2020/07/02 - 2020/07/02
111位(同エリア473件中)
玄白さん
梅雨はまだ続いているが、梅雨時の代表的花の紫陽花はそろそろ終わり、次に見頃を迎える主役級の花と言えばハスの花。5年ぶりに車で一時間ほどで行ける栃木市の「つがの里公園」にハスの撮影に出掛けてきた。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- 自家用車
-
ハスの花は、夜明けとともに咲き始め、昼過ぎには萎んでしまうので、自宅を5時に出発し、現地に6時ごろ到着。一般の見物客はいなかったが、一眼レフと三脚を担いだ先客は5人ほどいた。
-
つがの里公園はけっこう大きな公園で、入り口、駐車場はいくつかある。ハス池は東北自動車道側道脇の一番南側の第1駐車場の傍にある。
-
古代蓮と言えば、行田市の「古代蓮の里」が有名で、古代蓮だけでなく、世界の多くの品種が見られるが、ここは古代蓮一種だけである。
-
ハス池の規模は小さいが、ハスの美しさに変わりはない。
-
蓮の花の寿命は正確に4日間。初日は、開花しきらず、ちょっと咲いただけで9時ごろには蕾に閉じてしまう。2日目になると、きれいに開花し、昼頃に再び閉じる。3日目には最大に開くが花の色はややあせてきて、昼頃になっても完全には閉じきらない。4日目になると、7時前から開花して8時過ぎには花びらが散り始め、昼頃にはすべて散ってしまう。
-
どんより曇った日だが、7時前に東の空だけ一時的に晴れ間が見えた。
-
イチオシ
下から煽って、青空を背景にしてハイキー調で撮影。
-
大きな葉の上に、4日目を迎えた花の花びらが一枚乗っている。
-
こちらは、上を向いた葉の上に落ちた花弁。昨日降った雨の滴も載っている。ハスの葉は撥水性がとても強く、ちょっとでも傾くを、水玉がコロコロと転がり落ちてしまう。
蓮が泥の中でも汚れない理由は、葉の超撥水性による自浄作用である。蓮の葉の表面には、ミクロの凹凸があり、これが水滴を表面張力で丸くして表面の汚れや小さな昆虫とともに落下させてしまう。
表面の微細構造による超撥水性をロータス(蓮)効果と言い、身の回りの製品にも応用されている。たとえば、ヨーグルトのカップのふた。ふたに蓮の葉をまねて表面に微細な凹凸をつけるとヨーグルトのようなべたべたしたものがくっつきにくくなるのである。自然は、人間に色々なことを教えてくれる。 -
つぼみと2日目を迎えた花。
-
4日目になり、命を終えようとしている花。
-
蓮の原産地はインドと言われている。ハスの花、すなわち蓮華といえば、仏教との関係が深い。
ハスは、泥水の中で育つが、汚れることもなく美しい花を咲かせる。これが悪、煩悩に溢れるこの世の中で一切の汚れがない仏の智慧、慈悲を象徴している。
また、ハスは開花する前にすでに受粉が完了していて、花托の中に種が宿っている。この性質が、一切衆生(人間を含むこの世に生を受けたすべての生き物)は生まれつき仏性(実)を備えていると説く仏法に結び付けられる。
ハスのこのような性質がインドで生まれた仏教の教理と結びつけられたのは自然な成り行きだったのだろう。 -
一蓮托生という言葉がある。これは結果がどうであれ、行動や運命を最後までともにするという意味だが、もともとは仏教用語である。極楽浄土には、清らかな蓮の花が咲いている。生前に善行を積めば死後、極楽浄土の蓮の上で生まれ変わることができるという教えの意味なのである。
阿弥陀如来など多くの如来、菩薩が乗る台座も蓮の花をかたどった蓮華座である。
このように、ハスと仏教は切っても切れない縁なのである。 -
イチオシ
いつものワンパターン、前ボケを入れた撮影。
-
イチオシ
ハスの花には、よくミツバチが集まってくる。しばらく時間を使ってミツバチを撮影してみた。
ハスの花に蜜は無いので、ミツバチ達の狙いは花粉である。ハスの花は開花する前に受粉が終わっているので、ミツバチにどれだけ花粉を分捕られても痛くかゆくもないのである。 -
一匹のハチが一粒の花粉を足に挟んで巣に帰って行く。
-
花粉は蜜と違って生きた細胞なので、タンパク質、ビタミン、脂質、ミネラルなどが豊富に含まれている。栄養バランスがよいので、女王蜂や幼虫の大切な餌になる。
-
花びらを落とした4日目のハス。
-
ハス池の一角には睡蓮も咲いている。
-
睡蓮が咲く水面にハスの花が映り込んでいる。
-
ハスと睡蓮は全く別系統の花である。
植物分類学的には、蓮は被子植物門の王道、真性双子葉類だが、睡蓮は進化の極初期に分かれた原始的なスイレン目に属するということのようだ。
素人的には、葉っぱが水面に浮かんでいるのがスイレン、水面から高く上に伸びているのがハスである。また、睡蓮の葉は撥水効果は乏しい。 -
古代エジプトの遺物にもハスは登場する(エジプトロータス)。エジプトの太陽神はロータスを持って登場するし、壁画の文様にもロータスを象形化したものがある。エジプトロータスはナイル川の氾濫後に川沿いの土地で咲くので、豊饒のシンボルとされたのである。ロータスは、パピルスと並んで古代エジプトを代表する植物であった。
しかし、エジプト学でいうロータスはハスではなく睡蓮、すなわち Water Lily なのである。 -
睡蓮といえば、モネ。彼のシヴェルニーの自宅の庭の池に睡蓮を植え、晩年の30年間に、250点ほどの睡蓮を描き、世界中の美術館で展示されている。その膨大な作品の中には、こんな構図の睡蓮もあるに違いない。
-
ほとんどがピンクの睡蓮だが、白い睡蓮もある。
-
睡蓮にもミツバチが集まっている。ハスと違って睡蓮には蜜があるのだろうか?
-
遠近感を誇張して撮影してみた。
-
ふたたび、ハスの撮影に戻る
-
ハスの花の特徴は、この大きな花托。この形がある種のハチの巣に似ているので、
ハチノス→ハチス→ハスという名前になったという。
漢字では蓮。連なって沢山の実をつけるので「連」に草冠をつけて「蓮」がこの植物の漢字の由来らしい。 -
葉っぱの上に雨水が溜まっている。アマガエルでもいれば絵になるのだが、カエルは見当たらない。
-
遠近感を誇張して。
-
バックにアジサイ。アジサイはすでに花期を過ぎつつあり、傷み始めているので、近寄っての撮影は無し。
-
このハス池では、あまり密集して咲いてはいないが、この一角だけはたくさんの花がまとまって咲いている。
-
イチオシ
もう一枚。
-
古代蓮は、もとの種は年代測定で約2000年前のものということが分かっている。ハスに限らず、様々な花が園芸用に品種改良され、中にはチューリップのように原種とは、およそかけ離れた姿になってしまったものもある。
古代ハスを見ていると、人の手によって姿を変えられてしまったものより、自然のままの姿の方が美しく愛おしくもあると思えてくる。 -
まだ初々しい一日目の花
-
一日目の花と3日目の花
-
どアップで一枚。
最後に偉そうに人生訓を一言。
ハスが大きく美しい花を咲かせるためには、汚れた泥水が大量に必要とされる。人が大きく成長するには、困難、試練という泥水が必要なのである。
終わり
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
旅行記グループ
宇都宮周辺地域
-
朝霧漂う梅林 ~市貝町観音山梅園にて~
2020/03/15~
益子・茂木
-
桜隠しの日を楽しむ(1) ~宇都宮森林公園&護国神社の桜と雪~
2020/03/29~
宇都宮
-
桜隠しの日を楽しむ(2) ~八幡山公園の桜と雪~
2020/03/29~
宇都宮
-
5年ぶりに古代蓮を見につがの里公園へ
2020/07/02~
栃木・壬生・都賀
-
秋海棠に囲まれて生を全うできなかった命を悼む
2020/09/14~
宇都宮
-
中世の山城跡に咲く50万本の彼岸花
2020/10/02~
益子・茂木
-
雨上がりのバラ園で、雫をまとった美しい薔薇たちを愛でる
2021/05/17~
真岡
旅行記グループをもっと見る
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
栃木・壬生・都賀(栃木) の旅行記
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
旅行記グループ 宇都宮周辺地域
0
37