サン=ポール・ド バンスとマーグ財団美術館

2019/08/29 - 2019/08/29

サン=ポール・ド バンスはコードダジュールの主要都市ニースの西方約20kmにある標高180mの丘に形成された歴史町で、マーク・シャガールなどの画家、作家、俳優などが好んで住んだ芸術家の町として知られています。城壁に囲まれた旧市街が有名で多くの観光客が訪れます。町の北側でサン=ポール・ド バンス旧市街を見下ろす丘に近代芸術が展示されているマーグ財団美術館があります。ここには20世紀を代表するマーク・シャガール、ホアン・ミロなどの絵、彫像、タイル芸術などが展示され、年間10万人を超える人々の訪問があるそうです。

ニースに滞在してコートダジュール観光をした際に、ツアーでサン=ポール・ド バンスを訪れました。旧市街の見学は短時間で済ませ、マーグ財団美術館をじっくりと見学しました。木立の中に現代彫刻、奇妙な造形物、噴水などが点在する一風変わった美術館です。画商のマーグ夫妻が1964年に開設した私立美術館です。

エリア サン=ポール(フランス)

• 旅行の満足度: 4.5
• 観光: 4.5

• 同行者: カップル・夫婦
• 交通手段: 観光バス 徒歩
• 航空会社: ユーロウイングス オーストリア航空
• 旅行の手配内容: ツアー（添乗員同行なし）

ニース発の半日ツアー（Cannes-Antibes-St Paul de Vence from Nice、Viator, 英語ツアー)に参加したしたが、参加者は我々2名だけだったので、ガイドさんと交渉してスケジュールを小変更して頂きました。旧市街観光を短めにして、当初予定になかっらマーグ財団美術館の見学を加えて頂きました。
ここはサン=ポール・ド バンス旧市街への入口がある城壁前の広場です。約30分の自由見学です。

城壁に沿って進むと門がありました。旧市街の家々は城壁で厳重に守られていたことが分かります。

ヴァンスの門を通って旧市街に入ります。

ヴァンス門 建造物

門を入った場所にインフォーメーションがありました。

観光案内所 (サン ポール) 散歩・街歩き

パンフレットや地図などが置かれ、係員もいましたが訪問客は少な目です。サン=ポール・ド バンス旧市街の街並み構成は簡単ですので、地図や案内書がなくても迷わないので訪れる人も少ないのではないかと思いました。

観光案内所 (サン ポール) 散歩・街歩き

旧市街の簡単な地図と絵が掲げてあります。

旧市街は中世に建造されていますので、道幅は狭く、車の通行はできません。

大通り (サンポール) 散歩・街歩き

サン=ポール・ド バンスは芸術家が多く住んでいた町で、骨董品、ギャラリーや美術品などを売る店が多いのも特徴です。道脇に芸術家作品と思われる彫像がさりげなく置かれています。

狭い幅の通路の両側には瀟洒なお店が並んでいます。

絵を売っているお店です。観光客向けの安価な絵も売られていました。

洒落たお店です。

芸術品のような背の高い人物像と後方にあるコミカルな動物の対比が面白いと思いました。

「大噴水、The Great 1850 Fontaine」は旧市街の目抜き通り（グランド通り）にありました。サン=ポール・ド バンスは良質の湧水でも有名で、このような昔からの給水施設があちこちにあります。この噴水は1615年に村の石工によって建造された、と伝えられています。英語名称の"1850"は何なのでしょうか？修復された年、またはフランスの有名噴水の数？

大噴水 建造物

街並みの隙間からの光景です。旧市街が高台にあることが分かります。

グランド通りを進むと、給水所がありました。こちらの給水設備は機能的な形をしています。

旧市街の南端部は小さな広場になっています。

広場の先にあるのはニース門で、旧市街への出入り口の一つです。

ニースの門 建造物

門手前に展望台がありました。

下方に山々や村が見えました。景観の良い展望台です。

パノラマ展望台 散歩・街歩き

旧市街を元の道を引き返します。通りにはこのような門があり、中世時代は町の守りの警戒要所であったことが想像されます。

15世紀の橋 建造物

グランド通りにあったギャラリーに洒落た作品が展示されていました。

見事な彫像だと思います。背後の絵もプロ芸術家の作品ではないでしょうか。

城門の外に出てきました。
ここでツアーガイドさんと待ち合わせをし、車でマーグ財団美術館に移動しました。

マーグ財団美術館の入場券は大人が16ユーロでした。2人で32ユーロの出費です。少し高めの値段ですが、見学後に入場料を払って見学するだけの価値はあるように思いました。

マーグ財団美術館は森の中にありました。入口を入ると森の中に近代芸術品のオブジェが展示されています。

マーグ財団美術館 博物館・美術館・ギャラリー

著名芸術家の作品です。

作家名は分かりませんが、立派な作品です。

こちらはホアン・ミロの作品です。人の背丈程ある大きい彫像です。

これもミロですが、小さな作品です。

同じ感じのミロ作品で、小さな池の中央部に置かれています。

美術館テラスにも多くの彫像作品が展示されていました。

スイスの芸術家ジャコメッティーの人物像です。

上半身の人物像もジャコメッティー作品です。

針金状の人物像が沢山ありました。これは女性の立像です。

歩行する男性の像です。

「ミロの迷路」のコーナーがありました。

池の壁に奇妙な形の水注ぎ口がありました。全てミロ作品のようです。

ミロの特長が感じられる作品です。

岡本太郎が大阪万博の会場に設けた太陽の塔の像と似ているように思います。ミロ作品です。

南米アンデスのインカ像のような形です。

ボリューム感のある大きな彫像です。

農機具を抱えている人物像のようです。

こちらもボリューム感のある彫像です。

卵型オブジェです。

岡本太郎の太陽の塔の像と似ているようです。どちらが元祖でしょうか。岡本太郎は1930-1940年にフランスに滞在していますので、多分、岡本がミロなどの作風の影響を受けていたのではないかと思います。

これは何なのでしょうか？一目では分かりません。

卵型オブジェですが、卵ではないようです。

こちらは写実的で分かり易い彫像です。

マーク・シャガール作品です。雨風に晒される外部にさりげなく置かれていました。

マーグ財団美術館 博物館・美術館・ギャラリー

小さなチャペルのステンドグラスは、ミロ作品でしょうか？

奇妙な形の噴水ですが、立派な芸術作品です。

森の中に超一流芸術作品が沢山置かれているのが、この美術館の特長です。

美術館カフェレストランの表示文字も、著名芸術家の作品です。
この美術館はミロやシャガールなどの超有名芸術家の作品が森や池などの自然環境に配置され、町中にある大型美術館とは趣が異なっています。この特異な環境を活用して、最近、ファッションショー（Louis Vuitton Cruise 2019 Show)などが行われています。有名芸術家作品が多数展示されている先進的な美術館であることを認識しました。

サン=ポール・ド バンスは芸術家の村とも呼ばれています。芸術家たちが愛した趣のある中世風景観の旧市街と先進的なマーグ財団美術館、コートダジュールの見所だろうと思います。

マーグ財団美術館 博物館・美術館・ギャラリー