2018夏ウイーン美術紀行（９）美術史美術館　特別展「クリムトへの階段2018」

2018/08/12 - 2018/08/12

２０１８年の夏休みは初めて訪れるウィーンでどっぷり美術鑑賞に浸る旅です。３日間でウィーンの主だった観光地・美術館をめぐります。2日目は楽しみにしていた美術史美術館をじっくり観てまわりました。この年はクリムトの没後100年を記念して世紀末ウィーン芸術のイベントが多数開催されてましたが、美術史美術館でも特別展示が行われており、普段は近くで観れない、クリムトの貴重な作品を間近で鑑賞できることができました。
～旅程～　
８月１０日（金）　羽田→香港→ウイーン（ウイーン泊）
８月１１日（土）　王宮→ヴェルデヴェーレ宮→カールスプラッツ（ウイーン泊）
８月１２日（日）　美術史美術館→レオポルド美術館→シェーンブルン宮殿（ウイーン泊）
８月１３日（月）　シュテファン寺院→王宮博物館→アルベルティーナ→ベルリン（ベルリン泊）
８月１４日（火）　アルテマイスター絵画館→新博物館→旧博物館→大聖堂→ベルリンの壁（ベルリン泊）
８月１５日（水）　ドレスデン＆ライプチヒ　日帰り観光（ベルリン泊）
８月１６日（木）　ベルガモン博物館→ナショナルギャラリー→市内散策（ベルリン泊）
８月１７日（金）　ベルリン→フランクフルト（機中泊）
８月１８日（土）　関西空港着（日本帰国）

エリア ウィーン(オーストリア)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0
• ホテル: 4.5
• グルメ: 4.5
• ショッピング: 4.5
• 交通: 4.5

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 30万円 - 50万円
• 交通手段: 鉄道 徒歩
• 航空会社: ルフトハンザドイツ航空 ANA オーストリア航空

美術史美術館エントランス・ホール。じっくり眺めてみると大理石の床や柱、クーポラの天井は宮殿のようにゴージャスです。

美術史美術館 博物館・美術館・ギャラリー

上階に進むと工事中のような鉄骨が組まれています

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頭上に大きなステージが設置されています

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そのステージ上に人の姿が見えます

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この階段ホールの天井に近い壁に１１枚のクリムトの作品があり、クリムト没後１００年にあたるこの年は特別にステアウェイ・トゥ・クリムトと題してステージが設置され、普段は12ｍの高さにある作品を目の前で見る事が出来ます。

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この特別展はクリムト生誕１５０年記念で開催された２０１２年にも設置されたそうですが、次はいつ設置されるか分からない特別展です。

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階段ホールは、一般的に公けの建物や貴族の館の中でお客を迎える重要な場所で豪華に造られますが、その壁画を当時２８歳のクリムトは任されたそうです。

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この美術館が一般公開される１年前の１８９０年、クリムトが弟のエルンストや友人のアーティストと描いたもので、美術館の特徴である古代エジプトから１８世紀後期までの多種多様なコレクション内容を象徴的に描いています。

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ステージ入口のある２階へ上がります

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階段を上がると、豪華なスペースが現れました

カフェ (美術史美術館) カフェ

ここは世界で最も美しいと言われるカフェ「KHM」です。このカフェは美術館のクーポラの真下にあり、吹き抜け部分を取り囲むように作られてます。

カフェ (美術史美術館) カフェ

天井を見上げると、クーポラにもぎっしりと装飾が施されています。こんな豪華なカフェは絵画鑑賞の休憩にはぴったりかもしれません。

カフェ (美術史美術館) カフェ

このカフェのすぐ近くにステージへの臨時階段がありました

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階段を上がると、このホールの上段に当時オーストリアを代表する画家であったハンス・マカルトの壁画、下段の大理石の柱の間に若き日のクリムトが描いた壁画があります。

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クリムトの担当した壁画に沿って階段ホールの幅いっぱいにステージが設置されてます。

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ホール反対側の眺めもゴージャスです。

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天井画のムンカーチ「イタリア・ルネサンス賛歌」もこの近さ。

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素晴らしい眺めです

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クリムトが担当した11枚の壁画は古代エジプト、ギリシャ、ローマ、ルネサンスに至る美術の歴史をテーマにして描きました。担当した壁画で特に美しいのが、中央に描かれている古代ギリシャの「パラスアテネ」と古代エジプトの「エジプトの裸像」です。

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古代エジプト表した「エジプトの裸像」

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古代エジプトを代表する装束で当時の女性を象徴的に美しく描いています。

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エジプトの裸像の隣には・・・

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エジプトの「ミイラ」と神々の像。

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古代エジプトの反対側に古代ギリシア。長い黒髪を垂らし、ウロコ状の鎧を身に着け、右手にはニケの像を、左手には槍を持ったアテナの守護神パラス・アテナを描いています。

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後に代表作のひとつとなる「パラス・アテナ」の原型となった作品です。

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パラス・アテナの隣には「タナグラの乙女」

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向かって右手の壁画はルネッサンス時代を表現

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「フィレンツェの青年」。幼子の顔も描かれてます。

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「イタリアルネサンスの若い娘」

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その隣には「幼児」

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左手に描かれた「ヴェネツェアの総督」

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こちらは一番左側でローマを表しているそうです

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題名は「ローマの聖女」

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その隣には彫刻が描かれてました。通常こんな近くで鑑賞できない絵ですので、ラッキーでした。次回はいつになるのでしょうか。

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１階へ降ります

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看板に従って歩いて行きます

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1階の古代エジプトの展示室を抜けていきます

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石像の展示室を抜けると

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隣の部屋への入口が現れます

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いかにもクリムトらしい絵画の案内が吊らされてました

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入ってすぐ右手に掛け軸のような絵画が展示されてました

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この作品は特別展示の「裸の真実」です。通常はオーストリア演劇博物館所蔵の作品です。1899年、37歳の時の作品で、ヒナギクを差したブロンドのロングヘアをなびかせた裸婦が正面を向いて立ち、右手には鏡を捧げ持っています。鏡はすべてをそのまま映すことから、「真実」のシンボルとされています。

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絵の上部の金色の文章はシラーの句で「君の行為と芸術で万人を喜ばすことができないなら、わずかな人を喜ばすのははしたないことだ。」と書かれてます。この意味は分離派の芸術が大衆受けを狙ったものではなく、真の芸術愛好家のためのものであったことを表しているそうです。まさしくクリムトらしい作品でした。このような貴重な展示を見ることができましたが、記念の年に訪れて大正解でした。

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