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2020年11月18日(水)2時半過ぎ、三千院拝観を終えて三千院道から駐車場に戻る。御殿門を出て、桜の馬場を南に戻り、来る時に上がってきた呂川沿いの道との交差点をそのまま真っ直ぐ進むとすぐ右手にあるのが念佛寺(下の写真1)。<br /><br />1318年に尊雲法親王として梶井門跡(現在の三千院)に入室し、1327年に天台座主となり大塔宮と呼ばれた後醍醐天皇第3皇子、護良親王の創建と伝えられる。大塔宮と云う名は京都の東山岡崎にあった法勝寺の九重塔(大塔)周辺に門室を置いたことからと云う説があるので、この頃の梶井門跡は東山にあったのかな?<br /><br />なお、護良親王は3月(2021年)までNHK BSで再訪されてた大河ドラマ「太平記」では堤大二郎さんが演じていた。後醍醐天皇と共に武家支配に抵抗したが、最後は鎌倉で足利直義(ただよし)の命で殺された。直義をこの大河で演じたのは高島弟君だった。<br /><br />念佛寺は古くから地元の回向寺だったが、江戸後期の1814年に火災に遇い焼失。その後再建されるが1934年(昭和9年)、35年の台風により倒壊、流失、1938年に現在の地に移転再建された。御本尊の阿弥陀如来は護持佛と伝えられる。<br /><br />境内には三千院第56世門主がお釈迦様のお説きになられた八万四千の法門に因み日本全国に発願された八万四千の地蔵尊建立の内、54942番目の地蔵尊がお祀りされている。赤い前掛けを付けたお地蔵様がずらり。また、境内から見渡せる大原の棚田と里山の四季の変化も素晴らしい。<br /><br />念佛寺を出て、少し先で道なりに右に曲がって降りて行くと右手に茅葺の家がある。かつての大原は茅葺の里で夕方になると多くの家の破風(大屋根の三角の換気口)から夕餉の煙が空に揺らいでいたが、今はほとんどが残っていない。<br /><br />この家は元々は田中家の住宅。200年以上前の江戸時代中期に建てられたもので、明治に入って1878年にこの場所に移された。登録有形文化財。木造平屋建、入母屋造茅葺の四周に桟瓦葺の庇を巡らす桁行6間、梁間4間規模の食違いのある四間取平面で、正面右手に土間を配す。同志社大学の大原農家キャンパス、農縁館として使われていたが、現在は土産物店として活用されており,内外ともに農家の佇まいを良好に残している。<br /><br />さらに200mほど南に下ると出世稲荷神社。2012年に千本旧二条よりこの場所に移転して来た神社。御祭神は稲倉魂命、猿田彦命、天鈿女命、大巳貴命、保食命。<br /><br />そもそもは1587年に豊臣秀吉が聚楽第を造営するに際し邸内に日頃より信仰していた稲荷神社を勧請したもの。その翌年、後陽成天皇が聚楽第に行幸し、稲荷社に参拝したときに、立身出世を遂げた秀吉に因んで出世稲荷の号を授けたと云う。<br /><br />聚楽第取り壊しの後も元の場所に鎮座していたが、江戸時代初期の1663年に二条城西方の千本通沿い(千本旧二条)に遷座した。出世開運の神として大名・公家から庶民までの崇敬を受けた。江戸時代後期には庶民が寄進した300本を超える鳥居が立ち並んでいたと云う。近代に入ると千本通界隈が映画興行の街として繁栄したため、牧野省三や尾上松之助が鳥居を寄進した。<br /><br />現在も尾上松之助寄進の石鳥居(表紙の写真)、新門辰五郎寄進の狛犬(下の写真2)が境内にある。祠の横の紅葉がえげつないほど真っ赤(下の写真3)。また、別棟の本殿では6代目清水六兵衛作の神像や近代日本画の大家、堂本印象の「登り竜」天井図を見ることができる(下の写真4)。<br /><br />車を止めた駐車場まで直線距離ではそう遠くないのだが、大回りでしか戻れない。梅之宮神社の近くまで降りてようやく元に戻れる道に合流。この合流点と云うか下から来ると分岐点の案内もなかなか雰囲気ある(下の写真5)。<br /><br />3時ちょっと過ぎて車に戻る。出世稲荷を出てからコーヒー休憩したいなと思いながら、店がなかったので、帰りに見掛けた念佛寺と茅葺の家の間にあったIRORIと云う店まで戻る。抹茶オレ(下の写真6)、510円を飲んでほっこりしたのだが、このお店、三千院に車で来る人にはお勧めかも。<br /><br />と云うのもこの店で飲食すれば数時間無料で駐車でき、その間に三千院にお参りできる。三千院まで歩いて5分掛からないくらいで、三千院目指すには一番近いくらい。駐車場には20台分のスペースがあるので、試す価値はあるのでは?<br />https://www.facebook.com/media/set/?set=a.5012897492113568&amp;type=1&amp;l=223fe1adec<br /><br /><br />最後、大原名物のしば漬けの老舗に向かうが、続く

京都 大原 三千院道 (Sanzenin Temple Road, Ohara, Kyoto, JP)

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2020/11/18 - 2020/11/18

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ちふゆ

ちふゆさん

2020年11月18日(水)2時半過ぎ、三千院拝観を終えて三千院道から駐車場に戻る。御殿門を出て、桜の馬場を南に戻り、来る時に上がってきた呂川沿いの道との交差点をそのまま真っ直ぐ進むとすぐ右手にあるのが念佛寺(下の写真1)。

1318年に尊雲法親王として梶井門跡(現在の三千院)に入室し、1327年に天台座主となり大塔宮と呼ばれた後醍醐天皇第3皇子、護良親王の創建と伝えられる。大塔宮と云う名は京都の東山岡崎にあった法勝寺の九重塔(大塔)周辺に門室を置いたことからと云う説があるので、この頃の梶井門跡は東山にあったのかな?

なお、護良親王は3月(2021年)までNHK BSで再訪されてた大河ドラマ「太平記」では堤大二郎さんが演じていた。後醍醐天皇と共に武家支配に抵抗したが、最後は鎌倉で足利直義(ただよし)の命で殺された。直義をこの大河で演じたのは高島弟君だった。

念佛寺は古くから地元の回向寺だったが、江戸後期の1814年に火災に遇い焼失。その後再建されるが1934年(昭和9年)、35年の台風により倒壊、流失、1938年に現在の地に移転再建された。御本尊の阿弥陀如来は護持佛と伝えられる。

境内には三千院第56世門主がお釈迦様のお説きになられた八万四千の法門に因み日本全国に発願された八万四千の地蔵尊建立の内、54942番目の地蔵尊がお祀りされている。赤い前掛けを付けたお地蔵様がずらり。また、境内から見渡せる大原の棚田と里山の四季の変化も素晴らしい。

念佛寺を出て、少し先で道なりに右に曲がって降りて行くと右手に茅葺の家がある。かつての大原は茅葺の里で夕方になると多くの家の破風(大屋根の三角の換気口)から夕餉の煙が空に揺らいでいたが、今はほとんどが残っていない。

この家は元々は田中家の住宅。200年以上前の江戸時代中期に建てられたもので、明治に入って1878年にこの場所に移された。登録有形文化財。木造平屋建、入母屋造茅葺の四周に桟瓦葺の庇を巡らす桁行6間、梁間4間規模の食違いのある四間取平面で、正面右手に土間を配す。同志社大学の大原農家キャンパス、農縁館として使われていたが、現在は土産物店として活用されており,内外ともに農家の佇まいを良好に残している。

さらに200mほど南に下ると出世稲荷神社。2012年に千本旧二条よりこの場所に移転して来た神社。御祭神は稲倉魂命、猿田彦命、天鈿女命、大巳貴命、保食命。

そもそもは1587年に豊臣秀吉が聚楽第を造営するに際し邸内に日頃より信仰していた稲荷神社を勧請したもの。その翌年、後陽成天皇が聚楽第に行幸し、稲荷社に参拝したときに、立身出世を遂げた秀吉に因んで出世稲荷の号を授けたと云う。

聚楽第取り壊しの後も元の場所に鎮座していたが、江戸時代初期の1663年に二条城西方の千本通沿い(千本旧二条)に遷座した。出世開運の神として大名・公家から庶民までの崇敬を受けた。江戸時代後期には庶民が寄進した300本を超える鳥居が立ち並んでいたと云う。近代に入ると千本通界隈が映画興行の街として繁栄したため、牧野省三や尾上松之助が鳥居を寄進した。

現在も尾上松之助寄進の石鳥居(表紙の写真)、新門辰五郎寄進の狛犬(下の写真2)が境内にある。祠の横の紅葉がえげつないほど真っ赤(下の写真3)。また、別棟の本殿では6代目清水六兵衛作の神像や近代日本画の大家、堂本印象の「登り竜」天井図を見ることができる(下の写真4)。

車を止めた駐車場まで直線距離ではそう遠くないのだが、大回りでしか戻れない。梅之宮神社の近くまで降りてようやく元に戻れる道に合流。この合流点と云うか下から来ると分岐点の案内もなかなか雰囲気ある(下の写真5)。

3時ちょっと過ぎて車に戻る。出世稲荷を出てからコーヒー休憩したいなと思いながら、店がなかったので、帰りに見掛けた念佛寺と茅葺の家の間にあったIRORIと云う店まで戻る。抹茶オレ(下の写真6)、510円を飲んでほっこりしたのだが、このお店、三千院に車で来る人にはお勧めかも。

と云うのもこの店で飲食すれば数時間無料で駐車でき、その間に三千院にお参りできる。三千院まで歩いて5分掛からないくらいで、三千院目指すには一番近いくらい。駐車場には20台分のスペースがあるので、試す価値はあるのでは?
https://www.facebook.com/media/set/?set=a.5012897492113568&type=1&l=223fe1adec


最後、大原名物のしば漬けの老舗に向かうが、続く

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  • 写真1 念佛寺山門

    写真1 念佛寺山門

  • 写真2 出世稲荷の狛犬

    写真2 出世稲荷の狛犬

  • 写真3 出世稲荷の紅葉

    写真3 出世稲荷の紅葉

  • 写真4 出世稲荷の本殿

    写真4 出世稲荷の本殿

  • 写真5 三千院道の登り口

    写真5 三千院道の登り口

  • 写真6 IRORIの抹茶オレ

    写真6 IRORIの抹茶オレ

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