桜隠しの日を楽しむ（２）　～八幡山公園の桜と雪～

2020/03/29 - 2020/03/29

桜隠しとは、桜が咲く時期に雪が降ることを意味する俳句の春の季語である。なんとも味わいがある言葉である。今年は暖冬で宇都宮ではほとんど雪が降らなかったが、3月末になって思いがけずの降雪となった。実に5年ぶりくらいであろうか。
今、世の中ではコロナウィルスで大変なことになりつつあり、東京をはじめ外出自粛要請がでている地域もある。我が栃木県では、東京への移動自粛要請は出されたが、感染者は今のところそれほど多くは無く、3つの「密（密閉空間・密集場所・密接機会）」を避けていれば、まだ感染のリスクは少ないだろう。（今後は楽観できないが・・・）
　そんな状況で、滅多にない桜に雪が積もる風景を撮りたくて、居ても立ってもいられず、カメラ片手に家を飛び出したのであった。
　森林公園赤川ダム、護国神社での撮影を終えて、次は、いつもの日課のウォーキングコースにしている馴染みの八幡山公園へ。

エリア 宇都宮(栃木)

• 旅行の満足度: 4.5

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: 自家用車

八幡山公園東側駐車場から公園内に入るには、競輪場の横を通って登っていくのが近道なのだが、昨年の台風19号の豪雨による崖崩れで遊歩道が崩落して今も通行止めになっている。駐車場も、崩落した土砂で埋まってしまったのだが、ようやく年明けから使えるようになった。
八幡山公園へは隣の遊園地経由で行かねばならない。
（写真は、翌々日に連れ合いと再び訪れた時に撮影したもの）

小さな遊園地で、滑り台、シーソー、ゴーカートなどがあり、週末は子供連れでにぎわうのだが、こんな日には、誰もいない。

淡い色の桜と雪でモノトーンになりがちな風景だが、遊園地の派手なペンキの色が彩りを添えている。護国神社からこちらに移動する間に雪はほとんど止んでしまった。

この遊園地の中の桜も見頃を迎えている。

誰もいないので、滑り台の上まで登ってみた。

こちらは距離が長い滑り台。背後の桜が見頃だ。

この遊園地からアドベンチャーブリッジという吊り橋を渡って、八幡山公園へ移動。
ここには、東京タワーにそっくりの宇都宮タワーが聳えている。東北新幹線が開通したとき、ＴＶの電波状況が悪化し、受信できない世帯が出るのを防ぐために、東京タワーをマネして作った電波塔である。

八幡山公園は、宇都宮では有数の桜の名所となっている。

桜にも刈り込まれたツツジにも雪が積もっている。ＧＷのころには、ツツジが見頃を迎える。

桜と宇都宮タワー

５ｃｍほどの積雪だろうか。春の雪なので溶けるのは早い

桜の花びらに落ちた雪はすぐに滴に変わる。

桜は八分咲きくらいだろうか。これくらいの時が花に勢いがあって、鑑賞するにはちょうど良いタイミングだ。

園内の桜の木は、まだ若くて幹がまっすぐな樹が多いが、樹齢を重ねて少し古木の風格を備え始めた樹もある。

例年だと、この辺りは花見客のブルーシートが敷き詰められてしまうのだが、この日は雪が降っている影響もあり、また今年はコロナウィルス感染防止で花見を自粛する人も多く、例年とは全く違う情景になっている。

小学生らしき男の子がもくもくと一人で雪ダルマを作っている。母親らしき女性は、離れたところで桜の撮影をしている。

すでに昼過ぎだが、ほとんど人影がない。時折地元の人が散歩がてら桜を見に来るぐらいだ。毎年恒例の桜祭りは中止になっているので、撮影に邪魔なぼんぼりや露店もない。絶好の撮影機会が訪れたのである。

存在感がある桜の古木

緩やかな斜面に点々と桜が植えられていて、奥行き感が出る構図で撮影できる。

縦構図でも一枚撮っておこう

場所を変えて、宇都宮タワーと桜をパチリ。

公園南側に通じる階段と桜

公園の一角に小さな日本庭園風の池がある。池の畔の桜

桜に積もった雪が水面に落下して波紋を作っている。

もう一枚

園内のどこからでも宇都宮タワーが見える

ここの桜はほとんどすべてソメイヨシノである。

散歩がてらの花見にやって来た母子

お嬢ちゃん、スッテンコロリ！　雪が積もった芝生の上なので、痛くはなかろう。しばらく雪の上に寝転がってから、楽し気に笑いながら起き上がった。

この広い遊歩道には例年だとズラリと露店が並ぶのだが、今年はスッキリとしている

公園の南側には蒲生神社があるのでそちらにも足を延ばしてみよう。比較的新しい神社で、大正元年に創建された。江戸時代後期の学者、蒲生君平という人物を祭神として祀っていて、学問の神様ということになっている。

この神社の境内にも桜がある。

一の鳥居をくぐった右側にある枝垂れ桜

桜の枝越しにレンギョウの黄色が映える

枝垂れ桜

積もった雪が重たげ

駐車場に戻る途中で、再び飽きもせず八幡山公園の桜撮影

接写で撮っておこう

もう一枚

雪を被った蕾

オマケ
以下の写真は、翌々日の早朝に連れ合いと再び訪れた時撮影した数枚である。
雲は多いが、青空が見えている。

桜とツツジの木

竹林を背景にして

一昨日子供が作っていた雪ダルマの残骸

日本庭園の池に映り込んだ桜。

雪が降り、桜祭り中止で露店やぼんぼりがない、静かな公園の桜を楽しめたひと時だった。