2018/12/15 - 2018/12/24
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タヌキを連れた布袋(ほてい)さん
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ラオス政府にとって言えば、鉄道は念願だった。フランス植民地時代の19世紀末、7キロほどの鉄道が敷設されたことはある。南部メコンの物流を担った。しかし、1941年には運行を終えてしまう。その後、第2次世界大戦中の日本軍の侵攻、戦後は重なる内戦を経て1975年に現在のラオス人民民主共和国が成立。東南アジア諸国連合(ASEAN)唯一の海を持たない国として、隣国タイと結ぶ鉄路が長く検討されてきた。ところが、90年代末のアジア通貨危機で延期になり、2009年にようやくビエンチャンとタイ北部を結ぶ鉄道が開業した。その距離わずか3・5キロ。しかも旅客のみ。運行はタイ国鉄にゆだねている。「陸鎖国」と中国語で呼ばれるラオスにとって「老中鉄路」は、初めての本格的な鉄道なのである。
鉄道はラオスという国を、そして人々の生活をどう変えていくのだろうか。
いくつか心配事がある。まず「債務のわな」である。返せなくなるほどの借金漬けになってしまうリスクを指す。鉄道工事の費用は約60億ドル。ラオスのGDPの3分の1、年間予算の2倍近い規模である。ラオスの負担分は約3割だ。「これほどのカネを動かせる国は中国しかない。日本にできますか」。ある政府高官は言った。「日本には日本にできることをやってほしい」
ラオスはダムや人工衛星など別の事業でも中国から借金を重ねている。政府の借金はすでにGDPの6割を超えており、国際通貨基金(IMF)から注意されている。返済能力に「黄信号」がともると、国際機関や先進国は貸しづらくなる。そもそも日本など先進国にとってラオスは、円借款など利子がつくお金を貸すよりも貧困削減を念頭においた無償援助が中心の相手だった。だが、中国の関わり方は違う。お金をどんどん貸して、プロジェクトを進めようとする。
ラオスが中国にお金を返せなくなるとどうなるのか。鉄道の両脇50メートルは、ラオスと中国の合弁で設立した鉄道会社が所有する。この土地のほか、虎の子の地下資源を差し出さざるを得なくなるおそれがある。中国にも「カリウムなど資源で返してもらえばいい」(中国誌・北京週報ネット版)とする意見がある。実際、鉱物の輸出代金で返済にあてる契約になっている。ラオス研究の専門家、ジェトロ・アジア経済研究所研究員の山田紀彦さんは「ラオス政府は『債務のわな』の問題を意識はしているが、発展には資金が必要だと認識している。ベトナムとは政治的に深い関係にあるが、資金は期待できない。中国への依存が続くだろう。(高速鉄道が開業する)21年までに水力発電が40機稼働するので、電力の輸出で借金は返済できると考えている可能性がある」と指摘する。
歴史的にも、ラオスは貿易や人の往来ではタイとの関係が深い。だが、不動産開発から農業、小売りまで、中国の存在感は増している。鉄道にかかわる通信技術は、華為技術(ファーウェイ)が深く関与することになっている。鉄道の建設によって中国への依存度がさらに高まることは間違いない。
吉岡桂子「中国はラオスでいったい何をしているんですか? 中国が造る鉄道とは」朝日新聞GLOBE+,2019年3月10日付け,同年5月9日閲覧
https://globe.asahi.com/article/12167177
ビエンチャン逍遥~その1:バンコク→ビエンチャン夜行バスの旅&街歩き
https://4travel.jp/travelogue/11494186
ビエンチャン逍遥~その2:ビエンチャン食べ歩き
https://4travel.jp/travelogue/11494206
- 旅行の満足度
- 2.0
- 観光
- 2.0
- ホテル
- 2.0
- グルメ
- 2.0
- ショッピング
- 3.0
- 交通
- 2.0
- 同行者
- その他
- 一人あたり費用
- 25万円 - 30万円
- 交通手段
- 鉄道 高速・路線バス 徒歩
- 航空会社
- ベトジェットエア
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
今日は,ラオスで唯一の鉄道駅「ターナレーン」から鉄道で国境を越え,タイのウドーンターニーまで行く。
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ビエンチャンのタラートサオ・バスターミナル(CBS-2)から14番バスの乗れば,ターナレーン=ノーンカーイ国境(友好橋)へ行くことができる(一部のバスはブッダパークまで行く)。
バスは,ほぼ15分毎に出ている。ビエンチャン タラートサオ バスターミナル バス系
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ビエンチャン最後の朝食用に5kLAKのカオチー・パテーを買って,バスに乗り込む。
(1kLAK=約14円) -
運賃は8kLAK。
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バスはそこそこ混雑している。
07:35に発車し,日本大使館,ビアラオの工場などを通り過ぎ,08:12にターナレーン(友好橋)国境に到着した。 -
皆はそのまま出国手続へ向かうが,私はここからターナレーン鉄道駅(ドンポースィまたはドンポーサイ駅とも呼ぶ)へ移動しなければならない。
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鉄道駅は,国境事務所から北へ3km以上離れている。
荷物を抱えて歩くのは避けたいところだ。 -
トゥクトゥクを探すが,見事に一台もいない。
そのうちタクシーの運転手との話し合いになったが,始めからタイバーツ建てでの交渉だ。
金額がなかなか下がらない。何しろ相手にする運転手が二人しかいないのだ。
いったんその場を離れて,どこかにトゥクトゥクやタクシーのたまり場がないか探したり,ここまでトゥクトゥクで来てタイへ出国する旅行者を待ってみたりするが,一向に捕まらない。
そのうち時刻が9時に近づいてきたので,150THB(40kLAK)でタクシーを使うことに決めた。列車は10:00発だ。一時間前には駅に着いておきたい。
(1THB=約3.7円) -
タクシーだったら,駅まで5分とかからない。
国境事務所から鉄道駅までの道路はすべて舗装されていた。 -
ターナレーン鉄道駅(ドンポーサイ駅)に到着。
現在のところ,これがラオスで唯一の鉄道駅だ。 -
乗客の姿は無かった。とりあえず切符を買った。
ノーンカーイ駅まで20THB。運賃はタイバーツ建てだった。
試しにラオスキップ建ての運賃を尋ねてみると,6kLAKとのこと。今日のレートは1THB=約265LAKだから,タイバーツ建てのほうが1割ほど安い計算になる。
切符はタイ国鉄の用紙・印字機を使用して発券しているので,どこにもラオスの影はない。
(1THB=約3.7円,1kLAK=約14円) -
切符を手に入れたら,イミグレの職員がやって来て,出国手続を済ませるように言われる。
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ここのイミグレでは出国カードが必要なようだ。
パスポートと出国カードを提出し,出国税一人あたり10kLAKを支払う。領収証書のようなものはくれなかったが,事前に調べていたとおりの金額なのでいいだろう。 -
これで手続きは完了。あとは10:00の発車時刻を待つだけだ。
北へ向かう線路は赤信号の先で尽きてしまっている。
日本の国鉄時代,計画変更で尻切れトンボになった盲腸線の終着駅でも,こんな風景を見たような気がする。 -
朝食のカオチー・パテーを食べようとしていたら‥‥。
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ターナレーン駅の「たま駅長」参上? ちゃんと三毛である。
具のムーヨー(豚肉かまぼこ)の大半を持っていかれてしまった。課税の厳しい国境だ。 -
ノーンカーイ行きの気動車は2両編成だった。
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発車時刻が近づくと,やおら乗客が集まってきた。
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発車15分前には,乗客はそこそこの人数になっていた。
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いよいよ発車。
ノーンカーイ駅まで,わずか十数分の汽車旅である。
列車は友好橋を渡っていくが,列車が通過する間,この国境の橋は通行止めになる。
橋の欄干に,メコン川の真ん中(国境線)までラオス国旗,真ん中を過ぎるとタイ側の旗が立っているのが見える。
今回,それを動画に撮影していたのだが,ちょうどそのタイミングで車掌が検札に来ておじゃんになってしまった。
よって,今回はノーンカーイ駅到着のシーン。タブレットのやりとりをしている(動画37秒)↓。
https://youtu.be/iL3JcclCvts -
到着したプラットフォームの先にタイ側イミグレの小屋がある。
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その手前に記入台があるので,そこでタイの入国カードを書く。カードはイミグレの小屋でもらう。
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検疫所。税関も兼ねているのか,何人かのラオス人が手荷物の検査をされていた。
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無事にタイ入国手続を終えたが(諸費用なし),乗り継いでウドーンターニーへ向かう列車まで2時間以上待たなければならない。
12:55発ナコーンラーチャシーマー行きの普通列車だ。 -
ノーンカーイ駅前には,数台のトゥクトゥクが客待ちをしている。
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ATMもある。
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駅構内には,売店と有料トイレはあるが,食堂はない。
駅の外の道路向かいに簡単な食堂らしきものはあるが,あまり入る気はしないレベルのものだ。ノーンカーイ駅 駅
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12:55発ナコーンラーチャシーマー行きの普通列車は,同地から来る普通列車の折り返し運行である。
11時の時点で,ノーンカーイ着の普通列車が44分遅れで,折り返しが10分遅れになっている。まあタイ国鉄なので仕方がない。 -
ウドーンターニーまでの乗車券を買って,待つ。
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ところが正午前になると,到着列車が2時間近い遅れとなった。
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続いて12:40頃の表示。
到着列車は2時間半の遅れとなり,ついに折り返し列車は列車の到着と同時(14:45)に出発することになってしまった。
こうなってくると,もはや予定時刻は意味をなしていない。到着列車の到着予定時刻,出発時刻,ターナレーン行き列車の出発時刻が14:45で一致しているのは作為的なものだろう。
これ以上,駅で待っていても無駄だ。 -
窓口で切符を払い戻してもらい,駅前のトゥクトゥクを拾ってノーンカーイのボーコーソーヘ向かう。運賃100THB(公定料金)。(1THB=約3.7円)
全力疾走で10分以上かかった。結構,距離がある。ノーンカーイバスターミナル バス系
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ウドーンターニー行きのロットゥーは混みあっていて,買うことができたのは次々発の便(14:00)だった。
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運賃は一人50THBだが,荷物が大きいことを指摘され,一人分余計に徴収された。
ロットゥーが来てみると,たしかに空きスペースに収納できず,座席に荷物を置くことになった。切符売りのおばさんの判断は正確だった。
14:00に発車したロットゥーは,15時過ぎにウドーンのセンタン付近に停車し,そこで下車。 -
今回は,手間だけがかかる酔狂な国境越えだった。
しかし,わずか十数分のタイ-ラオス鉄道は意外と人気があった。
実際に乗ってみないと判らないこともある。 -
☆ビエンチャンではトゥクトゥクを利用しないほうがよい。ツーリストプライス(外国人向け最低料金)のカルテルが徹底しているので,タイの何倍もの割高料金を取られる。
☆近年,不便ながら市内バスが整備されて,路線図や運賃はウェブで容易に検索できるようになった。バスと徒歩で頑張るべし。カルテルが崩壊するまで持久戦だ。
☆朝のカオピヤック・センは毎日食べ,薬草サウナへは毎日通うのがよい。誰もが認めるビエンチャン最高の楽しみだ。宿も朝食なし,シャワー共同のところで足りる。
☆ローカルの薬草サウナは,濡れても大丈夫なサンダルとマイタオルをレジ袋に入れて持っていくと便利。
☆美味しいラオス料理を求めてローカル食堂へ入ってみても,「ハズレ」を引く可能性が高いのがビエンチャンの厳しい現実。「美味しいお店」は外国料理店ばかりだ。しかし,どのローカル食堂でもカオニャオ(もち米)は美味しいので,カオニャオを食べるつもりで入店するべし。
ビエンチャン逍遥~その1:バンコク→ビエンチャン夜行バスの旅&街歩き
https://4travel.jp/travelogue/11494186
ビエンチャン逍遥~その2:ビエンチャン食べ歩き
https://4travel.jp/travelogue/11494206
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