2020/02/10 - 2020/02/10
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磐田市って聞いてもジュビロ磐田くらいしか思い浮かばなかったんですが、かつて遠江国の国府はここにあったということで、古代の磐田は遠州の政治文化の中心だった街なんですね。浜松はいまでこそ遠州の中心みたいですが、歴史的にはそうではない。やっぱり、家康が浜松城を築いた辺りから、中心が移ったということでしょう。ただ、江戸に入封された後も家康とのつながりは深く、見付と呼ばれるようになった磐田には陣屋である中泉御殿が設けられてもいます。
一方で、東海道五十三次の28番目の宿場だった磐田の見附宿は、天竜川の左岸にあたり川止めの時は足止めがあったり、本坂通の分岐点。また、遠江国分寺や見附天神の門前町でもあったことから、東海道屈指の規模を持つ宿場町として大いに賑わいます。磐田駅から少し距離がある磐田市街の北側にあって、旧宿場辺りはちょっと馬の背のような通り。通りの中ほどには、旧見付学校、磐田文庫、淡海國玉神社が集まっていて、その辺りが一番の見どころとなっています。また、街道にはつきもののお菓子屋さんもチラホラ。こちらの方もそれなりに楽しめます。
ところで、遠州には東海道の宿場町が九つあって、江戸と京都の中間エリア。大井川、天竜川に、東海道の三大難所の一つとされる小夜の中山。それから新居関所もあって、なかなか変化に富んでいます。そして、昨日の袋井と今日の磐田は城下町でもある浜松宿と掛川宿の間。門前町の要素が小さくないのが面白くて、また遠州の多彩なイメージが膨らんだように感じました。
さて、夕方には豊橋の鬼祭りに向かうので、早めに切り上げる予定。ちょっと駆け足での散策です。
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浜松駅から、早朝、磐田駅に到着。
これは、駅前すぐの善導寺大クス。かつて、ここには善道寺という寺があり、墓地の目印として植えられたもの。推定樹齢700年の大クスです。 -
駅から北に延びる道がメインストリートですね。かつての見附宿はこの先。これから、この道を進みます。
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その途中、少し住宅地に入って。
庚申塚古墳は、大乗院 三仭坊という真言宗の寺の敷地全体がそうなんだと思います。 -
寺は派手派手なので、本堂に続く石段や
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本堂のコテ絵の装飾とかに目を奪われますが、全体としてこんもりとした盛り土の上。古墳の説明版とかもありませんが、たぶんそうだと思います。
なお、古墳は四世紀の前方後円墳。埋葬品も発掘されているようです。 -
駅前通りに戻って、これはラルーチェというパン屋さん。大きな駐車場のような空き地の奥まった場所に建っています。
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朝早くからモーニングもやっていて、店内は明るくてきれいです。ただ、私はパンデショコラをテイクアウト。パイ生地のような層が何層も重なっていて、繊細なんですが少し薄く延ばしすぎかなあ。パラパラこぼれて食べにくい。もう少しほどほどでいいのかなという気がします。
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さらに少し北に向かって、これは西願寺。その正門は徳川家康が天正6年(1578年)、鷹狩りのおりに休憩したり宿泊する施設として築いた中泉御殿の裏門を移築したもの。薬医門形式のきちんと整った姿ですね。
始めに触れましたが、磐田にとっては、家康との深い関係を象徴する遺構です。 -
なお、主殿も移築され本堂として使われていたのですが、今は改築されてしまったようです。
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澄水山古墳は、静岡県立磐田農業高校の敷地内。正門を入ってすぐの正面にあります。
古墳時代中期前半に築かれ、前方部が短い帆立貝式前方後円墳。全長約55m、後円部径約45m、高さ約5m、前方部長さ約10m・幅約36m。ただ、ざっと見ただけでは普通の前方後円墳と大差はないように思います。
帆立貝式前方後円墳は珍しいようですが、いずれにしても大和朝廷との関係とか何かの理由で前方後円墳を造ることが許されなかった豪族の古墳なのかなと思います。 -
そのままメンストリートを歩いて、国分寺に到着です。
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そのまま進むと、古代国分寺跡の広い平地が現れます。市街の真ん中にあって、ほーこれだけの広さがありますか。なかなか立派ですよ~
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一帯には、
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イチオシ
金堂跡、塔跡、講堂跡、
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回廊跡など
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芝生できれいに整備されて清々しい。
これなら磐田の輝かしい時代をしっかり偲べますよね。
現代にもつながる磐田の誇りではないかと思います。 -
地理的に言えば、天竜川の東岸の磐田原台地の上。その台地を分断するように南北に今之浦川が流れる条件は、暮らしやすい土地だったのではないかと想像されます。
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国分寺跡の向かい側の府八幡宮は、天平年間に遠江国司であった桜井王によって設置されたと伝えられる神社。
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誉田別命、足仲彦命、気長足姫命、つまり、応神天皇、仲哀天皇、神功皇后を祀ります。
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木製の鳥居から、楼門、本殿と
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どの建物も黒ずんでいて、その統一カラーがちょっと印象的です。
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さて、メインストリートをしばらく歩きましたが、これが見附宿の通り。
この通りもよく整備されて、意外にきれいですね~ -
標柱も立ってますね。
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イチオシ
その通りの中ほどに見どころが集中していまして。
これは、磐田市旧見付学校。明治6年、見附に開校した学校ですが、移転を繰り返しながら、大正11年まで使用されました。現存する日本最古の木造擬洋風小学校校舎のようですが、外観からすると古びた感じはしませんね。白い外壁に塔を持ち、ひたすら美しい建物だなと思います。
この日は休館で中には入れませんでしたが、外観を見るだけでもインパクトは十分あったかなと思います。 -
その脇を通って奥に進むと淡海國玉神社。大國主命を祀る神社です。
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ちなみに、見付には遠江国の国府が置かれましたが、当時、この神社は遠江国の総社という位置づけ。
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イチオシ
規模は比較的小さいですが、幣殿・拝殿は磐田市指定文化財に指定されていて、気品のある美しさがあると思います。
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淡海國玉神社の境内の片隅にぽつんと建っているのは、磐田文庫。
元治元年(1864年)に設立された私設図書館で、創設者は大久保忠尚。大久保忠尚は私塾を開いていた国学者で、当時は私塾とともに文庫を設けることが流行していたようです。
旧見付学校とともに国の史跡。地味ですが、しっかり貴重な価値があるようです。 -
旧見付宿の通りに戻って、これは井口製菓。
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名物の粟餅は、しっぺいたろうにまつわるお菓子。
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東京だと羽二重だんごみたいな感じでしょうか。粟といっても少し混ぜてあるだけで基本はもち米のおだんご。それをたっぷりの餡子でくるんだものです。
まあ、これでおいしくないわけなんですが、やっぱり磐田を代表するお菓子だと思います。なお、しっぺいたろうのお話はまた後ほど。 -
この通り沿いに浮田幸吉住居跡があるはずだったんですが、いくら探しても見つからない。近所の人に聞いても分からず、撤去されたようです。
ただ、代わりに菩提寺の大見寺の方を訪ねるように言われました。浮田幸吉を偲ぶのであれば、確かに浮田幸吉の墓があるこの寺がベストでしょうね。 -
ところで、江戸時代に人力飛行機を発明。世界で始めて空を飛んだとされる鳥人幸吉。
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お墓の方にお参りした後、
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イチオシ
人力飛行機が本堂の方にあるということでこちらも拝見。鳥が翼を広げたような形ですが、西洋で開発された飛行機とよく似ています。空を飛ぶという同じ目標に対し、東西で同じような形が創造されたということは、偶然なのか当然なのか。どっちにしても、何かちょっと不思議な気持ちになりました。
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今度は、通称、見付天神、矢奈比売神社に向かいます。
太宰府天満宮より菅原大神を勧請したのが始まり。徳川家康より神領50石を寄進され、見附宿の鎮守とされました。 -
見付天神の参道に入ってすぐ。赤い鳥居の手前に悉平太郎像があります。地元には霊犬悉平太郎伝説というのがありまして。
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娘を生贄として差し出すという怪物とこの霊犬悉平太郎が激しく戦い、退治してくれたという伝説。
実は長野県の駒ヶ根の光前寺にも早太郎伝説というのが残っていまして、怪物を退治したという内容は同じ。つまり、悉平太郎は光前寺で飼われていた早太郎に繋がるんですね。
いずれにしても、こうして、磐田でも駒ヶ根でもちゃんと語り継がれているというのは、やっぱり、何かの史実と関係しているのでしょうか。本当に不思議な気がします。 -
神社は、旧見附宿のメインストリートからしばらく山の方に上った先にあるのですが、参道は車も通れるちゃんとしたものだし、何のことはありません。
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地元の人のお参りの姿がチラホラあったり、地元に愛されている神社だと思います。
霊犬悉平太郎伝説のほか、国の重要無形民俗文化財、見付天神裸祭もあったりして、今でも地元の中心的な存在です。 -
見付天神の裏手の方に進んでいくと、今度はつつじ公園。小山の上一帯を整備した公園です。想像していたよりずっと大規模ですね。
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一番先の霊犬神社という小さな神社に続く一本道の両側には大きな株のつつじ。
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その先には池の潤いもあって、ここで全体が一応うまく完結しているという構造です。
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さて、磐田市街の方に戻ってきて、ここからは例によってもう少しスイーツチェック。
西洋菓子 家田は、磐田の中心部からはちょっと外れかな。
しかし、国道から少し入った店舗はスパニッシュのおしゃれな構え。これはメルヘンの世界ですね。 -
パウンドケーキをいただきまして、きちんとおいしいんですが、やっぱり店構えのインパクトが強すぎてそっちの方が頭から離れない感じでした。
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続いての玉華堂は、広々した敷地に立派な構えの店舗。磐田はそこまでの観光地ではないのにこの構えはすごいです。
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いただいたのは、お店自慢の味噌まんじゅう。なるほど、このしっとり感と艶のある餡子の仕上がり具合。どうしたらうまいまんじゅうができるかよく知っているなという感じ。皮に葛を入れたりするとこうしたプルプル感が出たりするんですが、それと同じかどうかは分かりませんが、何かちゃんと技を使っている味噌まんじゅうだと思います。
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ここからは、また旧見付宿の表通り。
SUGIhaは、気を付けていても見逃しそうな小さなパン屋さん。おばちゃんが一人でやっているお店です。 -
パンはそれぞれ卵の白身を塗って、表面はテカテカ。それがむしろ素朴な感じで、「私なんか素人ですよ~」みたいな感じなんですが、なんでしょうねえ。このしっくりした歯ごたえなんかも、とってもうまいじゃないですか。個別の注文に応じて好みに応じて作ることも多いとか。地元で愛される意外な名店だと思います。
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又一庵の看板商品はしっぺい饅頭。
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悉平太郎はちょっとシリアスな伝説ですが、このまんじゅうは、ゆるキャラっぽい人形焼き。
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包装デザインも含めて、穏やかな味わいです。
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イチオシ
旧見付宿の表通りから少し北に進んで、これは磐田市役所旧赤松家記念館。磐田市街で言うと、この辺りはもう北の端ですね。
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隣りに天宏という日本料理店があって、こちらで昼飯とか思っていたんですが、あいにくお休みですかあ。
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まあ、仕方がないので。お店の建物だけでも確認しようと玄関へ。
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するとその先にいい感じのお庭がありますよ~
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こちらは、近代日本の造船技術の先駆者で明治期に磐田原台地に茶園を開拓した海軍中将男爵、赤松則良の邸宅跡なんですね。
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明治20年代に建てられた赤いレンガの門や塀は今でもおしゃれで堅牢な感じでしたが、
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イチオシ
こうして、敷地内にはきれいな庭園も広がっていて、赤松則良の銅像なども。
氏の貢献がどれほどのものだったのかを示しているような気がしました。 -
続いては、磐田市埋蔵文化財センターです。磐田は古代遠州の政治文化の中心地ですから、ここも押さえないといけないでしょう。
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センターでは、市内の遺跡から発掘された土器や石器などを展示。
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まずは、雰囲気ある男性の埴輪です。
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ただ、展示品としては、やっぱり、磐田は遠江国の国府があったこともあり、遠江国分寺の関係が目を引きます。
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木装基壇という地盤を強化するために木を使った工法が取られたことは遠江国分寺だけに見られる特徴なのだそう。
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展示品は少なめですが、焦点を絞った解説とかがいいと思います。
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最後にジュビロ磐田のジュビロ磐田のホームスタジアム、ヤマハスタジアムに向かいます。
味処 道は、その途中。この坂を下るとヤマハスタジアムといった場所です。 -
ということで、普通の定食屋さんなんですが、店内はジュビロの選手のユニフォームやシューズが飾られたり、サッカーの雰囲気がムンムン。ただ、中山ゴンのものはあったのかなあ。ちょっと見当たりませんでしたけどね。
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そんなこんなで、座って食べているだけでも、気分がハイになってきます。
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イチオシ
そして、これがヤマハスタジアム。さっきも触れましたが、磐田市の中心部から向かうと長い下り坂の先に見えてきて、それがちょっと独特の雰囲気。サッカーの試合がある時、この下り坂を多くのサポーターが行き来する光景を想像しました。スタジアムは外観を見ただけでしたが、「ヤマハスタジアム」のロゴが美しくて、かなりテンションが上がりました。確かに、今の磐田市を象徴するような施設だと思います。
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時間も押してきて、磐田駅の方に急ぎます。
市街の中心部に近づいたところで、これは今之浦川。 -
今之浦公園として、周囲はかなりきれいに整備されています。
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さて、磐田駅前通りに戻ってきました。
通りの中ほどに蚊帳の博物館というのがありまして、ふとんの菊屋がやっている蚊帳のショールーム。ここもちょっと寄ってみましょうか。 -
ヘンプという昔ながらの素材で作った蚊帳がいくつかあるのですが、
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このヘンプというのは説明によれば大麻の一種。大麻って麻薬なんだと思いますが、本当にそうなんだとか。思わぬところで新しい知識をいただきました。
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あ、この扇月もいいですね。おばあちゃんが一人でやっている小さな和菓子屋さん。
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品数は少なめなんですが、この日はバレンタインをイメージしたピンクの練り切りがあって、それにしてみました。テボの白餡ではなくて小豆の餡を使ってますという説明がありましたが、上品な仕上がりにうっとりします。
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イチオシ
もう駅が見えてきた辺り。
大通り沿いにジュビロ磐田のキャラクター、ジュビロくんです。静岡県の県鳥「サンコウチョウ」がモチーフのようですが、ディズニーのキャラクターみたいに洗練されていますね。 -
最後の最後に、こちらはみどりや支店は今川焼のお店です。
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まあ、普通の今川焼ですよねと思ったんですが、気が付くと表面に細かな点々。これって、お茶?皮の生地にお茶が混じっているんですね。香りとかはほとんど感じませんが、さすが静岡という一工夫だと思います。
これで、磐田はおしまい。バタバタでしたが、何とか予定の時刻に間に合って。これから豊橋の鬼祭りに向かいます。
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