2020/10/01 - 2020/10/01
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ちふゆさん
2020年10月1日(木)、久々に伏見に出掛けた。午後の2時頃、近鉄桃山御陵前駅に降り立つ。昭和3年(1928年)、現在の近鉄京都線の前身に当たる奈良電気鉄道開通時に開業した駅。当初から高架駅。1963年に近鉄京都線となった。急行停車駅で、100m西に京阪本線の伏見桃山駅、500m東にJR奈良線の桃山駅がある。戦後すぐから1968年まではこの駅と京阪本線(当時は京阪神急行電鉄)の丹波橋駅との渡り線が引かれ、京都三条までの直通運転も行われていた。駅の名前は東約1.5㎞にある明治天皇の伏見桃山陵の通称から。
さて伏見だが、これまで何度も来ており、大体のメジャーどころは一度は行ったことがあるので、この日はあえてこれまで気にしたことがなかったマイナーなポイントを回る。ほとんどが碑が残るだけになるが・・・。ちなみに伏見の名だが、この辺りは酒どころになったように伏し水(ふしみず=地下水)が豊富で、そこから伏水と呼ばれたのが、変化したようだ。また桃山は江戸時代に付けられた地名で、伏見城跡に桃を植えて桃林にしたことに由来する。
まずは近鉄線の東側を南に向かうが、その東側に桃陵団地がある。1959年に建てられた市営団地で、今も普通の横長の建物だけでなく、スターハウスやポイントハウスなど27棟が使われている。1988年と1991年に一部の簡易耐火造の住棟が建替えられ、酒蔵風の住棟になっている。通りから見上げる給水塔もなかなか立派(下の写真1)。桃陵はもちろん桃山御陵のことで、中学校の名前にもなっている。
伏見は平安時代から鳥羽と共に貴族の別荘地帯だったのを、安土桃山時代に豊臣秀吉が伏見城を築き、城下町と港を整備した。江戸時代に入り、3代将軍家光の時代に伏見城は完全に取り壊され、現在の団地がある一帯には後述する伏見奉行所が置かれた。明治に入るとここは陸軍工兵隊の基地となり(下の写真2)、戦後は米軍に接収された。そして米軍から返還された後に団地が建設された。
少し南に進んだ先に現れる団地の西側の石垣は明治時代に陸軍が建設したもの。以上の歴史を説明した石碑もその石垣の中ほどの団地への入口に建つが、笠の部分は陸軍時代の門に使用されていた石(下の写真3)。その団地の歴史の石碑の奥に伏見奉行所跡の碑が建つ。
伏見は古くから京都中心部と大阪や西国とを結ぶ重要な中継地点であり、江戸幕府は直轄領とし、各地に置いた遠国奉行のひとつとして伏見奉行を置き、町の取り締まりや年貢の徴収、船の取り締まりなどを行っていた。伏見奉行所は現在の桃陵団地から南の桃陵中学まで至る巨大な敷地に1624年に設置され、1666年に水野忠貞が初代奉行となり、与力10騎、同心50人が属し、伏見市街と周辺8ヶ村(享保以降は葭島新田が加わる)を支配した。西側の正門の南北の石垣の上に白壁が続き、南北2つの櫓がそびえていた。
1866年の寺田屋事件で坂本龍馬を捕縛するために出動したのはこの奉行所の手勢。翌年第26代奉行が病死し実質廃止されたが、この奉行所跡を有名にしたのはさらにその翌年、1968年正月3日(旧暦)の明治維新の鳥羽伏見の戦い。
京を追われた会津藩に新選組などを加えた旧幕軍が朝廷への訴えのため京へ向け進軍していたが、鳥羽と伏見を抑えていた薩長勢力と通行を巡って小競り合いを起こす。1500人の旧幕軍はこの奉行所跡に立て籠り、薩摩藩将兵800人の官軍と激戦を繰り広げたが、最後は、150m北の御香宮神社に本営をかまえた薩摩軍の砲撃を受け奉行所内の弾薬に火が付き炎上、敗走した。
これらの碑のもう少し先、団地の西側を進むと常盤御前就捕処と刻まれた石標が萩に囲まれて建っている。牛若丸(後の源義経)の母で、鎌倉幕府を開いた源頼朝と義経の父、源義朝の側室。ちなみに頼朝は正室の子供。義朝が平安末期の1160年の平治の乱で平清盛らに敗れ、落ち延びる道中で家人に裏切られ謀殺された時、牛若ら3人の子供を連れて逃げようとしたが、ここで平氏に捕らわれたと云う。
が、これは眉唾物。この地の東に今は存在しない名水常盤井があったので、常盤御前と結びつけられたと云うのが真相のようだ。ちなみに名水常盤井は北区の紫野にも碑が残る。丹波橋駅の近くのキンシ正宗の工場敷地にもあるが、これは1974年に命名されたもの。なお、前述したようにこの地は戦前は陸軍工兵隊の衛戍地で、大隊長がこの石標の建碑者となっている。
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マイナーな伏見参りが続く
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