甘粛省・河西回廊シルクロードの旅（その６）～莫高窟・甘粛省博物館

2019/05/28 - 2019/06/04

中国の甘粛省・河西回廊シルクロードの７泊８日の旅。
蘭州からはじまり、張掖・嘉峪関・敦煌で宿泊。その間に、炳霊寺・嘉峪関・懸壁長城・天下第一墩・楡林窟・莫高窟・敦煌博物館・鳴沙山月牙泉・雅丹（ヤルダン）地質公園・陽関・玉門関・漢の長城・河倉城を回った。

旅行６日目は、午前中は莫高窟の見学に。

エリア 敦煌(中国)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0
• ホテル: 4.5

• 同行者: カップル・夫婦（シニア）
• 交通手段: レンタカー
• 旅行の手配内容: 個別手配

８時にホテル出発、莫高窟に向かう。莫高窟は、龍門、雲崗と並ぶ中国三大石窟の一つ。まず、郊外にあるデジタルセンター（2014年完成）で、２本の映画を見るシステムになっている。ヘッドホンを借りて、日本語チャンネルに合わせる。

最初の映画は、漢の武帝に命じられて、張騫が西域へと歩を進めた歴史の紹介、長城建設の工事の再現、シルクロードの拠点として栄えた敦煌の歴史などの紹介映画だった（２０分）。

終わると隣の劇場に移動して次の映画を見る。この劇場は３Ｄ映画対応で、天井まで映像が投影される。この映画は、莫高窟の歴史、主な石窟の内部の紹介映画（２０分）。この２本を見た後で、シャトルバスで莫高窟に移動する。

莫高窟は、北区石窟と南区石窟に分かれていて、写真の北区石窟は、僧侶の修行の場として築かれたもので、修行や祈りの生活を続けた痕跡が残っているが、公開されていない。

莫高窟の入り口。ここで、各国語の解説員と合流して、石窟の見学に向かう。

莫高窟の起こりは、僧・楽僔が、鳴沙山の向かいの三危山が夕陽を浴び、金色に輝いたことから、ここを修行の場と定めて、石窟を掘ったのが始まりと言われている。

私たちは、西宮から来たという母娘２人連れと一緒に回ることになった。解説員の方は50代くらいか、懐中電灯を持って、案内してくれた。案内されるのは、解説員が任意に選んだ８つの石窟で、こちらの希望を出すことはできない。

石窟の入り口には扉が設けられ、施錠されていて、解説員が鍵を開けて、中に入れてくれる。

有名な「蔵経窟」である１７窟や北涼時代の現存する最も古い時代の４５窟、涅槃仏のある１４８窟、大仏のある９６窟などに入ることができた。

壁画に描かれた寄進者の像の大きさが、時代を経るごとに大きくなっているのが興味深い。隋の時代は下の方に小さく描かれているのに対して、唐の時代には次第に大きくなり、楡林窟で見た五代のものは独立した壁画になっていた。

莫高窟のシンボルである九層楼の第96窟。唐の時代に則天武后によって造営された。当初は４階建だったらしい。楼閣の中にある高さ35.6ｍの弥勒大仏坐像は、世界で３番目の大きさの仏坐像とのこと。以前は５番目だったが、アフガニスタンの巨大仏像がタリバンによって破壊されたため、３番面になったとの説明だった。

莫高窟は、五胡十六国時代（4世紀）から、隋・唐・元の時代（14世紀）まで10王朝1000年にわたり建設が続けられた。その後、この地域が中国の勢力下から離れ、西域との国境線が東へと移ったため、長年にわたって放置されてきた。

この石窟にも大仏が安置されているが、現在は修復中で、公開されていない。

石窟内は写真撮影禁止になっている。代わりに、148窟の涅槃仏の案内図を撮影してみた。

画家の平山郁夫さんが、莫高窟の保護のために、２億円を寄付したことを記念した碑があった。平山さんは、シルクロードを好んで描いた。日中友好協会の会長でもあった。

莫高窟は1987年に世界遺産に指定されている。

莫高窟の近くに歴史陳列館があり、いくつかの石窟を再現したものが作られていた。しかし、これも写真撮影は禁止されていた。

これは、莫高窟の仏像がいかに作られたかを示す模型。

壁画の作られ方を示す展示もあった。

昼食は、デジタルセンター近くの食堂で。麻婆豆腐、団子のスープ、ジャガイモの千切りの炒め物、白身魚のエビチリ風、ピーマンと肉の炒め物、ごはん。

そのあと、一旦ホテルに戻って、暑い日中は部屋で休憩する。４時に再びホテルを出て、甘粛省博物館に向かう。

役所の公文書だろうか、文字の書かれた木簡が多数展示されていた。

ここにも、莫高窟の石窟を再現した模型があった。

清代の敦煌城のパノラマ模型。

清代に粛州に駐屯していた将軍の公印。