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 鎌倉時代の始めに、源頼朝が鎌倉の鶴亀の亀として亀ヶ淵に永福寺を建立した。しかし、由緒ある亀の地は二階堂字三堂などに地名が変わってしまった。そしてここ永福寺跡には頼朝に関連するものなど何も残っていないものと思っていた。しかし、頼朝の痕跡が見られた。<br /> 永福寺経塚山の崖は頼朝が永福寺を建立した際に、境内を広くするために、山の裾を削って崖にした。それが今、昨年の台風の復旧事業として急傾斜の崩壊防止対策を講じている。先日(11/19)から崖面に鉄の網を被せる工事から始めている。永福寺の三堂(阿弥陀堂、釈迦堂、薬師堂)の基壇の復原品と本物の頼朝に命じられて掘削された崖とでは「開運!なんでも鑑定団」に出したなら、復原品より本物の価値(評価額)が高いのは言うまでもない。しかし、災害復旧のために、近いうちにコンクリートで覆われてしまう。本来ならば、工事中に鎌倉時代初期の遺跡が出てきたならば、現地説明会をやって、近隣の住民にその頼朝がやらせた仕事を見せるべきであったはずだ。あるいは調査して資料を残すべきであったはずだ。しかし、工事している業者が工事記録程度に撮った写真くらいしか残されてはいないのだろう。世界遺産に落選した鎌倉市のやること(、正確にはやらないこと)であるから、お役所仕事と諦めるしかない。<br /> おそらくは、頼朝の軍(大手軍)が奥州平泉に遠征した大手中路は理智光寺橋から亀ヶ渕橋方面へと伸びていたのではあるまいか?凱旋後に、この地に永福寺を建立する際に三堂の裏山も何段かの段々に掘削して伽藍を建てる敷地を確保している。一方、三堂の向かいにある経塚山の裾野も掘削して池の広さを確保している。この池を造る際に大手中路と二階堂川は付替えられたのであろう。そしてほぼ垂直の崖の下には二階堂川と道路の間に緩衝地を残していた。それが750年も経つとこの土地に住宅を建て、土砂崩れに遭っている。頼朝の指示を守らないからである。<br />(表紙写真は永福寺経塚山の崖)

永福寺経塚山の崖-2020年秋

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2020/11/22 - 2020/11/22

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ドクターキムル

ドクターキムルさん

 鎌倉時代の始めに、源頼朝が鎌倉の鶴亀の亀として亀ヶ淵に永福寺を建立した。しかし、由緒ある亀の地は二階堂字三堂などに地名が変わってしまった。そしてここ永福寺跡には頼朝に関連するものなど何も残っていないものと思っていた。しかし、頼朝の痕跡が見られた。
 永福寺経塚山の崖は頼朝が永福寺を建立した際に、境内を広くするために、山の裾を削って崖にした。それが今、昨年の台風の復旧事業として急傾斜の崩壊防止対策を講じている。先日(11/19)から崖面に鉄の網を被せる工事から始めている。永福寺の三堂(阿弥陀堂、釈迦堂、薬師堂)の基壇の復原品と本物の頼朝に命じられて掘削された崖とでは「開運!なんでも鑑定団」に出したなら、復原品より本物の価値(評価額)が高いのは言うまでもない。しかし、災害復旧のために、近いうちにコンクリートで覆われてしまう。本来ならば、工事中に鎌倉時代初期の遺跡が出てきたならば、現地説明会をやって、近隣の住民にその頼朝がやらせた仕事を見せるべきであったはずだ。あるいは調査して資料を残すべきであったはずだ。しかし、工事している業者が工事記録程度に撮った写真くらいしか残されてはいないのだろう。世界遺産に落選した鎌倉市のやること(、正確にはやらないこと)であるから、お役所仕事と諦めるしかない。
 おそらくは、頼朝の軍(大手軍)が奥州平泉に遠征した大手中路は理智光寺橋から亀ヶ渕橋方面へと伸びていたのではあるまいか?凱旋後に、この地に永福寺を建立する際に三堂の裏山も何段かの段々に掘削して伽藍を建てる敷地を確保している。一方、三堂の向かいにある経塚山の裾野も掘削して池の広さを確保している。この池を造る際に大手中路と二階堂川は付替えられたのであろう。そしてほぼ垂直の崖の下には二階堂川と道路の間に緩衝地を残していた。それが750年も経つとこの土地に住宅を建て、土砂崩れに遭っている。頼朝の指示を守らないからである。
(表紙写真は永福寺経塚山の崖)

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  • 「四ッ石」も永福寺建立後の地名だ。この辺りも亀ヶ淵だったのだろう。

    「四ッ石」も永福寺建立後の地名だ。この辺りも亀ヶ淵だったのだろう。

  • 理智光寺橋。

    理智光寺橋。

  • この辺りに大手中路があったのでは?

    この辺りに大手中路があったのでは?

  • 永福寺跡。

    永福寺跡。

  • 永福寺経塚山。

    永福寺経塚山。

  • この池辺りを大手中路が通っていた?

    この池辺りを大手中路が通っていた?

  • 永福寺跡。

    永福寺跡。

  • 永福寺経塚山の崖。<br />こうした土木工事は、壽福寺の建立などを無視して鎌倉に律宗(真言律宗)の僧侶・忍性が入ってからだとされているようだ。しかし、頼朝の生前から鎌倉三大寺でもこのように大規模な土木工事が行われ、鎌倉に臨済宗が入ると、境内を広くするために山の裾野を切岸にして、その下に中島がある池を造り、切岸の崖崩れがあっても被害が出ないようにと緩衝地帯を設けていた。

    永福寺経塚山の崖。
    こうした土木工事は、壽福寺の建立などを無視して鎌倉に律宗(真言律宗)の僧侶・忍性が入ってからだとされているようだ。しかし、頼朝の生前から鎌倉三大寺でもこのように大規模な土木工事が行われ、鎌倉に臨済宗が入ると、境内を広くするために山の裾野を切岸にして、その下に中島がある池を造り、切岸の崖崩れがあっても被害が出ないようにと緩衝地帯を設けていた。

  • 永福寺経塚山の崖。

    永福寺経塚山の崖。

  • 永福寺経塚山の崖。

    永福寺経塚山の崖。

  • 永福寺経塚山の崖。

    永福寺経塚山の崖。

  • 永福寺経塚山の崖。ほぼ垂直だ。約830年前の姿のままだ。<br />この崖を史跡として現地説明会も開かなかったのは鎌倉市文化財部 文化財課ではこのコロナ禍の中だったので開催しなかったと弁解するであろう。しかし、この四半世紀の仕事を見ていると、この崖の由緒・由来について何も気が付いていなかったのだろう。あるいは、もしかしたら休日に現地説明会を開催すると市職員が休日出勤することになり、組合が了解してくれないとでも思ったのかも知れない。

    永福寺経塚山の崖。ほぼ垂直だ。約830年前の姿のままだ。
    この崖を史跡として現地説明会も開かなかったのは鎌倉市文化財部 文化財課ではこのコロナ禍の中だったので開催しなかったと弁解するであろう。しかし、この四半世紀の仕事を見ていると、この崖の由緒・由来について何も気が付いていなかったのだろう。あるいは、もしかしたら休日に現地説明会を開催すると市職員が休日出勤することになり、組合が了解してくれないとでも思ったのかも知れない。

  • 永福寺経塚山の崖。ほぼ垂直だ。約830年前に垂直に掘削した跡である。

    永福寺経塚山の崖。ほぼ垂直だ。約830年前に垂直に掘削した跡である。

  • 永福寺経塚山の崖。ほぼ垂直な崖と奥に角度のある崖。角度のある崖の方が表土が滑り易い?この約830年の間に何度か土砂崩れしたため垂直だった崖が角度のある斜面になったのであろう。

    永福寺経塚山の崖。ほぼ垂直な崖と奥に角度のある崖。角度のある崖の方が表土が滑り易い?この約830年の間に何度か土砂崩れしたため垂直だった崖が角度のある斜面になったのであろう。

  • この建物は道路と二階堂川との間にある。しかし、崖が迫っている。

    この建物は道路と二階堂川との間にある。しかし、崖が迫っている。

  • 永福寺経塚山の崖。角度があり、昨年の台風ではここが崩落した。

    永福寺経塚山の崖。角度があり、昨年の台風ではここが崩落した。

  • 永福寺跡の看板。<br />釈迦堂を”Main Hall”はないだろう。

    永福寺跡の看板。
    釈迦堂を”Main Hall”はないだろう。

  • 二階堂は釈迦堂であった。「二階」という仏はない。<br />左の「出入口」から上に伸びる階段の散策路(山道)の先に2段の展望台がある。三堂の伽藍の半分程度は裏山の裾野を掘削して平地にした部分にあるように見える。

    二階堂は釈迦堂であった。「二階」という仏はない。
    左の「出入口」から上に伸びる階段の散策路(山道)の先に2段の展望台がある。三堂の伽藍の半分程度は裏山の裾野を掘削して平地にした部分にあるように見える。

  • 工事看板。発注者は鎌倉市文化財部 文化財課だ。<br />あと2ヶ月余りで完成する。現実には何日かすれば崖面はコンクリートで覆われるのであろう。

    工事看板。発注者は鎌倉市文化財部 文化財課だ。
    あと2ヶ月余りで完成する。現実には何日かすれば崖面はコンクリートで覆われるのであろう。

  • 許可証。

    許可証。

  • 崩落した崖とそれに続く崖。垂直に掘削された崖がその後約830年の間に度々崩落し、急な斜面になったのであろう。

    崩落した崖とそれに続く崖。垂直に掘削された崖がその後約830年の間に度々崩落し、急な斜面になったのであろう。

  • 崩落した崖とそれに続く崖。

    崩落した崖とそれに続く崖。

  • 亀ヶ渕橋上流の二階堂川の曲がり。

    亀ヶ渕橋上流の二階堂川の曲がり。

  • 二階堂川の流れ。永福寺経塚山の辺りの曲がりが不自然に思える。

    二階堂川の流れ。永福寺経塚山の辺りの曲がりが不自然に思える。

  • 亀ヶ渕橋脇には「崩落の恐れあり」と書かれた看板。これなら頼朝の教えを知っている!?

    亀ヶ渕橋脇には「崩落の恐れあり」と書かれた看板。これなら頼朝の教えを知っている!?

  • 亀ヶ渕橋の先にはフェンス。

    亀ヶ渕橋の先にはフェンス。

  • 亀ヶ淵切通。

    亀ヶ淵切通。

  • その先にも台風で崩落した崖。

    その先にも台風で崩落した崖。

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