2020/08/14 - 2020/08/19
2872位(同エリア7022件中)
jokaさん
縦走二日目
今日の予定は、野口五郎小屋から水晶小屋に寄って水晶岳を往復。その後、鷲羽岳経由で三俣山荘へ行き昼食。黒部源流を通って岩苔乗越まで登り、そこから憧れの高天原山荘まで一気に下りて温泉三昧♪というもの。
高天原温泉は、日本一遠い温泉と呼ばれ、温泉好きとアルプス好きの登山者なら知らない人のいない秘湯中の秘湯です。
ところが実際には強風&ガスのため出発が二時間近く遅れ、しかも明日以降天気が崩れそうとの情報も入ってきて二日目にして縦走中止の危機が。
下の方はそれほど天気も悪くなさそうなので、とりあえず高天原山荘を目指すことにします。
今回の縦走では、二つの長年の宿題をクリアを優先事項としていて、一つが薬師岳を北上して立山へ入ること、そしてもう一つが高天原山荘に泊まって温泉を楽しむことです。
まずは一つ目のクリアなるでしょうか?
- 同行者
- 一人旅
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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4時に起床して食堂で朝食。
他の人を起こさないようにヘッドランプの赤色灯を使用します。野口五郎小屋 宿・ホテル
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歯磨きがてら外に出てみると魔王誕生を寿ぐような禍々しい空模様。
風もかなり強め。15mくらいか。 -
ガスで視界もありません。
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準備を終えて日の出時刻まで待ってみたけれどガスと強風は止まず。
小屋の人とも相談して出発を遅らせることにしました。 -
1時間半ほど二度寝?して6時半前に再度準備完了。
天候はそれほど改善されていませんが、これ以上待つのも退屈なので出発することにします。
6時34分です。 -
一瞬青空が顔をのぞかせました。
回復傾向にあると信じましょう。 -
野口五郎岳山頂(2924m)は強風&ガスの中。
多少なりとも展望のあった昨日のうちに登頂しておいてよかった。野口五郎岳 自然・景勝地
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下の方はガスがなく、陽が射しているところもあるようです。
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展望はないので、足元の高山植物に救いを見出す。
たぶんヨツバシオガマ… -
イワギキョウかな…
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ダレ?
去年、一昨年は付け焼き刃とはいえ長期山行前に高山植物の予習をしたので、多少なりとも見分けはついてた気がする。
今年は急な予定変更などに振り回されてすっかり頭から抜け落ちてました…
おぼろげな記憶だけが頼りです。 -
真夜中に奥黒部ヒュッテを出て読売新道を登ってきたというお兄さんとすれ違う。
ここまでコースタイムで11時間以上のはず。なかなかの健脚です。
あちらの天気を尋ねると「富山側はこの先雨らしいですよ」と… -
週間予報は良かったんだけどな。
2500m以下は陽が射してるところもあるので、とりあえず今日のお宿の高天原山荘へは行くとして、明日以降の天候次第では予定を切り上げて明日折立か新穂高温泉まで下山することも考えたほうがいいかも。
それなら有給消化せず通常のお盆休みだけの利用で済むし…
なんてことを考えながら歩いています。 -
8時13分、東沢乗越(2729m)。
ここから水晶小屋(2903m)まで200メートル近い登り返しです。
一般的に標高100m登る(途中の下りや水平移動はカウントせず)のに15分~20分と言われているので最短で30~40分ほどですね。 -
真っ白な視界の中、細かいアップダウンやザレた足元というそれなりに厳しい道を進んでいきます。
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ふと見上げると小屋の姿が。
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8時55分、水晶小屋(2903m)に到着です。
計画段階では昨日のうちに水晶小屋まで来るか野口五郎小屋までにするかずいぶんと迷いました。水晶小屋には前から泊まってみたいと思っていたので。
野口五郎小屋からここまで2時間半程度。そのつもりでいれば時間的には初日に到着可能ですが、今年は去年の南アルプス縦走時のように”一日十時間行動当たり前”のスパルタン山行はしない方針のため諦めた経緯があります。水晶小屋 宿・ホテル
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おや?
今年の水晶小屋は素泊まりのみの受付で、朝夕もレトルト食事セットの販売があるだけのはずですが、なんと喫茶営業をしているみたいです。 -
今年の受付は小学校高学年の男の子(小学五年生と言っていたような…)と十代半ばの娘さんというフレッシュコンビ。
とても楽しそうに仕事していて、見ているこちらも気分がよくなります♪ -
男の子は昨日から販売開始だという水ようかんをさわやかに売り込んできた直後に、「でも、この天気じゃあ食べたくないですよね!」と見事なノリ突っ込みをかましていました。
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3年前に訪れたときはちょうど小屋締めの日で、小屋に立ち寄れず残念な思いをしました。
念願のTシャツを目の前にして買うかどうかさんざん悩みましたが、先週五竜岳のTシャツを購入したこと、大きな荷物を増やしたくないことの二点から購入見送り。今でもちょっぴり後悔しています。
小屋のお土産に関して言えば、わたしは手ぬぐい派。この柄の手ぬぐいがあれば即決なんだけどな… -
というわけで10食限定のカレーを注文。
角切りの肉がごろごろ!小屋のカレーとしては破格の肉の量です。
さすが三俣山荘グループ。食事へのこだわりが素晴らしいですね♪
ご馳走様でした♪ -
20分ほどの小屋での滞在中に考える。
このガスの中、登るべきか。登らざるべきか。
【結論】
迷ってる間に登りましょう! -
20分ちょいで水晶岳山頂(2986m)。
景色は3年前に余すことなく堪能したので良しとします。 -
最初の計画(4泊5日)では、4日目に水晶小屋泊まりで最終日に読売新道か裏銀座のどちらかを下るつもりでした。
どうやら今年も行けそうにありませんね… -
一般に水晶岳山頂と認識されているのは、正確には水晶岳南峰山頂。北峰は地味で見過ごされがちです。
かく言うわたしも北峰は未訪。
というわけで、やってきました北峰です!
薄っすら見えているのが南峰。 -
とは言っても南峰から1分の距離ですが。
ここにも赤牛への誘惑が… -
南峰に戻って居合わせた方たちと少しおしゃべり。
水晶岳 自然・景勝地
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やはり20分ちょいで水晶小屋へ。
途中道を譲った方の速いこと速いこと!!!
危険ゾーンというほどではないにしろ、足滑らせたらサヨウナラな岩場を危なげなく走って通過。
岩陰に遠ざかる姿がカモシカに見えました。
これまでトレイルランナーも含め多くの登山者を見てきましたが、岩場では間違いなく断トツの最速でしょう。
TJAR参加者やハセツネの上位入賞者はあれより速いのか気になります。 -
当然いくでしょ!
出来上がりを待つ間にカウンターで食事中のご夫婦とおしゃべり。
本当なら大雪山系縦走の予定、しかも家のある静岡から車で北海道まで往復するつもりで、熊撃退スプレーまで購入したのに現地の天候が悪く北アルプスに変更されたとのこと。
このあと高天原山荘を目指すとのことで、再会を約束してお別れしました。 -
三年越しの念願が叶ってしまった!
なんて幸せな山行でしょうか♪
やさしい味噌味に癒されました。七味との相性もバッチリ。
お餅が三つ入っていたような気がしないでもない。
ご馳走さまでした♪ -
10時59分、ワリモ北分岐。
前回はここにザックをデポして水晶岳を往復しました。
この先をザック担いで進むのは、裏銀座か読売新道を下る“ホンモノ”の人達だけだと思っていました、あの頃は…
計画ではここから鷲羽岳→三俣山荘→黒部源流→岩苔乗越でしたが、ガスで鷲羽岳からの眺望が望めないこと、出発を2時間近く遅らせていること、高天原温泉をゆっくり楽しみたいことなどの理由でカットすることにしました。 -
前回はたかが5分の登りで心が折れかけたこの道。
下りで使うとさほどでもありませんでした。 -
岩苔乗越(2731m)
一見尾根上の狭いスペースにしか見えませんが、実は北アルプス北部の要衝。多くの人が行き交う交差点です。 -
ここを通る四つの道のうち、最も地味なマイナールートを下りていきます。
基本沢沿いの大変心地よいルートです。
お気づきの通りこの標高ではガスはありません。
谷の方にはうっすら陽が射しているところも見受けられます。 -
トリカブトだと思います。
少なくとも花に関しては、印象派的な淡い色使いよりもこういうはっきりとした色が好みです。 -
凛とした色使いと姿形が際立つ車百合。
ピンボケなのはご愛敬… -
この斜面、実はかなり見事な花畑!
画像では伝わりませんね。
タイミングの問題もあるでしょうが、去年の8月上旬に歩いた荒川前岳南東斜面の有名な花畑よりずっと良かったです。 -
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斜面を下りきると、いったん平坦な沢の中を歩くような感じになります。
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完全に水没している、というか小川の中に無理やり道を付けた感じ。
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岩苔乗越から樹林帯に入る前の1時間ほどは、特におすすめの爽やかルートでした。
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水晶池分岐
せっかくなので寄ってみることに。 -
池はどこに?
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完全に干上がっています……
梅雨にあれだけ雨が降ったのに……
そっと引き返しました。 -
ここまで来ればあと少し。
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青空も見えてます♪
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おおっ!
高天原山荘 宿・ホテル
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13時17分、憧れの高天原山荘に着きました。
ここの標高は2125m。岩苔乗越からでも600m、水晶岳からなら800m以上下ったことになります。
受付には“受付は13時より”との貼り紙がありましたが、声を掛けると「担当者がもう少しで戻ってくるのでそれまでお待ちください」とのこと。 -
それまで館内見学をして暇つぶし。
日本最奥の秘湯“からまつの湯”の案内図。 -
ドリンクの種類はかなり豊富みたい。
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ここは薄日が差しているけれど、山の上はやっぱりガスガス。
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高天原山荘は2015年に改装が終わったばかり。
とてもきれいな小屋です。 -
食堂もコロナ対策は万全です。
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え~と明日の天気は?
くもり時々雨……
やっぱり下山かな……… -
13時半頃ご主人が帰ってきました。
小屋には電波が入らず、ネット環境もないため、明日の天気情報を得るためわざわざ稜線上(温泉沢の頭:往復のコースタイム7時間以上)まで出かけてきたそうです。
コース整備も兼ねているんでしょうが、お勤めご苦労様です!
一番に受付を済ませ、割り当てられた2階の一番奥(写真右奥)へ。 -
本日の寝床。
畳の青さが眩しい。 -
窓の外にはテラスが。
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こんな感じです。
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通路を挟んで反対側は手前と奥の二列になっています。
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談話室はかなりコンパクト。
このご時勢では利用がためらわれますね。 -
こちらはトイレ。
清潔感溢れる木目が清々しい。 -
ここに至る登山道を振り返ってもわかるように高天原山荘は水の豊富な小屋。
小屋前の水場には沢の水が引き込まれ、24時間勢いよく流れています。
小屋主さんに許可をもらってTシャツ、帽子と手ぬぐいを洗いました。 -
干す場所を探していると「裏の物干し場を使っていいですよ」とのこと。
至れり尽くせりですね♪ -
小屋の前のクーラースペース。
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飲み物が冷えています。
ビールとチューハイを一本ずつ買っていざ出陣! -
温泉まではそれなりの山道とのことなので、サンダルではなく登山靴を履いて出かけます。
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もっと本格的な登山道かと思っていましたが、予想よりは穏やかな道。
さらに奥の竜晶池まで行かないのであればサンダルでもいいのでは?と思います。 -
河原に出ると硫黄の匂い!
上流に歩くとすぐに囲いが見えました。 -
石に付着した硫黄が苔のようです。
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日本一遠い温泉“からまつの湯”に到着!
小屋から15分弱でした。 -
“からまつの湯”には露天風呂が三つ。
左に見えているのが混浴(実質男湯、囲いあり)で右が女湯(もちろん囲いあり)。
そして沢の手前側に開放感満天の混浴露天風呂(囲い無し)があります。
当然ながら一番人気は囲い無しの露天風呂。水着着用可なので男性に交じって入浴する女性もいるそうです。 -
まずは天然クーラーを作ってビールとチューハイを冷やしなおしです。
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わたしが到着した時には囲い無しに男性が二人いるだけでした。
囲い無しは直径二メートルほどの大きさなので、まず最初に囲いありの方を試してみることに。 -
こいつを忘れるわけにはいきません。
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中はこんな感じ。
入口すぐ右が脱衣スペースになっています。 -
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とりあえず乾杯♪
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湯量豊富なようで、常に源泉からのお湯が注ぎ込んでいます。
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極楽♪極楽♪
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やっぱり風呂にはケロリンですな。
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15分ほど楽しんだところでメインステージである囲い無しへ。
先客お二人のうちお一人はかなりの酔いっぷりで千鳥足で竜晶池方面へ。
入浴中のお一人は奥黒部ヒュッテから温泉沢の頭を経て到着し、すでに3時間近く入浴中とのこと!!
温泉沢ルートは上はザレザレ、下はジャブジャブ(沢登り要素のあるハードめの渡渉)だそうで、「なかなか厳しかったです」と仰っていましたが、翌日宿のご主人と話した際、「その方なら温泉沢登って今日中に七倉に下山すると言って暗いうちに出発されました」とうかがいました…
変態だ………(褒め言葉です) -
せっかくなので撮っていただきました。
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三つの露天風呂の位置関係はこんな感じ。
画像正面が混浴、右が女湯です。 -
移動して10分もしないうちに貸切になりました。
レモンサワーが染みるね♪
そろそろ出ようかなという頃合いに、先ほどの千鳥足の方が(すでに酔いはさめてしっかりした足取りでした)戻ってきてちょっとお話し。
やはりこの方も奥黒部ヒュッテからの温泉沢経由。早く着きすぎてしまったのでいったん山荘でアルコールを調達してから戻ってきて二時間ほど浸かっていたらしい。
まだ受付してないのでそろそろ行かないと、とにこやかに出発されました。 -
雲は多めだけど頭上には青空!
稜線上のガス&強風が嘘のよう。
これなら縦走続行してもいいな。 -
“からまつの湯”はかなりぬるめなので長く入っていても湯当たりしません。体温と一体化する心地よさが最高です♪
できれば空いてる時に訪れて、長湯するのがオススメ!
結局囲い無しの露天風呂だけで約一時間、到着してからだと一時間半ほど温泉を満喫しました♪ -
すっかり寛いで時刻はすでに16時前。
利用者も増えてきたし、17時からの夕食に間に合うようそろそろ竜晶池へと参りましょう。
“からまつの湯”からさらに奥に進みます -
10分ほど歩くといきなり視界が開けました。
ちゃんと水があってまずは一安心。 -
先ほどの千鳥足おじさん(褒め言葉です)いわく、「大きなヤゴがうじゃうじゃいたよ」とのことでしたが、わたしには見つけられませんでした。
子供のころから周囲のみんなが気づいている有名人をスルーしたり、知り合いとすれ違っても気づかなかったりする注意力散漫な人なので、たぶんわたしが見逃しただけだと思います。
楽しみにしてたのに残念! -
汗をかかないようにゆっくり戻りましょう。
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池塘っていいな♪
正面のどでかい山は薬師岳だと思います。
明日はあの山頂の手前に宿泊予定なので、気分次第では明日中に一回登頂しているかもしれません。 -
方角的に水晶岳だと思うのですが、それにしては山頂の形がちょっと違うような。
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“からまつの湯”に戻ってきました。
30代と思しき男性4人組が水着姿!?でキャッキャと入浴中。
竜晶池に行くために風呂から上がって服を着始めていたわたしに
四人組「どうやって入りました?」
わたし「どうやって?」
四人組「裸じゃないですよね?」
わたし「え?風呂なんでもちろん裸ですよ」
四人組「ええっ!なにも着てないわけじゃないですよね?」
わたし「いやいや。裸ですよ」
というなんとも不思議な会話をしたことを思い出す。 -
女性が多いときに気遣いとして着用するならまだしも、少なくともわたしが入浴中には一人が女性専用風呂を利用しただけだし、今も周囲に女性の姿は見当たらない。
思春期真っ盛りの中学生ならともかく30過ぎたオトナというのが衝撃的でした。
時代の変化と言ってしまえばそれまでですが…… -
17時前に山荘着。
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夕食の準備も万端です。
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和風中心の美味しそうな総菜が並びました。
手作り感があって、いかにも高天原山荘らしいおもてなしの心溢れる夕食だと思います。 -
この一品を付ける気遣いがうれしいですね。
ご馳走さまでした♪ -
食後は二階のベランダにて読書タイム。
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珍しくワインをチョイス。
日が陰ってくるとさすがにこの標高でも肌寒くなるのでパッカブルの化繊パーカを羽織ります。 -
夏至はとうの昔に過ぎ去りましたが、まだまだ日は長い。あたりが薄闇に包まれるまで、2時間近くのんびり過ごしました。
明日は晴れるかな? -
この山荘は“秘湯の宿”であるとともに“らんぷの宿”でもあります。
バックヤードはともかく館内の灯りはランプのみ。
発電機の音もしないので静寂に包まれています。
おやすみなさいZ z z
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