2019年秋・長崎でのアニメ「色づく世界の明日から」トークショーと市内観光

2019/11/22 - 2019/11/24

2019年秋、家内が長崎市平和会館で開催される「色づく世界の明日から」なるアニメのトークショーのチケットを購入。
これも何かの縁だということで、自身10年ぶりとなる長崎旅行を楽しんできました。

エリア 長崎市(長崎)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0
• ホテル: 4.5
• グルメ: 5.0
• ショッピング: 5.0
• 交通: 4.5

• 同行者: カップル・夫婦
• 一人あたり費用: 3万円 - 5万円
• 交通手段: 高速・路線バス 船 スカイマーク JR特急 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

旅の始まりは、大阪南港のフェリーターミナルから。

フェリーターミナル駅 駅

今回は家内が奮発し、大阪南港17時出航の「名門大洋フェリー」一等洋室での船旅となります。

名門大洋フェリー（フェリーきょうと・フェリーふくおか） 乗り物

本日の使用船は、やや旧型の「フェリーふくおかⅡ」でした。

名門大洋フェリー（フェリーきょうと・フェリーふくおか） 乗り物

案内所で個室の鍵を受け取り、早速一等洋室に落ち着きます。

名門大洋フェリー（フェリーきょうと・フェリーふくおか） 乗り物

一世代前の船ということで、個室内でWi-fiを利用できなかった点は残念でしたが、それでも充分な広さのお部屋で横になって寝られるだけで満足でした。
※写真は下船直前に撮影

名門大洋フェリー（フェリーきょうと・フェリーふくおか） 乗り物

立派な洗面台も用意されており、歯ブラシセットも完備されていたのはありがたかったです。

名門大洋フェリー（フェリーきょうと・フェリーふくおか） 乗り物

風の強い海上ではありますが、夕食前にデッキを散歩したりもしました。

名門大洋フェリー（フェリーきょうと・フェリーふくおか） 乗り物

夕飯は、船内のレストランのビュッフェ料理。
カツオのたたきと鶏の唐揚げを肴に、焼酎で旅の始まりを祝しました。

名門大洋フェリー（フェリーきょうと・フェリーふくおか） 乗り物

明石海峡大橋の通過時には食堂内から写真を撮影したものです。
その後、瀬戸大橋の通過時にもデッキに出てみました。
なお、名門大洋フェリーの船内には、各便ごとの明石海峡大橋・瀬戸大橋・来島海峡大橋の通過時刻が掲出されています。

明石海峡大橋 (淡路島側) 名所・史跡

デザートにソフトクリームもいただきました。

翌朝は4時過ぎに起床。
船内のレストランで軽い朝食をいただきました。

名門大洋フェリー（フェリーきょうと・フェリーふくおか） 乗り物

5時30分頃、「フェリーふくおかⅡ」は新門司港に接岸。

新門司港フェリーターミナル 乗り物

新門司港からは無料送迎バスで小倉駅に向かいます。

新門司港フェリーターミナル 乗り物

小倉駅6時50分発の特急「ソニック2号」で博多へ。
883系に乗車するのは、おそらく10年以上ぶりのはずです。

小倉駅 (福岡県) 駅

博多駅到着後は数分の接続で連絡している特急「かもめ7号」には敢えて乗車せず、ホームの立ち食いうどん店で名物の「かしわうどん」を堪能しました。
博多駅や小倉駅を利用する時は、必ずこの「かしわうどん」ないしは本場のとんこつラーメンを食べるようにしています。

博多ホームうどん グルメ・レストラン

食後は写真撮影を楽しみつつ、8時57分発の特急「かもめ9号」長崎行きを待ちます。
ちなみに現在、長崎新幹線の武雄温泉～長崎間の建設工事が2023年春開業予定で進められており、同区間の開業後、現在の特急「かもめ」は武雄温泉が終着駅となる見通しです。

博多駅 駅

特急「かもめ9号」は、「白いかもめ」こと885系での運転でした。
学生時代の九州一周旅行の際に乗車して以来、私のお気に入りとなった車輌です。

博多駅 駅

肥前鹿島から先は、長崎新幹線の開業後は特急列車の設定がなくなる区間です。
というわけで、同区間での乗車は最後になるかもしれない特急「かもめ」の乗り心地を五感で楽しむことに。

肥前鹿島駅 駅

列車交換のため運転停車した多良駅。
この駅も、長崎新幹線の開業後にはJR九州の手を離れ、佐賀県が出資する第三セクター鉄道の駅となります。

多良駅 駅

885系や787系の車窓から見える有明海の雄大なパノラマも、もうあと２年と数ヶ月で見納めということに。

諫早を発車してしばらくすると、車窓左手に長崎新幹線の建設現場が見えてきました。
この後、長崎駅付近や、復路に通った長崎自動車道長崎多良見IC付近でも、順調に進む長崎新幹線の建設工事の様子を伺うことができました。

特急「かもめ9号」は長大なトンネルが連続する新線区間をあっという間に抜けると、長崎市街地の浦上駅に向けて減速を始めました。

浦上駅 駅

終点の長崎駅には11時頃到着。
原爆を耐え抜いた年代物のプラットホームが出迎えてくれました。

長崎駅 (長崎県) 駅

長崎駅で博多への折り返しを待つ特急「かもめ」。

長崎駅 (長崎県) 駅

当時の長崎駅では高架化工事がたけなわ。
駅の西側、車両基地を挟んだ位置に新しい高架駅が姿を現しており、この旅行の4ヶ月後、2020年3月28日より供用が開始されました。

長崎駅 (長崎県) 駅

長崎駅の駅舎といえば、ステンドグラスが有名です。
ステンドグラスの下には、長崎新幹線をPRする広告が掲出されていました。

長崎駅 (長崎県) 駅

駅構内の「シアトルズベストコーヒー」で少し休憩します。

シアトルズ・ベスト・コーヒー 長崎駅店 グルメ・レストラン

ペデストリアンデッキを歩いて、長崎電気軌道(路面電車)の長崎駅前電停へ。
長崎駅の高架化後は、JRの長崎駅と路面電車の長崎駅前電停の間の距離が長くなってしまったそうで、利便性の低下が懸念されるところ。

長崎駅 (長崎県) 駅

長崎電気軌道の長崎駅前電停。
学生時代に初めて長崎を訪れた時とさほど変わらない雰囲気でした。

長崎駅前電停 駅

長崎市内の足である長崎電気軌道の路面電車ですが、去る2018年に複数の停留所の名称変更が実施されました。
長らく「正覚寺下」電停を名乗っていた1系統の南の終点も、「崇福寺」電停に改称されており、実際に電車の方向幕を目にしてちょっとしたカルチャーショックを受けました。

長崎駅前電停 駅

2018年まで「築町」電停を名乗っていた「新地中華街」電停で、5系統の石橋行きに乗り換えます。

新地中華街電停 駅

5系統の沿線には、大浦天主堂やグラバー園といった観光地がありますが、これらはまたの機会として、今回は手前の「メディカルセンター」電停で下車します。

メディカルセンター停留場 駅

長崎の市街地では、観光地最寄りの路面電車停留所などに「長崎さるくモデルコース」の案内マップが掲出されています。
「さるく」とは長崎弁で「歩く」の意味。「長崎さるく」とは街歩き観光のことで、現在の田上富久市長が市職員時代に手がけた事業でもあります。

メディカルセンター電停前の周辺案内図。
そこかしこに、路面電車の電停名を修正した痕跡が残っていました。

メディカルセンター停留場 駅

メディカルセンター電停まえには、2つの石碑が建っていました。
1つ目は「我が国鉄道発祥の地」の碑。
1872年、新橋～横浜間に日本初の営業用鉄道が開業する7年前の1865年、グラバー園で知られるトーマス＝グラバーがこの地で蒸気機関車のデモンストレーション運行を実施したそうです。

こちらは「運上所跡」の碑。
運上所とは江戸時代の税関だそうです。

オランダ坂に向かう途中にあった、「日本聖公会長崎聖三一協会」。
英国国教会系の由緒ある教会です。

こちらの「湊会所跡」は、先ほどの運上所の前身である湊会所が設置された場所です。

湊会所跡 名所・史跡

オランダ坂の中程に、「東山手甲十三番館」なる洋館がありました。

東山手甲十三番館 名所・史跡

東山手甲十三番館のエントランス

東山手甲十三番館 名所・史跡

こちらは現在、「長崎市旧居留地私学歴史資料館」として公開されている東山手十二番館。

東山手十二番館 名所・史跡

その奥の洋館は、活水女子大学の施設として活用されている様子でした。

東山手十二番館の近くに建つ、中山マサ女史(1891～1976)の胸像。
中山女史は長崎に生まれ、活水女子大学の前身・活水高等女学校を卒業。戦後は政界に進出し、日本初の女性国務大臣として活躍されました。

東山手十二番館 名所・史跡

このあたりで東山手甲十三番館に戻り、1階のカフェで名物のカステラセットをいただきながらしばし休憩することに。

東山手甲十三番館 グルメ・レストラン

東山手甲十三番館前にはハート型の植栽が設けられており、カップルや家族連れに人気の様子でした。

東山手甲十三番館 名所・史跡

曇り気味の空の下、長崎さるくを楽しみつつ新地中華街電停へ戻ります。
今度はここから1系統赤迫行きの電車で浦上エリアに移動。

新地中華街電停 駅

浦上地域の入口、原爆資料館電停で下車。
2018年までは「浜口町」電停を名乗っていましたが、先ほどの新地中華街電停と同様、観光客の利便性を考慮して改称されました。

浜口町電停 駅

ホテルに荷物を置き、真向かいにある今回の講演会の会場「長崎市平和会館」に入ります。

長崎市平和会館の前庭に建つ、「原爆殉難教え子と教師の像」。
入館前にしばし黙祷することに。

原爆殉難教え子と教師の像 名所・史跡

本日のトークショー「色づく世界の明日から～キミトイクベキトコロ、長崎～」
ライトノベル作家としても知られるNBC長崎放送の村山仁志アナウンサーが司会を務め、篠原俊哉監督、出演声優の石原夏織さん・本渡楓さんが登壇。
物販あり、プレゼントあり、質疑応答ありと盛りだくさんの内容でした。

会場の入口に飾られたフラワースタンド。

この後、アニメの舞台となった場所を巡ろうかなとも思ったのですが、2人とも疲れ気味だったので休息することに。
宿泊先の「ホテルセントポール長崎」の部屋で、1階のコンビニで購入した「チリンチリンアイス」を食べてゆっくりしました。

ホテルセントポール長崎 宿・ホテル

アイスを食べたあと、私1人でしばらく「長崎さるく」を楽しみます。
原爆資料館電停で撮影した、長崎電気軌道300形310号「みなと」号。
1954年製造の古豪ですが、2017年に水戸岡鋭治氏の手により大胆にリノベーションされました。

浜口町電停 駅

この原爆資料館電停、長崎電気軌道直営の商業施設「長崎西洋館」に隣接しており、「長崎西洋館」1階の開口部を出入りする路面電車は良い絵になります。

浜口町電停 駅

まだしばらく時間があったので、宿泊先のホテルに近い平和公園「祈りのゾーン」も少し歩いてみました。
写真は被爆50周年記念事業碑。

平和公園 公園・植物園

被爆当時の地層が保存されていました。

平和公園 公園・植物園

翌日に迫ったローマ教皇来長に向けた準備のためか、原爆投下中心碑や旧浦上天主堂遺壁にはあまり近づけませんでした。
写真は、かろうじて撮影できた旧浦上天主堂の遺壁。

平和公園 公園・植物園

こちらは長崎への原爆投下で亡くなられた韓国・朝鮮の方の慰霊碑。

その後家内と合流し、再び路面電車で街に繰り出すことに。
原爆資料館電停前の長崎西洋館は、美しくライトアップされていました。

夜を迎えても、多くの人で賑わう長崎新地中華街。

長崎新地中華街 名所・史跡

中華街ではあちこちにイルミネーションが飾られていました。

長崎新地中華街 名所・史跡

夜20時前後の中華街では営業しているレストランが少なく、一瞬心配になりましたが、最近オープンしたという香港料理レストラン「楊家菜房 翠獅庭」が営業しており、ここでちゃんぽんと皿うどん、ハトシを注文。
トークショーのこと、鉄道のこと、街歩きのことを振り返りながらゆっくりいただきました。

楊家菜房 翠獅庭 グルメ・レストラン

こちらがハトシ。
海老のすり身を包んだパンを油で揚げた、中国伝来の長崎名物です。

楊家菜房 翠獅庭 グルメ・レストラン

食後は出島方面へ、夜の「長崎さるく」に出掛けます。
ライトアップされた出島の護岸。

出島 名所・史跡

護岸の他、教会もライトアップされていました。

ちなみにこの日の長崎は、翌日に迫ったローマ教皇の来訪に合わせて開催されるミサに参加するクリスチャンの方々で賑わっていました。
夜の中華街や出島でも、そうした方々といろいろお話できたことも良い思い出になりました。

出島 名所・史跡

本来ですと、到着した翌日も夕方まで長崎に滞在したかったところですが、ローマ教皇の式典の関係で航空券が高騰していたため、やむを得ず格安運賃の枠に空きのあった午前のフライトで長崎を離れることに。
写真はホテルの朝食。
中華街や洋館街からはやや離れたこじんまりとしたホテルですが、平和公園に隣接しており、また1階に土産物屋兼コンビニがあるので、また宿泊してみたいところです。

ホテルセントポール長崎 宿・ホテル

空港リムジンバスもローマ教皇の到着に合わせた交通規制の影響を受けるということで、事前に調べておいたココウォーク茂里町始発のながさき出島道路経由便を選んで雨の中長崎空港へ。
大村IC～長崎空港間が検問の関係でやや渋滞していましたが、何とか飛行機には間に合いそうです。

空港バス (長崎空港) 乗り物

取るものも取り敢えず、神戸空港行きのスカイマーク便のチェックインを済ませました。

長崎空港 空港

今回搭乗するのは長崎空港11時発の神戸空港経由東京(羽田)空港行きスカイマーク便。
国内線では珍しい経由便で、長崎→東京間の便名は442便、長崎→神戸間の便名は142便となっていました。

長崎空港 空港

B737-800は日本初の海上空港として知られる長崎空港を、ローマ教皇のお召機と入れ替わる形で離陸しました。
ちなみにこの朝は土砂降りの雨でしたが、ローマ教皇が長崎市内に入る頃には快晴になったとのことです。

長崎空港 空港

最後の最後に、家内が搭乗ゲート前の売店で買ってくれた角煮まんじゅうをいただき、長崎旅行の締めくくりとします。

機内販売のお茶とオリジナルグッズ、無料配布のキットカット。

神戸空港には12時20分頃に到着。
東京に向かうお客さんと別れ、到着ロビーに向かいます。

神戸空港 (マリンエア) 空港

長崎空港から搭乗してきたスカイマークのB737-800。

久々の長崎旅行は夜行フェリーと飛行機を用いての弾丸旅となり、ローマ教皇の来訪の影響も少なからずあったわけですが、これまで立ち寄る機会のなかった場所に足を踏み入れたり、ご当地アニメについての認識を深めるなどなかなか充実した内容になったように思います。

次はランタンフェスティバルの時期に長崎を再訪し、今回訪問できなかった「色づく世界の明日から」の聖地をじっくり巡れたらと思いました。

神戸空港 (マリンエア) 空港