2019年シチリア紀行　サレーミ（Salemi）

2019/02/15 - 2019/02/22

2019年春はシチリア島。初めての土地だがいつものようにレンタカーで周遊した。

エリア イタリア

• 旅行の満足度: 5.0

• 同行者: カップル・夫婦
• 交通手段: レンタカー
• 航空会社: ANA
• 旅行の手配内容: 個別手配

テッラジーニからは南に約60km。山道なので１時間程の距離になる。途中セジェスタ（Segesta）の古代遺跡を見たかったのだが、なぜか駐車場のゲートが閉まっていた。仕方がないので、そのまま南下しサレーミの町までやってきた。
ベリーチェ渓谷（Valle del Belice）の山間に位置するサレーミは人口約１万人の町になる。この渓谷は1968年にベリーチェ地震と呼ばれる地震に見舞われこの町も大きな被害を受けている。

旧市街への入り口はリベルタ広場（Piazza Liberta）にある。ここはロータリになっていて入口の対面にある像はバーリの聖ニコラ（St.Nicola ｄi Bari）。13世紀チェニジア帰りの兵士たちが持ち込んだ疫病から町を守るために守護聖人と認定されたようだ。

この町の歴史は古い。古名はアリシア（Alicia）と呼ばれている。紀元前272年にローマに征服されているが自由都市として租税免除され繁栄した。５世紀にバンダル族に征服、その後もゴート、ビザンティン、アラブと支配され続けてきた。サレーミの町の名はアラブ由来。司令官の息子の名前だとも平和を意味する言葉だともいわれる。
アラブ人はオレンジ、レモン等の果物やアスパラガスやナス、アーティチョークといった野菜持ち込み農業面に大きな功績を残したという。
1077年にノルマン支配になるが、その後も町は大きさな遂げている。
しかながら疫病や何度かの地震、イナゴ被害など多くの災害に見舞われ決して平穏は歴史ではなかった。

旧市街の入口からジョヴァンニ・アメンドラ通りという名の通りを進む。

この通りより先は一般車立ち入り制限地区（ZTL）になっている。通行中の車は許可された車。

五階建ての建物が続く、それぞれの家並はしっかりとした造りで小さな村といった趣ではない。

この通りを暫く進むと眺望がひらけた小さな広場にでる。トニー・スコット広場（Piazzale Tony Scott）と書かれているこの場所は、簡単にベルベデーレ（Belvedere）呼ばれている。

ここからは、マザーラ・デル・ヴァッロの方向に南西に伸びる田園風景が楽しめる。

トニー・スコットというのはこの町出身の移民でアメリカで活躍したミュージシャンらしい。

旧市街の南端近く、左へのカーブを描く辺りにあった教会。聖アウグスティン教会（Chiesa di Sant'Agostino）とある。

修道院の付属教会のようだが、修道院は1400年の開設。教会は1250年に起源を持つとも。しかし現存の教会はバロック様式の物である。

内部には、主祭壇や聖歌隊席等の見どころがあるようだが。

教会横を折れて、町の中心部にあたる丘の上を目指す。折れた先には町の下に向かう階段があった。

上に登る階段はここからはきつく狭くなる。

Parrocchia Matrice S. Nicola Di Bari Salemiと書かれたこの教会。大聖堂であるが町では聖母教会（Chiesa Madre）と省略されているようだ。

ここの木製オルガンは見事なものだ。1771年製とある。

オルガン奥の祭室には18世紀の木製彫刻の祭壇がある。

この磔刑像はトラパーニのミランテ（Milanti）とある。18世紀にシチリアで活躍した彫刻家の兄弟の事で、多くの磔刑像を残したようだ。

教会からの棟続きになるが大きな建物が続く。

壁伝いを辿った先に大きな入口がある。Museo della Mafiaと書かれているが、なんとマフィア博物館との事だ。中を見なかったがマフィアの事を知ることが出来るとか。

町の頂上部に登ってきた。1968年の地震で投壊した教会の跡地になる。本来はここが聖母教会で、今は「Ex. Chiesa Madre Di Salemi」と名付けられている。現在はイベント開催等に利用される広場となっているようだ。

その左にあるノルマン-スヴェヴォ城（Castello Normanno-Svevo）は、1070年からの歴史を持つ。

ルッジェロ1世が築城し、町のシンボル的な建造物となっている。

1860年5月13日。シチリアに上陸したガリバルディはこの城でイタリアの独立を宣言しこの町は、初代の首都に位置付けられている。

城塞からの遠望。

最後は最初のリベルタ広場のロータリに戻ってカフェで小休止。

シチリアのスイーツは食べてみたかったが糖質制限で断念した。

この旅行記へのコメント （2）

• shinkaiさん 2019/03/02 14:12:52

  サレーミ。

  サレーミの町の事は、クリスさんの日程を追って検索していて知った1エウロで家を売ります、でかなり大きな町だと知りましたが、実際、大きな町ですねぇ！
  そして、あの長い坂道の上に古い教会があったとは！　
  
  サレーミはあまり意識しては知りませんでしたが、こちらでは大変有名な美術評論家でもあり、作家、政治家、TVにもよく出るヴィットリオ・ズガルビというのが一時市長をしていて、それでも有名だったのと、
  頂上にあった城で、ガリバルディがイタリアの独立宣言をした、というのは友人からも聞きました。
  
  マフィア博物館は見れずに残念でしたね。　でも逆に良かったかな？
  　

  クリスさん からの返信 2019/03/02 18:20:16

  RE: サレーミ。

  一応お城がロマネスク期限という以外はあまり事前の知識がなかったのですが。もちろんガリバルディの独立宣言の件は知ってもいましたが、特段に行きたいというわけでもなく。セジェスタが開いていたら行かなかったと思いますが、行ってみたら以外に良い町でした。
  マフィアの何が見れるのかはわかりませんが、生きて帰ってこれたから良しとするべきなんでしょう。
  
  まぁ、冗談ですけれど。