2020.10 近江で鉄道乗り歩く（２）信楽高原鐵道で滋賀サファリ博物館と近江牛を楽しもう。

2020/10/25 - 2020/10/25

貴生川からは、初乗車となる信楽高原鐵道へ。貴生川を出ると、グングン標高をあげていくんですよねー。単純往復ではつまらないからどこかに寄りたいなと調べたところ、滋賀サファリ博物館なる、変わった私立博物館を発見しました。これは面白そう、行ってみようじゃありませんか。

598冊目　2021/04/19投稿

エリア 信楽(滋賀)

さて、貴生川に到着して、お次は信楽高原鐵道に乗車しましょうか。ここまで乗車してきた近江鉄道が私鉄なのに対して、信楽高原鐵道は元国鉄信楽線が分離された第三セクター鉄道。改札口・ホームはJRと共用なので、JRの有人改札口を通ってホームに向かいます。

階段を降りていくと……。ちょうど信楽線の列車と草津線の列車が入線してくるところでした。

貴生川駅 駅

JRから信楽高原鐵道への乗り換え客もいますね。というか、信楽高原鐵道へ乗る観光客が普通に多いな。

信楽高原鐵道 信楽線 乗り物

信楽高原鐵道の方は2量編成。転換クロスシート車と

先頭車両はロングシート車

さて、出発までホームを散策。こちらはJRと信楽高原鐵道の乗り換え改札機。

それでは列車に戻って

9時14分発の列車で出発進行。

しばらく平地を走ると

グングンと勾配を上げていきます。

列車はどんどん山の中へ。

10分くらいひたすら勾配を登り続けたでしょうか。

新名神高速道路をくぐると

間もなく貴生川の次の駅。信楽高原鐵道線ではこの２駅の間がとても長くて、１５分ほどかかるんですよね。並走するR307もこの区間ずっと山道だもんなあ。

そろそろ先頭へ……。

紫香楽宮跡駅にて

下車しました。

たぬきと一緒に、信楽へ向かう列車をお見送り。

紫香楽宮跡駅 駅

再出発の文字が衝突事故の歴史を思い起こさせます。

一面一線の無人駅です。

駅前の踏切は第４種。列車の本数も少ないし、駅のすぐ近くで速度を落としているし、なにより通る人が少ないからなのでしょう。

付近の観光案内。紫香楽宮跡が近いのです。謎な都ですよね、紫香楽宮。

只今の時刻は九時半。さてと、それでは駅を出まして

私以外にも降りた乗客が１組おられましたけれども、紫香楽宮跡に向かわれたのかな。

私の方は、紫香楽宮跡も気になるのですが……。

まずはこちらへ。滋賀サファリ博物館へとやってきました。

滋賀サファリ博物館 美術館・博物館

こちらの博物館。私立博物館でして、土日祝のみ開館。ホームページに印刷すれば100円引きのクーポンがあります。場所は新名神高速道路信楽IC降りてすぐという好立地。

滋賀県にサファリ？という感じですが、入ってみると受付からこのように。そう、剥製の博物館なんです。

解説というか、動物の名前を見ると、インパラ、ガゼル、アフリカスイギュウ、オリックス……。アフリカサバンナに住む野生動物がいっぱいですね。産地もケニアやらタンザニアやら。

こちらの剥製、全て買い集めたものではなくて初代館長の近藤幸彦さんという方が自ら狩猟で仕留めたものというので驚きです。あ、信楽高原鐵道列車衝突事故の際には、こちらの施設が現地対策本部とされたんですね。

館内にはJALの路線図なのかな、世界地図が展示されていましたが。本当に世界をまたにかけて狩猟されていますね、近藤さん。

このでかい子がアフリカスイギュウだったかしら。この時点ですでに大迫力なのですが。

まだまだあります。

世界各地の動物に混じって、日本のホンド鹿やらイノシシやらも展示されていますね。

このアラスカ・カナダのヘラジカに挟まれているのが、北海道のエゾジカ。うん、サイズ感が違う。

で、ここまででも充分にすごいのですが

後ろを振り返るとほらこの通り。すごいスケールですよね、ほんと。

シロクマもいるよ。シロクマ。

このシロクマ、普通に私の身長の1.5倍くらいはあります。でけー。

さらにこちらの3頭のヤギたちは、アルタイアルガリ、マルコポーロシープ、アジアアイベックス。凛々しく展示されている彼らたちですが、世界三大ゲームと呼ばれてハンターにとって最も捕獲の難しい獲物なのだとか。

なんでも、生息数が極端に少なくて生息地が断崖絶壁の高地であり、俊敏な行動で人をも寄せ付けない性格から、なかなか捕獲するのが難しいそうでして。この３頭が１か所にそろって見られる所は世界でもここだけというレアさなのだそうです。

勿論、今ではワシントン条約等によって動物保護の観点から狩猟できない動物、剥製を輸入することすらできない動物が多いそうですが。近藤さんがこれらのコレクションを集めた90年代まではまだこういうことってできたんだなあ……。

ほかにも角を突き合わせる迫力満載なマラールシカにエルク。

クマもでかいです。日本のヒグマなんて目じゃないです。いや、三毛別羆事件とか考えると日本のヒグマも充分にでかいか。

シロクマの開きも。なんかすごすぎて感覚麻痺してくるな。

で、さらにもう一つ展示室があるのです。

もう一つの部屋へ移動……普通に花が飾ってあると思いきや、象の足とかマジですか。

もう一室は

アフリカサバンナゾーンでしょうか。

キリン、シマウマ、サイ。

象さんは顎の骨での出演です。あと象牙と。象牙、ここについてるのか。

ライオンがシマウマを襲う迫力あるシーンも。このライオンさんがやってきたのが1996年。結構最近だよな。

ガゼル（？）の他に、ワニもいるよ、ナイルワニ。

じっくり眺めていると、もうひとり入館者が見えました。どうでしょう、人が入ると動物の大きさのスケール感がわかるのではないでしょうか。

ちなみに、ここの博物館で一番珍しいのは、こちらのボンゴ。世界４大珍獣なんですって。日本での展示はここだけなのだとか。

そう言えばシロサイも今や絶滅危惧種とのこと。

本当に圧巻の展示でした。

あ、象さんはいなかったですけれども、象牙はここにも置いてあるんだ。

へえ、象牙って中空洞なの？　加工前の象牙の実物を見れるところなんて、ほとんど無いでしょうからねえ。
旅行記には載せませんでしたが、館内には仕留めた獲物と一緒に映る初代館長さんの写真も色々と展示されていまして、狩猟が一つの文化であったことを実感した次第です。

いやあ、すごかったですね。展示室2部屋の小さな博物館ですが、1時間も滞在してじっくり眺めてしまいました。

新名神高速道路の信楽ICからすぐ、列車でも信楽高原鐵道紫香楽宮跡駅から徒歩５分ほどですので、興味ある方はぜひ。ただし土日祝の営業なのでご注意を。

さて、せっかくなので紫香楽宮跡もちょっと覗いていきましょう。

道中、山火事注意を呼びかけて巡回していた消防車に追い抜かれていきました。

滋賀サファリ博物館から10分ほど歩いていくと

紫香楽宮跡に到着です。

紫香楽宮跡 名所・史跡

あまり時間がないのですが、ちょっと奥に行ってみます。

展示館があるんですね。行きたいところですが、ここからちょっと遠いのに加えて、平日のみ開館とのことですので……。

こうした感じで森になっている雰囲気でした。かつては都だったと言われてもわかりませんが、それを言うならば原っぱに復元建築物がポツポツ並んで近鉄電車が遺跡の真ん中を横断している平城宮跡とか、完全原っぱでしかない藤原宮跡とかも大概ですからね。

さて、本当に次の列車まで時間がありません。

駅までダッシュ。ほんといつもこれだよ。

都の跡から5分強で駅まで戻ってきました。

紫香楽宮跡駅 駅

やってきた列車に乗り込み、

信楽高原鐵道 信楽線 乗り物

信楽を目指します。

ここからは駅間距離が短く

雲井駅

雲井駅 駅

勅旨駅

勅旨駅 駅

そして玉桂寺前駅。

玉桂寺前駅 駅

2分間隔で停車していきます。

そして終点の信楽駅に到着。

当然のように狸がお出迎え。

信楽駅 駅

時刻表を確認して

お土産屋さんもありますね。さすが狸の里、じゃなかった、信楽焼の産地。

駅前に出てくると、先程紫香楽宮跡で見かけた消防車がここまで巡回してきたようでした。

おお、これが有名な信楽駅前のたぬきさん。今の御時世に合わせてマスク、さらにはハロウィーン対応なのか仮装？しているので、ごちゃまぜ感が。

なおこのたぬきさん、実は電話ボックスなのです（笑）。

信楽駅 駅

これは昔の信楽駅かな

こちらは信楽高原鐵道のポスター。

駅前のバス停。ここから大津の方へぬけることもできたりしますよね。乗ったことはないのですが。学生のときに、平日限定のコミュニティバスが朝晩一往復ここから石山寺まで出ているので、それを使って安くこのあたりを周ろうという計画を建てていたのですが……実行する前に卒業してしまいました。

さて、次の列車まで時間があるので信楽の町を歩いてみるか。

でも、ちょっとお腹も空いたんだよなあ。

う～ん、食事してみるのもありかしら。ここのお店（一水庵）とか、広々でコロナ対策万全って書いてあるし。

Gotoトラベルクーポンも使えますし、ここにするか。

店内のこちらのゾーンも広々としていますが、コロナ対策だったのかこちらのスペースは使っていなかった模様。

一水庵 グルメ・レストラン

通されたのはこちら。お～広々。うん、これなら密対策は万全ですね。

店内には信楽焼が飾って……というか売ってるのかな、これ。

さて、安いので……あ～でも、ちょっと近江牛は食べてみたいなあ。うーん……。

迷った末に、近江牛のすき鍋を注文。近江牛メニューでこれが一番手頃だった。

一水庵 グルメ・レストラン

手頃といえども近江牛。

一水庵 グルメ・レストラン

いやあ、美味しそうです。

この脂肪が、なんていうのこういうの。霜降り？
普段牛肉なんて買うことがまず無いのでよくわかんない。

肉にばかり目が行きがちですが、この湯呑とかも信楽焼なんだろうなあ。

他に小鉢にひじきと枝豆、あとお味噌汁。

それでは割り下で煮込んでいただきましょう。

生卵に絡めていただきます。あ～うまい。

いやあ、大変美味しゅうございました。1900円のランチ。贅沢なランチでしたね。

支払いのうち、1000円は昨晩彦根で宿泊した際のGotoトラベルのクーポンを利用。帰ってからドラッグストアあたりで食料品でも買おうかと思っていたのですが、ここは旅行中に使って経済活性化に貢献することにいたしましょう。

お客さん、何組も入っていましたが、広々とした店内スペースだったので、リラックスして味わうことができたのも良かったです。

さて、ご飯食べてたらもういい時間ですね。

信楽の町を散策したかったのですが

駅に戻って次の列車に乗らないと行けない時間です。

さて、いつもはここでそのまま列車に乗って折り返してしまうのですが、ちょっとせっかくだからお土産にキーホルダーでも買っていきましょうかね。

信楽駅 駅

色々な種類のものが売っておりますが

こちらの事務所の中で購入できました。

どれにしようか迷った末に購入したのはこちらの貴生川⇔信楽のサボ型キーホルダー。そして「鉄カード」なるものの信楽高原鐵道バージョンも貰うことができました。

余談ですが、ちょうどこのキーホルダーを買うときにNHKの方が鉄印帳の取材をされていまして。私、鉄院帳を購入したわけではありませんが、キーホルダーを買ったということで取材を受ける羽目に。「列車に乗って旅行好きなんです～」とか「旅行の記念にもなるし、こういうのを買うことでちょっとでも鉄道会社への支援になれば～」みたいな事を話していましたが、段々と数百円のキーホルダー一個買っただけの私がこんな偉そうなことを言ってていいんだろうかと恥ずかしくなってきました（笑）。こういう立派なことは、そう、枕木オーナーになられたTagucyan様のような方が仰られるべきではなかろうか……。

いい加減に恥ずかしくなってきた頃に列車が間もなく発車しますの案内が流れてきたので、取材終了。キーホルダー購入するところからインタビューまでカメラ回されたけれども、あれどこかで流されたのかしら。いや、あの日の信楽駅は賑わっていたので、きっと鉄院帳を記帳した方にもインタビューしてそちらの映像を使っただろうと思うんですけれどもねー。

ともかく、大急ぎで列車に乗って信楽駅を出発。

信楽高原鐵道 信楽線 乗り物

30分もかからない程度で貴生川へと戻ってきました。

貴生川駅 駅

車でなら何度か近くを通ったことはあったのですが、実は乗車したことがなかった信楽高原鐵道。今回無事に初乗車をすることができました。

滋賀サファリ博物館は濃かったし、近江牛は美味しかったし。信楽駅で購入したキーホルダーは、私の通勤カバンにぶら下がっております。
さて、このあとは近江鉄道へと戻りましょうかね。