2019/10/27 - 2019/11/07
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mirilinさん
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あはは・・・今回もやってしまいました歩き倒しの旅。
そろそろ年も年なんで、あくせくせず、のんびり滞在してゆったり観光しよう!と思っていたんです。当初の予定は。
だから、バルセロナに10泊もするという計画を立てたのに、いざ現地に行くと、なにか大きな目的地のそばには、必ずと言っていいほど、他にも見逃せないポイントがあるわけで、近くにいるのに見に行かないわけにいかない!とついついそちらにも足を向けたりするので、気が付けば北へ南へ東へ西へと、とにかく歩き倒してしまうという、旺盛な好奇心とたぐいまれな貧乏性のわたし。今年も相方から「歩きすぎだ」「欲張りだ」「苦行だ」と苦情が寄せられてしまいました。でも治りませんよ、私のあっちもこっちも行きたい病。
そんなわたしの訪れたあっちやこっち、今回も一挙放出しちゃいます。
まぁ、全編公開までには時間がかかるかと思いますが、よかったらお付き合いください。
ちなみに、今回のバルセロナ訪問の大きな目的は、アール・ヌーヴォー大好きな私ですから、もちろんスペインのアール・ヌーヴォー=モデルニズモ建築巡り。これまで、パリ、ブリュッセル、アントワープといろんな場所でアール・ヌーヴォーに浸ってきましたが、今回もバルセロナでモデルニズモを堪能してまいりました。
もちろんそれ以外にもいろいろ見てきましたので、今回は時系列ではなく、テーマ別にもまとめてみたいと思います。
その(5)はあのガウディの師匠であり最大のライバルであったドメネク・イ・モンタネールの代表作の一つ「サン・パウ病院」です。
え?一箇所だけなのかって?
実は私、ガウディよりもモンタネール建築の方が好きなんです。
だからどうしても、写真の枚数が多くなってしまって、いくつもの場所を紹介するのは無謀かと。
モンタネールの作品としては、「カタルーニャ音楽堂」の方が知名度は高いのですが、私はここの方がお気に入り。25年前に行った時はまだ現役の病院で、内部は見学できなかったのですが、ちらりと外観を見ただけですっかり魅了されていたのです。そんな憧れのサン・パウ病院が、現在はじっくり見学できるとあって、今回のバルセロナ再訪の大きな目的の一つとなったことは、言うまでもありません。
ということで、数あるモンタネール作品のトップを切って登場です。
こちらのブログに初めておこしの方にご案内です。
このシリーズの(1)~(4)ではガウディ建築を、(5)・(6)ではモンタネール作品を紹介しています。
(1)サグラダ・ファミリア&グエル公園
https://4travel.jp/travelogue/11568448
(2)カサ・ミラ&カサ・パトリョ
https://4travel.jp/travelogue/11622978
(3)カサ・ビセンス&グエル邸
https://4travel.jp/travelogue/11623386
(4)その他のガウディ作品たち
https://4travel.jp/travelogue/11624946
(5)サン・パウ病院
https://4travel.jp/travelogue/11625773
(6)カタルーニャ音楽堂とその他のモンタネール作品)
https://4travel.jp/travelogue/11626592
(7)カサ・アマトリェールとその他のプッチ作品たち
https://4travel.jp/travelogue/11627998
(8)モデルニスモ建築三大巨匠以外の作品たち 前編
https://4travel.jp/travelogue/11629209
(9)モデルニスモ建築三大巨匠以外の作品たち 後編
https://4travel.jp/travelogue/11629670
お時間あったら、あわせてご覧いただけると嬉しいです。
m(_ _)m
- 旅行の満足度
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- 鉄道 徒歩
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-
イチオシ
「サン・パウ病院」は正式名称を「サンタ・クレウ・イ・サン・パウ病院」と言い、モンタネールの設計で1902年から建築が始まり1930年に正式に開院。約80年もの間使用されていましたが2009年に老朽化のため閉院し、4年間の修復を経て2014年2月に一般公開されました。
この正面の建物は「手を広げて訪れる者を迎える」構想となっている「管理事務所分館」です。かつては病に苦しむ人たちを、そして今は観光客をその懐深く招き入れてくれているわけですね。
私もこれからどっぷりあなたの懐に包まれますわ~
(#^.^#) エヘッ
入口両脇の柱の上、左には「バルセロナ市の紋章」、右には、「旧サンタ・クレウ病院」の紋章であった「末広十字架」があります。
ちなみに、「旧サンタ・クレウ病院」はガウディが息を引き取った病院です。サン パウ病院 現代・近代建築
-
サン・パウ病院建設以前の20世紀初期のバルセロナには、総合病院と呼べるような大きな病院は一つもなかったため、この事を案じていた銀行家「パウ・ジル」の遺言により、彼の遺産がサン・パウ病院の建設費用として投じられました。当時あった6つの病院を統合し、「病に伏した患者やその家族の心も癒す」という、これまでにない病院計画が進められたのです。そしてその設計を担当したのが、ガウディの師匠でありまたライバルでもあった「ルイス・ドメネク・イ・モンタネール」です。
残念ながら、モンタネールの生前に完成させる事は出来ませんでしたが、彼の息子がその意志を受け継ぎ、着工から28年後の1930年にサン・パウ病院は完成を迎えたそうです。 -
正面の門に入って右側にあるこちらが見学の入口です。
美しいモザイク画が描かれています。 -
入口には、カタルーニャの紋章が付いています。
-
こんなに素晴らしい建築群なのに、訪れる人は少ないので、事前にチケットを買っておく必要はないと思います。
当日受付でチケットを購入(15ユーロ)すると、日本語の簡単なリーフレットももらえます。
ちなみに「フルカラー31ページの日本語の無料パンフレットがもらえる」との情報もあったのですが、私がもらったのはよくある両面印刷の折りたたみリーフレットでした。o( _ _ )o ショボーン
でも、ヨーロッパで日本語のリーフレットがあるのは嬉しいですよね。
同時に世界遺産となり、とーっても有名でいつも混んでいる「カタルーニャ音楽堂」には、日本語リーフレットすらありませんしぃ。(←と張り合うサン・パウファンのおばさん1名) -
さて、受付でもらった見学者用の緑のシールを胸に貼り、荷物検査を通過して、はじめの第一歩はこちらです。
ここは管理棟を支える重厚な柱のある地下ホールですが、救急病棟にも使われたそうです。
この柱と梁の感じは、カタルーニャの伝統技法「カタランボールト」ですよね。
ガウディ作の「グエル邸」の地下厩舎に似ているような…。
てか、こっちが師匠だから、あっちが似てるんだわ。(←と今度は、弟子に張り合う) -
地下にも光が届くように、ところどころに磨ガラスが配され、地下スペースも陰気な暗い雰囲気がありません。流石です。
-
そして、順路に従い地下通路を進んでいきます。
この病院は12棟の建物で構成されていますが、その建物間は患者さんたちが雨風にさらされないようにと、地下通路でつながっています。当時から、装飾だけでなく機能性を考えて作られていたようです。
それにこの通路、地下なのに明るいですよね?全く陰湿な感じがないんです。
モンタネールは、明るさを保つために天井も壁もすべて白いタイル貼りにし、天井には太陽光が入るようにと明り取りの窓も設けたのです。
(V^-°)イエイ! -
順路に従い地下通路からの階段を上がると…
うわぁー
これよこれ!ここに来たかったの!
トンネルから階段で地上へ出ると、そこはまさに夢の国のよう。
爽やかな抜けるような青空の下、長さ500m、幅50mの広い中庭に建つ美しい建物たちが私を待っていたのです。 -
イチオシ
\(@^o^)/ キャッホー!!
どうですか~
しゃべるネズミさんとか、リボン付けたニャンコちゃんとかがパレードしているどこやらのテーマパークではありませんよ!
当初の予定では48の建物が建設される予定でしたが、最終的には27棟に。このうち16棟がモデルニスモ建築の建物で、12棟はモンタネールの設計、残りの4棟はモンタネールの息子によって設計されました。
管理棟を背に立ち、正面に見える宮殿のような建物は「手術棟」です。
そちらにすぐ行きたくなりますが、順路では右側の建物から反時計回りに見ていくようになっていますので、それに従うことにしてみます。
端っこの大興奮中のおばかさんの映り込み、ご容赦ください。 -
中庭からの順路の最初は「聖サルバドール(聖救世主)分館」です。
サンパウ病院の建物はすべてレンガ製で、建設当時に流行した「ムデハル様式」(イスラム教建築とキリスト教建築の融合した建築様式)となっています。
また、各棟にはドーム型の娯楽室と給水塔が備わっています。
そして、ドーム型の屋根はうろこのような形をしたカラフルな瓦が覆っています。 -
もちろん、塔の屋根も負けじと(?)カラフルな瓦で装飾されています。
アルファベットの「P]のは、建築の寄付をしてくれた「パウ・ジル」さんのイニシャルだそうです。このイニシャル装飾は、至る所に登場しています。 -
各棟の入口上にはいろいろな聖人の彫像があります。
その聖人の名前が各棟の名前になっているとのことですから、「サルバドール分館」の上にいらっしゃるこの方はサルバドール様ですね! -
ドーム屋根の周りにも可愛らしいお花の装飾が付いています。
「花の建築家」モンタネールここにあり! -
「聖サルバドール(聖救世主)分館」は、1916年に患者を収容した最初の分館で、今は、モンタネール関連の展示スペースになっています。
-
ここも、柱が全くなく「カタランボールト」技法を使って広々とした空間を作っています。
窓の形がアーチ型に沿って大きさを変えているのが、可愛いらしいですね。 -
部屋の壁も天井も陶器タイルで覆われています。これは掃除や消毒がしやすいようにと衛生面を考えてのことだそうです。
-
壁のタイルの装飾はベージュと柔らかなグリーンで、お花のモチーフのデザインタイルも使われています。機能性を持たせつつ、デザイン性も考えられているんですね。
癒されますわ~。 -
窓の平凡な木の枠も、その周りを淡いグリーンのタイルで囲み装飾することで、華やかな雰囲気になっています。
窓の上には、カタルーニャの紋章が描かれていますね。 -
天井のタイルは、よく見るとクローバー柄。
さすがモンタネール、植物モチーフが散りばめられています。 -
この雰囲気は、病院というよりイスラムのモスクですね。
病棟の方からドーム下の部屋を見た図です。 -
ドーム下の部屋には大きな窓がたくさんあり、明るい陽射しと木々の緑が目に入ります。
淡いグリーンを基調としたパステル調の柔らかな色彩の天井や壁と木製の窓枠は、落ち着いた雰囲気があり、こんなところに入院していたら、病気もすぐに治りそうです。 -
イチオシ
このドームの天井は、真ん中には陶器素材でできたお花のレリーフ、そしてその周りを色タイルのモザイクが飾るという、凝った装飾です。
このデザインめちゃめちゃお気に入りの私です。 -
「聖サルバドール(聖救世主)分館」の隣にあるのは「聖レオポルド分館」です。
では質問です。今見てきた「聖サルバドール(聖救世主)分館」の建物とどこが違うでしょうか?正解は次の写真で!
と遊びたくなるような、そっくりな建物が中庭には並んでいます。
私がご幼少のみぎり、全く同じ形の家が並ぶ社宅に住んでいた時、酔っ払って帰ってきた父が、間違えて隣の家に上がり込んでしまったという笑い話があるのですが、昔の患者さんやナースたちは病棟を間違えなかったのでしょうか?
ちなみにここは内部見学はできません。 -
間違い探し正解は、ドーム屋根のデザインが全然違いま~す。
「聖レオポルド分館」の丸屋根は凹凸がありますね。その他細かな部分の装飾もいろいろ違っていますよ。
1番上の窓と下の窓の間に小さな花のモチーフが並んでいて、可愛らしいですね~
(*^o^*) -
イチオシ
さぁ、次はお待ちかねのセンターポジションを取っている「手術棟」です。
この大きな十字架は、「旧サンタ・クレウ病院」のゴシック回廊の中庭中央にあったものの複製だそうです。 -
まるでどこかの教会のファサードのようですよね!
この正面ファサードは、青と白の美しいタイルと様々な彫刻によって装飾されています。 -
一番上には両手を広げた天使像があり、その下には有翼のライオン、屋根の左右端には口を開けた有翼のドラゴン、中央バルコニー上には胸に手を当てた天使といった彫刻が施されています。
「パウ・ジル」のイニシャル「P」と「G」も見えますね。
ずらっと並んでいる水色のモザイク画には、著名な医師の名前が描かれているそうです。 -
1階の左右の窓にいらっしゃるこのふたりは誰なんでしょう?
-
手術棟側面の壁には、「パウ・ジル」のイニシャル「G」の大きな美しいレリーフがあります。
この「G」の装飾が、いろいろな建物のいたるところについてました。 -
手術棟は裏に回ると、全面ガラス張りの手術室があります。
-
中に入ってみると、手術室を全面ガラス張りにして、光がふんだんに入る工夫がされていることが実感できます。
今のように明るい電灯をいっぱい付けることができなかった時代には、とても手術のしやすい場所だったことだろうと思います。
でも…外から丸見えってのはどうなんでしょう。
\(>o<)/ギャーッ! -
次は「聖ラファエル分館」です。
「聖レオポルド分館」の隣にありますが、建物外観は本当に間違い探し状態のそっくりさんですね~
やはりドーム屋根のデザインの違いで見分けるしかありません。
ん?でもこの建物には「P」も「G」も見当たりませんぞ。
どうやら、イニシャルがない建物は「パウ・ジル」さんの寄付は使われていない建物らしいです。いくつかありましたよ。 -
「聖ラファエル分館」のドーム天井周りの装飾を見てみると、薄気味悪い悪魔のようなガーゴイルがいたり、水色のタイルにはねずみ(リス?)や猿、ツバメそしてかたつむりなどが描かれていたりします。カエルやうさぎもいたりしますが、コンセプトやいかに?摩訶不思議。
-
「聖ラファエル分館」はかつて看護分館だった建物です。館内は展示スペースとなっており、1920年当時の各分館や入院設備の様子など再現されています。
さきほど見た「聖サルバドール(聖救世主)分館」はグリーンとクリーム色が主でしたが、ここにはピンクや赤のバラ柄のタイルの装飾があります。 -
中に入ると、一番奥にベットが並んでいました。当時の病室の写真も飾ってありましたが、忠実に再現されているようです。
柔らかで清潔感のあるブルーグリーンの色調の病棟は、天井も高く、隣のベットとの距離もあって、とても居心地がよさそうです。
モンタネールは患者に圧迫感を与えないようにと配慮していたそうです。
でも、私は広すぎて逆に落ち着かないかな、うさぎ小屋生活に慣れてるので…(笑)冬は寒かったでしょうね…。 -
この部屋のタイルは、全てバラがモチーフのようです。
淡いグリーンを基調としつつ、天井は白いバラ、壁は赤いバラです。
可愛らしいバラの花に包まれていれば、病でふさぎがちな気持ちも慰められることでしょうね。
(v_v) スヤスヤ -
明るい陽射しが溢れる「デイホール」と呼ばれた円形ホールは、面会や患者が日中過ごしたスペースだとか。
おしゃれなカフェのようですね。 -
当時の病院で使われていた器具や当時の様子の写真なども展示されています。
-
「聖ラファエル分館」を出ると手術室の向こうに「聖母モンセラット分館」(右側)と 「聖母メルセ分館」(左側)が見えます。
この広い中庭には、オレンジの木や落葉樹を植え、冬は暖かく、 夏は影を作る効果を利用しているとのことですが、草木は空気を浄化し、もちろん防風林の役割も果たして湿度も保ってくれるので、患者さんのためには大切な存在だったそうです。
そして、各棟の間隔を広くあけているのは、どの建物にも光が遮られることなく届くようにとの配慮と、各棟間の細菌感染を封じ込めることができるからとのこと。90年前のソーシャルディスタンス?
たかが中庭と言うなかれ。病院ではとても重要な役割を果たしていたんですね。 -
「聖ラファエル分館」のお隣は「聖マヌエル分館」です。
これまで見てきた「聖サルバドール分館」、「聖レオポルド分館」、「聖ラファエル分館」の3つの建物と、デザインが大きく違うことに気づきましたか?
この「聖マヌエル分館」と中庭を挟んで反対側に建つ「聖母モンセラット分館」は、半地下の上に2階建てという設計で、ここの建物たちの中で一番のっぽの建物なんです。 -
ドーム屋根の周りを取り囲む尖塔は全て陶器製だそうです。
-
見学コースの突き当たりは、修道女の宿舎です。
なぜ、病院の敷地内に修道女の宿舎があるのかというと、ヨーロッパでは19世紀まで看護士と言う職業が存在せず、その代わりを担っていたのが実は修道女だったからです。今でいうなれば、看護師寮ってことです。
なぜ、修道女が看護をするようになったのかというと、「異邦人や巡礼者貧窮者をもてなす」というキリスト宗教的な精神が始まりだと言われ、現在の病院(hospital)の語源は 「もてなし」ホスピタリティーから来ていることからも、それが窺い知れると何かで読みました。
この建物の後方には近代的な建物があるのですが、これが現在のサンパウ病院で、病院としての機能は、この新館に移行されているそうです。 -
この「修道女の寮」に立ってこれまで歩いてきた方向を見てみます。強い逆光で見にくいですが、広大な敷地に整然と美しい建物が並んでいることがわかります。
左側が「聖マヌエル分館」、右側が「聖母モンセラット分館」です。
ちなみに今見てきた左側の棟が男性病棟で、これから見る右側が女性病棟です。 -
さあ、見学も折り返しです。女性病棟の一番手は「聖母モンセラット分館」。
ここは当初、女性用の外科で、後に血液検査所がおかれていたそうです。
ここも2階建てののっぽさんですね。 -
イチオシ
「聖母モンセラット分館」の尖塔の上には可愛い家と星がついていました。ベストフォトジェニック賞決定です!
d(^0^)b グッ!
各病棟ごとにデザインを凝らした塔がありますが、この「聖母モンセラット分館」とそのお向かいに建つ「聖マヌエル分館」の棟にだけ、てっぺんに可愛い家が乗っていて、さらにここは星までトッピングされています。
でもこれは、別にフォトジェニック賞を狙ってのことではなく(←当たり前!)、なんと中国寺院に似せたオブジェだということで、多くのモデルニスモ建築に見られる当時の流行りだったそうです。 -
「聖母モンセラット分館」のお隣は「聖母メルセ分館」です。
敢えて正面からではなく、塔を中心にしてみてみました。
塔には「P」、壁には「G」がしっかり付いてますね。
写真をアップにしてみるとわかるのですが、塔の先端の青と白のタイルは花柄なんですよ!
そこまで凝っても、そんなとこまで誰が見るの?
あ、私は見たか…f(^^;) ポリポリ -
で、みなさんにもドーム天井の美しい装飾を見ていただきたく、アップをご用意しました。
手前が「聖母メルセ分館」、奥が「聖母モンセラット分館、その間の塔は、「聖母メルセ分館」の塔です。
ウロコ型の美しい瓦や、屋根の装飾の違い、ディテールまでこだわり尽くすモンタネールの心意気がよくわかりますよね。 -
センターからの写真を省いたので、一応敬意を表して中央にいらっしゃる聖母メルセ様はご紹介しておきましょう。
彫像の周りにはとても繊細な彫刻が施されています。
足元にはカタルーニャの紋章と末広十字架、その横には「G」もありますね。 -
「聖母メルセ分館」のお隣は「聖母カルメ分館」
もはや間違い探しが得意技となった方もいるのでは?
ここのドームの丸屋根は凹凸があります。え~とさっき見たどこかもそうなってた…あ、お向かいの聖レオポルド分館だ!一応、合わせているんですかね?
この写真は、建物が半地下になっているのがよくわかりますね。
サン・パウ病院の建物がこのように半地下になっているのは、バルセロナの街全体が山から海に向かって僅かに傾斜しているために、各病棟を半地下にすることで高さが視覚的に調和するよう設計されているからだそうです。 -
「聖母カルメ分館」の隣は、「聖母プリッシマ分館」です。
ここは最近見学できるようになったようで、修復前の様子や、修復プロセスなどが分かるようになっています。 -
「聖母プリッシマ分館」は、設計者のドメネクが手掛けた当時のままの状態で残る数少ない建物です。そのため、壁などもボロボロの状態で、ただ何もない空間が広がっていました。
一番奥に1920年当時の看護分館の大きな写真があり、その前で写真を撮っている方が多かったです。 -
これで、最初にもらったリーフレットに載っている中庭の8つの病棟と手術棟そして修道女の宿舎は全て回りました。
現在内部の見学ができるのは4つですが、それも最近増えてとのことですので、今後も増えていくのでしょうか?そしたらまた行かなきゃ~
まぁ、外観を見るだけでも十分見ごたえありますけどね。
ということで、ラストは正面に見える「管理事務分館」に向かいます。病院の事務を担う建物で、最初に見た入口のあるメインの建物です。
その建物の名前は無機質ですが、サン・パウ病院の建物群で、「最大かつ最も装飾豊かな建物」とリーフレットにあるだけあって、中庭側のガラス扉を一歩入ると、想像を絶する世界が待っていたのです。 -
この「管理事務分館」の壁面には、カタルーニャの英雄「サン・ジョルディ」の逸話がモザイク画で描かれていました。
-
イチオシ
じゃーん。
これがこの病院で文句なしに一番美しい「管理事務分館」の1階ロビー。病院のロビーにクリーム色が多用されているのは、設計者のモンタネールが、色彩の柔らかさで患者に癒やしを与え、精神的にリラックスさせたいという願いがあったからだそうで、「建築の力で患者を癒す」ことをモットーに病院建築に取り組んだ、モンタネールの優しさが最も感じられる空間になっています。
ドーム型の天井が連なる様子は、どこやらのモスクにいる様な錯覚をしそうです。 -
天井には9つの丸天井が広がっており、ピンクタイルの間には数字や紋章の描かれたモザイクが施されています。「Α1905」は工事開始年で、「Ω1910」は工事終了年、その他にもバルセロナ市の紋章や末広十字架などが描かれています。
-
イチオシ
ピンクの天井タイルと大理石の柱がなんともメルヘンチックでしょ~ (*^ ^* )V
いやもうこれはアラブの姫のお城ですよ。ジーニー呼ばなきゃ!
この2階へと続く大理石の階段は、「名誉の階段」と呼ばれているそうです。
ステップの部分にまで花模様が施されているのがわかるでしょうか。階段脇のレリーフや壁には、病院建設のパトロンだったパウ・ジウ氏のイニシャル「P」「G」の文字と十字架模様が刻まれていました。
ぜひ写真をアップにしてご覧ください。 -
この吹き抜けになった「名誉の階段」で上を見上げれば…
わぉ!これまたとてつもなく美しい天井。
(〇o〇;) !! -
イチオシ
中央ドームのステンドグラスは、まるで万華鏡!くるくる回したら模様が変わりそうです。
カタルーニャ音楽堂のステンドグラスはとても有名で、それはそれは素晴らしいものですが、この繊細なステンドグラスも負けてはいませんよ!(←久しぶりに張り合う) -
階段を上がると左右に廊下が伸びています。
こちら右側は入れませんでしたが、美しい天井と窓のステンドグラスが目を引きました。
天井は、グリーンと白の草花模様のタイルに、深い緑の陶器の梁、そしてその上に花のモチーフをあしらっています。
窓はには、ステンドグラスで十字架が描かれています。 -
左側の廊下はクリーム色を基調とした美しい花模様がモザイクで描かれた天井です。
念の為に行っておきますが、フレスコ画とかではなく、とても小さなタイルを貼って作ったモザイク画なんですよ! -
そしてこの2階には、このサン・パウ病院で最も美しい場所とも言われている「ドメネク・イ・モンタネールホール」と名付けられた大広間があります。
高さ18メートル、170㎡の大きな広間は、煌びやかなモザイクと凝った作りの天井など、ドメネク・イ・モンタネーの独創性、芸術性が最大限に表現されているとのこと。
訪問した日は、ピアノコンサートがあるようで、その準備をされている中ではありましたが、ここを見ずしてなんとするとばかり、こそこそと拝見してきました。
コソコソ|_-)))) -
天井は波打った独特の形をしており、淡い黄色やオレンジ、水色のタイル装飾が施されています。全体的にも大きくカーブしているのは、伝統工法のカタランボールトですよね。
ステンドグラスの大きな窓には、花模様のガラスが十字に並んでいました。(ちょっと光の加減で写真では見にくいですね…残念)
窓の下には、カリグラフィーのような文字装飾が見ていますが、これがこのホールを1周取り囲んでいます。
ここでも、随所にイスラム建築の要素が取り入れられていますね。 -
このホールは礼拝堂でもあるようで、祭壇のレリーフの奥には磔にされたキリスト像があります。
この祭壇の上部は、「カタルーニャ音楽堂」の外観にも似ていますね。
レリーフの下には、ひときわきらびやかな植物模様のモザイクタイルがあります。
動植物柄は装飾品としてだけではなく、再生、治療、悲観に勝る楽観、死に勝る生命という暗示的な意味合いがあるとのこと。だから各病棟にも動物の絵柄や植物柄が散りばめられていたんですね! -
「カタルーニャ音楽堂」に似ているといえば、この柱。
まさに持ってきたでしょ!って感じです。
モザイクの美しさと共に下のピンク大理石もきれいですね~ -
この部屋のお気に入りの装飾たちです。
上段は天井の波打つモザイク。
下段は壁の装飾です。この壁、花がらの立体彫刻→花のモザイク→タイルと変遷していく様子が素敵ですね~。
この壁の装飾は、2階の廊下の壁にも使われていました。 -
さて、今度は1階のエントランスホールをはさんで反対側にある階段を少しあがり、回廊に行ってみます。
ここについては、リーフレットにも特段案内がないので、うっかりすると見忘れてしまいそうなので要注意です。
右手に見える可愛いステンドグラスのあるガラスの扉の先が回廊です。 -
うっかりして見忘れちゃうかも知れないのが、この回廊。
こ~んなに綺麗なところ見忘れたら、立ち直れませんよ!
天井やステンドグラスには、カタルーニャの紋章や「末広十字架」等の紋章が使われ 、とても華やかな回廊です。 -
この回廊にもいくつか部屋があるのですが、一番先には近代的なホールがありました。
始めは、大したことないなと思ったのですが、ちょっと待てよと上を見たら、これまたとても素晴らしいモザイクの天井になっていました。 -
これよく見ると、全て陶器なんです。
小さな陶器のパーツを使って、この美しいレース編みのような天井のデザインを作っているのです。
いかにも改修後といったな近代的な部屋だったので、この天井も、もしかしたら最近のものなのかもしれませんが、真ん中には1910と建設終了の年が書かれています。当時のものなんでしょうか?
いずれにしても、とても繊細な仕事です。 -
この棟にあった照明器具です。
とても素敵。この時代の照明器具の繊細なデザインは大好物です。 -
とにかくその美しさに圧倒され、朦朧としながら1階正面の扉を出て、間近で、この「管理事務分館」の豪華絢爛なファサードの写真を撮っていたら、係員のお兄さんがなにやら叫んでいるではないですか。
え?ここ立ち入り禁止なの?とキョロキョロしていたら、お兄さんがやってきて「ここは出口じゃないよ」とのこと。
「あらま失礼しました~」ともう一度中に入り、お兄さんに言われるがまま「管理事務分館」の裏側から中庭に出て、右側に回り込むと地味な出口発見。非常にわかりにくい出口でした。
私以外にも、出口がわからず困ったという話をよく聞きます。お気をつけください。 -
ということで、しっかり出口から出たあとに、もう一度素敵なファサードとご対面。この背高のっぽのナツメヤシは開院当時から残るものだそうです。入口前に2本ありますよ。
このファサードの真正面にサグラダ・ファミリアが見えています。その名も「ガウディ通り」をまっすぐ歩いて約10分の距離です。
正方形のブロックで構成されている周辺のEixample地区に対して、斜め45度方角を変えて設計されているサン・パウ病院。
なぜこんな掟破りの設計なのかというと、病棟の入り口を南北方向とする事で、海風による建物内の換気を図り、太陽光を取り入れられるからだとか。これは、新鮮な空気と日光こそが患者と医師双方にとって一番重要、と言うモンタネールの考えによるものだそうです。徹底したこだわりですよね~
そのおかげで(?)、現在はサグラダ・ファミリアからサン・パウ病院まで一直線に道がのびているわけです。
これによって新鮮な空気と日光、更には教会の象徴である慈悲と愛、患者にとって二つの完璧な取り合わせが実現したとも言われているそうですよ。
素晴らしい! -
1849年にバルセロナの名家に生まれ、建築・歴史・政治に精通し、最高峰の芸術家として人望の厚い人物だったモンタネールは、若くしてバルセロナ建築学校の教授となり、ガウディを生徒として教えていました。
モンタネールがてがけた作品はどれも繊細で、上品、人々の心を豊かにしてくれる実に見事な建築作品だったことから、「花の建築家」と呼ばれています。
ただ、余りにもカタルーニャひと筋で、政治色が強すぎたため、いつしかガウディの陰に隠れてしまったそうです。
いつの世も、芸術家は政治色を出しちゃだめなんですね…
でも、私は何といわれてもモンタネールが好き!
次は、いよいよ「カタルーニャ音楽堂」です。
サン・パウ病院は地下鉄「 L5」線「 サン・パウ駅(Sant Pau/Dos de Maig)」を降りて徒歩3分程です。前にも書きましたが、サグラダ・ファミリアからガウディ通りを歩いて10分ほどですので、是非この夢の国を体感しにいらしてくださいね。
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この旅行記へのコメント (4)
-
- 犬のしぇりーさん 2020/06/20 21:22:55
- サン・パウ病院
- mirilinさん こんばんは
サン・パウ病院奥深い。
サグラダファミリアからグエル公園へ徒歩で行く途中寄ったのですが、奥深い。
壁とか天井の写真撮っていませんでした。
また行けるよね、と思って旅しているので下準備もせず。(涙)
ワンワールドですが、マイルも溜まったので妻と行けるかな?
- mirilinさん からの返信 2020/06/20 23:33:12
- Re: サン・パウ病院
- 犬のしぇりーさん
こんばんは!
またいっぱいイイネ頂いてしまい、恐縮です。
私も初回に行った時は、まだ現役の病院だったため、中までは入れなかったので、今回は2時間以上かけて食い入るように見てきました。それでも、見落としたところがあるぐらいです。
旅は、帰ってきて旅行記書いたりしていると、見落としたところとかに気づき、また行かなくちゃ!ってなりますよね(笑)
ホイアンは、昨年行きましたが、楽しかったですよ。拙いですが旅行記もあるので、よかったら覗いてみてください。3月なら、そこまで暑くもなくBESTだったでしょうに、残念でしたね・・・。
私もANAのマイルが貯まったので、来年はウィーン&プラハと思っていたんですが、予約を入れていいものか悩み中です。(本当は今年行きたかった…)
ちなみに、アイコンのワンコの名前はmirilinではないのですが、多分虹の上でしぇりーちゃんと遊んでいるかと思います。
生きていれば27歳。年も近いですね(笑)
懲りもせずバルセロナシリーズ追加で3つ作成中です。そうでもしていないと、旅心のはけ口がないんですわ(笑)
早く旅に行ける日が来るといいですね!
mirilin
-
- churros さん 2020/06/04 16:47:10
- もはや建物と言うより芸術作品ですね。
- !Hola!mirilinさん、旅行記にお邪魔しました。
バルセローナ10日間は長いですねぇ~、私も仕事で滞在しても3~4日ですね
それに宿代は高いし観光客ばかりだし、レスタウランテも高いですよねぇ~。
最近はバルセローナに滞在せずに、タラコやバレンシアに宿を取る事にしています
mirilinさんはお写真がお上手ですね!,私は室内で撮るとピンボケか真っ暗なんです
旅行記の写真どれも素敵ですね。
churros
- mirilinさん からの返信 2020/06/07 21:17:51
- 写真をお褒めいただき嬉しいです
- churros さん
こんばんわ
旅行記にご訪問頂き、イイネとコメントまで頂いて、ありがとうございます。
写真は大好きで、一眼やデジカメ、360度カメラにスマホと、何台持ってんねん!と言われそうなカメラ小僧で見知らぬ地を歩き倒しております。
バルセロナものんびりするつもりでした、ドタバタ歩いてばかり(笑)とても魅力的な街ですもんね。
確かに、滞在費がかさむのが玉に瑕ですけど(笑)
いつになったら、心配なく旅立つことができるのでしょうか。
今年1年を無駄にしてしまうことになりそうで悔しいです。貴重な時間を返して欲しいですね。
mirilin
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