2018/10/07 - 2018/10/10
17865位(同エリア29200件中)
jokaさん
二日目。
いよいよ今回の山行のメインイベント、槍ヶ岳登頂に挑みます。
ただ、槍ヶ岳に登り切った充実感はもちろん大変なものでしたが、もともとピークハントにはあまり関心がないせいもあってか、槍の穂先登頂よりもそこまでに至る登山道、切通岩から始まり東鎌尾根へと続くいわゆる喜作新道の素晴らしさの方がはるかに鮮烈に記憶に刻まれました。
一日目の昼頃から槍ヶ岳山荘までまるで熱に浮かされっぱなしで夢の中を歩いていたような気がします。
あの興奮は何だったのでしょうか?
槍ヶ岳山頂へは行っても行かなくてもいいので、表銀座だけでももう一度歩けたらいいなあと思う今日この頃です。
- 同行者
- 一人旅
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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本日はそれほど急ぐ必要もないので4時起床。
朝食セットをもって小屋玄関近くのお気に入りポイントに移動します。ヒュッテ西岳 宿・ホテル
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平らな岩が多く、天然のテーブル&椅子のようになっているのでとても便利です。
惣菜パンとオニオンスープで簡単に済ませました。 -
朝食後、テントに戻って撤収開始。
5時を過ぎると東の空が薄っすらと明るくなってきました。
テント前から見るピラミダルな常念岳のシルエットが美しい。 -
撤収完了。
小屋前に移動して、日の出を見たらすぐに出発予定です。 -
が、待っている間に気が変わり、どうせなら西岳山頂で見ることに。
日の出時刻まであと10分。
少し急ぎ目に登ります。 -
5分で登頂。
槍ヶ岳方面かすかに赤らんでいます。西岳 自然・景勝地
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日の出まであと5分。
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5時47分、常念岳の左側から予定時刻通りに太陽が顔をのぞかせました。
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槍ヶ岳も赤く染まり始めました。
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穂高連峰方面。
左奥に見えるのは中央アルプスの百名山、恵那山でしょうか。 -
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左から、前穂高岳、奥穂高岳、北穂高岳、大きくえぐれた大キレット、南岳。
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堪能しました♪
6時2分、ヒュッテ西岳を出発。 -
いよいよ表銀座ルートの核心部、東鎌尾根へと足を踏み入れます。
緊張するな…… -
いきなり苦手な梯子の下り。
気を引き締めて進みます。 -
慎重に慎重に。
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6時48分、水俣乗越通過。
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ここを下っていくと北鎌沢出合。槍沢には着きません。日本一有名なバリエーションルート、北鎌尾根へと続く道です。
高所恐怖症のわたしには一生縁がないだろうな。 -
“慎重かつ大胆に”
初日の切通岩から三日目の硫黄乗越までいつも頭の片隅で唱えていました。 -
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手前左の小ピーク山頂下辺りの階段にヒュッテ西岳のテント場を先に出たソロ女性が見えます。
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上の写メでソロ女性がいた階段を上から見たところ。
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小ピークを登り切ったところで追いつきました。
お互いに写真の撮り合い。
ここが第一展望台なのかな? -
ここまでの道のりを振り返る。
中央の一番高いピークが西岳。右肩に小さくヒュッテ西岳が見えます。 -
小ピーク先の緩い丸太梯子を下ると、東鎌尾根最大の難所、20mの三連梯子がいきなり現れました。
もう少し先だと思っていたので、心の準備が…… -
計画段階で一番懸念していた場所でしたが、心の準備がないままに勢いだけで進んだのがよかったのか、思ったよりもスムーズに下りることができました。
二段目の梯子を下りるソロ女性。 -
三段目まで来るとあと少し。
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三連梯子を下りた場所は両側が切り立っていて注意が必要。
この切り立ったスペースは“窓”と呼ばれています。 -
左右はこんな感じで切れ落ちています。
バランス崩したら「さようなら~」。 -
少し進んだところから三連梯子を振り返ってみる。
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西岳の右向こうに常念岳の山頂が見えています。
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少しずつ槍ヶ岳が近づいてきました。
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どこから見ても目立つ前穂高岳の北尾根。
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7時59分、ヒュッテ大槍着。
慎重に歩いた割にはいいペースです。 -
ヒュッテ大槍は明日で小屋締め。
どことなく祭りの後の淋しさ的な雰囲気が漂うのは気のせいでしょうか。
開放的な明るい小屋で立地も最高。機会があれば泊まってみたいですね。 -
お土産物のデザインも大変好み。手ぬぐい三種類とも買っておけばよかったな、とちょっぴり後悔。
オランジーナで一息ついていると、昨日の大下りの頭から抜きつ抜かれつのソロ女性が追い付いてきました。
昨日テント場で聞いた話では、今回はバスの都合で槍ヶ岳まで行かずヒュッテ大槍から下山するとのことでしたが、目の前の槍ヶ岳をあとに下るのがやはり残念な様子。
たしかにもったいない… -
出発直前、バッジを買い増しました。
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8時11分、出発。
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三叉路を槍ヶ岳方面へ。
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槍ヶ岳の左肩に槍ヶ岳山荘が小さく見えています。
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眼下には殺生ヒュッテ。
喜作新道を切り拓いた小林喜作さんが1922年に建てた槍ヶ岳近辺最古の山小屋です。 -
東南方向に目を向けてみる。
右端のゴジラの背のようなギザギザは前穂から伸びる北尾根。
正面に薄っすら見えているのは聖岳や赤石岳などの南アルプスだと思います。 -
殺生ヒュッテへの分岐点。
思ったよりも早いペース。 -
計画では、今日は槍ヶ岳山荘のテント場に幕営して南岳小屋まで散策。明日は双六小屋にテント張って、去年の北アルプス縦走時に取りこぼした双六岳と三俣蓮華岳の山頂を踏むつもり。
比較的ゆったりとした日程です。 -
が、東鎌尾根を歩いている途中にふと「このペースなら今日三俣山荘でテント泊、明日読売新道を通って奥黒部ヒュッテか平ノ小屋泊、最終日の午前早い時間に黒部ダムに下山できるな」と思いついてしましました。
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読売新道は最近ずっと気になっているルートで、ブナ立尾根から登るいわゆる裏銀座経由、三泊四日か二泊三日でいつか歩こうと思っていました。今回も候補ルートの一つでしたが、水晶小屋が9月の最終週で小屋締めなので外した経緯があります。
昨年買い損ねたTシャツと手ぬぐいを次回こそ手に入れるため、小屋の営業期間中に行きたいんですよね。 -
当初の計画通りゆったり過ごすか、がっつり歩いて黒部ダム下山を目指すか。
ずっと考えながら歩いています。 -
殺生ヒュッテもだいぶ小さくなりました。
とんがり頭の常念岳は相変わらずの存在感。 -
ラスボスの風格!
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もうすぐ着いてしまう。
早いとこ結論を出さないと… -
8時50分、槍ヶ岳山荘着。
この時点では予定通り槍ヶ岳山荘にテント泊が優勢。
①最初で最後の可能性が高いので、どうせなら槍のテン場に張ってみたい
②おそらく今後も大キレットを通過することはないだろうから、今回のチャンスを逃すと槍ヶ岳から南岳に至る雲上ルートを歩くことはないかもしれない
③読売新道へ向かうと、用意した食料では微妙に足りなくなる恐れがある
主にこの三点が理由です。槍ヶ岳山荘 宿・ホテル
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でも時間が経つと結論がころころ変わりそうなので、心の迷いを断ち切るためさっさとテント場の受付をしてしまうことにしました。
結果一番乗り!!
まあこの時間なので可能性はあるかなと思ってはいたものの、いざ現実になるとちょっと舞い上がってしまいました。 -
しかも「今日は余裕がありそうなので好きなところに張って下さい。あとでどこに張ったかを報告お願いします」とのこと。やったね♪
ふだん槍ヶ岳山荘のテント場は、テントのサイズを申告すると張る場所を指定されるようになっていて、自分の好きな場所に張ることはできないのです。
早く着いた甲斐がありました。 -
ついでに夕食と明日の弁当の予約をしたあと、小屋から2~30メートルほど離れたテントサイトに向かいます。
右端に見えるのがテント泊および外来者用の屋外トイレ。
中央から左のごつごつ岩の部分がキャンプサイト。 -
テントサイト入口から小屋を見たところ。
つかず離れずのいい距離感。 -
迷わず選んだのはここ、Bサイトです。
槍ヶ岳山荘のテント場は全部で39区画のみ。他のテント場のように混んだら詰めて張り直して計50張、というわけにはいきません。39組のテン泊者がくればそれで満席。それ以降の人は山小屋に泊まるか先ほどの殺生ヒュッテまで下るかのどちらかです。 -
しかも39区画のうち槍ヶ岳を臨める北斜面にあるのはほんの数区画。ほとんどのテントは反対側の南斜面に張ることになります。
そんな特等席の北側のサイトの中でも一番人気なのがこのBサイト。フラットで広いうえに周囲を岩で囲まれてプライベート感&耐風性にも優れています。ネットで読んだ登山記録でも、一番乗りした人はBサイトを選ぶケースがほとんど。
Aサイトもいいけれど、若干狭いんですよね。 -
風もなく、燦燦と太陽を浴びながらのんびり設営。
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完成です。
見よ!テントからのこの絶景を!! -
洗濯ばさみでシュラフをテントに留めて干します。
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あんまりのんびりしているとくじけてしまいそうなので、そろそろ穂先へ出かけましょう。
と、その前に屋外トイレに寄ろうとしたら、清掃中で「小屋のトイレを使ってください」と。 -
槍ヶ岳山荘では、テント泊の場合小屋内立ち入り禁止なのですが、この場合は仕方ありません。
せっかくなのでちょっとだけ小屋内を探検。 -
談話室。
ボルダリングウォールが珍しい。 -
9時42分、登頂開始。
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最初のうちはホールド(手がかりや足がかかりのこと)がしっかりしているので特に問題なし。
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振り返ってみた。
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途中から徐々に険しく。
とはいえ老若男女に大人気の槍ヶ岳。マークもルートの整備も過剰なまでにバッチリなので、高所恐怖症のわたしでもそれほど戸惑うことなく登っていけます。 -
また振り返ってみた。
ちょっぴり遠くなったかな? -
頂上直下の二連梯子。
岩に比べてしっかり持ちづらいこともあり、梯子は大の苦手…
でも東鎌尾根の三連梯子に比べれば…ねえ…… -
イチ、ニ、とん!イチ、ニ、とん!イチ、ニ、とん!
このリズムを口ずさみながら淡々と登ります。
“イチ”で右手、“二”で左手を、“とん”で右足または左足を交互に動かすわけです。 -
絶対に後ろを振り返らないようにして…
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10時ちょうど、槍ヶ岳山頂(3180m)に到着です!
やったぜ!!!
小さくガッツポーズが出ました。槍ヶ岳 自然・景勝地
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登ってきた梯子。
こえ~~~~ -
これが有名な祠。
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祠前には小道具や看板が置いてあるのですが、なぜよりによってこれを手にしてしまったのかいまだに謎です。
登頂の喜びで平常心を失っていたのでしょうか? -
明日歩く西側を臨む。
画面左下から伸びるのが西鎌尾根。尾根沿いを進んで画面中央付近で少し左に曲がったところにあるのが樅沢岳。その先のなだらかなピークが双六岳で、さらにその上にちょこんと飛び出しているのが黒部五郎岳です。黒部五郎岳の山頂から右側に雄大なカールが広がっているのが確認できます。
カールから稜線上を右に進むと画面右奥に巨大な薬師岳の姿が。
手前には鷲羽岳。その右隣り、画面右端が水晶岳です。
昨年9月の縦走時に歩いた山が多いので、苦手な山座同定も比較的楽。 -
東に目を向けると大天井岳から本日歩いてきた東鎌尾根が一望のもとに。
画面左の一番高い山が大天井岳。尾根沿いにずっと手前にたどってくると画面右奥の尖った山、常念岳の左下に位置するのが西岳。今日の出発地点です。
そこから画面右下に向かっているのが東鎌尾根になります。 -
槍ヶ岳山荘の向こうにそびえるとんがり頭は今年7月に登った笠ヶ岳。
その先遠くに見える山は白山です。 -
南に目を転じると、本日これから歩く予定の大喰岳、中岳、南岳からなる3000m超の稜線の奥に穂高連峰。
前穂山頂から続くゴジラの背(北尾根)の向こうには木曽駒ケ岳も見えています。 -
と、祠の向こう側から人の姿が!
北鎌尾根より勇者現る。 -
続いて二人目。
山頂にいた数名の登山者から自然と拍手が沸き上がりました。 -
お二人が登ってきた北鎌尾根。
大キレットにビビっているわたしには一生縁がないルートです。 -
勇者の力を分け与えてもらうべく、写メを撮っていただきました。
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山頂にはわたしを含めて三人だけ。
そろそろ下りましょう。 -
やっぱり下りも怖かった…
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下りの方がより緊張します。
合言葉は“慎重かつ大胆に” -
あと少し。
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10時26分、穂先から無事帰還しました。
移動時間は往復で35分ほど。
快晴無風かつ前後に人がいないという最高のコンディションだったのが勝因です。
なにより終始自分のペースで進めたのがよかった。
雨風に祟られたり、渋滞の中歩いたらもっと時間もかかるだろうし、怖さも倍増でしょう。
感謝、感謝です♪
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