2019/10/27 - 2019/11/07
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あはは・・・今回もやってしまいました歩き倒しの旅。
そろそろ年も年なんで、あくせくせず、のんびり滞在してゆったり観光しよう!と思っていたんです。当初の予定は。
だから、バルセロナに10泊もするという計画を立てたのに、いざ現地に行くと、なにか大きな目的地のそばには、必ずと言っていいほど、他にも見逃せないポイントがあるわけで、近くにいるのに見に行かないわけにいかない!とついついそちらにも足を向けたりするので、気が付けば北へ南へ東へ西へと、とにかく歩き倒してしまうという、旺盛な好奇心とたぐいまれな貧乏性のわたし。今年も相方から「歩きすぎだ」「欲張りだ」「苦行だ」と苦情が寄せられてしまいました。でも治りませんよ、私のあっちもこっちも行きたい病。
そんなわたしの訪れたあっちやこっち、今回も一挙放出しちゃいます。
まぁ、全編公開までには時間がかかるかと思いますが、よかったらお付き合いください。
ちなみに、今回のバルセロナ訪問の大きな目的は、アール・ヌーヴォー大好きな私ですから、もちろんスペインのアール・ヌーヴォー=モデルニズモ建築巡り。これまで、パリ、ブリュッセル、アントワープといろんな場所でアール・ヌーヴォーに浸ってきましたが、今回もバルセロナでモデルニズモを堪能してまいりました。
もちろんそれ以外にもいろいろ見てきましたので、今回は時系列ではなく、テーマ別にもまとめてみたいと思います。
その(7)はあのガウディ、モンタネールに次ぐモデルニスモ建築の巨匠「ジュセップ・プッチ・イ・カダファルク」の作品を紹介したいと思います。とかくガウディやモンタネールの陰に隠れ三大巨匠と言われる割には、あまりメジャーではないプッチ作品。でも、ゴシックの要素をふんだんにちりばめながら、師匠モンタネールの教えも引き継いだ、シックで繊細なプッチワールドは、なにげに日本人には受け入れやすいかも…と思うのです。
みなさんはどう思いますか?
その他のモデルニスモ建築の旅行記はこちらです。
(1)サグラダ・ファミリア&グエル公園
https://4travel.jp/travelogue/11568448
(2)カサ・ミラ&カサ・パトリョ
https://4travel.jp/travelogue/11622978
(3)カサ・ビセンス&グエル邸
https://4travel.jp/travelogue/11623386
(4)グエル別邸とその他のガウディ作品たち
https://4travel.jp/travelogue/11624946
(5)サン・パウ病院(モンタネール作)
https://4travel.jp/travelogue/11625773
(6)カタルーニャ音楽堂とその他のモンタネール作品
https://4travel.jp/travelogue/11626592
(8)モデルニスモ建築三大巨匠以外の作品たち 前編
https://4travel.jp/travelogue/11629209
(9)モデルニスモ建築三大巨匠以外の作品たち 後編
https://4travel.jp/travelogue/11629670
お時間あったら、覗いてみていただけると嬉しいです。
m(_ _)m
- 旅行の満足度
- 4.5
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- 鉄道 徒歩
- 航空会社
- エールフランス
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
まずはじめは、「カサ・アマトリェール」です。
この建物は、スペイン最古のチョコレート製造会社を経営していた「アントニ・アマトリェール」の邸宅で、「カサ・ミラ」や「カサ・バトリョ」などが建つバルセロナの一等地、「グラシア通り」沿いに建っています。なんとあの「カサ・バトリョ」のお隣さんです。
もともと1851年に建てられた建物の改装を、アマトリェール氏が設計から内装、家具に至るまで「ジュセップ・プッチ・イ・カダファルク」に依頼し、1898~1900年の2年をかけて改装された建物です。
家の前にたくさんの人が並んでいるように見えますが、これはお隣の「カサ・バトリョ」の入館を待つ人で、「カサ・アマトリェール」はガラガラです(笑)カサ アマトリェール 現代・近代建築
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ガウディが手がけた「カサ・バトリョ」(写真右)と並ぶ姿は、2軒とも周囲とは全く違う雰囲気なので、なかなかインパクトがあります。この道を歩いていれば、絶対誰でも足を止めちゃう場所です。
この写真では写っていませんが、「カサ・アマトリェール」の数軒左には、我が愛するモンタネール作の「カサ・リェオ・イ・モエラ」もあり、この一画だけでモデルニスモ建築家三大巨匠の作品を見ることができちゃうのです。
そして、この個性出しすぎの一画は「不協和音の一画」と呼ばれているそうです。
モデルニスモ建築家たちが、自己主張しまくった結果ですね(笑) -
では、「カサ・アマトリェール」のファサードから見ていきましょう。
まず一番特徴的なのが、他のバルセロナの建物には無いフランドル(フランダース)風ゴシックの切妻屋根です。まるでオランダの運河沿いの雰囲気でしょ?
この一番上のセラミック部分は、「トーレス・マウリ」と「プジョール・イ・バウシス」という職人の作品だそうです。 -
そして外壁は、「ジョアン・パラディス」による「スグラッフィート」で飾られています。
プッチは、モデルニスモ様式に、それまでの中世ゴシック建築のエッセンスを取り入れることによって新しい作風を作ったと言われており、あのガウディも隣の「カサ・バトリョ」を手がけるときに、大いに影響を受けたそうですよ。 -
ファサードには、たくさんの彫刻があります。
これは入り口付近にあるカタルーニャの守護聖人「サン・ジョルディ」。ドラゴン退治の場面ですね。「エウセビ・アルナウ・イ・マスコート」という彫刻家の作品だそうです。
「サン・ジョルディ」はどこでも登場するので、もはや顔なじみです。(笑) -
プッチは装飾でその家にどんな人が住んでいるのかを表現したそうで、この家にもそんな彫刻があちらこちらに見られます。
この写真の窓の右側には、カメラを持った人の彫刻がありますが、アマトリェール氏の趣味がカメラだったからだそうです。
うちの窓にもカメラ持った人の彫刻でも付けようかしら… -
ピンボケ写真で申し訳ないのですが、上の写真はチョコレートを溶かす動物の彫刻で、まさしくチョコレート王だったアマトリェール氏の家業を表しています。
下の写真は、天使が陶器を持っていますが、アマトリェール氏は陶器等の収集家でも有名だったようです。
その他にもいろいろ意味がある彫刻ばかりだそうなので、あれこれ想像しながら見るのも楽しそうです。
私だったらスーツケース持って出かける人の彫刻が必要ですわ。
(・_・)v -
イチオシ
そして、一番デコラティブな窓がこれ。一際デコデコしているのですが、ここはお嬢さんのテレサのお部屋の窓だそうです。
全体に大きく、そして至る所にイニシャルの「A」があります。 -
さぁ、この中にいくつ「A」があるでしょう?
ウォーリーを探せ風に「A」を探したら面白そうです。
お花もいっぱいですね。\(*^^*)/ -
ファサードには、優雅で精緻な錬鉄製の手摺がある大きなバルコニーもあります。 「マヌエル・バラリン・イ・ランクエントラ」という職人の作品だそうです
このように、当時の一流の職人達が腕を振るって作り上げられているファサードなんです。 -
では、素敵な入口をくぐって内部に入ってみたいと思います。
-
入って正面にまず見えたこの扉の美しさに、思わずシャッターを切ったのですが、これは、1階奥にあるチョコレートショップ&カフェの入口の扉です。
ちなみに、このチョコレートショップでは、アマトリェール氏がパトロンをしていた有名なアール・ヌーヴォー画家「アルフォンソ・ミュシャ」の絵を使った缶に入ったチョコレートを買うことができます。
私の相方もお土産にいくつか買ってました。バラマキ土産にはちょっと高いけど(4.32ユーロ)、仲良しにはいいお土産になるかな…。
私はチョコレートが嫌いなのですが、缶があまりに素敵なので、相方からひとつ奪いました。(*^m^*) ムフッ -
内部見学は、カタルーニャ語、スペイン語、英語の3言語による1時間のフルツアーと30分のエクスプレスツアーがあります。
私たちはもちろん英語をチョイス。時間まで1階入口周りを見ながら待っていました。ちなみに、この1階部分までは誰でも入れます。
その1階にもこんな素敵なライトもあります。 -
こんなエレガントな入口もあります。
エレガントですが、なんと守衛室の入口だそうです。 -
そして時間になると、このゴージャスな大理石の階段を上り、2階のアマトリェール家の居住室の見学に向かいます。
この階段ホールも美しい彫刻や壁の装飾が見ごたえ満点です。
ちなみに、見学ツアー参加者は英語ヒアリング力がほぼ無しの相方と私のみということで、若くて可愛いガイドのお姉さんに申し訳なく…。0(>_<)0 -
あ、階段の裏側も装飾されているんですよ!ちょっとチョコレートみたいですね。
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階段ホールは吹き抜けではなく、とても美しいステンドグラスが輝いていました。
「ジョアン・エスピナゴサ・イ・フェランド」という職人さんが、この家のステンドグラスは全て手がけたそうです。 -
階段を上がると、扉の前で靴にバスキャップのようなカバーをつけるように言われます。今まで、いろいろな邸宅を見てきましたが、こんなのは後にも先にもここだけ。建物をとても大切に扱っているんだなと思いましたが、中に入ってみると、床はとても綺麗なモザイクが施されていて、これを守るためには必要なんだなと納得しました。ヒールの靴では入れないそうなので、訪問のときにはご注意くださいね。
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こんな可愛らしいモザイクもありました。
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本来なら、まずはじめにショートムービーによる解説があり、それが終わるとガイドさんの案内で邸宅の中を見てまわるのですが、私たちは英語の説明をほぼ理解できないこともあり、ガイドのお姉さんに「説明はいいので写真だけ撮りたいと」お願いして、説明抜きでの見学としました。(意思は伝えられても、聞き取るのが苦手な私(泣))
お姉さんは不思議そうな顔をしていましたが、わからない説明をわかったふりして聞いているのも、それで写真を撮る時間がなくなるのも嫌だったので…。お姉さん、ごめんなさい。<(_ _)>
ということで、一番最初に連れてきてくれたお部屋がここ。ダイニングルームです。とても大きな暖炉が、存在感満点です。 -
イチオシ
暖炉の向かい側には、イスラムを感じるデザインの窓があります。いわゆるムデハル様式ですよね。窓ガラス上部には、美しいお花がステンドグラスで描かれています。綺麗ですよね~
通常、モデルニスモ時代の邸宅は、大きな通りに面した所にメインダイニングを持ってきて、道行く人々を眺めて楽しむ場でもありましたが、この家は静かな内側に配置し、窓からは中庭が見えています。
アマトリェール氏は、ブルジョアではありましたが、奥ゆかしい人だったのでしょうか?
-
そしてゴージャスなシャンデリア。
この家は、どこもかしこもとても綺麗な装飾で埋め尽くされていたのですが、特に各部屋のライトのデザインがとても素敵でした。 -
この立派な暖炉の上の彫刻は、ファサードの数々の彫刻と同じ「エウセビ・アルナウ・イ・マスコート」という彫刻家によるもので、先住民の女王とヨーロッパの女王を通じて、アメリカとヨーロッパの間の貿易を表し、アマトリェール家の南米からのチョコレートの原材料の輸入についてを表しているそうです。
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暖炉の周りや壁のタイルも綺麗です。
下の装飾はあちらこちらの壁に使われていたのですが、白い大理石のタイルにブルーのエナメル加工を施したものだそうです。 -
こちらはダイニングに続いている部屋ですが、昔はピアノ室で、ピアノが置いてあったそうです。
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ここは、天井の装飾がとても綺麗です。寄木細工のようにも見えますし螺鈿細工のようにも見えます。
カタルーニャの紋章もありますね。 -
そして、またまた美しすぎるライト。
どこやらの大司教様の冠ではありませんよ! -
この家具も、職人技が光ってますよね~。細かい細工が素晴らしです。
床もなにげに綺麗な柄でした。 -
この丸と菱形の組み合わせのステンドグラスは、この家のいたるところにちょくちょく出てきます。取っ手もアール・ヌーヴォーしてますね~
私たちが写真を撮りまくっている間、静かに扉の外で待っていてくれるお姉さんの影…。 -
え?これ装飾とかもないし、普通の昔の戸棚じゃない?
って、思ったでしょ?
なんとこれ、食べ物を運ぶエレベーターなんですよ!
今カフェになっている1階部分が、当時の台所だったのですが、そこから料理を乗せてこの2階の部屋まで運んだというわけです。今でもレストランで見かけますよね?
20世紀初頭の一般家庭にこんなものを設置しているなんて、どんだけブルジョアだったんでしょう。あ、ブルジョアは一般じゃないか(笑) -
これまた立派なステンドグラスの扉を抜けて、アマトリェール家のプライベートエリアへ向かいます。
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廊下もムデハル様式の香りがしますね。美しい廊下です。
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次に案内されたお部屋がここです。
が、なんの部屋だったか忘れてしまいました。
窓のステンドグラスも、壁のタイルも、ベンチも、精緻な装飾のテーブル(?)も、ライトも、どこもかしこも魅力的だったことだけは覚えています。 -
そしてここは、アマトリェール氏のお嬢さんテレサの部屋です。
アマトリェール氏はお嬢さんと二人でここに住んでいたとのこと。ファサードの装飾が目立って美しかったことを見ても、お嬢さんを可愛がっていたんでしょうね。 -
イチオシ
お嬢さんのお部屋の天井も、まるで梅の花のようなデザインの美しい彫刻が広がっていました。石造りの家ですが、天井が木製だと温かみがありますね。
-
そしてここが先ほどの部屋に続くテレサの寝室です。
ベッドやタンスの装飾が、とても綺麗ですよね。
当時最高の木工細工師「ガスパール・オマール」作の寄せ木細工で、スズカケの木を使って作ったそうです。 -
これがベッドサイドのタンス(?)です。
近くで見ると、もうびっくりするぐらい凝ったデザインなんですよ。金があしらわれていたりして、とても高価なかほりが…(笑)
床は楡の木のモチーフ柄です。このモチーフは天井などいろんなところに登場していました。壁も華やかですが、落ち着いた色味の布張りなので、温かみがあります。 -
そして寝室の窓です。外側にはあのゴージャスな彫刻が施されていた所です。
出窓の真ん中を太い柱が貫くというのは、ちょっと凡人では思いつかないですよね。
窓からはバルセロナの銀座通り、グラシア通りがよく見えます。 -
この柱もただの柱ではありません。
ピンクの大理石が捻られていて、途中には錬鉄製のゴージャスな飾りが付いているし、天井側には美しい彫刻まであるのです。 -
そしてこちらはお父様、オーナーの「アントニ・アマトリェール」の部屋です。
彼は、チョコレート王の顔の他に、陶器等の収集家と写真家の顔も持っていたので、そのコレクションの数々が展示されています。
この家の修復工事の時も、家の中の写真がたくさんあったので、とても助かったそうです。ただ、お嬢さんのバスルームだけは写真がなかったので、修復されなかったそうです。パパは娘のバスルームに立入禁止だったんでしょうかね(笑) -
そしてこちらが寝室。
シックな感じで、安らげそうな感じですね。
オフィシャルな部屋の壁は華やかなタイルなどで飾られていますが、プライベート空間の部屋は、温かみのある上質な布張りにしているようです。 -
「グラシア通り」に面した窓から、暖かな光が差し込んでいます。
あのカメラを持った男性の彫刻がある窓です。
飾られている肖像画はご両親でしょうか? -
こちらは、言わずもがなのトイレと洗面所。
シンプル・イズ・ベストって感じですが、トイレのライトのデザインが、私は超お気に入り。ヘ(*^0^*)v
洗面所には、当時のようなリネンの「手ぬぐい」が掛けられています。当時は今の「タオル」はなかったですもんね。 -
そしてこちらが、仕事場です。
この家は、プライベートスペースは「グラシア通」り側に、オフィシャルスペースは中庭側に配置されていますが、仕事場はその中間に配置されています。メインルームと使用人たちと両方管理できるようにしていたそうです。
外の光が入らない部屋は薄暗くて、なかなかうまく写真が撮れず悔しいのですが、なんと、あえて薄暗くいままにしているそうなんです。というのも、この建物が建てられた時代は、まだ電気が安定して供給されていなかったことから、照明はガスと併用していたそうで、室内は薄暗かったとか。なので、あえてその頃の明るさを再現しているそうなんです。 -
仕事場の家具も、それはそれは豪華絢爛。
椅子の背もたれの装飾見てください!
ちなみにこの邸宅の中の装飾や調度品の総額は、新築の家1軒よりも高額だそうですよ。儲かりましたね~チョコレート王! -
仕事場の入口は、とても豪華です。
でも、豪華なんですが、いわゆる派手派手しさはなく、シックな感じです。質で勝負って感じでしょうか。
全体的にチョコレート色ですが、まさか家業に合わせたわけではないですよね? -
ガイドのお姉さんが特別に扉を開けて見せてくれた階段です。
正直、それまでの豪華さに比べ、あまりに質素なんで、使用人用の階段なのかなとも思いましたが、わざわざ見せてくれたし、真っ白な大理石とシンプルなワンポイントの階段の手すりが綺麗なので、一応載せておこうと思います。 -
他にも、素敵な天井がいろいろありました。
上は、あの豪華な仕事場の天井で、下は、もはやどこの天井だったか記憶が曖昧なのですが、この2つは可愛らしいデザインですよね。 -
「カサ・アマトリェール」の最後は、父と娘のプライベートルームのライトです。
ほんとにこの家は各部屋のライトがとても素敵なデザインでした。
上段は父の部屋、下段は娘の部屋です。
「カサ・アマトリェール」はモデルニスモ建築の中でも、ガウディのような奇抜さや、モンタネールの様な豪華絢爛さはなく、豪華だけど品が良く、落ち着いた雰囲気の優雅な邸宅でした。
ガイドツアーは、終了後、ホットチョコレートがサービスされます。が、私はチョコレート嫌いなので、ご遠慮して帰りました。
ガイドのお姉さんは、「信じられない」って顔してました。解説も聞かず、ホットチョコレートもいただかず、19ユーロも払った東洋人。休憩時間の話題の的になったこと間違いなしですね。 -
さて次は「クアドロ男爵邸」です。
「ジュセップ・プッチ・イ・カダファルク」が「マヌエル・ドゥ・クアドロ男爵」の依頼にを受け、1902年~1903年に改装した邸宅です。
この邸宅は、「ディアゴナル通り」側から見た場合と、「ルセリョ通り」側から見た印象は全く違うそうなのですが、それを知らなかった私は、この「ディアゴナル通り」側からだけ見て、それでも大喜びしておりました。
だって、周囲とは歴然と違う、いかにも「男爵様のお住まい」って感じの豪華なファサードでしたから。
ちなみに、「ルセリョ通り」側は美しい花の絵が書かれたファサードだそうです。 -
まず上階を見てみましょう。
木が邪魔でちょっと見づらいですが、屋根はなんと瓦なんです。
同じ三角屋根が並ぶ屋根裏部屋の窓も、当時としては変わってますよね。 -
そして、この邸宅で一番目立つ2階全面のトリビューン(出窓)は、これでもかの彫刻が施されています。
ひとつの窓にひと組の男女が彫られているのですが、それが全員違う人なんです。8組のカップルは洋服も髪型も表情も全部違うんですよ。わかりますか?
そして窓枠の上全てについているカーゴイル。い~っぱいありますね。
このカーゴイルから水が一斉に落ちてきたら、滝のようになっちゃうんじゃない?といらぬ心配をする私です。 -
窓の上の彫刻をアップにしてみました。
いろんなカップルがいるでしょ?
カーゴイルも全部微妙に違っていますね。
この邸宅のこれらの彫刻類は全て彫刻家「エウセビ・アルナウ」と「アルフォンス・ジュヨル・イ・バッハ」の作品だそうです。 -
2階のトリビューンの左端には、ドラゴン退治をするサン・ジョルディの彫刻が、珍しく縦並びについているということなので、写真を引き伸ばしてみました。
下から忍び寄るドラゴンを上から槍で威嚇する姿、確かに確認できますね。 -
1階には、大きな錬鉄製の扉があります。この扉は馬車で入れるように作られていて、徒歩の人間は右下の小さなドアから入ることになります。人間用の扉との大きさの違いを見れば、とても大きな扉であることがわかりますよね。
この扉自体も美しい錬鉄の花の飾りが付いています。この錬鉄は「マヌエル・バラリン」の作です。 -
重厚な錬鉄の門ですが、所々にセラミックが埋め込まれていて、それがまたアクセントになって、ゴージャスさを増しています。
-
この扉の上の彫刻はカーゴイル?
一対になっていますが、相方は口を閉じていますので、雨樋の排水口の仕事はできませんよね?
左側は王冠をつけて手は足の間、右側は腕を胸の前で組んでいます。何か意味があるのでしょうか?日光の「見猿、言わ猿、聞か猿」みたいな?
このファサードの彫刻は、カタルーニャに伝わる神話がモチーフになっているそうなんですが、極東の地に住まう東洋人には知る由もないですね…。 -
扉周りにも彫刻がついています。
扉の左側の柱の上にいるのは、弓を構えた青年です。青年の見つめる先には… -
大きく口を開け、弓を構える青年を威嚇するようなドラゴンの姿が…
扉をはさんで対峙するこの構図、結構好きです。
ドラゴンと青年ってことは、この青年も守護聖人「サン・ジョルディ」なんでしょうか? -
ドラゴンの写真がちょっとピンが甘いんじゃない?とツッコミ入れたあなた!
そうなんです。あのドラゴンはファサード全体の写真から引き伸ばしたものなんです。私ったらこのファサードでしっかり写真に収めるべき3つを撮り忘れていたのです。
その一つが、写真左のドラゴンで、ひとつ前でピンボケ写真にしているもの、二つ目が一番右の鰐の口みたいな不思議な彫刻。横から見ると魚のようでもありました。そして三つ目が最も重要だった写真中央の立派な紋章です。
実はこの写真も、ファサード全体写真から伸ばしてみました。
「エウセビ・アルナウ」さん、「アルフォンス・ジュヨル・イ・バッハ」さん素晴らしい作品をしっかり写真に収めずごめんなさい。m(_"_)m ペコペコ -
ファサードの足元を見ると、地面すれすれに可愛らしい形の低い窓があります。アイアンワークのフェンスも、もちろんキュート。
この内部は半地下になっていて、使用人の住居、キッチン、倉庫などがあったところとのことです。 -
さて、この「クアドロ男爵邸」が中に入れることを知らなかった私。(←事前情報収集が甘い!)
外観だけでもしっかり見ておかなきゃと、この美しい錬鉄扉を見ていたのですが、恐れを知らぬ私の好奇心が、錬鉄の人間用扉をちょっと押してみたところ… -
何と!扉が動き中の受付のようなところにご婦人が座っていたのです。
え?ここ見られるの?それとも怒られる?と、ビクビクしながら「写真撮ってもいいですか?」と得意のワンフレーズの英語で聞いたみたら、「水曜日なら見られるけど今日は木曜日。残念ね。でもこのあたりなだけなら写真撮ってもいいわよ」みたいなことをおっしゃり、ニッコリ。
10連泊も残すところ2日となっていた私は、次の水曜日は日本でお仕事してるし…ということで、「なぜ昨日来なかった?」と己を責めつつも、1階だけでも見られる幸運に、喜々として見せていただいたわけです。タダだし…。
まずはこの床、素晴らしいモザイクですね~。このモザイクの床がある部分は、かつては庭だったそうで、プッチによって徹底的に改装されたときに、「ディアゴナル通り」側に正面玄関を作り、庭を玄関ホールにしたそうです。 -
そして大好物のライト。期待通りのおしゃれなデザインです。ガラスにも模様が入っていますよ。
壁は植物柄のスグラッフィートをタイルのようにデザインしているようです。(なにせ完全フリー見学なんで勝手な解釈です。ご存知の方教えてください)
色といいデザインといいシックで素敵です。
下のタイルは、「アマトリェール邸」で使われていたものと似ていますね。 -
天井も植物モチーフで飾られています。
壁の最上部はタイル風ではなく、植物モチーフのスグラッフィートですね。淡いベージュで素敵です。
壁の下部分のタイルは「アマトリェール邸」のものと同じです。たくさん作って、あちらこちらに使っていたんですかね(笑) -
この鳥かごのような窓の囲いも、とてもゴージャス。
これを吊り下げているように見える彫刻も、お花が並んでいてとても綺麗です。 -
この1階エントランスホールはとても豪華で、まさに貴族の館って感じです。ま、「男爵邸」ですから正真正銘貴族ですが…。
この邸宅には、階段が3か所あるそうなのですが、この豪華な階段はクアドロ男爵家専用の階段だそうです。
え?せっかく豪華な階段にぶら下がっているコードは何かって? -
なんと、お掃除中だったんです。一般公開日じゃない日にこっそり見せていただいていますからね。文句は言えません。
でも、こんなに床に這いつくばって磨いてくださっているからこそ、私たちが楽しく見学できるんですよね。いつまでも綺麗な邸宅でいられるのも、こうして影で守ってくださる方があってこそなんだと、実感しました。
お掃除おばちゃん(きっと私より若いでしょうが)、ありがとうございます!
°・:,。★\(^-^ )♪ありがとう♪( ^-^)/★,。・:・° -
階段ホールの上は、「アマトリェール邸」同様、ステンドグラスになっていました。こちらはブルーのステンドグラスで、明るい感じです。
階段の手すりの装飾も見事ですね。なんだか「カタルーニャ音楽堂」の手すりを思い出しますが、そういえば、プッチもモンタネールの弟子ですから、さもありなんです。
お掃除中ですし、もちろん階段は上がれませんでしたが、2階入口のところにも、立派な紋章のような彫刻が見えますね。 -
豪華なクアドロ男爵家専用階段ホールは、床だって素晴らしいのです。
グレーと白の小さな石で作られたモザイクは、曲線と直線を上手く調和させた凝ったデザインで、まるで絨毯のようです。素敵な噴水まであります。
男爵一家は、ここまで馬車で入ってきて、階段を上がったそうです。優雅ですね~
馬車の馬は、そのまま直進して「ルセリョ通り」側の入口から出て行ったそうです。
隅にある小さな窓は、地下のキッチンや使用人の部屋のための明り取りです。 -
この扉は、あの豪華なエントランスと、「ルセリョ通り」側入り口の間にあります。
この建物は2階を男爵一家が使い、上階は賃貸住宅だったそうで、男爵家専用のホールと一般人や使用人をこの扉で区切っていたということでしょう。
この扉のガラスは、「アマトリェール邸」の扉にあった丸いガラスと似てますね。 -
ここは「ルセリョ通り」に面した、かつての正面玄関から入ったところにある階段で、今は取り壊されて、その空間だけが残っています。
階段の柄が描かれているあたりが洒落てますね。
私は事前勉強不足だったため、ここまで見て戻ってしまったんですが、この先にあったかつての正面玄関を出ると、美しいお花などがペイントされた「ルセリョ通り」側の装飾を見ることができたのです。あ~あ!バカバカバカ!
ここもまたリベンジ決定です。 -
いろいろ勉強不足で見落としが多かった「クアドロ男爵邸」ですが、こんなとこはしっかり見つけました。
ライトをドラゴンが咥えているんです。
モデルニスモ建築家はホントにドラゴンが好きですよね~ -
ディアゴナル通りの373番地にある「クアドロ男爵邸」
ファサードにはこんな可愛らしい表示がありました。
絶対また来るよ~待っててね~ -
「クアドロ男爵邸」は、地下鉄「L3」線または「L5」線の「ディアゴナル駅」から徒歩3分程度。駅の階段を上がり大きな交差点をグラシア通りを右に見て3分ほど行くと右手に現れます。
「カサ・ミラ」からも徒歩5分程度ですし、このあたりには、有名なモデルニスモ建築がてんこ盛りです。
この地図にもガウディ作の「カサ・ミラ」だけじゃなくモンタネール作の「カサ・フステル」もありますよね(Hotel Casa Fusuterと表示されてます)。私は、「サン・パウ病院」を見学したあと、地下鉄「L5」線で2駅の「ディアゴナール駅」で降りて行きました。
ちなみに次に紹介する「カサ・デ・ラス・プンシャス」もここから徒歩1分赤丸印のところです。 -
イチオシ
ということで、「クアドロ男爵邸」の目と鼻の先に登場するのが、めちゃくちゃフォトジェニックな建物。まるでどこかのお城のような「カサ・デ・ラス・プンシャス」です。
6本の尖塔を持っている特徴的な外観から、地元では、「カサ・デ・ラス・プンシャス」=「トゲの家」と呼ばれています。
このアングル、まるで中世のお城ですよね~
ドイツの有名な「ノイシュバンシュタイン城」から着想したそうですよ。カサ デ ラス プンシャス 現代・近代建築
-
「カサ・デ・ラス・プンシャス」は、繊維業で財を成したテラデス家の3姉妹Angela、Josefa、Rosaのために、彼女らの兄が友人の「ジュセップ・プッチ・イ・カダファルク」に設計を依頼、3軒の家を複合した住宅として1905年に完成しました。
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このアングル、まるで中世のお城ですよね~
ドイツの有名な「ノイシュバンシュタイン城」から着想したそうです。余談ですが、「ノイシュバンシュタイン城」は、35年前に私をヨーロッパ旅行へ誘った原点です。あ、生まれたばかりの時ね←嘘(爆) -
建物の一番上には、綺麗なモザイク画が飾られています。
各棟の上に掲げられているモザイク画は、各建物の所有者である3姉妹ひとりひとりの特徴を示しているそうで、「エンリック・モンセルダ・イ・ヴィダル」の作品です。
この絵は長女の「アンジェラ・テラダス」を示しているそうです。
アンジェラだからエンゼル=天使?
この真裏にあたる棟には「サン・ジョルディの竜退治」のモザイク画が有り、その枠にはプッチ自身の顔の彫刻がついているそうなのですが、見損ないました(泣) -
こちらの棟には、「日時計とカレンダー」が描かれたモザイク画が掲げられています。ローマ数字とともに、花に囲まれた牡羊座(春)、水の中の蟹座(夏)、紅葉の葉に囲まれた天秤座(秋)、狩猟を象徴する角の上の山羊座(冬)と、四季に関連する4つの星座を表す絵も描かれています。
-
「ディアゴナル通り」りと「ロッセロ通り」の角にある最大の塔を下から見上げてみました。各階の窓の錬鉄の飾りが綺麗ですね。
「塔の上のラプンツェル」が上から覗いていそうな気もします。長い髪の毛が降りてきそうな… -
そして、この塔の先端の装飾は飛び抜けてゴージャスです。
この建物には、6本の尖塔がありますが、他の塔はいたってシンプル。なのに、なぜかこの塔だけが華やかなんです。
なぜなら、当時の富裕層が多く住んでいた「グラシア通り」からこの塔が見えるからだそうで、バルコニー、石柱なども建物の他の部分より念入りな装飾を施したそうです。見栄を張ったってわけですね。
確かに、裏通り側はと~ってもシンプルで写真も撮ってません(笑) -
こちらは「ディアゴナル通り」側です。メインの大通り沿いは綺麗ですね。
-
特に目を引くのは、この純白の花の彫刻です。とても細かな細工ですよね。
レンガの壁によくあってます。 -
彫刻された出窓を支える部分も面白い装飾がされています。
出窓も三角形をしていましたし、この支え部分も三角形、そして柱の間も三角形です。一般的にアーチ型が多いと思うのですが、こだわりでしょうか?
この三角形のところに、石で刻まれた表札のようなものがありましたが、読めませんでした。
ちなみにここは、内部見学が出来るのですが、自由見学ではなく、時間単位でのグループ見学とのことです。日本語のオーディオガイドもあるそうなのですが、居住棟は現在も居住者がいるので見られず、サン・ジョルディ伝説の説明がほとんどだと聞いて、パスしてしまいました。でも、屋上にも上がれるようですので、今度は内部見学してもいいかも。
こちらも再訪決定です(笑) -
最後は、「カサ・セラ」です。
「ディアゴナル通り」と「ランブラ・デ・カタルーニャ通り」の交差する角にあります。正直に言えば、この建物を見に行ったのではなく、「キリンのマハ像」という面白い銅像を見に行こうと「ランブラ・デ・カタルーニャ通り」を歩いていて見つけました。
「カサ・セラ」は、画家「ペレ・セラ」のために「ジュセップ・プッチ・イ・カダファルク」によって建設(1903~1908年)されました。
ただ、 「ディアゴナル通り」に面した部分は、1981年に取り壊され「フェデリコ・コレア」と「アルフォンソ・ミラン」の設計により新しい建物(後ろに見える立派なビルです)が建てられました。
現在は、バルセロナ地方協議会の本部になっています。 -
実際「ペレ・セラ」はここに住んだことがないようですが、あちらこちらにプッチのこだわりが見えます。
ルネッサンス期のグラッラ家の邸宅を彷彿とさせるような外観とすることで、この邸宅へのオマージュを捧げたそうです。
メインドアや窓の装飾は、グラッラ家の邸宅を再現したものだそうです。 -
この出窓は、ちょっと中華風な屋根がユニークですね。
壁に黄色い塗料が付いているのに気がつきましたか?実はこの時、カタルーニャ独立派の活動家に有罪判決が出たことに対するデモがバルセロナのあちこちで起きていたので、バルセロナ地方協議会の本部であるここも標的になって塗料を投げられてしまったのかもしれません。 -
この邸宅も「エウセビ・アルナウ」と「アルフォンス・ジュヨル・イ・バッハ」のふたりの彫刻家が彫刻を手がけています。
2階の窓の上には「セルバンテス」、「フォルトゥーニ」、「ワーグナー」の胸像があるのですが、この写真だとよくわかりませんね。 -
ちょっと、窓の部分をアップにしてみました。
これは誰かな?セルバンテスに似てるような…。こんな感じで2階の各窓の上に著名人の顔があります。 -
塔の屋根は美しいモザイクで飾られています。
上から見た写真によれば、建物の屋根も色瓦で美しくデザインされているようでした。この写真でもちょっとだけ見えますね。 -
そして、これが「キリンのマハ」像。「カサ・セラ」の前(横?)にあります。
カタルーニャ出身の彫刻家「Jose Granie」による彫刻(1972年)で、ゴヤの「裸のマハ」のパロディです。
この象は「ランブラ・デ・カタルーニャ通り」の西の端にあるのですが、東の端には「考える牛」があります。「考える牛」は今後の旅行記で登場予定です(笑)
最後は、モデルニスモとは無縁のお茶目な彫刻になってしまいましたが、これで、私が見てきたスペインモデルニスモ建築の三大巨匠の作品紹介は完了です。ま、リベンジしなければならないものや、今回見に行けなかったものもありますので、絶対再訪決定です。
では、次の(8)は三大巨匠以外の建築家による素敵な建物を紹介します。
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