中世の山城跡に咲く50万本の彼岸花

2020/10/02 - 2020/10/02

栃木県東部の茂木町に茂木城、別名桔梗城という中世の山城の跡があり、今では城山公園として整備されている。その山裾や曲輪跡、空堀跡の斜面に、50万本とも言われている彼岸花が群生している。今年は例年より10日以上開花が遅れ、10月に入ってちょうど見頃になったので、連れ合いを連れて撮影に出掛けてきた。

エリア 益子・茂木(栃木)

• 旅行の満足度: 4.5

• 同行者: カップル・夫婦（シニア）
• 交通手段: 自家用車

茂木城が築城されたのは源頼朝の御家人だった茂木智基という人物が、鎌倉幕府が開かれた1192年（正確には頼朝が征夷大将軍任命された年）に築城したとされている。現在は当時の建物は存在せず、土塁や空堀が残っているだけである。この山城がある標高200m足らずの頂上が平坦な低山が桔梗山というのが、別名の由来である。
写真の櫓は復元されたものである。

ここは、彼岸花が咲いているのが空堀の法面など斜面にあるので、写真撮影的には奥行き感が出せて、とても良い条件なのである。

場所によって花の密度に濃淡はある。最も密集しているエリアは、真っ赤な絨毯を敷き詰めたようである。

この日は晴天だったので、直射日光が当たる部分と影の部分のコントラストが強烈で、花の撮影には、必ずしも良い条件とは言えない。とはいえ、陰の部分を背景にして、彼岸花を浮き上がらせる構図にすれば何とか撮れる。

左右の花の色が微妙に違う。右はすでにピークを過ぎつつあるのだろう。

前ボケを入れ陰を背景に一輪を浮かび上がらせてみた。

縦構図にて。斜面の群生ならではの奥行き感で。

紅一点ならぬ、白一点

ここは桜の木も多く、桜の季節もよさそうだ。

黄色の彼岸花。厳密には鍾馗水仙という彼岸花とは別種であるが、色が違うだけで花びらの形、花の咲く時期は葉を落としてしまうなど、彼岸花とよく似た花である。

鍾馗水仙を前ボケにして。

木漏れ日が差し込んだ彼岸花の群生

小さな顕彰碑を囲む彼岸花。顕彰されている井原利平とはどんな人物かは、聞いたことはないし、調べても不明だった。

白い彼岸花。赤い彼岸花と黄色の鍾馗水仙の交雑種だと言われている。絵具なら赤と黄色を混ぜれば橙色になるが、白くなるのが面白い。交配で発色の遺伝子が発現しなくなるのだろう。

鍾馗水仙をアップで

白い彼岸花もアップで

赤に取り囲まれた黄色の配色構図にて

南側の斜面中腹に祠がある。ほこらの周りにも彼岸花に交じって、ところどころ鍾馗水仙も咲いている。

斜面に咲き乱れる彼岸花

この圧倒的な彼岸花の株は、自生しているものではなく、人手によるもの。地元の人々や地元の高校生たちが、毎年植えたり手入れしているという。

地面すれすれから見上げるようなアングルも、斜面だからこそ簡単にできる。

公式ＨＰでは7分咲きとなっていたが、まさに満開。傷んだ花もなく、申し分ない見頃のタイミングだった。

遊歩道のまわりにびっしりと咲いている。アップでの撮影も容易だ。

彼岸花は花が咲くときには葉が落ちてしまうので、葉っぱがどんな形をしているのか、見たことがない。

桜の木が林立する斜面に咲く彼岸花。

彼岸花の群生の隅っこにひっそりと咲くヒナギクのような花。

アザミもぽつんと控えめに咲いている

地面から見上げるアングルでも一枚

土塁の下から上までびっしりと咲く

出丸の斜面には、シダのような植物と混生している

木漏れ日のスポットライトを浴びた彼岸花

もう一枚

なにかの花が終わった綿毛と彼岸花

城山公園の遊歩道は関東ふれあいの道の一部でもある。

本丸広場の斜面にて

本丸跡は芝生が植えられた広場になっている。その片隅にもひっそりと咲いている。

駐車場脇にて。雲が浮く青空を背景にして。

この後、近くの道の駅茂木に立ち寄るつもりであった。道の駅グルメグランプリで３年連続優勝して、かなり知名度があがっている「ゆず塩ラーメン」でランチのつもりであった。しかし、人気のラーメンなので、コロナ禍でも長蛇の列になっていて3蜜状態なので、あきらめてそのまま帰宅したのであった。