2019/05/28 - 2019/06/03
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ken-kenさん
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2019年5月から6月にかけてイタリアを巡ってまいりました。
今回のテーマは「イタリア五大大国の美術館とフレスコ画とモザイク」です。
まずはヴェネト州を巡ろうと考えました。
本当はヴェネチアに滞在したかったのですが、あまりのホテルの高さに近くのパドヴァ滞在することにしました。
ここなら駅前の便利なホテルでもシングルで一万円弱、同じ条件のヴェネチアの半分以下です。
レストランも安くて美味しいですし、ヴェネチアまでは各駅停車に乗っても三十分弱でつきます。
そしてパドヴァ自体にも見どころがたくさんあります。
なんと言ってもスクロヴェーニ礼拝堂!
ジョット・ディ・ボンドーネ(ジョットと言ったほうが早いですね)が1305年に完成させたフレスコ画が一面に描かれています。
ミケランジェロがシスティーナ礼拝堂のフレスコ画を描くおよそ250年前にこんな素晴らしいフレスコ画が描かれていたのが驚きです。
そしてこれが世界遺産になってないことも不思議です。
(パドヴァの世界遺産は世界最初にできた植物園が登録されています)
そしてパドヴァにはジョットの弟子あるいはジョットの影響を受けた画家たちが至る所にフレスコ画を描いています。
それも素晴らしいですし、とても新鮮で美味しい魚介類がヴェネチアよりずっと安く食べられるレストランがあるのも魅力です。
そしてパドヴァを起点にすればヴェネチアはもちろん、早起きすればラヴェンナ、マントヴァ・ヴェローナ、フィレンツェですら日帰り観光ができます。
そんな魅力的な街パドヴァに6泊した記録です。
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これがスクロヴェーニ礼拝堂の外観です。
この礼拝堂はミラノの「最後の晩餐」と同じように入場制限をしています。
一回に付き20人ほどの小団体で入り、きっかり十五分の滞在時間です。
普通はホームページから予約が出来ますが、「最後の晩餐」ほどには混んでいないので当日でも予約がとれるみたいです。
自分は心配性なのでホームページから二度の予約を取りました。 -
まずホームページで予約してコピーしたものを受付に出しチケットと交換します。
これまた心配性なので早く行き過ぎて時間を持て余していたら、係員の人が「最初に市立博物館を見ていらっしゃいよ」とおっしゃるので(スクロヴェーニ礼拝堂がある修道院が市立美術館になっていて、スクロヴェーニ礼拝堂のチケットで見学できます)しばらく美術館を見学いたしました。
ジョヴァンニ・ベッリーニ・の男の肖像です。
1500年ころの作品でベッリーニ後期の作品ですね。 -
ジローラモ・ロマニーノの「最後の晩餐」
有名な作品ではありませんが、大好きなテーマなのでつい写真に撮ってしまいました。
それほど有名な作品がないと思ってざっと見したのですが、あとでジョルジョーネの「レダ」があると知り、見落としたことを滅茶後悔いたしました(笑)。 -
時間が来て入場し、まずは入り口前で待ちます。
そしてそのあと建物の中に入って十五分のスクロヴェーニ礼拝堂に関する映画を見ます。
なので鑑賞時間十五分と言っても実際には三十分ほど時間がかかります。
(自分はそれを計算しないで予定を立てたのでレストランの予約に遅れそうになりました)
映画を見てスクロヴェーニ礼拝堂の勉強をした後礼拝堂内部に入ります。
内部は見事に修復されていて想像を超える美しさでした。
入り口から後陣を見たところです。 -
天井画です。
青色の絵の具は当時はラピスラズリという貴石を原料としていたために大変高価なものだったはずです。
それをこれだけふんだんに使っているのですからとんでもなくお金がかかっています。 -
それほど莫大な費用を出した人がエンリコ・デッリ・スクロヴェーニです。
後陣に天使にスクロヴェーニ礼拝堂を寄進するエンリコ・デッリ・スクロヴェーニの絵が描かれています。
彼は高利貸しで彼の父レジナルド・デッリ・スクロヴェーニも高利貸しでした。
レジナルドはダンテの「神曲」で地獄に堕ちた高利貸しの一人として登場するそうです。
キリスト教では自分でなんら生産せず、過剰な利息を取って贅沢をしている高利貸しは地獄堕ちと決まっていました。
しかし、ヨーロッパにおいて貴族以外の金持ちは高利貸し(後に銀行家と言われます)がほとんどでした。
アウグスブルクのフッガー家、フィレンツェのメディチ家。
いずれも高利貸しから権力を持つようになりました。
そのためフッガー家はフッガーハウスを建て貧しい人に安く貸し、メディチ家もたくさんの教会に寄進したり、身内から法皇を出し、なんとか徳を積んで地獄行きを逃れようとしました。
エンリコ・デッリ・スクロヴェーニもなんとか父と自分が地獄に堕ちないようにとこの礼拝堂を寄進したわけです。 -
後陣の絵です。
最後の審判が描かれています。
最後の審判をするキリストを中心に右側に地獄堕ちの人々、左側に天国に上る人々が描かれています。
中央下の十字架の左側に天使に礼拝堂を寄進するスクロヴェーニが描かれています。 -
最後の審判の右側に描かれている地獄の図。
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地獄にいて罪人を食らう鬼(悪魔?)のアップです。
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一方天使に導かれ天国に昇る人々。
スクロヴェーニも多分この人々の中に入るのでしょう。
高利貸しは有無を言わさず地獄堕ちで、人殺しを生業にしている騎士やそれから成り上がった貴族は地獄堕ちでないというのは理不尽な気もしますが・・・・・ -
最後の審判をするキリスト
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キリストを中心とした最後の審判。
下には地獄と天国が、キリストの両脇には天使と聖人が並んでいます。 -
天使と聖人のアップです。
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正面の礼拝堂と側面のフレスコ画。
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正面の礼拝堂のフレスコ画です。
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正面礼拝堂の上に描かれたキリストと天使。
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側面にはキリストの生涯のフレスコ画が描かれています。
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後陣向かって右に描かれたキリストの生涯です。
中央一番に下に描かれているのは「我にさわるな」のシーン。
復活したキリストにマグダラのマリアが思わずすがろうとしたら、「私はまだ父の御許に行っていないのだからさわってはいけない」とキリストが禁じたというシーンです。
本来は「我にすがるな」という意味だそうです。 -
窓のある後陣向かって左側の絵。
やはりキリストの生涯が描かれています。
窓があるので光が射してやや写真が撮りにくいです。 -
キリストの生涯の場面です。
まずは「マギの礼拝」
「東方三賢者の礼拝」とも言います。
救世主の誕生を星に導かれて知った東方の三人の賢者がキリストに貢物をささげています。 -
キリストの神殿奉献の図。
キリストが生誕四十日目に聖母マリアに連れられてエルサレムの神殿にささげに行くシーンです。 -
しかし預言でベツレヘムでユダヤの王が誕生したことを知ったユダヤの王ヘロデは大いに怒り、ベツレヘムの2歳以下の子供を殺すことを決意します。
そこで神は天使を使わせてマリアの夫ヨセフにエジプトに逃げるように警告します。
ロバに乗ってエジプトに逃げるキリスト一家のシーンです。 -
その頃ベツレヘムでは2歳以下の幼児たちが虐殺されてしまいます。
幼児虐殺の絵
キリスト教でない人間からするとたった一人が救われるためにこれだけの子供が殺されたのがやり切れない感もあります。 -
やがてヘロデ王は死に、再びベツレヘムにキリストは戻ってきます。
そしてベツレヘムで青年時代を過ごします。
そしてヨルダン川で洗礼者ヨハネから洗礼を受けます。
キリストの洗礼の絵。
ルネサンス以降はキリストは腰巻をつけているのですが、このころは真裸です。
なのでどの画家も結構苦心して描いているようです。
ラヴェンナのモザイクに「え!」というものがありましたが、それはラヴェンナ編で(笑)。 -
「カナの婚礼」の絵
ガラリアのカナという地で婚礼が行われ、聖母マリアとキリストと弟子たちも招かれました。(多分マリアの親戚の家なのでしょう)
ところが葡萄酒が足りなくなり、聖母マリアが「葡萄酒が足りなくなりました」とキリストに言います。
するとキリストは六つの水がめに水を入れて持ってこさせます。
ところがそれが上等の葡萄酒になっていて、招かれた人が「ふつうは最初に上等なものを出して、酔って味がわからなくなったころに安いのを出すんだけど、お宅はすごいですね!」と感激し、マリアも面目を施す話です。
自分なら「はあ?葡萄酒が足りないからなんだって言うの?ちゃんと用意しとかない母さんの親戚がいけないんでしょ?それとも俺に買って来いって言いたいわけ?」って言うところですが(笑)。 -
キリストのエルサレム入城。
残念ながらピンボケです。 -
これもピンボケです。
神殿から商人を追い払うキリスト。
実はこれも嫌いなエピソード。
日本人からすると寺や神社の門前や境内に縁日や店が出てるのは結構日常的なので・・・・・
そのほうがほのぼのとしていいなあとか思ってしまいます(笑)。
こんなことをしたので陰で商人たちから奉納金を取っていた司祭に余計睨まれたということです。 -
ラザロの復活
四日も前に死んだラザロを復活させる話です。
包帯に包まれているのがラザロ、イエスに土下座しているのがラザロの姉妹であるマリアとマルタです。
「死んで四日も経っているから匂います」という記述があるためか、ラザロの右側にいる女性は二人とも鼻を布で覆っています。
ちなみにラザロはイエスの元で布教に励み、長生きしてキプロスの主教になったとも姉妹と南フランスに行って布教したとも言われてます。
死者を復活させたことでエルサレムでのキリストの人気が高まり、高位の司祭たちは益々キリストへの憎しみを募らすこととなります。 -
「弟子の足を洗うキリスト」
最後の晩餐の時に、キリストは突然にたらいに水を汲み、弟子たちの足を洗い始めました。
ペテロが「主よ、なぜあなたは私の足を洗ってくださるんですか?」と問うと「今は判らないだろうけど、あとでお前もこの意味が判るようになる」と答えたという話です。
そしてユダはこの時すでにキリストを裏切っていました。
ですけど、どれがユダなのかわかりません。(全員光輪があります。) -
最後の晩餐です。
キリストの胸に顔をうずめるヨハネ、その右隣にいて「キリストを知らないと言う」と預言され思わずに左手でナイフを握りしめるペテロ、そしてキリストの差し出したパンに手を添えているユダがいます。(ただ円陣組んで「手を出して!ファイト、オー!」って感じにも思えます)(笑) -
キリストの捕縛
すごく好きな絵です。
キリストに接吻するユダ。
キリストを守ろうと戦う弟子たち。
キリストを捕まえようとする兵士。
そしてキリストを罵る野次馬。
緊迫感にあふれています。
ユダが単に悪役ではなく、愛する人を裏切った悲しみが伝わってくるような感じがすると思うのは考えすぎでしょうか? -
「嘲笑されるキリスト」
逮捕されたキリストはユダヤ教の司祭の前に連れ出され散々嘲笑されます。
嘲笑ったり鞭を振ったりしている人の中に黒人がいます。
ルネサンス時代以降には結構黒人が描かれていることが多いのですが(異国情緒といかにその国が貿易で繁栄しているかを出すためでしょうか?)この頃に黒人が描かれているのは結構まれだと思います。 -
「十字架を担いでゴルゴダの丘に向かうキリスト」
キリストに死刑が宣告され、十字架を担いで処刑場であるゴルゴダの丘に向かう図です。
この構図は後世の画家に影響を与えたのでしょう。
この後、至る所でこの構図の絵を見ました。 -
一例がフィレンツェのサンタ・クローチェ寺院にあるスピネッロ・アレティーノの絵です。
スピネッロ・アレティーノは14世紀後半に活躍した画家です。 -
そして「キリストの磔刑図」です。
左側で2人の弟子に支えられ泣いているのが聖母マリア、十字架に取りすがっているのがマグダラのマリアでしょう。 -
「キリストの埋葬」
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「我にさわるな」
復活したキリストにマグダラのマリアが取りすがろうとすると「私にさわってはいけない。まだ私は父の御許に上がってないのだから」というシーンです。
マグダラのマリア以外の弟子は寝ています。 -
「キリストの昇天」
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「ペンテコステ(聖霊降臨)」
キリストの復活・昇天後、集まっていた百二十人の信徒たちの上に聖霊が降ったという出来事らしいです。
いまだにキリスト教の国では聖霊降臨祭と言って祝日になっています。 -
キリストの生涯以外にもいろいろな絵が描かれています。
「七つの大罪・嫉妬」
舌が長いので嘘つきかと思いました(笑)。 -
天井画です。
青が美しい。 -
こんな風にキリストの生涯が描かれています。
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あまりの美しさに眩暈がしそうです。
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美しい・・・・本当に来てよかった・・・・それしか言葉はありません。
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取り合えず、これ以降はコメントなしで写真だけ並べてみます。
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いやー・・・・ただただ素晴らしい・・・・それしか言葉はありません。
パドヴァでは世界最初の植物園が世界遺産に登録されていて(もちろん歴史的価値はありますが、所詮は植物園なので正直わざわざ見に行くまでもない感もあります)こちらは世界遺産には登録されていません。
自分だったら「ジョットとジョット派のフレスコ画」ということで登録するところですが・・・・ -
ということでこの街にはほかにも見どころがたくさんあります。
スクロヴェーニ礼拝堂のそばにあるエレミターニ教会にはマンテーニャのフレスコ画があります。
ただこのフレスコ画、教会が第二次世界大戦の時に爆撃され完全に破壊されてしまい、一時は瓦礫の山となっていました。
瓦礫を集め丹念に修復したそうです。
なのでかなり傷みが激しいです。 -
タイトルは「聖クリストフォロ(英語名だとクリストファー)の殉教」だそうです。
赤ちゃんを担いで川を渡ったらそれがキリストだったという話で有名ですね。
ここでは何故か聖クリストフォロが巨人になっています。 -
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そして上部に描かれているのが「聖ヤコブの生涯」です。
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でも、正直なにがなんだかわからない状態です(笑)
なおエレミターニ教会は修復中でテントに囲まれていたので外観の写真はありません。 -
そして主祭壇の前ではコンサートの練習中でした。
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多分「レクイエム」だと思います。
メインパートを歌う方が4人と合唱団の方もいらっしゃっていました。 -
なので主祭壇のフレスコ画の写真は撮れませんでしたが、素晴らしい歌声に触れることが出来ました。
この時期何故か北イタリア中の観光施設・教会内部でコンサートをしていました。 -
こちらはパドヴァ大学の回廊。
パドヴァ大学はボローニャ大学に次いでイタリアで2番目に古い大学です。
創建は1222年と言いますから鎌倉時代の初期です。
ガリレオやダンテなどが教授を務めたそうです。
ここには誰でも無料で入ることが出来ます。 -
回廊の中。
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回廊の天井画です。
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これは回廊2階の天井画です。
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回廊の2階です。
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パドヴァの中心部シニョーリ広場にある獅子像です。
パドヴァは1405年からヴェネチアの支配下にありました。
なのでヴェネチアのシンボルの獅子が広場に鎮座しています。 -
こちらがシニョーリ広場です。
カフェのオープンテラスが立ち並んでいます。 -
シニョーリ広場に隣接するエルベ広場。
右側の長い建物はラジョーネ宮。
この中にもジョット派のフレスコ画があるのですが、行きそびれました。 -
エルベ広場です。
やはり広場の真ん中にカフェのテーブルが並んでいます。 -
実に美しい広場です。
パドヴァに6泊もしたのになんやかんや忙しくここでゆっくりできなかったのが残念です。 -
エルベ広場そばにあるドゥオーモ。
右側に隣接している建物が洗礼堂です。
ドゥオーモ内部の装飾はそれほどでもないのですが、洗礼堂のフレスコ画は素晴らしかった!
ジョット派のメナブオイが洗礼堂内いっぱいに素晴らしいフレスコ画を描いています。
残念ながら撮影禁止でした。
そして修復中で内部に足場が組まれていて、一部が良く見れなかったのも残念でした。 -
パドヴァは街中にもこんな回廊があります。
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そしてパドヴァの信仰の中心と言えば、ドゥオーモではなくサンタントニオ聖堂です。
パドヴァで活躍した(出身はポルトガルのリスボン)聖アントニオを祭った教会で世界中から信者が集まってくるそうです。 -
こうしてみるとビザンチン式でありながらイスラム美術も取り入れたような外観です。
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教会前の広場にはドナッテロが作ったガッタメラータ将軍の騎馬像が鎮座しています。
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サンタントニオ聖堂内部は写真撮影が禁止されていますが、その隣にあるサン・ジョルジョ礼拝堂内部は写真撮影が許可されています。
まるでスクロヴェーニ礼拝堂みたいだと思ったら、それもそのはず、ジョットの弟子のアルティキエーロが内部のフレスコ画を描いています。 -
スクロヴェーニ礼拝堂よりやや小ぶりで、修復も完璧ではないのですが、その分人も少ないし、制限時間もないのでゆっくり好きなだけ鑑賞できます。
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内部のフレスコ画のテーマは礼拝堂の名前の通り聖ジョルジョの生涯が描かれています。
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聖ジョルジョ(聖ゲオルギウス)と言えば、なんと言っても竜退治で有名です。
右側に竜退治の絵が描かれています。 -
竜を退治してくれたことで竜に困っていた人々がキリスト教に帰依します。
聖ジョルジョから洗礼を受ける人々。 -
しかし聖ジョルジョはキリスト教を嫌う異教の王に捕らわれ様々な拷問を受けます。
車輪に括りつけられる聖ジョルジョ。
けれども車輪が壊れてしまいます。 -
どんな拷問を受けても拷問道具が壊れ、それを見ていた王妃までがキリスト教に改宗してしまうので、王は怒って王妃ともども斬首してしまうという話です。
ただ、いかんせんこの人自体のエピソードが少なすぎて礼拝堂いっぱいに描けなかったのか、ほかの話も描かれています。 -
こちらはキリストの誕生。
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マギの礼拝。
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そして何故かシチリアの聖ルチアの殉教も描かれています。(その他聖カテリナの殉教も)
右に描かれているのが一番有名なエピソードで目をえぐられるシーンでしょう。
目をえぐられ目がなくなっても見えることが出来たそうです。
なので聖ルチアを描くときは両目が乗った金の皿を手にしていることが普通だそうです。
余談ですがやはりシチリアの聖アガタは乳房を切り取られ、両乳房を載せた皿をもっているのが普通だそうです。(ただしこの人は地震があって処刑されず、獄中死しました) -
キリスト教徒であった聖ルチアを火あぶりにしようと兵士がとらえに来ましたが、どうしても動かすことが出来ず、牛の群れにひかせて連れて行こうとしますが、それでもびくともしなかったというシーン。
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車輪に括りつけられる拷問にあう聖ルチア。
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火あぶり・釜茹でにあう聖ルチア。
キリスト教の聖人はなにをされても死なないのですが、たいてい最後は斬首されて命を絶たれます。
この人も斬首されました。 -
あまりにいろいろな人のエピソードが多く何が何やらわかりませんが、それでもこのフレスコ画が美しいのは確かでしょう。
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天井画も美しいです。
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左にはキリストの磔刑図も描かれています。
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実はこの建物の二階にティツィアーノのフレスコ画を描いた司教座聖堂三次会室という部屋があるのですが(別料金)、なぜかこの時は閉まっていて見ることが出来ませんでした。
パドヴァではいくつかの見どころをはずしてしまったのでまた再訪したい街の一つになりました。 -
さらに南に行くとプラート・デッラ・ヴァッレという広場があります。
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古代にはこの広場にローマ劇場があったそうです。
-
今はパドヴァ市民の憩いの場所になっているみたいです。
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この近くに世界遺産の植物園があるのですが、すでに閉館時間を過ぎていました。
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そしてパドヴァの駅そばにあり、魚料理が絶品のレストラン・フィオリタルです。
駅周辺はちょっと廃屋も多くてちょっと荒んだ感じがするのですが、ここはまるでニューヨークかロンドンのレストランみたいですし、客層もお洒落な人が多かったです。
なんと日本人の女性の方が調理場に入っていました。 -
その方のお話ではイタリアでは珍しく魚介類の新鮮さには自信を持っているとのこと。
確かに生で食べさせる料理が多くまるで日本料理のような感もありました。
あまりの美味しさ、コスパの良さに三日通いました。
初日の突き出しです。 -
初日はコースをいただきました。
アンティパストが4種類出ます。
一皿目は生の魚介類の前菜です。
イタリア料理とは思えない美しさです。 -
二皿目は生のスカンピ(海老)です。
-
そして三皿目にイタリア風の寿司が出ます。
お米は黒米でした。 -
ここまでずっと生ものでしたが、四皿目に火を通したものの盛り合わせがでます。
イワシの焼いたものが美味しかったです。 -
もちろんイタリアンですのでプリモのパスタも出ます。
魚介類をトマトソースで和えたパスタ。
このあたりでお腹はかなりいっぱいになってきました。 -
そしてセコンドのアクア・パッツァです。
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デザートはあっさりとレモンシャーベットをいただきました。
デザートにレモンシャーベットを食べました。
すごく美味しいレモンシャーベットでした。
これだけ食べてグラスワイン二杯・エスプレッソ・チップ込みで100ユーロいかなかったと思います。
ヴェネチアでこのレベルのものを食べたら倍はするんじゃないかと思います。 -
そして二日目です。
アラカルトで食べてみました。
突き出しです。 -
アンティパストを注文すると食べられなくなるので、今回からはスキップしました。
プリモは魚介類と松の実のパスタ。
昨日のトマトソースで和えたパスタよりずっと美味しかったです。 -
セコンドに魚介類の盛り合わせを頼みました。
美味しかったですけど、この料理はこの店にしては普通ですか。 -
デザートです。
-
そして三日目です。
突き出しです。 -
プリモのカラスミ(ボッタルガ)のスパゲッティです。
-
そしてこの店で一番おいしかったのが「白身魚のタタキ」です。
「タタキ」と言っていますが日本風に言うと「炙り(あぶり)」ですね。(カツオ以外は炙りだと思うのですが・・・・・)
ウェイターさんにお勧めを聞いたらこれがいいとのことで注文したのですが、火の通し加減が絶妙で滅茶苦茶美味しかったです。
「マグロのタタキ」というのもあって食べてみたかったです。
追記
TBSのドラマ「グランメゾン東京」で主人公たちが作る鰆(さわら)の料理がこれによく似ていて、なんかすごく嬉しくなってしまいました(笑)。
ただ魚の種類は鰆ではなく鱸(スズキ)だと思いますが・・・・・
鰆だったらもっと美味しいかったかもと思ってしまいました。 -
デザートはティラミス。
-
そして毎回エスプレッソを注文したのですが、毎回カントゥッチがついてきました。
この固いビスケットをエスプレッソに浸して食べるのが病みつきになりました。
ヴェネチアのレストランでもゴンドリエの方がエスプレッソにビスコッティを浸して食べていて、それもあってその後どのレストランでもエスプレッソを注文するときにビスコッティを頼むのが習いになりました。
(イタリアのレストランではどこもビスコッティをエスプレッソ用に用意しているみたいです)(もちろん別料金)
と、ヴェネチアから電車で三十分弱なのに、芸術、観光、料理のすべてが満足が行き値段もヴェネチアより遥かに安く済んだパドヴァ。
またいつか行ってみたいです。
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この旅行記へのコメント (2)
-
- oneonekukikoさん 2019/10/02 21:38:32
- パドヴァ侮れませんね
- ken-kenさん
お久しぶりです。
10年近く前にパドヴァを訪れ、
時間がなくてスクロヴェーニ礼拝堂だけで帰ってしまいました。
当時は撮影は許されず
短い時間でただただブルーの天井画を見上げて
ジョットの青を感じてきました。
改めて絵巻物をめくるように
ゆっくり見せていただきました。
サンジョルジョ礼拝堂のフレスコ画、
パドヴァ大学
そして美味しそうなお皿の数々
来年はken-kenさんを追いかけて
Ehrwaldを考えていますので
次にチャンスが回ってきたらドロミテと絡めてパドヴァ滞在を企てようかな
なんて考えながら自分の年を数えました。
oneonekukiko
- ken-kenさん からの返信 2019/10/02 22:40:36
- RE: パドヴァ侮れませんね
- > ken-kenさん
> お久しぶりです。
oneonekukikoさん、お久しぶりです。
この度は投票とコメントをありがとうございました。
旅行には出かけてはいたのですが、ここのところフォートラとは遠ざかっておりました。
なのでこのページを開くこともなく、ずっとご無沙汰しておりました。
> 10年近く前にパドヴァを訪れ、
> 時間がなくてスクロヴェーニ礼拝堂だけで帰ってしまいました。
>
> 当時は撮影は許されず
> 短い時間でただただブルーの天井画を見上げて
> ジョットの青を感じてきました。
> 改めて絵巻物をめくるように
> ゆっくり見せていただきました。
ありがとうございます。
イタリアは5年ほど前にいろいろな絵画の写真撮影が許可され、おかげで足繁く通うようになってしまいました。
スクロヴェーニ礼拝堂も2回行ったのですがやはり時間が足りませんでした。
けれどもビデオ撮影もでき至福の時間でした。
後はアッシジのサンフランチェスコ聖堂とヴァチカンのシスティーナ礼拝堂が撮影許可されれば最高なんですが・・・・・
> サンジョルジョ礼拝堂のフレスコ画、
> パドヴァ大学
> そして美味しそうなお皿の数々
パドヴァは本当に見どころの多い街なので(しかも物価が比較的安い町でした)時間と予算が許せばまた言ってみたい場所です。
> 来年はken-kenさんを追いかけて
> Ehrwaldを考えていますので
> 次にチャンスが回ってきたらドロミテと絡めてパドヴァ滞在を企てようかな
> なんて考えながら自分の年を数えました。
旅って実は計画しているときが一番楽しいような気もいたします。
お互い健康に気を付けてこれからも楽しい旅を続けましょう。
またよろしくお願いいたします。
ken-ken
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