2019/10/27 - 2019/11/07
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mirilinさん
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今回もやってしまいました歩き倒しの旅。
そろそろ年も年なんで、あくせくせず、のんびり滞在してゆったり観光しよう!と思ってバルセロナに10泊もするという計画を立てたのに、気が付けば北へ南へ東へ西へと、とにかく歩き倒してしまうという、旺盛な好奇心とたぐいまれな貧乏性のわたし。またしても相方から「歩きすぎだ」「強欲だ」「苦行だ」と罵倒されてしまいました。でも治りませんよ、私のあっちもこっちも行きたい病。
この旅行記は、そんなわたしの訪れたあっちやこっちを、備忘メモ程度にまとめておこうというものです。
その3回目はバルセロナ4日目の足跡。澄み渡る青空の下、サン・パウ病院とカサ・ミラの見学中心の一日の様子です。いよいよ丸一日、私と相方だけでバルセロナの街を歩き倒す日々の始まりです。
この日の歩数は17,597歩。昨日よりは少なめですが、歩いとりますよ~。
ちなみに、今回のバルセロナ訪問の大きな目的は、スペインのアール・ヌーヴォー=モデルニズモ建築巡り。ということで、バルセロナでモデルニズモを堪能した様子は、先に旅行記全9篇で公開しております。なので、建築物などの詳細については下記旅行記に委ね、こちらは、ただ足跡を書き連ねていく予定ですのであしからず。m(__)m
(1)サグラダファミリア&グエル公園
https://4travel.jp/travelogue/11568448
(2)カサ・ミラ&カサ・バトリョ
https://4travel.jp/travelogue/11622978
(3)カサ・ビセンス&グエル邸
https://4travel.jp/travelogue/11623386
(4)グエル別邸とその他のガウディ作品たち
https://4travel.jp/travelogue/11624946
(5)サン・パウ病院(モンタネール作)
https://4travel.jp/travelogue/11625773
(6)カタルーニャ音楽堂とその他のモンタネール作品
https://4travel.jp/travelogue/11626592
(7)カサ・アマトリェールとその他のプッチ作品たち
https://4travel.jp/travelogue/11627998
(8)モデルニスモ建築三大巨匠以外の作品たち 前編
https://4travel.jp/travelogue/11629209
(9)モデルニスモ建築三大巨匠以外の作品たち 後編
https://4travel.jp/travelogue/11629670
【旅ログ】
10/27 13:45 羽田発 AFにてパリ経由でバルセロナ 同日22:55着
10/28 カタルーニャ音楽堂、スペイン広場、蛾の館、ゴシック地区
10/29 モンジェイックの丘、サグラダファミリア、グエル公園、カサ・パトリョ(みゅうミキ・ツーリストの日本語現地ツアーに参加しました)
10/30 モヌメンタル闘牛場、逆さだファミリア、サン・パウ病院、カサ・ミラ
10/31 バルセロナサンツ駅→マドリード乗換→トレド
11/1 トレド
11/2 トレド→マドリード→バルセロナサンツ駅
11/3 カサ・カルベ、バルセロナ歴史博物館、バルセロナ海洋博物館、ゴシック地区、ランブラス通り、サグラダ・ファミリア夜景
11/4 グラシア通り建物外観、アントニ・タピエス美術館、カサ・ビセンス、クアドロ男爵邸、カサ・コマラット、カサ・フステル、ラス・プン シャス集合住宅、カサ・アマトリエール、グエル別邸
11/5 グエル邸、ボケリア市場、マリーナ地区
11/6 12:45 バルセロナ発 AFにてパリ経由
11/7 12:25 羽田着
- 旅行の満足度
- 4.5
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- 鉄道 徒歩
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バルセロナで迎える3回目の朝となりました。
ホテルの朝食は相変わらず美味しくて、またまたいっぱい取って来てしまいました。
今日のジュースは定番のオレンジジュース。スペインのオレンジジュースは、街角のファストフードのような店だって、生絞りですからね。もちろんこれも生絞り。
おいしい朝食で今日もパワーいっぱい。歩き倒しの旅スタートです。ホテル グランヴィア ホテル
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さて、今日は午前中にモンタネール作「サン・パウ病院」、午後にガウディ作「カサ・ミラ」の見学を予定しています。
まずは、ホテルの目の前の地下鉄駅「パセジ・デ・グラシア」から出発。「パセジ・デ・グラシア」駅は同じ駅名ですが、L2線とL3、L4、レンフェ(国鉄)の駅が離れていて5分ほど歩く感じになっています。東京の大手町とかのイメージかな…。ちなみに、L3、L4、レンフェ(国鉄)の駅のある「パセジ・デ・グラシア」駅は「カサ・バトリョ」の辺りに入口があります。
で、なぜホテル前のL2線に乗ったかというと、「サン・パウ病院」のオープン時間(10:00)までの間に、まずは昨日あまりきれいに見ることができなかった、「サグラダファミリア」が池に映る姿「逆さだファミリア」を見に行ってみようということで、「サグラダファミリア」駅のある地下鉄L2線に乗ったというわけです。
地下鉄駅ホームは、行き先がしっかり書かれているので、文字さえ読めれば迷うことなくたどり着けます。
私たちの乗るサグラダファミリア方面は右側のホームのようです。パセチ デ グラシア駅 駅
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そして、2~3分間隔ですぐに地下鉄がやってきます。とっても便利ですね~
あ、地下鉄駅はスリの巣窟ということですので、気をつけてくださいね。怪しそうな人なんて見かけなくても、普通な感じの人がスリだったりするそうです。
私は大丈夫でしたが、ポルトガルに住んだこともある会社の後輩が、昨年この「パセジ・デ・グラシア」駅で、チケットの買い方を教えてくれた親切なカップルにまんまとお財布すられちゃったそうですから…。 -
「あれ?『サグラダファミリア』に行ったんじゃないの?」とツッコミ入れているあなた。
この地下鉄路線、ホテル前の駅から「サグラダファミリア」駅までの間に、「モヌメンタル闘牛場」があるです。貧乏性の私は、見逃せないんですよ、こういうの。ついついあっちこっちと行っちゃう歩き倒し癖が早々に出てしまいました。
ホテル前の「パセジ・デ・グラシア」駅から2つ目、サグラダファミリアの1つ手前の「モヌメンタル」駅を降りて、5分ほど歩くとこの美しい「ネオ・ムデハル様式」の闘牛場が現れます。
「モヌメンタル闘牛場」は、1914年に「ノウセンティズム様式」で「マヌエル・ジョアキン・ラスパル・イ・マヨール」の設計で建てられ、後に「イグナシ・マス・イ・モレル」と「ドメネク・スグラニェス」によって、「ネオ・ムデハル様式」に拡張されたそうです。モヌメンタル闘牛場 スタジアム・スポーツ観戦
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闘牛を禁止する法律をカタルーニャ議会が可決し、2012年1月1日から闘牛が禁止になりましたが、カタルーニャで闘牛が開催された最後の場所がこの闘牛場でした。
今は、「強者どもが夢の後」って感じですが、闘牛博物館に姿を変えて、当時の花形マタドールの衣装やポスターなどが展示され、内部も見学できるようです。
この塔の上の卵のようなドームがとても特徴的です。まさに「ネオ・ムデハル様式」に拡張された部分でしょうか。モヌメンタル闘牛場 スタジアム・スポーツ観戦
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実は私、25年前にバルセロナを訪れた時、ここで闘牛を見たんです。
その時の写真も、別旅行記の方で載せていますので、興味のある方はそちらを覗いてみてください。
【モデルニスモ建築三大巨匠以外の作品たち 後編】
https://4travel.jp/travelogue/11629670 -
さてさて、ちょいと寄り道しましたが、サグラダファミリアに到着です。
まだオープン前の時間でしたが、既に人がいっぱいですね。
昨日は薄曇りでしたが、今日は青空に美しい姿が映えています。サグラダ ファミリア 現代・近代建築
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そして、ジャーン!
どうですか!美しすぎる「逆さだファミリア」の姿。
風もなく、朝の柔なかな光を受けて池に映る姿…絶好の姿となりました。
リベンジした甲斐大いにありでした~サグラダ ファミリア広場 広場・公園
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そして、朝早くからしっかり工事に取り掛かっている様子も確認できました。
一日も早い完成を祈るばかりです。
よろしくお願いしま~す。 -
さて、「逆さだファミリア」もしっかりカメラに収めましたので、本日午前中のメイン「サン・パウ病院」へ向かいます。
実は「サン・パウ病院」までは、「サグラダファミリア」から「ガウディ通り」をまっすぐ10分ほど歩けば着くのですが、寄る年波、朝から飛ばしすぎると1日もたないだろうということで、ひと駅ですが地下鉄に乗ることにしました。(←どこが歩き倒しなんじゃい!と自分でツッコンデおきますね) -
地下鉄ひと駅ですから、すぐ着きます。…ま、出口の真ん前に建っているってわけじゃないので、ちょっと迷いましたが、無事到着です。
この世界遺産「サン・パウ病院」は、正式名称を「サンタ・クレウ・イ・サン・パウ病院」と言い、「ルイス・ドメネク・イ・モンタネール」の設計で1902年から建築が始まり1930年に正式に開院。約80年もの間使用されていましたが2009年に老朽化のため閉院し、4年間の修復を経て2014年2月に一般公開されました。実は、私はここが病院として現役の頃に、見学に来たことがあるのですが、病院でしたから外観だけ見たのですが、その美しさにものすごく感動したことを覚えています。なので、ここをゆっくり見学することは、今回のバルセロナ訪問の大きな目的だったんです。
この正面の建物は「手を広げて訪れる者を迎える」構想となっている「管理事務分館」です。
「サン・パウ病院さま~、また極東の地からやってきましたよ~!お迎えありがと~」サン パウ病院 現代・近代建築
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当日受付でチケットを購入(15ユーロ)すると、日本語の簡単なリーフレットももらえます。
受付でもらった見学者用の緑のシールを胸に貼り、荷物検査を通過して、はじめの第一歩はこちらから。ここは「管理事務分館」を支える重厚な柱のある地下ホールですが、救急病棟にも使われたそうです。
この柱と梁は、カタルーニャの伝統技法「カタランボールト」で作られているようです。 -
そして、順路に従い地下通路を進んでいきます。
この通路、地下なのに明るいですよね?全く陰湿な感じがないんです。
モンタネールは、明るさを保つために天井も壁もすべて白いタイル貼りにし、天井には太陽光が入るようにと明り取りの窓も設けたそうです。
この病院は12棟の建物で構成されていますが、その建物間は患者さんたちが雨風にさらされないようにと、このような地下通路でつなげたとか。
さすがモンタネールですね~ -
順路に従い地下通路からの階段を上がると、爽やかな抜けるような青空の下、長さ500m、幅50mの広い中庭に建つ美しい建物たちが、私を待っていてくれました。
どうですか~ おとぎの国のようですよね。
しゃべるネズミさんとか、リボン付けたニャンコちゃんとかがパレードしているどこやらのテーマパークではありませんよ!病院だったんです、ここ。 -
ここには、まるで間違い探しのようにそっくりなモデルニスモ建築が並んでいます。全部で16棟あるそうですが、そのうち、12棟はモンタネールの設計、残りの4棟はモンタネールの息子によって設計されたものだそうです。
写真の上段左は「聖サルバドール(聖救世主)分館」、右は「聖ラファエル分館」、下段左は「聖母カルメ分館」そして右は「聖母メルセ分館」。
どこが違うかわかりますか?
よく見ると屋根や棟のデザイン等が違っているんですよ~。それぞれの棟の入口の上にある像は、棟の名前になっている守護聖人のお姿。似てるけど微妙に違っています。
ちなみに、やけに目に付くアルファベットの「P]は、建築の寄付をしてくれた「パウ・ジル」さんのイニシャルだそうです。この「P」や「G」のイニシャル装飾は、至る所に登場しています。 -
中庭の一番奥にある2つの棟は、今までの棟とはちょっと違って2階建てです。「管理事務分館」を背に中庭を挟んで左側が「聖母モンセラット分館」(写真上)、右側が「聖マヌエル分館」(写真下)です。
ちなみに、中庭の左側に並ぶ棟が女性病棟で、右側が男性病棟なんだそうです。そういえば、左側の棟の名前は「聖母○○館」で右側は「聖○○館」と男性と女性の聖人の名前になってましたわ。
「聖母モンセラット分館」の尖塔の上には可愛い家と星がついているんですが、写真を小さくしちゃったからわかりにくいでしょうか…。中国寺院に似せたオブジェだということで、多くのモデルニスモ建築に見られる当時の流行りだったそうです。可愛くって、私のお気に入りです。 -
そしてこれは、中庭中央に建っているひときわ存在感のある棟で、そっくりさんの棟とは全く違っていますよね。
それもその筈、これは病棟ではなく、手術棟です。
まるでどこかの教会のようですよね。一番上には両手を広げた天使像があり、その下には有翼のライオン、屋根の左右端には口を開けた有翼のドラゴン、中央バルコニー上には胸に手を当てた天使といった彫刻が施されています。
「パウ・ジル」のイニシャル「P」と「G」もしっかりあります。
ずらっと並んでいる水色のモザイク画には、著名な医師の名前が描かれているそうです。
手前の大きな十字架は、「旧サンタ・クレウ病院」のゴシック回廊の中庭中央にあったものの複製だそうです。 -
手術棟は裏に回ると、全面ガラス張りの部屋があります。
なんとここが手術室だそうです。 -
手術室の中に入ってみると、全面ガラス張りにすることで、陽の光がふんだんに入る工夫がされていることが実感できます。
今のように明るい電灯をいっぱい点けて照らすことができなかった時代には、とても手術のしやすい場所だったことだろうと思います。
でも…外から手術が丸見えですよね?
\(>o<)/ギャーッ! -
いくつかの病棟は、見学できるようになっています。
ここは「聖サルバドール(聖救世主)分館」は、1916年に患者を収容した最初の分館で、今は、モンタネール関連の展示スペースです。
部屋の壁も天井も陶器タイルで覆われているのですが、これは掃除や消毒がしやすいようにと衛生面を考えてのことだそうです。 -
各棟にはドーム型の天井を持つホールがついていますが、「聖サルバドール(聖救世主)分館」のドームの天井は、真ん中には陶器素材でできたお花のレリーフ、そしてその周りを色タイルのモザイクが飾るという、凝った装飾です。明るく清潔感のある美しいデザインですよね~
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「聖ラファエル分館」はかつて看護分館だった建物ですが、病室の様子が忠実に再現されています。柔らかで清潔感のあるブルーグリーンの色調の病棟は、天井も高く、隣のベットとの距離もあって、とても居心地がよさそうです。
モンタネールは患者に圧迫感を与えないようにと配慮していたそうです。 -
明るい陽射しが溢れる「デイホール」と呼ばれた円形ホールは、面会や患者が日中過ごしたスペースだとか。
おしゃれなカフェのようですね。 -
入口から地下通路を通って中庭に出たら「聖サルバドール(聖救世主)分館」→「手術棟」→「聖ラファエル分館」→「プリシマ(聖母マリアの『無原罪懐胎』分館」の順に中庭に建つ見学可能な病棟などを見学し、「修道女の宿舎」やその他の美しい建物たちの外観も堪能したら、最後は「最大かつ最も装飾豊かな建物」と日本語リーフレットに書かれている「管理事務分館」の見学です。
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この「管理事務分館」の壁面には、カタルーニャの英雄「サン・ジョルディ」の逸話がモザイク画で描かれていましたよ。
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中庭側からガラスの扉をはいると…それはそれは美しいロビーが迎えてくれます。
このように「管理事務分館」のロビーにクリーム色が多用されているのは、設計者のモンタネールが、色彩の柔らかさで患者に癒やしを与え、精神的にリラックスさせたいという願いがあったからだそうで、「建築の力で患者を癒す」ことをモットーに病院建築に取り組んだ、モンタネールの優しさが最も感じられる空間になっているとのことです。
天井に丸天井が広がっていますので、ちょっとイスラムの寺院のような感じもしますが、ここ病院のロビーですよ! -
この2階へと続く大理石の階段は、「名誉の階段」と呼ばれているそうです。
ステップの部分にまで花模様が施されているのがわかるでしょうか。
ピンクタイルの間には数字や紋章の描かれたモザイクが施されています。「Α1905」は工事開始年で、「Ω1910」は工事終了年、その他にもバルセロナ市の紋章や末広十字架などが描かれています。 -
この「名誉の階段」は吹き抜けになっていて、その天井は、まるで万華鏡のような美しいステンドグラスになっています。まわしたら、デザインが変わりそうですよね?
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階段を上がると左右に廊下が伸びています。
左側の廊下は、クリーム色を基調とした美しい花模様がモザイクで描かれた天井です。とても小さなタイルを貼って作ったモザイク画、素晴らしいですよね。 -
そしてこの2階には、この「サン・パウ病院」で最も美しい場所とも言われている「ドメネク・イ・モンタネールホール」と名付けられた大広間があります。
高さ18メートル、170㎡の大きな広間は、煌びやかなモザイクと凝った作りの天井など、ドメネク・イ・モンタネールの独創性、芸術性が最大限に表現されているとのこと。
この日は、ピアノコンサートのセッティング中でした。 -
天井は波打った独特の形をしており、淡い黄色やオレンジ、水色のタイル装飾が施されていて、ちょっと見たことのない美しさです。
大きな窓には、花模様のステンドグラスが十字に並んでいました。窓の下には、カリグラフィーのような文字装飾が見ていますが、これがこのホールを1周取り囲んでいます。ここでも、随所にイスラム建築の要素が取り入れられていますね。 -
このホールは礼拝堂でもあるようで、写真左は祭壇です。祭壇のレリーフの奥には磔にされたキリスト像があります。レリーフの下の、植物模様のモザイクタイルはひときわきらびやかで目を引きます。
写真右は、このホールの柱です。モザイクといい、彫刻といい、ピンクの大理石といい美しすぎですよね~。
ここはやっぱりモンタネールの作品なんだなぁって、強く思った場所です。だってこのホールの装飾は、カタルーニャ音楽堂を彷彿としますから。 -
2階の回廊はいろいろなデザインのモザイク天井が美しく、窓からはステンドグラスを通した暖かな光が差し込んでいました。
ホールを挟んだ反対側の階段を上がった2階にも美しい回廊(写真右)とお部屋が並んでいるのですが、その詳細は別旅行記参照ってことで… -
美しいのは天井や窓だけではありません。ライトもとっても素敵です。
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感動に酔いしれて、正面のガラスドアから外に出て、もう一度「管理事務分館」のファサードを間近で眺めてみました。やはりどこかの聖堂といっても誰も疑わない美しさですね…
と、余韻に浸っていると、係員のお兄さんに大声で呼び戻されました。
何事かと頭の上に?を山のように飛ばしながら、お兄さんの話を聞くと、どうやらそこから出てはいけなかったようで…。
でも、ここの出口とてもわかりにくいですよ。一旦入ってきたところから出て、またおみやげコーナーを通ってから出る感じで…。別に出て行ったんだからそのまま出してくれてもいいと思うんですがね。私たちの後も、間違えて出て行っちゃった人を見かけました(笑) -
さて、「サン・パウ病院」の入口横にあるカフェで一休みしてから、次なる目的地「カサ・ミラ」に向かいます。
「カサ・ミラ」へは、地下鉄L5線でひと駅ディアゴナル駅で下車すればすぐです。
ま、私たちは、出口を間違えたので、ちょっと歩いちゃいましたが…。
でも、バルセロナの銀座通りグラシア通りとプルペンサ通りの角にデーンと建つ邸宅は、見落としちゃうことありません。カサ ミラ 現代・近代建築
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「カサ・ミラ」は、ガウディが54歳の時に設計し、1906年から1910年にかけて建設された実業家の「ペレ・ミラ」の邸宅で、1984年に世界遺産に登録されました。
なんと、未だ現役の集合住宅というのが驚きで、家賃は3世代変わらないという当初の契約があるため、今も4世帯が家賃15万円でバルセロナ一等地、広さ約300㎡の世界遺産に入居しているそうです。いいですね~
でも…こんな柵のある世界遺産のバルコニーでは洗濯物も干せませんね(笑) -
腹が減っては何とやらということで、ちょうど昼食時だったので、「カサ・ミラ」1階にあるカフェで昼食をとることにしました。
もちろん、「カサ・ミラ」の中ですから、その内装はしっかりガウディの世界です。
でも、ボーッとガウディの世界に浸っていちゃいけませんよ。
なんと、下の写真のこのテーブルに座った6人の日本人の若者グループが、置き引きに合うという惨事が起こりました。(?_?;)
その若者グループは、現地ガイドと共に、ここで昼食をとることになっていたようで、リザーブ席(写真でも既にテーブルセッティングされてますよね)に案内されると、楽しげにおしゃべりをしていたのですが、その中の一人の青年がトイレに立ち戻ってくると、テーブルに置いてあった(らしい)彼のスマホが無く、椅子の下に置いてあった荷物も消えていたのです。
残りの5人はちゃんとテーブルにいたのですが、それぞれがおしゃべりしたり、ガイドブックを見たりしていて、彼のスマホや荷物に注意していなかったスキを狙われたようです。
こんなしっかりしたカフェの中で、それも大勢の人がいる中での白昼堂々とした犯行に、びっくり!
お店のお客さんが皆自分の荷物を確認したのは言うまでもありません。
バルセロナではスマホは絶対テーブルに置いてはいけない!
これ常識ですが、グループ行動で気が緩んだのでしょうか…
みなさん気をつけましょう! -
警察官が何人も来たりして、ちょっと騒然とはなりましたが、気を取り直して私が注文したのはサーモンのサンドウィッチ(ポテトチップス付き)とジンジャーエール。
この手の観光客相手の店は不味かったり、時間がかかったりするのですが、ここは味も時間も特段違和感を感じることなく無難な感じです(笑)
腹ごしらえが終わったら、いよいよ「カサ・ミラ」内部の見学です。 -
内部見学は、日本で「ベ○ト○」を通じて日にち指定のチケット(22ユーロ)を予約していたのですが、「Online Tickets」と書かれた入口で、印刷して行ったバウチャーを見せたら、今の時間が印刷された入場券をくれました。
ちなみに、「グラシア通り」沿いの正面入口は一番高額の「優先入場券」の人が入るところで、私のチケットは「プルベンサ通」り沿いの入り口から入ります。実は私、てっきり「優先入場券」なんだと思って涼しい顔して通ろうと思ったら、「あなたはあっちの入口よ」と言われてしまいました。(笑)
この写真は、「グラシア通り」沿いの正面入口を内側から撮ったものですが、係員さんが「あっち」と指差してますよね。たぶん一般予約権を持った人に入口を「あなたのチケットの入口はあっちよ~」と教えているんだと思います。私と同類の方ですね(爆) -
入場したら、手荷物検査を受けてオーディオガイドを受け取ると、自然に中庭へ流れて行くことになります。オーディオガイドは日本語もありますよ!
この緑が茂る階段は、家主であるミラ家専用の階段です。ミラ家は、この建物のメインフロアである2階に住んでいたそうです。 -
中庭は楕円形で、吹き抜けになっています。
中庭を囲む壁はぎっしりと窓が並んでいますが、採光のため、全ての部屋が中庭に面するように造られているそうです。そしてその窓が、階が上がるにつれて小さなサイズとなっていることに気づきました。これは意識的に、より自然光が取り込めるようにと言う、ガウディならではのこだわりだそうです。光を大切にするガウディの設計ですから納得ですね。 -
パステルカラーの美しい天井画と壁画もあります。
こちらは季節の神と、果樹と庭園の女神の愛を描いているそうです。 -
見学がルートは、中庭を見たら一気にエレベーターで屋上へGoです。
いや~25年前にバルセロナに来たときはツアーだったので内部見学ができず、外から屋上にいる人影を見て悔しく思っていた私。念願叶いました~
どうですか、この摩訶不思議ワールド。・\(°_o)/?・
「カサ・ミラ」の屋上の床面は、山の稜線をイメージして波打っているそうで、奇妙なオブジェは、稜線から突き出た山の峰々をイメージしているとか… まるでSFの世界のようなオブジェたちは、ただのオブジェではなく、それぞれ煙突、換気塔、吹き抜け階段、天窓といった、しっかりとした役目があるというからビックリです。 -
どうしたら、こんな形が思い浮かぶのでしょうか?
私は、この煙突たちに名前をつけて楽しんじゃいました。
この子達は、「巨人とタコ星人」 -
写真左は「大仏」。「大仏」はガウディお得意のトレンカディス(破砕タイル)で装飾されています。
写真右は「王様と護衛」。 -
写真左は、題して「しめじ」。「しめじ」の頭はリサイクルした瓶で装飾されています。近くで見たら、ビール瓶の底みたいなのも貼られていました。
写真右は題して「ソフトクリーム」。これもトレンカディスです。
この煙突の頭は、四面のどこから見ても十字架に見えるようにできています。
道路から見上げた時に軽やかな印象に見えるように、外側の煙突たちは白いトレンカディスで作ったそうです。
念のため、もう一度言っておきますが、命名は私です。
正式名称ではありませんので悪しからず。
○( ^皿^)っ -
「大仏」の右後ろあたりに注目!
屋上から「サグラダ・ファミリア」も見えるんです。
小さく見えているアーチを額縁のようにして、「サグラダ・ファミリア」を写すのが大人気で、なかなか順番が回ってきませんでした。
波打つ屋上のラインも間近に見ることができます。 -
これは、聖書に出てくるローマ兵の頭をモチーフに造られたそうです。
サグラダファミリアの受難のファサードにもこんな顔の彫刻がありますよね。よく見るとこの4人の兵士の口元が微妙に違うんですよ。今見ると、一番左の兵士はマスクしているみたいですね…
あ!スター・ウォーズの兵士に似てると思うでしょ?それもそのはず、スピルバーグは「サグラダ・ファミリア」の兵士の彫刻からインスピレーションが沸いたそうですよ。 -
よく見ると、トレンカディスの一片に何やら文字があります。
落書きなのか?署名なのか?
「M1910」とは1910年てこと?落書きだとしても年代物ですわ。 -
屋根裏部屋の採光に作られた、鳥の巣箱のような小窓が可愛いですね。
ちなみに、建物の内側のオブジェたちは、グラシア通りから見えないので、素焼きの植木鉢風テラコッタの防水モルタルで作られているそうです。なかなか倹約家です。
写真下は、屋上から下を覗いてみた写真です。
最初に見た中庭の吹き抜けとは違う吹き抜けのようです。こちらの方が小さいですけど、ほぼ円形ですね。でも、その吹き抜けすら直線ではありません。 -
さて、屋上から降りて今度は屋根裏部屋の見学です。
屋根裏部屋と言うには非常に広く、アーチ状の回廊が続くこのフロアーは、現在は「エスパイ・ガウディ」と呼ばれる、ガウディ建築に関する展示場となっています。 -
れんが積みのカテナリーアーチ(垂直曲線)で出来た天井は、通常の半分ほどの厚みしかない薄いレンガを273枚も積み上げて造られたもので、屋上を力強く支えるのと同時に、美しさも兼ね備えています。これこそがこの屋根裏の一番の見所です。
この印象的なアーチ型の天井が広がる様子は、聖書に出てくるクジラのお腹の中をイメージして造られたそうです。 -
さて、次は階段を下って、住居スペースを見に行きます。
写真左上は、子供部屋です。うちのリビングより広いですね~(笑)注目すべきは床に敷き詰められた六角形の植物模様のタイルです。
写真右上は、リビングルーム。
写真左下は馬具室。アンティックショップの人が見たらヨダレものでしょう。
写真右下は、奥様の寝室。ベッドのデザインが可愛らしいですね~
この他にもバスルームや家事室なども見ることができますが、「カサ・ミラ」は今も現役の賃貸住宅なので、一般公開されているのはこのフロアーのみ。あとは、階段をひたすら降りて出口に向かうことになります。 -
一番印象的だったのは、奥様の部屋にあったこの大きなドレッサーです。
まだ鏡が貴重な頃かと思いますが、大きな姿見と、蝶のようなデザインがとても素敵でした。 -
「カサ・ミラ」の見学を終え、ホテルまでグラシア通りをブラブラ歩いて帰ることにしました。
ふと足元を見ると、ガウディの子供部屋に敷かれていたタイルと同じデザインの石畳が続いています。こんなところにもガウディデザインが使われているんですね。
ちなみに、この柄を型押ししたハンドバックがとても可愛かったので、ゴシック地区にあるバック屋さんで買っちゃいました。 -
「グラシア通り」は、観光客が行き交う大通り。パリで言えばシャンゼリゼ、日本で言えば銀座通りにあたる、ちょっとハイクラスな雰囲気のある通りです。
かつては「イエスの道」という名前だったようですが、当時の中心部である城壁内のゴシック地区とグラシア地区を結ぶ通りとして1827年に道幅24メートルに拡張されました。そして、1854年に城壁が解体され、庭付き一戸建てが並ぶ通りとなったのですが、1888年のバルセロナ万博後に、これらの家は1階にショップがある4階建ての建物に変えられ、ブルジョアたちが有名建築家を招きお洒落な住宅を建てたり改修したりして、この界隈に集まってきたそうです。グラシア通り 散歩・街歩き
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ほら、マクドナルドだって、こんな素敵な建物に入ってるんですから。
今も、ブルジョアたちの残した美しい建物がずらりと並んでいるこの「グラシア通り」は、モデルニスモ建築好きには大興奮の道。ホテルまでの10分程の道のりは楽しくってたまりません。 -
この日のディナーは、ホテルから5分ほどの「カタルーニャ広場」にあるデパート「エル・コルテ・イングレス」最上階にあるフードコートに行くことにしました。
ここは絶対オススメです。
和洋中、様々なお料理をブッフェスタイルで選び、最後にお会計をするシステム。もちろんパエリヤやトルティーヤなどのスペイン料理もあります。
これはシーフードパエリヤとパスタのパエリヤ、そしてサラダです。
いろんなものをちょこっと食べたい時や、相方と食べたいものが違う時などには、最適。難しいメニューを解読する必要もなし。目の前のものを指させばいいだけです。私たちが、この後の日程でもリピートしたことは言うまでもありません。
さぁ、明日はいよいよ列車に乗って、トレドへの2泊3日の旅です。
早く帰って荷造りしなくっちゃ!ってことで、4日目の足跡はこれにて終了。
次はトレドで~す。乞うご期待!
【旅日記編 5日目】
https://4travel.jp/travelogue/11643333エル コルテ イングレス (カタルーニャ広場店) 百貨店・デパート
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