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2020年11月18日(水)、いつ以来か思い出せないくらい久々に京都市北部の大原の里に出掛けた。大原には一通り観光にももちろん行ったし、知り合いが京都に来た時に案内したことも何度かある。さらには観光だけでなく、近くのゴルフコースには何度も行ったし、テニスコートでテニスしたこともあるのだが、いずれもかなり若い頃の話。結婚してからは行ったことがないような気がする。<br /><br />さて、京都市内からは川端通を北に進むと高野橋東詰から国道367号線となる。ここから大原まで約11㎞。国道367号線は烏丸五条交差点から福井県上中町で国道27号に繋がる全長約70㎞の国道。湖西を走る国道162号と共に京都市と福井県を結ぶ主要道路のひとつ。烏丸五条から烏丸通と北大路通でこの高野橋東詰に至り、川端通から八瀬、大原に進み、滋賀県大津市の途中越や花折峠を抜け、比良連山と丹波山地の間を安曇川に沿って進み、今津町保坂で国道303号と一緒になり上中に至る。京都と福井を結んでいるが、滋賀を走る部分が半分以上の40㎞以上となっている。<br /><br />鯖街道と称されることが多いが、正確には若狭街道。と云うのも「鯖街道」とは京の都と若狭を結ぶ街道の総称で、実際には何本もの山越え・峠越えの街道が存在したから。若狭街道はそのうちの1本なのだが、代表して鯖街道と呼ぶ人が多い。<br /><br />11時前、大原に到着。大原は1949年(昭和24年)に京都市に編入され左京区の一部となったが、村としては大原村は1883年(明治16年)に誕生した。その名は平安期から見られ、平安時代初期に第3代天台座主で浅草の浅草寺や平泉の中尊寺、松島の瑞巌寺を開いたり再興したと伝わる慈覚大師円仁が修練道場として開山した魚山大原寺(ぎょざんだいげんじ)(現在の往生極楽院、勝林院、来迎院とその子院の汎称)に由来するとされる。古くは「おはら」と読まれ、小原とも表記された。<br /><br />平安時代の大原は平安京と若狭湾を結ぶ若狭街道の中継地点として栄えた。鎌倉時代以降には大原女が京都まで薪炭を売り歩き、北白川の切り花などを売り歩いた白川女、桂川のアユなどを売り歩いた桂女と並び称された。後にはしば漬や茶、麦粉などの特産でも知られるようになった。<br /><br />三千院があるため、元々観光客が訪れる地域であったが、現在のように多くの観光客が訪れるようになったのは、1965年(昭和40年)にデューク・エイセスが歌った「女ひとり」や、1972年(昭和47年)に仲代達矢が平清盛を、志垣太郎が源義経を演じた大河ドラマ「新・平家物語」の影響が大きい。私もデューク・エイセスの歌はよう聞いたわ。<br /><br />さて、大原到着後、京都バスの大原バスターミナルに近い駐車場に車を止めて(有料500円)歩き始める。三千院や寂光院だけを目指すなら、それぞれに近い有料駐車場があるのは分かっていたが、この日は散策も目的としていたので、国道沿いの駐車場にした。<br /><br />まずは、国道を南、京都市内方向に歩く。国道沿いの紅葉が美しい(下の写真1)。大原バス停から350mほど先、東側にあるのが梅之宮神社(下の写真2)。元々は大原郷全体の産土神としての西側の山の南の山中に位置する江文神社の境外摂社だった。祭神は初代神武天皇の曾祖母の木花咲耶姫(このはなさくやひめ)。<br /><br />江文神社の妻女を祀ったと伝わることから、姫宮とも呼ばれている。山中に鎮座する江文神社に対し、里の中に鎮座する梅之宮神社は、姫宮という性格とあいまって、小社ながら大原の人々に長く親しまれてきた。大原は江文、梅之宮の両社に守られてきた地域と云える。境内には大原の里10名木に選ばれたカヤの木がある(下の写真3)。<br /><br />梅之宮神社から国道367号を挟んだ向かいにある役場橋で高野川を渡る(下の写真4)。大原草生地区を抜ける田畑の中の道に続く歩行者専用橋で、橋からは高野川の流れ、里山の風景と大原を囲む山々を一望することができる(下の写真5)。橋の名は昔は梅之宮神社の近くに役場があったからだそうだ。<br /><br />高野川は国道367号線を北に進んだ京都市左京区と滋賀県大津市の境に位置する途中峠の南部に源を発し、京都の出町柳で賀茂川と合流し鴨川となる全長約19㎞の川。上流は大原川、中流は八瀬川と呼ばれることもある。川の名前は北大路通辺りが昔は愛宕郡高野村で、その名前から付けられた。出町柳の河合橋から約1.5㎞の堤防沿いの桜並木は有名。また上流には天然記念物のオオサンショウウオも棲んでいる。<br /><br /><br />乙が森を通って寂光院に向かうが続く

京都 大原 (Ohara, Kyoto, JP)

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2020/11/18 - 2020/11/18

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旅行記グループ 大原

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ちふゆ

ちふゆさん

2020年11月18日(水)、いつ以来か思い出せないくらい久々に京都市北部の大原の里に出掛けた。大原には一通り観光にももちろん行ったし、知り合いが京都に来た時に案内したことも何度かある。さらには観光だけでなく、近くのゴルフコースには何度も行ったし、テニスコートでテニスしたこともあるのだが、いずれもかなり若い頃の話。結婚してからは行ったことがないような気がする。

さて、京都市内からは川端通を北に進むと高野橋東詰から国道367号線となる。ここから大原まで約11㎞。国道367号線は烏丸五条交差点から福井県上中町で国道27号に繋がる全長約70㎞の国道。湖西を走る国道162号と共に京都市と福井県を結ぶ主要道路のひとつ。烏丸五条から烏丸通と北大路通でこの高野橋東詰に至り、川端通から八瀬、大原に進み、滋賀県大津市の途中越や花折峠を抜け、比良連山と丹波山地の間を安曇川に沿って進み、今津町保坂で国道303号と一緒になり上中に至る。京都と福井を結んでいるが、滋賀を走る部分が半分以上の40㎞以上となっている。

鯖街道と称されることが多いが、正確には若狭街道。と云うのも「鯖街道」とは京の都と若狭を結ぶ街道の総称で、実際には何本もの山越え・峠越えの街道が存在したから。若狭街道はそのうちの1本なのだが、代表して鯖街道と呼ぶ人が多い。

11時前、大原に到着。大原は1949年(昭和24年)に京都市に編入され左京区の一部となったが、村としては大原村は1883年(明治16年)に誕生した。その名は平安期から見られ、平安時代初期に第3代天台座主で浅草の浅草寺や平泉の中尊寺、松島の瑞巌寺を開いたり再興したと伝わる慈覚大師円仁が修練道場として開山した魚山大原寺(ぎょざんだいげんじ)(現在の往生極楽院、勝林院、来迎院とその子院の汎称)に由来するとされる。古くは「おはら」と読まれ、小原とも表記された。

平安時代の大原は平安京と若狭湾を結ぶ若狭街道の中継地点として栄えた。鎌倉時代以降には大原女が京都まで薪炭を売り歩き、北白川の切り花などを売り歩いた白川女、桂川のアユなどを売り歩いた桂女と並び称された。後にはしば漬や茶、麦粉などの特産でも知られるようになった。

三千院があるため、元々観光客が訪れる地域であったが、現在のように多くの観光客が訪れるようになったのは、1965年(昭和40年)にデューク・エイセスが歌った「女ひとり」や、1972年(昭和47年)に仲代達矢が平清盛を、志垣太郎が源義経を演じた大河ドラマ「新・平家物語」の影響が大きい。私もデューク・エイセスの歌はよう聞いたわ。

さて、大原到着後、京都バスの大原バスターミナルに近い駐車場に車を止めて(有料500円)歩き始める。三千院や寂光院だけを目指すなら、それぞれに近い有料駐車場があるのは分かっていたが、この日は散策も目的としていたので、国道沿いの駐車場にした。

まずは、国道を南、京都市内方向に歩く。国道沿いの紅葉が美しい(下の写真1)。大原バス停から350mほど先、東側にあるのが梅之宮神社(下の写真2)。元々は大原郷全体の産土神としての西側の山の南の山中に位置する江文神社の境外摂社だった。祭神は初代神武天皇の曾祖母の木花咲耶姫(このはなさくやひめ)。

江文神社の妻女を祀ったと伝わることから、姫宮とも呼ばれている。山中に鎮座する江文神社に対し、里の中に鎮座する梅之宮神社は、姫宮という性格とあいまって、小社ながら大原の人々に長く親しまれてきた。大原は江文、梅之宮の両社に守られてきた地域と云える。境内には大原の里10名木に選ばれたカヤの木がある(下の写真3)。

梅之宮神社から国道367号を挟んだ向かいにある役場橋で高野川を渡る(下の写真4)。大原草生地区を抜ける田畑の中の道に続く歩行者専用橋で、橋からは高野川の流れ、里山の風景と大原を囲む山々を一望することができる(下の写真5)。橋の名は昔は梅之宮神社の近くに役場があったからだそうだ。

高野川は国道367号線を北に進んだ京都市左京区と滋賀県大津市の境に位置する途中峠の南部に源を発し、京都の出町柳で賀茂川と合流し鴨川となる全長約19㎞の川。上流は大原川、中流は八瀬川と呼ばれることもある。川の名前は北大路通辺りが昔は愛宕郡高野村で、その名前から付けられた。出町柳の河合橋から約1.5㎞の堤防沿いの桜並木は有名。また上流には天然記念物のオオサンショウウオも棲んでいる。


乙が森を通って寂光院に向かうが続く

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  • 写真1 国道沿いの紅葉

    写真1 国道沿いの紅葉

  • 写真2 梅之宮神社

    写真2 梅之宮神社

  • 写真3 大原の里10名木 梅宮の榧

    写真3 大原の里10名木 梅宮の榧

  • 写真4 役場橋

    写真4 役場橋

  • 写真5 役場橋から下流方向

    写真5 役場橋から下流方向

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