2018/08/18 - 2018/08/19
5位(同エリア338件中)
旅猫さん
3月末に訪れた湯ヶ島温泉。
その時、何となく湯ヶ島温泉が気に入ってしまった。
それから4ヶ月ほど経った8月の初め。
偶然、週末に一人で安く泊まれる宿が目に留まった。
しかし、その日は2週間後の18日。
あまりにも日が近かったが、思い立ったが吉日なので、ここは思い切って行くことにした。
- 旅行の満足度
- 3.5
- 観光
- 3.5
- ホテル
- 4.0
- グルメ
- 3.5
- 交通
- 3.5
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 1万円 - 3万円
- 交通手段
- 高速・路線バス JRローカル 私鉄 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
- 利用旅行会社
- JTB
-
今回は、地元の駅から上野東京ラインの普通列車に乗り、一気に熱海駅へ。
熱海駅には定刻の10:29に着いたのだが、ホームには溢れんばかりの人がひしめき合っている。
何事かと思ったら、熱海から先の東海道本線が大幅に遅れているとのこと。
結局、予定していた列車には乗れず、次の列車も運休。
その次の11:06発には何とか乗れだが、この列車もかなり遅れて出発。
三島駅で、ぎりぎり11:38発の修善寺行きに乗れたのが幸いだった。 -
修善寺駅前から、東海バスの河津駅行きに乗り換え、湯ヶ島温泉を目指す。
乗り込んだ12:20発のバスは、予定していたバスより45分遅い。
とは言え、この程度の遅れで助かった。
車内で少し迷ったが、予定通り湯ヶ島温泉口バス停で下車することに。
バスは、4分遅れて11:51に到着した。 -
降りて歩き始めるとすぐ、ご当地マンホールを発見。
描かれているのは、やはり伊豆の踊子だった。 -
とりあえず向かったのは、バス停から少し離れた場所にあった天城神社。
まずは、お邪魔するご挨拶を。
そして、いつもの大切なお願いも。
この神社の境内は、とても空気が綺麗な感じがした。 -
ふと狛犬を見ると、ちょっと異様な姿をしている。
首を傾げたような姿で、しかも頭が大きく目が窪んでいる。
これまで出会った狛犬の中では、かなり特徴的だ。
江戸時代に造られたものらしいが、なぜこんな姿に。 -
境内には、他にも大きなご神木が。
まさに、神が宿りそうな巨樹だな。 -
天城神社から、のんびりと歩いて行く。
すると、寺に向かいに名残の蓮の花が。
今年は、ほとんど見ることが出来なかったので嬉しい。 -
蓮田の向かいにあったのは、弘道寺。
アメリカの日本総領事ハリスが江戸へ向かう時に泊まったことがあるそうだ。
今でも、その時に掲げた看板と使った椅子が残されているらしい。 -
寺の角を曲がると、湯ヶ島小学校が見えてくる。
今は廃校となっていたのだが。
正門から覗くと、銅像が二つ建っていた。
湯ヶ島で生まれた作家井上靖の作品『しろばんば』の主人公洪作とおぬいばあさんだ。
『しろばんば』は、ここ湯ヶ島を舞台にした作品で、井上靖の自伝的な小説となっているため、そこかしこに所縁の場所がある。 -
小学校の脇にあった細い道に入ってみる。
こんな道をそぞろに歩くのも旅の楽しみだ。 -
その小径の先は、意外と開けていた。
そんな場所の一角に、作品の中で造り酒屋として登場する家があった。
『天城』と言う、今は失われた酒を醸していた蔵で、若山牧水が愛した酒でもあるらしい。
庭に、その牧水が呼んだ歌の碑があるというので、拝見させていただくことに。 -
石碑には、「あまき嶺の千歳の老樹根をひた寿真清水くみて加茂すこのみき」と刻まれていた。
牧水の酒の友であった清酒『天城』の醸造家淺田六平に贈ったものだと言われているそうだ。 -
牧水の歌碑があったところから少し歩くと、古そうな民家があった。
蔵もあるが、かなり老朽化している感じだ。
人が住んでいる感じがあるようでない。 -
その民家の前の坂を少し下った場所には、小説の中で井上本家として登場する家がある。
海鼠壁が印象的で、木造の普通の民家のようで、少し重厚感のある不思議な建物だった。 -
二階の部分は、まるで蔵造りのような感じ。
でも、多くの部分が板張りなので、何のための漆喰なのか。
ある意味、当時の見栄なのかもしれない。 -
その向かいには空き地があり、奥には廃屋らしきものが見えた。
-
空き地が面した十字路を北へと向かう。
この道が旧下田街道のようだ。
道沿いには百日紅が咲き、趣のある民家も建っていた。 -
その道の脇には、広い公園のような場所があった。
ここが、『しろばんば』の著者井上靖の邸宅があった場所だ。
建物は移築されてしまったらしいが、園内には、文学碑が建っていた。 -
邸跡の脇の路地に入ると、心和む光景が。
木造平屋の民家と昭和の香りが漂う街灯。
東京では見ることがほとんどできなくなった町並みが、まだ残っている。 -
バス通りへ出ると、ここにも落ち着いた街並みが。
ここが新道で、湯ヶ島の中心だったところだろう。 -
その一番繁華であったろう四つ角から、今宵の宿へと向かう。
角にはラーメン屋があったが、すでに廃業したようだ。 -
四つ角からすぐのところに、温泉街への近道があった。
『湯道』と呼ばれるもので、この下にある共同湯へ向かう里人などが通った道だ。湯道 公園・植物園
-
その湯道を下って行くと、温泉街へと出た。
しかし、そこには廃墟となった観光ホテルや温泉宿があり、何とも寂しい光景が。
なかには、屋根が崩れ落ちた建物まであった。 -
今宵の宿は、そんな温泉街の中を下る湯道の途中にある『白壁荘』。
道を挟んで両側に建物が並び、結構大きな宿のようだ。
とりあえず、荷物を預かってもらい、地図をいただいて温泉街の散策へ。静かな温泉地に建つ趣のある湯宿 by 旅猫さん天城湯ヶ島温泉 白壁 宿・ホテル
-
湯道をさらに下ると、すぐのところに湯道の碑が建っていた。
『しろばんば』の中にも、主人公たちがこの道を下る描写が描かれている。 -
坂を下り、少し右手へと向かい、さらに下って行くと、目の前に白壁が特徴的な建物が見えて来た。
かの文豪川端康成が、『伊豆の踊子』を執筆した『湯本館』だった。 -
その湯本館のすぐ隣に、共同浴場『河鹿の湯』があった。
覗いてみると、ちょうど空いていたので立ち寄ることにした。河鹿の湯 温泉
-
簡素な造りの建物で、浴室も共同湯らしい素朴な雰囲気。
窓の外には川が流れている。
湯船には、熱い湯が掛け流されていた。
湯に浸かり、外の緑を眺めながらしばらく過ごす。
こんな時間が、旅の醍醐味だ。 -
湯ヶ島温泉の湯を、まずは共同湯で堪能した後、再び温泉街を歩く。
湯道との分岐を、今度は左手へ。
そこには、昭和34年に竣工した西平橋が架かっていた。 -
橋の上からは、鮎の友釣りで知られる狩野川が流れが見える。
川の右岸には、『白壁荘』の建物も望めた。
緑に囲まれ、なかなか良いところだな。 -
橋を渡り、道沿いに歩いて行くと、そこには小さな湯宿が軒を連ねていた。
しかし、営業しているのかどうかわからないくらい静かで人の気配もしなかった。
この道の先には、以前泊まったことがある『落合楼村上』があった。 -
『落合楼村上』の先で左手に入ると、橋に出た。
『出会い橋』と呼ばれる橋で、狩野川水系の猫越川に架かる女橋と本谷川に架かる男橋がある。
二つの川は橋のすぐ下流で合流し狩野川となるのだ。
『落合楼』の名は、二つの川が落ちあう場所にあることから名付けられたそうだ。出会い橋 名所・史跡
-
男橋の上からは、二つの川が落ち合うところが望めた。
この辺りは、初夏に蛍が観られるそうなので、いつか訪れてみたいものだ。 -
橋の近くでは、玉紫陽花も咲いていた。
-
宿へ戻り、宿泊の手続きをする。
玄関の辺りは落ち着いた感じで、なかなか良い。静かな温泉地に建つ趣のある湯宿 by 旅猫さん天城湯ヶ島温泉 白壁 宿・ホテル
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待つ間、冷茶と伊豆のみかんで造ったゼリーをいただく。
ところが、しばらく経っても部屋に案内されない。
その間にも、次から次へと客が到着する。
結局、20分近く待たされ、印象が急降下した。 -
気持ちを抑えつつ、係の方に付いて行く。
すると、中庭に面した趣のある外廊下を通って行く。
そこだけ観ると、高級旅館のようだ。 -
そして、通されたのは新館の10畳和室。
『葉茶屋』と言う民芸調の部屋で、庭に面していた。 -
冷蔵庫も茶箪笥のような造りで、広縁には渋い灰皿置きも置いてあった。
-
係の方から説明を受けた後、早速自慢の温泉へ。
まず向かったのは、巨石風呂。
迷路のような館内は、見て回るだけでも楽しそうだ。 -
案内に従って行くと、脱衣所があった。
外へ出ると、大きな石が目の前に。
なんと、その巨石が湯船になっているのだ。 -
そして、階段を登って巨石の上に。
湯船は思ったよりも大きく、しかも、ちょうど良い湯加減だった。
さらに入っている間、ずっと貸切状態で、まさに極楽気分。 -
巨石風呂を堪能した後、大浴場へ。
大浴場は広く、湯船が二つあった。
窓が多いので、明るくて開放的な雰囲気だ。 -
その二つの湯船の間には、噴水のような湯口があり、そこから湯が溢れだしていた。
そして、その縁には白い温泉成分がびっしり付いている。
凝っているのは、小鳥が水を飲む姿になっていること。 -
溢れだした湯は、石の樋を伝って湯船に注ぎ込まれている。
その樋にも、塩のように温泉成分が付いていた。 -
大浴場から、来るときとは違う通路を通ってみる。
途中の階段には、自然の岩盤がそのまま取り込まれていて面白い。
それにしても、この宿は複雑な造りをしている。
館内で迷子になりそうだ。 -
部屋に戻り一休みすると夕食の時間。
食事処は、半個室だった。
膳の脇に、山葵が添えられているのが中伊豆らしい。
何に使うのか、楽しみだ。 -
食事のお供には、宿の名の入った『天城越え 本醸造生』を。
醸した蔵は、富士宮の富士錦酒造だった。
氷の入った器に入れられ、まるで上等な酒のようで嬉しい。
味は喉越しの良く、癖のないものだった。 -
温かい椀物と茶碗蒸しの後に出てきたのは蕎麦だった。
こちらも温かいかけそばだったので、山葵は使えず。 -
その蕎麦が運ばれてきた時、給仕の方が、お酒にすりおろした山葵を入れると美味しいと教えてくれたので、試してみることにした。
たっぷり入れると良いというので、しばし山葵おろしに精を出す。
そして、すりおろした山葵を入れて飲んでみると、これがなかなかいける。
ちょっと癖になりそうな味わいだった。 -
山葵酒を楽しんでいると、鮑のバター焼きが出て来た。
実は、鮑は好んで食べることはない。
とは言え、せっかく出てきたのでいただくことに。 -
鮑を食べ終わると、今度は笹で飾られた岩魚の塩焼きが登場。
このような盛り付けを目にするのは、いつぞやの蔦温泉以来だ。 -
そして、主菜は牛肉。
薄い上に脂身が多く、かなり寂しい感じだった。 -
焼くとさらに縮んでしまったが、山葵を付けて食べてみると、これもまたなかなか。
これでもう少し厚ければ、かなり楽しめたのだが。
料理自体は大したことは無かったが、山葵で楽しめた。 -
食事処を出る際、部屋で呑むためのお酒を頼んだ。
最後の水菓子を食べてこなかったので、部屋にお酒と一緒に果物が届けられた。
頼んだお酒は、『しろばんば 純米吟醸生貯蔵酒』。
部屋に置いてあった井上靖の小説『しろばんば』を読みながらいただいた。 -
夜、もう一度大浴場で温泉を楽しむ。
その後、星が見えないかと外へ出てみることにした。
灯りに照らされた夜の外廊下もなかなか風情がある。 -
玄関脇には、懐かしい豚の蚊取り線香入れが置いてあった。
空を見上げると、ちらほらと星が。
そして、静かな湯ヶ島の夜が更けていった。 -
翌朝、まずは朝風呂を。
とりあえず、白壁荘自慢のもう一つの風呂へと向かった。
その風呂は、巨木をくり抜いて造られた湯船だった。 -
朝食には、鯵の干物が付いてて嬉しかった。
やはり、朝ごはんには鯵が鮭が一番だ。 -
朝も山葵が付いていたので、今度はご飯に載せて食べてみる。
すると、こちらも美味だった。 -
この日は予定も無いので、温泉に入ったりしてのんびりと寛ぐ。
そして、9時半に精算。
湯ヶ島バス停までの送迎を待つ間、玄関の辺りを見て回る。
すると、囲炉裏の灰で模様が描かれていた。
まるで石庭のようだった。 -
湯ヶ島のバス停でバスを待つ。
雲が多いものの、夏の日差しは強く、この時点で寄り道をする気力は無くなった。
そして、9:45発のバスに乗り、湯ヶ島温泉を離れた。 -
修善寺駅からは、10:21発の三島行きに乗り換えて三島駅へ。
車窓には、富士山が綺麗に見えていた。
11:10発の熱海行きに乗り、さらに11:32発の列車で小田原駅まで乗車。
そして、小田原駅で12:04発の特別快速高崎行きに乗り換えた。
後は、地元の駅までグリーン車に揺られて帰るだけだ。
今回は、急な旅となったが、気になっていた湯ヶ島温泉でゆっくりできて良かった。
静かな温泉街に改めて惹かれたので、いつか再び訪れたいと思う。
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