2019/08/29 - 2019/08/29
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マチスとシャガールは近代フランス芸術界を代表する画家で、彼らは晩年にコートダジュールで創作活動を行っています。ニースにシャガール美術館とマチス博物館がありますが、ニースから20km離れた山間の小さな村ヴァンスにも彼らの芸術作品が残されています。ヴァンス大聖堂(Cathedral of our lady of the Navity)にはシャガールが1979年に作製したモザイク画の大作が、ヴァンス郊外にはマチスが内装を企画&創作したロザリオ礼拝堂が残されています。
コートダジュールのガイドツアーに参加した際、ガイドさんの了解を取得した上で途中でツアーを離団してヴァンスを訪れました。ヴァンス見学の後、公共バスでカーニュ=シュル メールに移動してルノアール美術館も訪問しました。この旅行記ではヴァンス旧市街とマチス礼拝堂とも呼ばれている「ロザリオ礼拝堂」を紹介します。
- 旅行の満足度
- 4.0
- 観光
- 4.0
- 交通
- 3.5
- 同行者
- カップル・夫婦
- 交通手段
- 観光バス 徒歩
- 航空会社
- ユーロウイングス オーストリア航空
- 旅行の手配内容
- ツアー(添乗員同行なし)
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ヴァンス旧市街は城壁で囲まれ、幾つかある門から入ります。これは城門の一つです。上部に住居がある門は珍しいと思います。
ヴァンスの城壁 建造物
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門を入ると広場(Place Clemenceau)がありました。正面の建物はヴァンス市庁舎で、前の広場に彫像が建っています。
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角ばった面で構成された人物像です。モダンデザインですので、比較的最近の建造と思われます。
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広場横の通り沿いにはレストランが並んでいます。典型的な中世風の街並みです。
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市庁舎の東側にあるのがヴァンス大聖堂(Cathedral of our lady of the Navity)で、ここにシャガールが1979年に作製したモザイク画の大作があるはずです。この大聖堂は、4世紀ころからこの場所にあった教会が11-12世紀になって大聖堂に昇格し、15世紀に建造されたようです。
フランスで最も小さな大聖堂だそうです。ヴァンス大聖堂 寺院・教会
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大聖堂上部の像はこの大聖堂の特徴の一つです。
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入口に掲示がありました。フランス語で「17-18世紀に作られた多色木彫像、フランスならではの芸術と精神の融合展示、2019年6月30日~10月30日」と書かれています。
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大聖堂への入場は無料でした。中ではヴォランティアの方が、教会の概要を説明して下さいました。「2階からの見学を始めるのがお勧めです」とのことでしたので、階段を登って2階に上がりました。
ヴァンス大聖堂 寺院・教会
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多色木彫造が多数陳列されていました。宗教的な木彫が殆どです。
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雄鶏の像です。宗教的な意味合いもあると思いますが、芸術作品として面白い像だと思います。
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中世に造られたレリーフも展示されていました。
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多種類のキリスト木彫がありました。中世作品ですので色彩が劣化していますが、製作当時は鮮明で鑑賞者に強い印象を与えたことが想像されます。
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2階部分にあった礼拝堂です。2階にこのような施設が設けられている教会は珍しいと思います。
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2階後方からみた大聖堂の内部です。フランスで最も小さい大聖堂とのことですが、確かに小さめです。
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主祭壇は、意外と質素です。
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主祭壇横にマーク・シャガールのモザイク画がある洗礼堂がありました。シャガールは1950-1966年の間、ヴァンスに滞在しています。
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壁のモザイク画がシャガール作品で、「水から救われた聖職者モーゼ」を描いたものです。
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シャガールのモザイク画の背景を説明したパネルがありましたが、残念ながらフランス語だけで英語はありません。
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パネルにあった絵で、モザイク画の元になったものと思われます。跪いているのが聖職者モーゼで、赤ん坊に洗礼を施しています。
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大聖堂を出て旧市街を進みます。狭い通路が続きました。
ヴァンス旧市街 旧市街・古い町並み
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中世(17-18世紀)当時の状況がそのまま保存されています。
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「ペイラの泉、Fontaine Peyra」で、城壁門の手前にありました。現在のものは1822年に改装された泉です。ヴァンスは湧水が豊富で、旧市街に複数の噴水がありますが、この泉が最も有名です。
ペイラ門の泉 建造物
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ヴァンス旧市街を出て、郊外にあるマチスの礼拝堂に向かいます。礼拝堂は旧市街の城壁から約1kの場所にあり、歩いて15分ほどかかります。
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途中に小さな礼拝堂(白色苦行会礼拝堂 Penitents Blancs)がありました。17世紀由来の礼拝堂はローマに通じる道路脇に建設され、貧しい人や病人に奉仕する拠点としての役割を果たしてきています。1944年にフランスの歴史記念物に指定されています。前庭に椰子の木が植えられているユニークな礼拝堂です。
白色苦行会礼拝堂 博物館・美術館・ギャラリー
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ヴァンス旧市街の町はずれの道をひたすら進みます。
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リュピアーヌ川に架かる橋を渡ります。
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橋上からみたヴァンス旧市街の街並みです。小高い丘に町が形成されていることが分かります。
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さらに進むと教会らしい建物が見えてきました。
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マチスの礼拝堂かな?と思いましたが、違いました。建物前の表示に「ラコードデールの家、ドミニカ共和国のロザリオ」と書かれています。
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その建物隣がマチスの礼拝堂「ロザリオ礼拝堂」でした。外見は普通の家です。
ロザリオ礼拝堂 寺院・教会
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入口表示に、10-18時(4月-10月)、10-17時(11-3月)、12-14時はお休み、と書かれています。昼過ぎ(12-14時)は閉まっていますので、訪問では注意が必要です。
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入口の受付で、入場料を払います。
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エントランス部分に礼拝堂やマチス関連の本やグッズを売っているショップがありなす。マチスが設計した礼拝堂を含め、内部の写真撮影は禁止されていました。
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礼拝堂の中庭です。右手の普通家のような建物がロザリオ礼拝堂で、左手の尖塔がある教会風の建物は礼拝堂とは別物です。
ロザリオ礼拝堂 寺院・教会
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中庭から見た礼拝堂ですが、教会風には見えません。
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中庭には植物が植えられ、ベンチもありました。
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中庭から眺めた光景で、前方はヴァンス旧市街です。ヴァンス大聖堂の鐘楼が見えました。
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礼拝堂の庭に葡萄棚が造られていました。全く普通の家の外観です。
マチスの礼拝堂を後にして、次の目的地であるカーニュ=シュル メールに行くため、ヴァンスのバス停を目指します。 -
バス停は礼拝堂から徒歩で15分程の場所、ヴァンス旧市街の外側にありました。
強い日差しの照りつける暑い中、1kmの距離を歩く必要があるので、結構大変です。ヴァンスにはタクシーは見当たりませんし、ヴァンス~礼拝堂のバス利用も実質的ではありません。車があれば問題ありませんが、ロザリオ礼拝堂は一般観光客にとって訪れるのに便利な場所ではありません。ほんのチョッピリですが、昔の巡礼者の苦労の一端を経験した思いもしました。 -
公共バスで次の目的地であるカーニュ=シュル メールを目指します。ここにはルノアールが晩年を過ごしながら作品製作に励み、現在はルノアール美術館になっているルノアールの住居があります。
バスは田舎道を猛スピードで進みました。乗降客のいないバス停はスキップしてどんどん進みます。降車する場合は、バス中に設置されたボタンを押す必要がありますが、当初、このボタンの存在に気づきませんでした。写真に示すバス中手すり中間部にある「暗赤色のふくらみ」が押しボタンです。日本と押しボタン様式が全く違います。
フランスで公共バスを利用される場合、ご注意下さい。
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