2015/01/27 - 2015/01/29
30位(同エリア48件中)
まさとしさん
トルコ側から船でキプロスを往復します。
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キプロスは1995年に南から訪問しているが、船でリマソルに入港して港の周辺をうろついただけで納得のいく入国をしてない。なので今回は首都を含め町の中心まで観光してみたい。北キプロス訪問で新たな国に訪問したとカウントはできないが、初めての国と行ってもいい感覚だ。
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【1月27日(火)】
北キプロスの海の玄関口であるギルネへのフェリーはシートクラスのみだ。乗客はそれほどおらず三人掛けのシートの肘掛けを上げてベッドにすれば横になることができ熟睡できそうだ。
出航が1時間以上遅れて所要時間も7時間以上もかかったので到着は午前9時前になるようだ。冬は海が荒れスピードが出せないのだろうか。船は終始揺れが気になった感じだ。予定通り早い時間に着いても眠いだけなので時間がかかったのはありがたい。 -
キプロス島。
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北キプロス・トルコ共和国の海の玄関口ギルネ港に入港。
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ギルネ港のフェリーターミナル。北キプロスの入国審査ではスタンプをしっかり押されてしまった。係官がどうするか聞いてきたが、あえて押してくれとお願いしたのだ。これによって北キプロス入国のスタンプ付きのパスポートで今年ギリシャに乗り込む考えだ。
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港からはミニバスに乗ることができ、ギルネ中心部へ出ることができた。ギルネ中心部は飲食店や観光客向けの店が建ち並び完全にリゾートの街だ。歩いて目的の安宿に到着。部屋がまだ掃除されてないようで12時まで待つことになった。
チェックインまで町を散策してきた。ギルネの港の城壁とヨットハーバーは地中海でありがちな眺めだ。トルコに比べて頭に布をかぶっている女性がほとんどいない。働く女性の姿も多く、トルコに比べて開放的な雰囲気だ。また物価は少し高くなった感じは否めない。またイギリスの植民地だったため車は日本と同じで右ハンドル左側通行だ。 -
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アタチュルク像と北キプロス、トルコの双方の国旗がはためく。
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朝食はトーストを注文。フランスパンがこんな形にしてくれた。中にはサラミとチーズが入ってチャイ付きで7トルコリラ(350円)。
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昼前に宿に戻り、チェックインの手続きを済ませて部屋に入った。値段は1泊50トルコリラ(2500円)。必要とされる設備はすべて整っているが、建物は少し古い感じだ。
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窓からはギルネ港のヨットハーバーやキレニア城の城壁、そして地中海を一望できるすばらしい眺めだ。ここに二泊することになる。
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午後はキプロス島の東海岸に位置するガズィマウサマゴという歴史都市に行ってみた。ギルネからはミニバスで1時間以上かかる。キプロスは意外と広い島だ。
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このガズィマウサに到着。城壁に囲まれた歴史都市だ。
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ガズィマウサの南に隣接するヴェロシャという場所に向かった。ヴェロシャはギリシャ系住民のリゾート地だった街だが1974年のキプロス紛争でトルコ軍が侵攻し、住民が逃げ出してしまったのでゴーストタウンになってしまった場所だ。それ以降現在まで人の住まない廃墟になっている。周囲は鉄条網に囲まれ立ち入ることはできない。
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海岸沿いには廃墟の高層建築が。
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ギリシャ正教会も廃墟の中でその存在感は特別だ。
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40年間時がとまったままの街。
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現在は使われていない検問所。
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ヴェロシャは1970年まで世界有数のリゾート地だった場所でホテルが次々に建設されていた。ビーチ沿いには建設途中で放置され、クレーンごと放置された建物も見ることができる。キプロス紛争からすでに40年の月日がたっているが解決のめどは立っていない。
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ビーチから回り込めば廃墟のビルにかなり近づくことができる。
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写真撮影は基本的に禁止だが、あまり厳しく規制している様子はない。
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境界線にはトルコ軍の見張り台がある。
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目の前に見える町並みがすべて廃墟だ。かなりの広範囲に広がっているので全貌は想像を絶している。まさに世界最大規模の廃墟だ。
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建築途中のホテルの廃墟。
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記念撮影してヴェロシャをあとに。
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実はヴェロシャ以外にもギリシャ住民の所有物だったと思われる建物の廃墟は多く見られる。
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そんな感じで廃墟を見学した後、ガズィマウサの城壁内に入ってみた。
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城壁内には教会の遺跡が点在している。
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城壁内の教会遺跡。
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旧市街の建物。
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廃墟が多い中、どう見てもキリスト教の大聖堂の建物がありモスクとして使用されミナレットが新たに建造されている。
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礼拝堂では長椅子が撤去され、カーペットは敷かれている。
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教会を勝手にモスクに作り替えられて、この街を見てギリシャ系住民はいい気はしないだろう。でも南に行けばモスクが教会になっている場所もあり、お互い様といった感じか。
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ガズィマウサの城壁をあとにした。
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城壁の外で夕食を食べることにした。マトンの串焼きのプレートにジュースをつけて25トルコリラ(1250円)。安くはないがボリュームもあり満足度は高い。
夕方5時にはギルネへ戻ることにした。ミニバスで1時間以上かかってしまう。日が落ちると急に寒くなってくる。またキプロスは野良犬が多いので危険だ。
【1月28日(水)】
今日はキプロス最大の都市で首都であるレフコシアに向かう。キプロスの首都は一般的にニコシアと呼ばれるがこれは英語読みでトルコ語やギリシャ語ではレフコシアと呼ばれている。レフコシアは分断された世界で残る唯一の都市でキプロス共和国と北キプロス・トルコ共和国の双方の国の首都とされている。
ギルネからレフコシアまではフリーウェイが整備されていて乗り合いタクシーで30分ほどだ。 -
レフコシアのギルネ門の城壁の中で車を降り、旧市街を散策してみた。南北分断線に沿ったエリアは廃墟が多く目につく。そんな中、南北を行き来できる検問所に向かった。 -
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南北分断線は国連によってひかれた緩衝地帯となっていて、かつては南側のキプロス共和国からに限り北への通行が可能だった。それが2004年より南北間の通行が自由化がなされた。今では検問所周辺は観光客で賑わい、レフコシアで一番賑やかなエリアとなっている。
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ロクマジュという通りが南北を行き来するための通路になっている。
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トルコ・ギリシャ双方でパスポートチェックを受けて南側に入った。
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南はトルコに比べて垢抜けしていた北キプロスよるさらにヨーロッパ的な明るい雰囲気の町並みで人々の顔立ちもギリシャ系なので雰囲気が全然違う。看板にはギリシャ文字が表示されている。とはいえほぼすべて英語の表記がなされていてギリシャ語のみの方が少ない印象だ。
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南キプロスでは北にはなかった世界的ファーストフード店はあり、値段も西欧諸国に比べて安めの設定だ。通過が同じユーロなので比較しやすい。
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マクドナルドのセットは4ユーロ。ただしスターバックスは若干高めだった。
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南レフコシアの城壁近くにバスターミナルがある。大型バスが走っているようだが本数は相当少ないようだ。遺跡で有名なパフォスまでは2時間。比較的近いリゾート地のラルナカでも1時間かかる。それらのバスが1時間から2時間に一本しかない。パフォスは完全に行くのは無理でラルナカに関しても行ったところで単なるリゾート地で見所は少ない。キプロス島は結構大きく山岳地帯もあるので移動は案外大変だ。なので首都ニコシアから出るのはやめることにした。
見晴らしのいいタワーに上ってみた。 -
タワーの展望台は博物館になっていてレフコシアの歴史が写真とともに紹介されていた。しかし城壁などは確認できないが旧市街の全貌は把握でき、トルコ側の山肌にトルコと北キプロスの国旗が描かれているのが印象的だ。北キプロスはスローガンの表示や銅像も多く、どことなく共産主義的な感じを強く民族主義をアピールしすぎている感じがする。もはやキプロスにおける地位は完全に劣勢になっているので無理もないだろう。世界の国々が南のギリシャ系住民の国を承認し、EUにまで正式に加盟してしまった。キプロス島の北半分に住むトルコ系住民は世界からその存在すら忘れ去られてしまっているのは気の毒ではある。
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南キプロス国旗
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南レフコシアを散策。お土産物屋など。
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通りの名前はいかにもギリシャといった名前。
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南レフコシアのギリシャ正教会。
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南レフコシアのモスク。
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一通り建物を見学して北へ戻ることにした。
再びパスポートチェックを受けることになる。 -
北ではモスクに作り替えられた教会など見学。キプロスにおける争いの原因はどちらの民族が悪いのかは判断しづらい。結局はパレスチナ問題しかり、イギリスの植民地政策が諸悪の根源だというのは言うまでもない。
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ギリシャ系住民の住居だったと思われる建物の廃墟。
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北レフコシアの伝統的な家屋。
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昼過ぎにはギルネに戻ることにした。ミニバスがギルネ門を出た場所から出発する。
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ギルネへのミニバス。
南はちゃんとした大型バスが走っているのに北はずいぶん貧相な感じだ。 -
ギルネに戻った。夕方のギルネを散歩することに。
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夕暮れのモスク。夕食は挽肉のケバブのプレートを注文したがやはり1000円位かかる。
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【1月29日(木)】
トルコ本土のタシジュへの船は午後2時の出航で12時に港に行けばいいらしい。午前中はキレニア城壁を見に行ったり、ギルネの町中を散策して時間をつぶした。 -
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朝食はメネメンという野菜の入ったスクランブルエッグを注文してみた。これをパンにつけて食べる。トルコでは定番の朝食メニューらしい。
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チェックアウトを済ませて港へは徒歩で向かった。30分ほどだ。
同じ時間帯にアランヤ行きのフェリーも出航するようで出国審査は結構混雑が激しい。北キプロス共和国は最初の入国時はパスポートに押してもらったが、それ以降南キプロスとの行き来の際などすべて別紙に押してもらう事になった。今、別紙に押される国はイスラエル、キューバ、北朝鮮などだろうか。 -
たくさんいた乗客の大半はアランヤ行きだったらしく、乗り込んだタシジュ行きの船内はガラガラだ。
出港は1時間遅れで午後3時過ぎになった。到着まで7時間以上かかる。シートを倒して寝るだけだ。昼食は船内のカフェでトーストを注文して済ますことにした。
日が暮れたあとも航海は続く。トルコのタシジュに到着したの午後10時半だ。
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