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2020年11月18日(水)11時過ぎ、大原観光はまず寂光院に向かう。梅之宮神社のそばの役場橋で高野川を渡って田畑の中を西に進む。途中芭蕉の花(下の写真1)。特に大原に関係が深い訳ではないが、あまり見掛けないので珍しい。その近くでは蕪の収穫中。 赤かぶ漬にするのか千枚漬にするのか・・・<br /><br />大原は美味しい野菜の産地として有名。周囲を山に囲まれているので小野山霞(おのやまがすみ)が山から降りて夜露をむすぶ。湿度が高く、気温の日較差も大きいため野菜は味が濃く、香りも強く育つ。その特徴を生かして露地栽培で旬のものが中心。舌の肥えた料理人にも「ここのものはおいしい」と云わしめるほど出来がよいそうだ。<br /><br />田畑の道を抜けたところにあるのが乙が森(おつがもり)。さほど大きな森ではないが、こんもりした森の中に大蛇の絡まったような大きな藤蔓があり、中央に龍王大明神の碑が建てられている。「おつう」という女性が身投げをした後に蛇身となって現れたという伝説があり、森の名前も「おつうの森」から転じたと云われる。<br /><br />伝説の内容は、大原に住んでいたおつうと云う娘が若狭の殿様に見初められ国元に召されたが、やがて病を得て殿様の寵愛を失い、大原に帰された。悲観したおつうは川に身を投げたが、妄執によって大蛇に変わってしまう。そして、上洛する殿様が再びこの地を通り掛った時、大蛇が現れ、殿様一行を襲った。だが、松田源太夫という侍が大蛇に立ちふさがり、大蛇は返り討ちに合う。その夜から大原は激しい雷雨に見舞われ、どこからか悲鳴が聞こえるようになった。<br /><br />恐れおののいた里人たちは大蛇の頭を北の森と呼ばれていたこの森に埋め、胴を江文神社の登り口に近い西之村に、尻尾を大原の南の端にある花尻の森に埋めて供養したと云うもの。この伝説に基づいて大原の蛇祭が始められ、藁で作られた蛇の頭と胴が3月10日に近い日曜日に乙が森に、尾が5月5日に花尻の森にそれぞれ奉納されるようになったそうだ。<br /><br />龍王大明神にお参りを済ませて、乙が森の西側の道、府道108号線を北に進む。緩い坂道を500mほど登って行くと、三千院の方から上がって来る寂光院道との三差路。この辺りから左手に山が迫り、山の紅葉も美しい。この三差路のすぐ先ににあるのが、落合の滝。焼杉谷川と西田谷川が合流する地点にある落差2mの滝で、滝と云うよりも段差。<br /><br />この滝は平清盛の娘で第80代天皇・高倉天皇の皇后で安徳天皇の母の建礼門院が詠んだ「ころころと小石流るる谷川の、かじかなくなる落合の滝」で知られている(下の写真2)。ちなみに建礼門院は2012年のNHK大河ドラマの「平清盛」では二階堂ふみさんが、2005年の「義経」では中越典子さんが演じた。<br /><br />この辺りからの参道の紅葉は本当に見事。何枚でも写真を撮りたくなる(下の写真3)。そして落合の滝から200m足らずで寂光院の入口に到着するが、その手前に紫葉漬と大原女の発祥の地の碑がある。紫葉漬けは寂光院に住んでおられた建礼門院が、大原の里人から献上された夏野菜と赤紫蘇の漬物の美味しさに感動され命名したそうで、大原女は建礼門院の女官阿波内侍のお姿がルーツであると伝わっている。この碑は2013年に建礼門院の八百年御遠忌に因み、大原のしば漬業者などが建立したもの(下の写真4)。ほとんどしたことがないが、大原女になって記念撮影も(下の写真5)。<br />https://www.facebook.com/media/set/?set=a.4987719507964700&amp;type=1&amp;l=223fe1adec<br /><br /><br />いよいよ寂光院に入るが、続く

京都 大原 乙が森から寂光院へ(Otsugamori, Ohara, Kyoto, JP)

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2020/11/18 - 2020/11/18

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旅行記グループ 大原

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ちふゆ

ちふゆさん

2020年11月18日(水)11時過ぎ、大原観光はまず寂光院に向かう。梅之宮神社のそばの役場橋で高野川を渡って田畑の中を西に進む。途中芭蕉の花(下の写真1)。特に大原に関係が深い訳ではないが、あまり見掛けないので珍しい。その近くでは蕪の収穫中。 赤かぶ漬にするのか千枚漬にするのか・・・

大原は美味しい野菜の産地として有名。周囲を山に囲まれているので小野山霞(おのやまがすみ)が山から降りて夜露をむすぶ。湿度が高く、気温の日較差も大きいため野菜は味が濃く、香りも強く育つ。その特徴を生かして露地栽培で旬のものが中心。舌の肥えた料理人にも「ここのものはおいしい」と云わしめるほど出来がよいそうだ。

田畑の道を抜けたところにあるのが乙が森(おつがもり)。さほど大きな森ではないが、こんもりした森の中に大蛇の絡まったような大きな藤蔓があり、中央に龍王大明神の碑が建てられている。「おつう」という女性が身投げをした後に蛇身となって現れたという伝説があり、森の名前も「おつうの森」から転じたと云われる。

伝説の内容は、大原に住んでいたおつうと云う娘が若狭の殿様に見初められ国元に召されたが、やがて病を得て殿様の寵愛を失い、大原に帰された。悲観したおつうは川に身を投げたが、妄執によって大蛇に変わってしまう。そして、上洛する殿様が再びこの地を通り掛った時、大蛇が現れ、殿様一行を襲った。だが、松田源太夫という侍が大蛇に立ちふさがり、大蛇は返り討ちに合う。その夜から大原は激しい雷雨に見舞われ、どこからか悲鳴が聞こえるようになった。

恐れおののいた里人たちは大蛇の頭を北の森と呼ばれていたこの森に埋め、胴を江文神社の登り口に近い西之村に、尻尾を大原の南の端にある花尻の森に埋めて供養したと云うもの。この伝説に基づいて大原の蛇祭が始められ、藁で作られた蛇の頭と胴が3月10日に近い日曜日に乙が森に、尾が5月5日に花尻の森にそれぞれ奉納されるようになったそうだ。

龍王大明神にお参りを済ませて、乙が森の西側の道、府道108号線を北に進む。緩い坂道を500mほど登って行くと、三千院の方から上がって来る寂光院道との三差路。この辺りから左手に山が迫り、山の紅葉も美しい。この三差路のすぐ先ににあるのが、落合の滝。焼杉谷川と西田谷川が合流する地点にある落差2mの滝で、滝と云うよりも段差。

この滝は平清盛の娘で第80代天皇・高倉天皇の皇后で安徳天皇の母の建礼門院が詠んだ「ころころと小石流るる谷川の、かじかなくなる落合の滝」で知られている(下の写真2)。ちなみに建礼門院は2012年のNHK大河ドラマの「平清盛」では二階堂ふみさんが、2005年の「義経」では中越典子さんが演じた。

この辺りからの参道の紅葉は本当に見事。何枚でも写真を撮りたくなる(下の写真3)。そして落合の滝から200m足らずで寂光院の入口に到着するが、その手前に紫葉漬と大原女の発祥の地の碑がある。紫葉漬けは寂光院に住んでおられた建礼門院が、大原の里人から献上された夏野菜と赤紫蘇の漬物の美味しさに感動され命名したそうで、大原女は建礼門院の女官阿波内侍のお姿がルーツであると伝わっている。この碑は2013年に建礼門院の八百年御遠忌に因み、大原のしば漬業者などが建立したもの(下の写真4)。ほとんどしたことがないが、大原女になって記念撮影も(下の写真5)。
https://www.facebook.com/media/set/?set=a.4987719507964700&type=1&l=223fe1adec


いよいよ寂光院に入るが、続く

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  • 写真1 芭蕉の花

    写真1 芭蕉の花

  • 写真2 建礼門院の御歌

    写真2 建礼門院の御歌

  • 写真3 寂光院参道の紅葉

    写真3 寂光院参道の紅葉

  • 写真4 紫葉漬と大原女の発祥の地の碑

    写真4 紫葉漬と大原女の発祥の地の碑

  • 写真5 大原女に変身!

    写真5 大原女に変身!

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