しの頃より
この時期が木の種類によって緑のグラデーションが
はっきり出るので美しと思います。

☆幽玄の水鏡～白川ダム湖の水没林～西岸・白川ダム湖公園　B　

緑のグラデーションは初夏の頃までありますが
やはり次第に濃い緑が多くなるのでやや単調な緑になってしまいます。

☆幽玄の水鏡～白川ダム湖の水没林～西岸・白川ダム湖公園　B　

☆幽玄の水鏡～白川ダム湖の水没林～西岸・白川ダム湖公園　B　

この美しく幻想的な水没林＆水鏡を見ていると
この日に来られてほんと幸運でした。
これも日頃の行いの良さかな(^^;)。

☆幽玄の水鏡～白川ダム湖の水没林～西岸・白川ダム湖公園　B　

☆幽玄の水鏡～白川ダム湖の水没林～西岸・白川ダム湖公園　B　

行きも見て、折り返してまた見ても
全然あきることがありません。
飽きるどころか時間にゆとりがあれば
湖畔に腰かけこの絶景をぼ～っと眺めていたいです。

☆幽玄の水鏡～白川ダム湖の水没林～西岸・白川ダム湖公園　B　

☆幽玄の水鏡～白川ダム湖の水没林～西岸・白川ダム湖公園　B　

ふつう人間の造ったものは大自然には遠く及ばないものですが
この水没林は人間と自然の合作で
どちらが欠けても見られない絶景なのです。

☆幽玄の水鏡～白川ダム湖の水没林～西岸・白川ダム湖公園　B　

☆幽玄の水鏡～白川ダム湖の水没林～西岸・白川ダム湖公園　B　

確かにダムと言う人工物によってもたらせられた絶景ですが
人間が関わったのはダム本体だけで
後は殆ど自然任せだからこその絶景だと思います。
豪華な花がたくさん植えられた花咲く公園もキレイはキレイですが
そこには人間の作為が大なり小なり見え隠れします。
それらに比べると自然と一体化した
白川ダム湖は嫌味がないと言うかあざとさが無いので
心底癒されます。

☆幽玄の水鏡～白川ダム湖の水没林～西岸・白川ダム湖公園　B　

☆幽玄の水鏡～白川ダム湖の水没林～西岸・白川ダム湖公園　B　

西日本のとある日本庭園は毎年のように
世界の日本庭園でNo.1に選ばれていますが
私はあの寸分の狂いも無く刈り込まれた樹木や
ペンペン草一つ生えていない完璧な管理に
美しさはあまり感じません。

☆幽玄の水鏡～白川ダム湖の水没林～西岸・白川ダム湖公園　B　

人工庭園と自然公園を同じ土俵で比べるのは無理があるので、
まったく別物と割り切って見た方が良さそうです。

☆幽玄の水鏡～白川ダム湖の水没林～西岸・白川ダム湖公園　A

再び白川ダム湖公園のカヌー乗り場のある水辺に戻ってきました。

☆幽玄の水鏡～白川ダム湖の水没林～西岸・白川ダム湖公園　A

☆幽玄の水鏡～白川ダム湖の水没林～西岸・白川ダム湖公園　A

☆幽玄の水鏡～白川ダム湖の水没林～西岸・白川ダム湖公園　A

長く滞在していると少しは風が出てくるものですが
この日は幸運にも私が滞在中はずっとほぼ無風状態。
空もスカッ晴れだし水鏡もずっと完璧なままでした。

☆幽玄の水鏡～白川ダム湖の水没林～西岸・白川ダム湖公園　A

☆幽玄の水鏡～白川ダム湖の水没林～西岸・白川ダム湖公園　A

裏磐梯くらいの近さなら少々天気が悪化しても
また出直せばいいやと、思えますが
やはり片道２時間以上もかかる場所は
そうそう簡単に出直すわけにいかないので
この日の絶好のコンデションに感謝するのみです。

☆幽玄の水鏡～白川ダム湖の水没林～西岸・白川ダム湖公園　A

☆幽玄の水鏡～白川ダム湖の水没林～西岸・白川ダム湖公園　A

☆幽玄の水鏡～白川ダム湖の水没林～西岸・白川ダム湖公園　A

いつまで眺めていたい
心癒される絶景ですが
そろそろお暇することにしましょう。

☆幽玄の水鏡～白川ダム湖の水没林～東岸ビューポイント　E

と、言いながらも帰途には来た時と同じビューポイントで
ダメ押しの撮影＆見納めです。

☆幽玄の水鏡～白川ダム湖の水没林～東岸ビューポイント　E

わずかに雲は浮かんでいるものの、
残雪の飯豊連峰も滞在中ずっとクッキリ見えていました。

☆幽玄の水鏡～白川ダム湖の水没林～東岸ビューポイント　E

飯豊連峰は東北のアルプスとも呼ばれ2000m級の高山が連なります。
福島県側から見ると主峰が分かりにくいので連なると言うよりは
大きな大きな山塊と表現した方がいいかも。
白川ダム湖から見る飯豊連峰は
一番高く見える峰が飯豊山(2105m)＆飯豊山神社(2102m)で
最高峰は大日岳（2128m)ですが新潟県＆福島県側にあるので
見えないようです。
　　　

☆飯豊連峰　Map　　(※Google Earthに加筆)

Google Earthの俯瞰地図に加筆した新潟＆山形に接する
山頂尾根部分は福島県に所属します。
地図好き、地理好きの間では比較的有名な話ですが
誰が見ても盲腸のような不思議な県境になっています。
それにはちゃんとした歴史があります。
Map上の県境の加筆は分かりやすいように幅広に書きましたが
狭い所は約90Cmほどしかなく全長約8キロの参道は福島県に帰属しています。
飯豊山（2105メートル）と飯豊山神社は古くから信仰の山で
会津藩や麓の村が管理していました。

☆幽玄の水鏡～白川ダム湖の水没林～愛郷の碑・白川湖畔ビューポイントF

県境を巡る争いは1886年（明治19年）に福島県議会が、県庁が置かれた福島市は県内の他地域からの交通利便性が悪いので
県庁所在地を県中央部の郡山市に移転すると決めたことに端を発します。
明治政府は、県庁から遠い県北西部にあり会津藩の領地だった東蒲原郡を新潟県に編入し、東蒲原郡の不便さを解消することにより
県庁移転の動きを抑え込んだそうです。

☆幽玄の水鏡～白川ダム湖の水没林～愛郷の碑・白川湖畔ビューポイントF

東蒲原郡の新潟県編入に伴って飯豊山の山頂と飯豊山神社がは
新潟県に組み込まれたことで、福島県一ノ木村（旧山都町、現喜多方市）が
猛反発。一ノ木村は会津藩が飯豊山神社を管理してきたことを示す歴史資料など証拠を積み上げ反論しました。
新潟県も引きませんでしたが約20年後の1907年、
政府は麓からの登山道と飯豊山頂付近だけは福島県と認め、
現在の県境になった経緯があります。

☆幽玄の水鏡～白川ダム湖の水没林～愛郷の碑・白川湖畔ビューポイントF

でも飯豊山は山形県側も信仰の山として崇めていたし
当然参拝道もありました。
福島県に編入されたのは納得いかなかったかも知れませんね。

☆幽玄の水鏡～白川ダム湖の水没林～愛郷の碑・白川湖畔ビューポイントF

☆幽玄の水鏡～白川ダム湖の水没林～愛郷の碑・白川湖畔ビューポイントF

また訪れてみたい絶景ですが
いつまたベストな条件が揃うか分かりません。

☆大峠道路（国道１２１号）沿いのミヤマキケマン（深山黄華鬘）

福島県への帰途の際、大峠道路脇の見事なミヤマキケマンの群生も
写真に収めました。
白川ダム湖へ行く途中に気付いていましたが、
優先順位は白川ダム湖の水没林なので、余裕があれば
撮ることにしていました。

☆大峠道路（国道１２１号）沿いのミヤマキケマン（深山黄華鬘）

ヤマキケマン（深山黄華鬘/ケシ科キケマン属）は近畿以北の
日当たりの良い山地の崩壊地，谷川の礫地，林の縁などに生え越年草で
関東以南でよく見られるキケマン(黄華鬘)に似ていますが
全体に小ぶりで寒冷地適応型です。
福島県ではおおよそ標高４００ｍ以上の山間部で見られます。

☆大峠道路（国道１２１号）沿いのミヤマキケマン（深山黄華鬘）

国道121号の中の喜多方～米沢間の峠越えは大峠道路と言われ
交通の難所でしたが1985年に大峠トンネル(3,940m)が完成したので
冬でも通れるようになりました。

ミヤマキケマンはその大峠トンネルの米沢方面出口から
『道の駅 田沢 なごみの郷』間の
主に道路山側に点々と群生しています。

☆大峠道路（国道１２１号）沿いのミヤマキケマン（深山黄華鬘）

ミヤマキケマンの群生が見られるのは標高５００～６００ｍほどの間なので
福島県の分布地とそう差はないようです。

☆大峠道路（国道１２１号）沿いのミヤマキケマン（深山黄華鬘）

葉っぱはセリ科の植物のようすでが
ケシ科特有のアルカロイド・プロトピンを含み有毒なので
誤食すると嘔吐・酩酊・心臓麻痺などを起こすので注意が必要です。
花が咲いていればまず山菜のセリと間違う人はいないと思いますが
やはり芽出しの頃は要注意です。

☆大峠道路（国道１２１号）沿いのミヤマキケマン（深山黄華鬘）

それにしても見事な群生です。
まるで花壇に植栽されたようです。
多くのドライバーも眺めていると思いますが
撮影しているのは私だけでした。

☆大峠道路（国道１２１号）沿いのミヤマキケマン（深山黄華鬘）

ミヤマキケマンは越年草なので
いくらキレイだからと言って採って自宅に植えても
この株は今年で枯れてしまいます。

☆大峠道路（国道１２１号）沿いのミヤマキケマン（深山黄華鬘）


ミヤキケマンは種が周辺に落ち秋に発芽して
翌春に花を咲かせます。
基本的には翌春もこの場所周辺で見られますが
川原などの場合は川が増水し種が流されることもあるので
翌春も必ず同じ場所に咲いている保証はありません。
この群生地は道端なのでそらく毎年見られると思います。

☆大峠道路（国道１２１号）沿いのミヤマキケマン（深山黄華鬘）

☆福島県のキケマン属

福島県ではミヤマキケマンの他にケシ科キケマン属(orケマンソウ科)の仲間は
ヤマエンゴサク(山延胡索)、ムラサキケマン(紫華鬘)シロヤブケマン(白藪華鬘)
などがあり花期はどれも春ですが
ナガミノツルキケマン（長実蔓黄華鬘/ケシ科キケマン属）（写真下）だけは
晩夏～秋の頃咲きます。

☆ナガミノツルキケマン（長実蔓黄華鬘/ケシ科キケマン属）

名前にツル(蔓)と付きますが、実際は蔓ではなく
全草が細長く華奢なので自身では自立できず
他の植物によりかかるように成長します。

☆大峠道路（国道１２１号）沿いを流れる小樽川

まるで植栽されたかのような見事なミヤマキケマンが群生する大峠道路の
反対側には最上川の源流である小樽川の清流が流れています。
でもこの小樽川は道の駅たざわ辺りから下流は鬼面（おもの）川と
呼ぶようでやがて最上川となって酒田市で日本海に注ぎます。


これで◆幽玄の水鏡～白川ダム湖の水没林 ②はお仕舞です。
いつも最後までご覧下さりありがとうございます。
そして、いいねもありがとうございます。

ではまた。　j-ryu

この旅行記へのコメント （2）

• ねもさん 2022/04/10 17:11:13

  初めまして

  j-ryuさん　飯豊を愛する山ノボラーです。
  日本地図７不思議のトップと思われる、飯豊山頂まで８kmも延びる幅１ｍの福島県。そういう経緯があったとは……
  勉強になりました、ありがとうございます。
  そろそろ体力が尽きそうなので、この夏あたり久々に登ってみようかと思案中です。

  j-ryuさん からの返信 2022/04/10 21:11:30

  Re: 初めまして

  ねもさん,こんばんは。
  
  ご来訪＆いいね＆コメントありがとうございます。
  
  ＞日本地図７不思議のトップと思われる、飯豊山頂まで８kmも延びる幅１ｍの福島県。そういう経緯があったとは……
  勉強になりました、ありがとうございます。
  
  ≫受け売り情報でお恥ずかしい限りです。
  ただ福島県民なので他県の方より関心が大きいと思います。
  
  ＞そろそろ体力が尽きそうなので、この夏あたり久々に登ってみようかと思案中です。
  
  ≫私はとうに体力は尽き果てたので遠望するだけです(^-^;。
  白川ダム湖の水没林 は好条件がそろえばまた訪れたいと思います。
  
  j-ryu