2019/05/29 - 2019/05/29
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ken-kenさん
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パドヴァ滞在の第一日目はマントヴァとヴェローナに行くことにしました。
まずは朝一番の電車に乗ってマントヴァへ。
そこからおよそ2Km離れたテ離宮に歩いて向かいます。
マントヴァはイタリア北部の小国ではありましたが、政治手腕に秀でていたマントヴァ公妃イザベラ・デステにより大国間の間をうまく泳ぎ回り、ルネサンスの激動の時代を大国の侵略も受けずに公国として生き抜きました。
また彼女は芸術の振興にも熱心で多数の芸術家のパトロンとなり、マントヴァを芸術都市にします。
シェークスピアの「ロミオのジュリエット」でロミオが亡命する町・マンチュアはマントヴァの英語読みです。
またベルディのオペラ「リゴレット」の舞台にもなっています。
表紙の写真はテ離宮の巨人の間です。
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- 旅行の手配内容
- 個別手配
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テ離宮の外観です。
イザベラ・デステの息子フェデリコ二世ゴンザーガがラファエロの一番弟子ジュリオ・ロマーノに命じて作らせた離宮です。
名目は神聖ローマ皇帝カルロス五世の接待のためですが、実際は愛人のラ・ボスケッタを住まわせるためだったみたいです。 -
フェデリコ二世ゴンザーガが普段居住しているドゥカーレ宮から2Kmほどのところに建築したので訪れるのにはちょうどいい距離だったでしょう。
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愛人のためにこんな豪華な離宮を建てたのに結局愛人のラ・ボスケッタは追い出されてしまいます。
その後フェデリコ二世ゴンザーガは政略結婚を繰り返し、結構広い領地を得ることになります。
このあたり母親の血を引いていると言うべきでしょうか? -
愛人を住まわせるためでしょうか、内部はキリスト教のキの字もない異教の絵で飾られて、まるで古代ローマの娼館のようです。
ジュリオ・ロマーノってそれほど才能のない画家だと思っていましたが、ラファエロの元を離れるとこんなにも大胆で素晴らしいものを作るんだと感嘆しました。
ジュリオ・ロマーノとフェデリコ二世はよほど気があったのかなと思えるほどの凄さです。
ジュリオ・ロマーノの趣味が爆発しています。
ジュリオ・ロマーノはこんないいパトロンに巡り合えてさぞ幸せだっただろうなと思いました。
入ってすぐの部屋の天井画「ヘリオス」のフレスコ画です。 -
この離宮の凄い所は最初は普通の装飾なのに、奥に行くにしたがってどんどん凄さを増していくところですね(笑)。
このあたりはまだ普通のルネサンス期の部屋です。 -
馬の間。
騙し絵で馬がまるで浮き出ているかのように描かれています。 -
馬の間の天井画。
このあたりもまだ比較的おとなしめです。 -
やはり馬の間です。
おとなしめとは書きましたが、馬の上の赤い絵はローマ神話を描いたものなのでしょうが、まるでポンペイの娼館の絵みたいです。 -
馬だけでなく壁龕に置かれたローマ神話の彫像もだまし絵です。
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そして次の部屋「プシュケの間」で度肝を抜かれます!
別名「愛と狂気の間」と呼ばれているのも納得です。 -
プシュケとアモールの結婚の話を描いたものですが(ジュリオ・ロマーノはローマの銀行家アゴスティーナ・キージの邸宅ファルネジーナ荘の天井画をラファエロの後を受けて手掛けていますが、このタイトルもプシュケとアモールの結婚でした。(奇しくもキージも愛人と結婚するために屋敷を作らせました)。
その絵に似ているのですが、ファルネジーナ荘は天井画のみ、テ離宮は壁にまで描かれているので迫力が違います。 -
ちなみにこれがローマのファルネジーナ荘にある天井画です。
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こちらは天井画はむしろわき役です。
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脇役と言ってもこの凄さ・・・・・
とにかくハデハデな部屋です。
観光や偶に訪れるのならいいのですが、住みたいとは思いませんね(笑)。 -
いろいろな宮殿を見てきましたがここまで凄い部屋はちょっとなかったような気がします。
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テ離宮は「巨人の間」で有名ですが、ここにも巨人がいます。
一つ目の巨人ポリフェーモ。
ホメロスの詩「オデュッセイア」でユリシーズ(ギリシア名オデュッセウス)に目をつぶされる巨人です。 -
窓から光が射しこみ、フレスコ画を照らしているのが本当にきれいです。
当時イタリアでは珍しかったであろうラクダと象も描かれています。 -
本当に狂乱としか思えないシーンが続きます。
右下の絵なんかポンペイの娼館の絵としか思えません。 -
これはプシュケとアモールなんでしょうか?
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こんな感じで浴槽に浸かっています。
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しばらくはコメントなしで写真のみにいたします。
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こんな部屋に住みたくはないですが、ともかく凄くてしばし見入っていました。
ジュリオ・ロマーノって本当にすごくてファンになってしまいました。
けれどもこれだけでなく部屋はまだまだ続きます。 -
隣にある二十の間の天井画。
プシュケの間で度肝を抜かせ、この部屋で少し落ち着かせようと言うことでしょうか?
比較的おとなしめです。 -
と言いつつ結構派手です。
ただここは壁のフレスコ画がそんなに派手ではない分まだ落ち着いています。 -
こちらの天井画にも光が当たって綺麗です。
それも計算づくだとしたら大したものです。 -
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その隣、貝の殻を模したグロテスク装飾を施した「鷲の間」。
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テ離宮って一般的には「馬の間」「プシュケの間」「巨人の間」の三つが有名ですが、その他の部屋も十分に見ごたえがあります。
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ここにも光が当たってとてもきれいです。
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「皇帝の間」の天井画。
「皇帝の間」というくらいですからカルロス五世を接待する時の寝室にするつもりで作ったのではないかと思います。
なので比較的おとなしめの装飾です。 -
絵柄も上品です。
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なのであまり面白みはありません(笑)。
ジュリオ・ロマーノって人はつくづく派手で下品なものが似合う人なんだと思います。 -
皇帝の間を出て回廊に行きます。
回廊の天井画です。 -
絵柄はともかく色使いが品がいいです。
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回廊を出て庭を横切って向かい側に行くと東屋というには大きすぎる離れがあります。
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離れの壁の装飾。
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離れの館にも部屋がいくつかあります。
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どの部屋にも例によってローマ神話の絵が描かれています。
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離れにも回廊がありフレスコ画が壁に描かれています。
これなんかまるで古代ローマの邸宅のような感じですね。 -
離れの回廊のフレスコ画です。
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やはり回廊のフレスコ画です。
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そして当時流行していたグロッタ(洞窟)的な部屋があります。
グロッタの入り口です。 -
内部は見事にグロッタ装飾が施されています。
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再び本館戻ります。
「巨人の間」の手前にある「スタッコの間」
スタッコ装飾が施されています。
ここも比較的おとなしめ。
巨人の間に入る前に心を落ち着かせるためでしょうか? -
そして「巨人の間」です。
まずは縦長の写真で。
小さな四角の部屋にドームを載せたような部屋です。
部屋一面にフレスコ画が描かれています。
絵に継ぎ目がなくまるでその世界の中に入ってしまったかのようです。 -
天井と壁のつなぎ目には雲を描き、つなぎ目が目立たないようにしています。
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テーマは巨人族と神々の戦い。
神々の長であるジュピター(ギリシア神話ではゼウスですがこれはローマ神話だと思うのでジュピターで統一します)の雷によって巨人族が滅びていく姿を描いています。 -
雷を巨人族に落とそうとするジュピター。
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「プシュケの間」にはラクダと象が描かれていましたが、ここには雌雄のライオンが描かれています。
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ジュピター以外の神々は勝ち誇って見下ろしているというより、恐れおののいている感じに見えます。
鉾を持っているのはネプチューンでしょうか? -
そして神々の上にい神殿らしきところからこの光景を見下ろしているのは、もしかしたらこの芝居を見物している人間なのかもしれません。
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天井画の全体像。
すごい迫力です。 -
そして地上へとつながります。
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岩に押しつぶされる巨人たち。
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これも縦長の写真で。
この宮殿の完成の二百五十年後にイギリス人のロバート・パーカーという人がパノラマを発明し、明治後期から大正時代に日本でもパノラマ館というものが流行りましたが、この部屋規模は小さいとはいえ、パノラマ館のはしりではないかと思っています。 -
朝一で入ったので部屋には誰もいなく、たった一人でこの贅沢な風景を存分に堪能いたしました。
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テ離宮を存分に堪能した後、マントヴァの旧市街に向かいます。
離宮からドゥカーレ宮まではおよそ2Kmです。
途中にあったマンテーニャの家の中庭です。
マンテーニャはルネサンス期の画家でイザベラ・デステの保護を受け、ドゥカーレ宮の別棟サン・ジョルジョ城の結婚の間のフレスコ画を描きました。 -
そしてやはり旧市街に行く途中にあったジュリオ・ロマーノの邸宅。
窓の上の人間の顔の彫刻がやはり並ではありません(笑)。
一種の魔除けかもしれませんが・・・・・ -
そしてこれも見たかった学術劇場。
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素晴らしい装飾の劇場です。
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本当は明るい光で舞台上から写真が撮りたかったのですが・・・・
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舞台の上ではコンサートが開かれていました。
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やはりこれも何かの祭典の一つらしく、普段は入場料がいるのですがただで入れました。
ただで入れたのはいいのですが、写真を撮るのが憚られます。 -
ただ演奏は始まっておらず、延々とMCが続いていたのでその間を縫って写真を撮らせていただきました。(関係者の方も写真を撮られていたので・・・・)
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素敵な劇場です。
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サンタンドレア教会。
内部の写真がないということは写真撮影禁止だったのか、あるいはそれほど好みではなかったか・・・・・ちょっと記憶にありません(笑)。 -
ドゥカーレ宮があるソルデッロ広場。
あいにく至る所で工事中でした。 -
やはりソルッデロ広場です。
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ソルデッロ広場の奥にドゥオーモが建っています。
内部は写真撮影禁止だったと思います。 -
そしてドゥカーレ宮です。
ただここに入る前にドゥカーレ宮の離れと言ってもいいサン・ジョルジョ城に入ります。
ドゥカーレ宮の入場券で入ることが出来ます。 -
サン・ジョルジョ城の入り口でリュックなどはロッカーに入れるように言われるのですが・・・・・
こんなロッカーは見たことがありません。
ロッカーというよりは檻ですね(笑)。 -
サン・ジョルジョ城の階段です。
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階段を上ると「結婚の間」に出ます。
ここの壁画をマンテーニャが描きました。
1465年から1470年にかけて描かれています。 -
かつては四方の壁に描かれていたのでしょうが、残念ながら現在では二面しか残っていません。
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マンテーニャのフレスコ画は珍しいのでこれだけ美しく残っている作品のため非常に貴重なものだと思います。
(パドヴァのフレスコ画はかなりダメージを受けていますので・・・・) -
マンテーニャを宮廷画家としてマントヴァに招いたのはルドヴィーコ3世・ゴンザーガ。
その息子のフェデリコ1世・ゴンザーガが1463年に結婚しているのでそのお祝いに描かれたフレスコ画ではないかと思います。 -
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アップです。
この真ん中の女の人がイザベラ・デステかと思いましたが、1470年では彼女はまだ生まれてもいませんでした。
左に座って入る男性がマントヴァ候ルドヴィーコ三世・ゴンザーガです。
イザベラ・デステの義理の祖父になる人です。 -
一番左にいる人がルドヴィーコ三世・ゴンザーガで、真ん中がルドヴィーコの次男でゴンザーガ家から始めての枢機卿となったフランチェスコ、そして一番右端が長男のフェデリコだそうです。
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ちなみにナポリのカポディモンティ博物館に次男で枢機卿になったフランチェスコ・ゴンザーガの肖像画がありました。(上の画の真ん中の人物)
やはりマンテーニャが描きました。
1461年頃の作品です。
上の絵とは10年も経ってないのに随分な違いですね(笑)。 -
実にリアルな絵を描いた画家です。
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天井からは天使が見下ろしています。(孔雀も見下ろしています)
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壁に描かれた天使も祝福しています。
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結婚の間の壁画と天井画。
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サン・ジョルジョ城を出てドゥカーレ宮に戻ります。
こちらはあまり説明が書かれていないのでなにがなにやら状態です(笑)。
ジュリオ・ロマーノが描いたフレスコ画で飾られた部屋があるはずなのですが、見つかりませんでした・・・・
天井画です。 -
こちらも同じ天井画です。
テーマがローマ神話だけに、ジュリオ・ロマーノ作と言われれば「そうなんだ!」って納得しそうな気もいたします(笑)。 -
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こちらも天井画です。
もう、いろいろあってわかりません(笑)。 -
こんな現代アートも置かれていたりします。
いろいろな宮殿でこういう展示がされているのですが、これだけはどうにも慣れません。
もうちょっと場所を考えてほしいと思ってしまいます(笑)。 -
いかにもルネサンス期ぽい天井画。
フィレンツェ・ヴェッキオ宮殿のレオ十世の間を思い出させます。 -
ドゥカーレ宮は非常に広く、いろいろな部屋があるのですが、テ離宮に比べるといまいちインパクトに欠ける気がします。
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皇后の間です。
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獅子の間です。
皇后の間とどこが違うのかわかりません(笑)。 -
マントヴァは1700年初頭にオーストリア・ハプスブルク家の支配に置かれます。
この部屋はそのハプスブルク家が装飾したハプスブルクの間です。 -
ハプスブルクの間の天井画。
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ドゥカーレ宮は長い間いろいろな為政者が使ってきたのでその時、その時で模様替えされたんだと思います。
なのでイザベラ・デステが総力をかけて作った装飾も変えられてしまったんでしょうね。
ただ、この部屋のセンスは好きです。
流石はマリー・アントワネットを生んだ家。
なんとなくロココの香りを感じます。 -
バロックの過剰で重苦しい装飾に比べ、派手でありながら軽やかな感じがします。
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星座が描かれた天井画もありました。
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ドゥカーレ宮の中庭です。
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やはり中庭です。
まだまだ見たいところはあったのですが、午前中で切り上げて午後はヴェローナに向かうことにします。
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