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地下鉄丸ノ内線の茗荷谷駅から2分ほどのところにある旧磯野家へ行きました。事前に申し込み、返信ハガキを持参して、11時から説明してくださいます。現在、建物内は入れませんが、内玄関から少しだけ見る程度ですが、毎年10月に抽選で20名は3階まで上がれるというので、秋には抽選に当たりますようにと願っています。この建物は、初代の実業家・磯野敬氏が棟梁のまだ若い、20代の北見米造に依頼し、時間とお金に糸目をつけないということで、建てられたものです。磯野氏は材木王というだけあって、日本全国の素晴らしい材木を使用し、北見棟梁の類い稀な建築の才能によって、細部まで計算され、構造力学的にも他に例を見ない建物となっています。特に、正門の四脚門は、その構造美が抜きん出ています。この表紙の写真は、門の軒裏の構造美が良く分かるものです。

旧磯野家・銅御殿を見学する

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2019/05/10 - 2019/05/10

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belledune

belleduneさん

地下鉄丸ノ内線の茗荷谷駅から2分ほどのところにある旧磯野家へ行きました。事前に申し込み、返信ハガキを持参して、11時から説明してくださいます。現在、建物内は入れませんが、内玄関から少しだけ見る程度ですが、毎年10月に抽選で20名は3階まで上がれるというので、秋には抽選に当たりますようにと願っています。この建物は、初代の実業家・磯野敬氏が棟梁のまだ若い、20代の北見米造に依頼し、時間とお金に糸目をつけないということで、建てられたものです。磯野氏は材木王というだけあって、日本全国の素晴らしい材木を使用し、北見棟梁の類い稀な建築の才能によって、細部まで計算され、構造力学的にも他に例を見ない建物となっています。特に、正門の四脚門は、その構造美が抜きん出ています。この表紙の写真は、門の軒裏の構造美が良く分かるものです。

旅行の満足度
4.5
  • 11時からの見学ですが、10分ほど門の前で待っています。その間にじっくりと門を観察します。

    11時からの見学ですが、10分ほど門の前で待っています。その間にじっくりと門を観察します。

  • この表門は、大正2年(1913)に竣工しました。四脚門の柱は尾州檜が使われています。腐蝕を避ける為、表面を焼いて仕上げてあります。百年経っても、この姿ですから、その巧みな技法は見事です。

    この表門は、大正2年(1913)に竣工しました。四脚門の柱は尾州檜が使われています。腐蝕を避ける為、表面を焼いて仕上げてあります。百年経っても、この姿ですから、その巧みな技法は見事です。

  • 黄色の矢印は、近年の東日本大地震以後、門柱下部の地面が少し落ち込んだため、隙間が空いてしまっています。約100年間、特に関東大震災でもビクともしなかったそうですが、やはり少しずつ地層が変化しているのでしょうか。地下に公共施設の埋設がなされたり、建設杭の打ち込み震動、地震など様々な原因があるのでしょう。

    黄色の矢印は、近年の東日本大地震以後、門柱下部の地面が少し落ち込んだため、隙間が空いてしまっています。約100年間、特に関東大震災でもビクともしなかったそうですが、やはり少しずつ地層が変化しているのでしょうか。地下に公共施設の埋設がなされたり、建設杭の打ち込み震動、地震など様々な原因があるのでしょう。

  • 棟梁・北見米造が考えた屋根の勾配、緩やかな線を描く屋根、支柱無しに伸びる軒先、それにしても、大きな門柱ですね。

    棟梁・北見米造が考えた屋根の勾配、緩やかな線を描く屋根、支柱無しに伸びる軒先、それにしても、大きな門柱ですね。

  • どこから見ても、飽きない構造美です。門は7cmの厚みがある楠木の一枚板です。

    どこから見ても、飽きない構造美です。門は7cmの厚みがある楠木の一枚板です。

  • 現在ではこれほど太い材木を探してもないでしょう。

    現在ではこれほど太い材木を探してもないでしょう。

  • 緩やかな曲線を描く垂木の構造はずっと見ていられます。

    緩やかな曲線を描く垂木の構造はずっと見ていられます。

  • 正門の上には5月の新緑が輝いています。特にこの日は快晴で、気温は30度になりました。この後、近くの小石川植物園内にある東大建築博物館、小石川植物園内の本館などを見て歩き、目の保養の1日でした。

    正門の上には5月の新緑が輝いています。特にこの日は快晴で、気温は30度になりました。この後、近くの小石川植物園内にある東大建築博物館、小石川植物園内の本館などを見て歩き、目の保養の1日でした。

  • 垂木のすばらしさが良く分かるのは軒下から見上げた時、その構造がどうなっているのかが、良く理解できます。垂木を横に抑える通柱が通っていません。つまり、垂木が先端に行くほど少し広がっていて、その重みは軒の曲線が両側に広がり、均衡を保つようにどこにうまく分散、維持できるかが力学的に考えられています。素晴らしい!

    垂木のすばらしさが良く分かるのは軒下から見上げた時、その構造がどうなっているのかが、良く理解できます。垂木を横に抑える通柱が通っていません。つまり、垂木が先端に行くほど少し広がっていて、その重みは軒の曲線が両側に広がり、均衡を保つようにどこにうまく分散、維持できるかが力学的に考えられています。素晴らしい!

  • 表門の四脚門と扉の模様は、この百年の歴史をずっと見守って来たのでしょうか。

    表門の四脚門と扉の模様は、この百年の歴史をずっと見守って来たのでしょうか。

  • 正門を入って、うちがわからの門の外観です。

    正門を入って、うちがわからの門の外観です。

  • 主屋は、今回は入れません。10月の公開日に抽選で当選すると入ることができます。内部の写真は撮れませんので、記憶に留めるしかありません。

    主屋は、今回は入れません。10月の公開日に抽選で当選すると入ることができます。内部の写真は撮れませんので、記憶に留めるしかありません。

  • 主屋は、敷地北寄りに建っています。このお屋敷の敷地は、江戸時代水戸徳川の支藩・陸奥森山藩松平家の上屋敷だったところです。今よりもすっと広い敷地でした。

    主屋は、敷地北寄りに建っています。このお屋敷の敷地は、江戸時代水戸徳川の支藩・陸奥森山藩松平家の上屋敷だったところです。今よりもすっと広い敷地でした。

  • この主屋は、明治42年(1909)に着工し、大正元年(1912)に完成しています。材料、意匠、その技法に関して、伝統的な木造建築と明治以降の大工の技術を見ることができるという。内部は今回見ていないので、まだ細部までは把握していません。

    この主屋は、明治42年(1909)に着工し、大正元年(1912)に完成しています。材料、意匠、その技法に関して、伝統的な木造建築と明治以降の大工の技術を見ることができるという。内部は今回見ていないので、まだ細部までは把握していません。

  • 棟梁の北見米造は、明治16年に神田に生まれます。蔵前工業学校夜間部を卒業し、美術建築を目指していました。21歳の時、磯野氏の目に留まり、この銅御殿を建てることになります。その後、昭和4年、神武天皇を祀る至誠館を建てますが、昭和20年の戦災で全焼しています。昭和22年社団法人茶道文化振興会を設立し、理事長に就任。昭和25年には茶道総合道場茶道館を建てます。裏千家の教授、各流の茶会場など茶道の普及を図ります。昭和39年7月没。

    棟梁の北見米造は、明治16年に神田に生まれます。蔵前工業学校夜間部を卒業し、美術建築を目指していました。21歳の時、磯野氏の目に留まり、この銅御殿を建てることになります。その後、昭和4年、神武天皇を祀る至誠館を建てますが、昭和20年の戦災で全焼しています。昭和22年社団法人茶道文化振興会を設立し、理事長に就任。昭和25年には茶道総合道場茶道館を建てます。裏千家の教授、各流の茶会場など茶道の普及を図ります。昭和39年7月没。

  • それにしても、若干21歳でこれほどの御殿を建てる力量は天才でしかないでしょう。<br />

    それにしても、若干21歳でこれほどの御殿を建てる力量は天才でしかないでしょう。

  • 逆光なので、2、3階の壁が銅で覆われているのが、良く見えませんが、緑っぽく見えていますね。表玄関の屋根と主屋の屋根がムクリとテリ、すまり、わずかに反っている屋根の曲線とふっくら膨らんでいる曲線の対照が美しいです。<br />銅板の箕甲(みのこ)と納めを間近にじっくりと見ることができました。

    逆光なので、2、3階の壁が銅で覆われているのが、良く見えませんが、緑っぽく見えていますね。表玄関の屋根と主屋の屋根がムクリとテリ、すまり、わずかに反っている屋根の曲線とふっくら膨らんでいる曲線の対照が美しいです。
    銅板の箕甲(みのこ)と納めを間近にじっくりと見ることができました。

  • 内部を見学していませんが、伊豆御蔵島産の貴重な桑も使われているそうです。また、外国から輸入したベルギーの板ガラスの微妙な凸凹の歪みも美しいという。とにかく、一見したい!

    内部を見学していませんが、伊豆御蔵島産の貴重な桑も使われているそうです。また、外国から輸入したベルギーの板ガラスの微妙な凸凹の歪みも美しいという。とにかく、一見したい!

  • 木造一部3階建の表玄関部分です。平面は、L字形をしており、書院棟、応接棟、旧台所棟、北棟で構成されています。これらの4つの棟は相互に繋がっていて、建物としては1棟となります。北見米造は耐震を考慮し、4つの建物として独立しているかのように作っていますが、相互に繋がっているという。内部を見てその接続部分を確認した!

    木造一部3階建の表玄関部分です。平面は、L字形をしており、書院棟、応接棟、旧台所棟、北棟で構成されています。これらの4つの棟は相互に繋がっていて、建物としては1棟となります。北見米造は耐震を考慮し、4つの建物として独立しているかのように作っていますが、相互に繋がっているという。内部を見てその接続部分を確認した!

  • 奥座敷の壁は、十一層に塗り重ねてあり、北見米造は修復の折に、この壁は触らないようにと言っていたそうです。何故なら、その技術を熟せる技のある鏝師がいないということからだったのではないでしょうか。

    奥座敷の壁は、十一層に塗り重ねてあり、北見米造は修復の折に、この壁は触らないようにと言っていたそうです。何故なら、その技術を熟せる技のある鏝師がいないということからだったのではないでしょうか。

  • 書院棟の西端にある表玄関です。その玄関周りを見ても、その統一された部材、統一感、寸分の狂いもない天井仕上げ、軒周りは一見の価値あり。<br />柱は中程が膨らんだエンタシスとなっています。これに合わせて、柱間に付いている細い桟も同じく中程が膨らんだエンタシス仕上げです。

    書院棟の西端にある表玄関です。その玄関周りを見ても、その統一された部材、統一感、寸分の狂いもない天井仕上げ、軒周りは一見の価値あり。
    柱は中程が膨らんだエンタシスとなっています。これに合わせて、柱間に付いている細い桟も同じく中程が膨らんだエンタシス仕上げです。

  • ここで、現在の当主・大谷利勝氏が出て来られ、少しお話ししてくださいました。現在、病気療養中だそうで、椅子にも座らずに、お話ししてくださり、恐縮しました。

    ここで、現在の当主・大谷利勝氏が出て来られ、少しお話ししてくださいました。現在、病気療養中だそうで、椅子にも座らずに、お話ししてくださり、恐縮しました。

  • 玄関内部から見た桟の細かい手仕事の技。

    玄関内部から見た桟の細かい手仕事の技。

  • 表玄関の扉もその板模様が素晴らしい。

    表玄関の扉もその板模様が素晴らしい。

  • 表玄関の北横にある内玄関があります。今回は、この内玄関に1歩入って、内部を見ることができました。正面に階段があり、次回はこの上に行ってみたいと思いました。階段入り口には扉が付いています。階段かどは、緩いアールをつけた踏み板で、上がり易いそうです。

    表玄関の北横にある内玄関があります。今回は、この内玄関に1歩入って、内部を見ることができました。正面に階段があり、次回はこの上に行ってみたいと思いました。階段入り口には扉が付いています。階段かどは、緩いアールをつけた踏み板で、上がり易いそうです。

  • 内玄関の側の雨樋

    内玄関の側の雨樋

  • 玄関から見上げた老木の梢

    玄関から見上げた老木の梢

  • 老木の木肌が鱗のようです。

    老木の木肌が鱗のようです。

  • この木の根が玄関の下にも伸びて、玄関の三和土が壊されつつあります。

    この木の根が玄関の下にも伸びて、玄関の三和土が壊されつつあります。

  • 玄関横の書院棟は、入母屋造、平屋建て、銅板葺。玄関の南に8畳、その東に8畳の仏間があるそうです。

    玄関横の書院棟は、入母屋造、平屋建て、銅板葺。玄関の南に8畳、その東に8畳の仏間があるそうです。

  • 赤石と呼ばれている巨石

    赤石と呼ばれている巨石

  • この石も滝のような模様

    この石も滝のような模様

  • 入り口に近いところにあるのが、最大の巨石だそうです。ここまで運ぶのに、昔、牛4頭で引いて来たそうです。牛ってそんなに力持ちなんですね。

    入り口に近いところにあるのが、最大の巨石だそうです。ここまで運ぶのに、昔、牛4頭で引いて来たそうです。牛ってそんなに力持ちなんですね。

  • この木肌も鱗状

    この木肌も鱗状

  • 湯立坂沿に立つ巨木の根がすごいことになっています。石垣を取り込んでいます。

    湯立坂沿に立つ巨木の根がすごいことになっています。石垣を取り込んでいます。

  • 一番気に入った3階物見の間の窓は絵葉書のもの。アール・デコでもない面白い模様の窓。北見米造の遊び心でしょうか。美術建築を志していた若き棟梁よ。

    一番気に入った3階物見の間の窓は絵葉書のもの。アール・デコでもない面白い模様の窓。北見米造の遊び心でしょうか。美術建築を志していた若き棟梁よ。

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