アシアナ航空ビジネスクラス～中央アジア3ヶ国の湖巡り 2（ビッグアルマティ湖～アルマトイ～ドゥシャンベ）

2018/10/06 - 2018/10/06

仕事の繁忙期の関係で、秋旅行は毎年11月の祝日を絡めた日程で行っていましたが、今年のカレンダーだと10月の方が都合がいい。という訳で11月に行くには寒すぎる中央アジアに行くことにしました。
アシアナ航空ビジネスクラスでアルマトイIN/OUTの特典航空券（ANA63,000マイル＋諸税16,780円）を発券。復路の乗り継ぎ時間を長くしてソウル観光もしてきます。

とりあえずカザフスタンとキルギスに行くつもりだけど、可能ならタジキスタンにも行っておきたい。タジキスタンは思った以上に日本から遠い国のようで、JTBの海外航空券でもANAの特典航空券検索でも何故か行き先に出てこないんですよね。今回を逃したら今後行く機会がなかなか作れないかも。とはいえ国境が開放されていないので陸路では行けず、アルマトイから往復飛行機。ビシュケク～ドゥシャンベ間も週数便あるはずだけど、何故かいくら探しても出てこない。しかしドゥシャンベに1泊する為だけにわざわざ飛行機とビザを取るのもなあ。タジク最大の見所パミール高原に行けるだけの日数は無いし、そもそもオフシーズンだし。
3ヶ国の首都巡りをするだけならお金も手間も掛からないけど、見所が無いのでそれはしたくない。このエリアに行くなら無理してでも自然を見たい。タジキスタンは諦めてカザフスタンのアルトゥン・エメリ国立公園に日程を割こうか（が、現地発のグループツアーは日程合わず、専用車貸切は高額、しかも中継業者に問題ありで旅行会社となかなか連絡つかず断念）、それともキルギスのイシククル湖の周囲を数日かけて廻ろうか（が、湖の東と南の町が湖から意外と遠く、オフシーズンで見所が無さそう。見たい景色がある北の町だけで十分という結論に）…。
悩み続けていたある日、ドゥシャンベから日帰りできる所にイスカンダルクルという絶景の湖があることが分かりました。見所があるならわざわざ行く価値がある。早速飛行機とeビザを手配し、INDY GUIDEという旅行サイトでイスカンダルクルへの日帰り専用車を予約しました。タジキスタンに限らず中央アジアでは、郊外の観光地に行ける公共の交通機関というものが殆ど存在しないので、都市部以外を観光しようと思うとかなり高くつきます。
その後、アルマトイ近郊にビッグアルマティ湖というこれまた絶景の湖がある事を知り、この旅のテーマを3ヶ国の湖巡りにしよう！と思い立ちました。しかしアルマトイから近い割に専用車を予約していくと高いので、現地でタクシーなど手配出来たら行く事にしよう。もし駄目ならアルマトイの湖観光はサイラン湖（サイランバスターミナルの横にある湖）で済ませばいいや。よし！
そんな感じで検討しまくり、13回も旅程を組み直しました。普段の旅行の倍以上です。しかも現地で色々あってその予定の通りにいかなかったりしましたが、結果的に行きたい所には全部行けました。

10/05（金）成田～アルマトイ
10/06（土）アルマトイ～ビッグアルマティ湖～アルマトイ～ドゥシャンベ
10/07（日）日帰りイスカンダルクル～ドゥシャンベ
10/08（月）ドゥシャンベ～アルマトイ～ビシュケク
10/09（火）ビシュケク～チョルポン・アタ（イシククル）
10/10（水）チョルポン・アタ～ビシュケク
10/11（木）ビシュケク～アルマトイ
10/12（金）アルマトイ～ソウル（仁川）へ
10/13（土）ソウル（金浦）～羽田

サモンエア　アルマトイ～ドゥシャンベ往復…186.07EUR（24,395円）
タジキスタンeビザ…51.25USD（5,806円）
日帰りイスカンダルクル…158USD（約17,900円）

全泊分の宿を予約してから数か月後、チョルポン・アタのゲストハウスから「冬は営業してないのでキャンセルしました」と一方的な事後報告が届き、出発前日には日帰りイスカンダルクルを予約している旅行会社から「（日帰りツアーの出発点になる）あなたが泊まるドゥシャンベのホステルが閉業したので、別の宿を予約し直してください」と連絡が来ました。えーっ！！！

エリア アルマトイ(カザフスタン)

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 5万円 - 10万円
• 交通手段: 高速・路線バス タクシー 徒歩 飛行機
• 旅行の手配内容: 個別手配

あまりぐっすり寝た感じがなく、4時半頃に目が覚めてから寝付けずゴロゴロ。5時半頃トイレと歯磨きの為に部屋を出ると、フロントには髪ボサボサで物凄く眠そうな様子の昨日の女性スタッフがいました。鍵を借り外に出て戻ってから、女性になぜか繋がらないWi-Fiの設定を見て貰い、2人で長いこと格闘しましたが結局接続できず。
意外と夜明けが遅く、7時頃まで暗い。辺りは静かですが、時折遠くから飛行機のゴォーッという音がします。稀に窓がビリビリ震えるのは大型機かな。
8時半頃に支度して部屋を出ました。いつもと違って鍵も無いので、フロントのスタッフに「バイバイ」と言って出るだけ。

駐車場の向こうにある空港へ歩いていると、正面に巨大な山脈が見えてびっくり。ホステルの詳細に「マウンテンビュー」とあったのはこれか！
天山山脈の支脈であるイリ・アラタウ山脈で、あの向こうはキルギス。

空港の入り口前にバス停を発見。ここから出ているのは92番バスのみ。サヤハットバスターミナルを経て、地下鉄沿いにかなり遠くまで行く路線です。最終日に私が泊まるホテルがあるバイコヌール駅前も通ります。
他の番号のバスには、上の写真右端に写っている派手な料金所から真っ直ぐ300mくらい進んだ所にあるバス停から乗れます。

一般的なアルマトイのバス停には時刻表など無く、停まるバス番号すら満足に書いてありませんが、ここには一応書いてありますね。カザフ語が読めないので推測ですが、『5:30～22:38の運行、最終バスは21:50発（既に矛盾）、7～15分に1本』？

到着ロビーのATMでカザフスタンテンゲ（以下Tr）を下ろしたら高額紙幣が出てきたので、隣にあったチケット売り場で両替して貰いました。空港内に何か所かチケット売り場（左端の窓口）があったけど、航空券を売ってるの？？
両替して貰っても結構大きい額の札なので、1000Tr札が使える手前の自販機で飲み物を買いました。ミルキーチョコレート（180Tr≒54円）は程良い甘さのまろやかなココア。美味しい！激安なのに高級感ある味わいのチョコレート。

1Fの到着ロビーには庶民的な売店等も色々あります。自販機も含め、空港とは思えない安さ。
両替所に寄りウズベクスムをテンゲに両替。両替所は到着ロビーに2か所ありますが、1か所はメジャーな通貨しか扱っておらず断られてしまいました。もう1か所ではボロい100スム札（超少額紙幣）をじっくり確認した後に、ブラックライトのような機械でスキャンしてから両替してくれました。この機械は今旅あちこちで見ました。
私がウズベキスタンに行った8年前よりもスムの価値が下がっているようで、当時のレートでは400円分くらいだったのに70円くらいにしかなりませんでした。

エスカレーターを上がって出発ロビーへ行くと、お店のお洒落度と価格帯がグッと上がります。

私が乗るのは11:05発のドゥシャンベ行きサモンエア。フライトスケジュールを見るとディレイだって…。まあ時間はあるから、飛びさえしてくれればいいけど。

ところでいつチェックイン出来るんだろう。チェックインカウンターがあるエリアの入口にいるスタッフにeチケットを見せて尋ねると、「ミッドナイト」という予想外の単語が飛び出してきました。はいぃ？！！慌ててフライトスケジュールをよく見ると、予定時刻の横に実際のフライト時刻が書かれていました。00:30？！！ そんな遅れ方ある？！！ 13時間のディレイ！

おいおいおいおいおいおいおい…やっばい、どうしよう。今日は午後からドゥシャンベ市内を観光するつもりだったのに。明日は朝からイスカンダルクル日帰りツアーだし、明後日は早朝にアルマトイに戻ってくるからドゥシャンベ観光出来ないじゃん。
もっと早い時間に他の航空会社のドゥシャンベ行きがあればと思ったけど、無い。陸路移動は国境が開放されてないから無理だし、あったとしても遠すぎて絶対13時間以上かかる。駄目だ…待つしかない。

これだけ時間があったらアルマトイ観光に出掛けるべきだけど、市内は空港から遠いからあんまり行きたくないんだよな。それに見所がそんなにないから、今日色々済ませたら最終日にやること無くなっちゃいそう。
インフォメーションでWi-Fiを接続して貰い、ネットを使って暫し現実逃避。

この有り余る時間を、昨日死ぬほど焦りながら空港へ向かっていた私に２時間くらい分けてやりたい。5時間くらいは今夜の睡眠時間に回したい。明日の朝早いんだよ。それでも6時間も余るんですけど。時間って本当理不尽だよなあ。

とりあえず到着ロビーのカフェテリアで朝食を摂ろう。

旧ソ連圏でよく見るセルフサービスのお店でした。カウンターで好きな料理を選ぶとスタッフが皿に取り分けて電子レンジで温めてくれ、レジで会計します。これで1,120Tr（347円）、カード払い可。
ご飯を頼んだらてんこ盛りで来てしまった！おかずちょっとしか頼んでないから味が無くて食べきれない…と思ったら、ケチャップとマヨネーズと辛いソースを添えてくれて助かる。
メインは挽肉のケバブにパイ生地を巻いたような料理で、薄切りのナスも挟まっています。塩胡椒のシンプルな味付けの羊肉。ジュースはこれまた旧ソ連圏でお馴染み、コップに注がれた状態で陳列されていました。ショーケースから取り出した時点で違和感があったけど、飲む時になってその理由が分かり衝撃！ドロドロしてる！ゼリーではなく糊のようで、表面にドロンとした厚い膜まで張ってる。なにこれー？！味は普通にベリー系のジュース。

カフェテリアの手前にある預かり所（上の写真左端の黄色い看板）で荷物を預けました。1,000Tr（約300円）。言葉がお互い全く通じないので身振り手振りでやり取り。棚に番号が振ってあり、好きな所に置くとその番号が書かれた引き換え札を発行してくれます。24時までの営業らしい。

天気が凄く良いので、ビッグアルマティ湖にでも行こうかなあ。最終日に行けたら行こうかと思ってたけど、その日が晴れるとも限らないし。

到着ロビーのツーリストインフォメーションで行き方を尋ねてみる。ビッグアルマティ湖は地球の歩き方では全く紹介されていないし、地元の人に知られた存在なのかすら分からなかったので、あっさり伝わってホッとしました。若い女性スタッフが書き込みながら説明してくれた観光案内地図の端の方に、湖が小さく描かれています。
タクシーで空港から往復15,000Tr（約4,500円）＋入域料650Tr。湖までは片道1時間、観光の所要時間は1時間もあれば十分だそうなので、3時間くらいあれば空港まで戻って来れるそうですが、それだと時間が有り余るんだよなあ。時間を潰すべく帰りはコクトべ行きのロープウェイ乗り場で降ろして貰い、空港へは自力でバスで戻ってくることにしました。女性スタッフはコクトべから92番バス乗り場があるサヤハットバスターミナルへの行き方も丁寧に教えてくれ、バスの運転手が英語を話せない世代（若い人は話せる人が多いらしい）だった場合に備えて、運転手に見せるメモまで用意してくれました。
さらに彼女自身がちょうど先月行ったというビッグアルマティ湖の写真と映像（自分で編集したBGM付き！）をスマホで見せてくれました。呼び出したタクシー運転手が到着するのを待つ間にATMに行くと声を掛けたら後ろから呼び止められ、「取引が終わってカードが出てきたら、すぐに抜き取らないとまた機械に吸い込まれてしまうから気をつけて！」と注意喚起してくれました。めちゃくちゃ親切！

ツーリストインフォメーションで手配してくれたタクシーの到着を待ち、12時頃に空港を出発しました。

ガソリンスタンドで給油してからアルマトイ市内を通り、空港から直線距離で30kmほど南にあるビッグアルマティ湖へ。
市内に入る辺りで見えたアルマトイセントラルモスク。キラッキラで立派！カザフスタン最大のモスクだそう。

今旅は全般的にウルトラライトダウンを着て丁度良く、たまに暑くなって脱ぐくらいの気温でした。アルマトイは今回廻った町の中で一番北にあり、標高が750～900mと高めですが一番暖かかったです。
幹線道路沿いの建物はどれも大きくて奇抜なデザインをしていました。青空に映えて凄く綺麗。奇抜な建物といえばアスタナだけど、アルマトイも凄いな！都会です。

運転手は全く英語が話せませんが、音声認識の翻訳アプリで英訳しながらガイドをしてくれました。ベシュバルマックという料理を強くお勧めしてくれたので、「フクースナ（美味しい）？」と言ったら「ロシア語が話せるのか！」と驚かれる。漫画の影響で最近覚えた単語です、月島軍曹ありがとう。
ここ暫く数年に一度はロシア語圏に行っているので、ロシア語の単語を結構覚えました。もしかすると英語の次に分かる言語かもしれない。アエロポールト（空港）、ヴァグザール（駅）、ポーチタ（郵便局）、マールキィ（切手、単数形はマールカ）、アトクルイートカ（ポストカード）、スコーリカ・ストーイト（いくらですか）、スパシーバ（ありがとう）、ズドラーストビーチェ（こんにちは）…知ってる単語を次々上げたら、運転手に大変うけました。

初代大統領の記念公園だそう。

車窓からはスキーのジャンプ台（ノーマルヒルとラージヒル）や、現大統領の家の敷地を囲む、延々と続く塀が見えました。

アルマトイは南の山脈に向かって延々と上り坂になっています。郊外の道を暫く進むとあちこちに鷹関連の施設（？）がありました。

行く手に料金所があり、ビッグアルマティ湖を含む広大なイル・アラタウ国立公園内へ。「ゴミは持ち帰りましょう」的なチラシも配っていました。
道沿いには所々ユルタがあり、あちこちでバーベキューやピクニックを楽しむ市民の姿が。

東京より1か月くらい季節が進んでいるような感覚で、紅葉がとても綺麗です。

山道をグイグイ上がると、明らかに気温が下がっていくのが分かります。

ビッグアルマティ湖は地図上の距離だけを見るとアルマトイ市内から自転車で行けそうに思えますが、高低差が1000m以上あると知って速攻諦めました。

ビッグアルマティ湖はアルマトイ市の水瓶。延々と水道管が延びています。

空港から湖まで1時間20分程。市内からここまでずーっと、渋滞という程ではないけど車の列がありました。
湖を見下ろせるスポットへ一旦は向かったタクシーがUターンして、湖面と同じくらいの位置で降ろされました。ここから歩いて行って来なさいって、道かこれ？って感じですが全く気にせず、岩を越え草むらを越えて湖へ。

堤防を越えると湖が見えました！

写真で見て知っていたけど、実際見ても不思議な水の色。どうしてこうなるんだろう、石灰成分？

私が歩いてきた方向から、水が勢いよく流れ込んでいました。

雪山がこんなに近い。ビッグアルマティ湖の標高は2511mもあり、周囲を囲むのは4000m級の山々。

ビッグアルマティ湖の水は飲料水になるので、衛生のため湖畔に近付けないとどこかで読んだような気がしますが、遊歩道があって観光客で賑わっていました。
遠くで笛の音がしたので振り返ると、警察官？警備員？
湖の水に触れるのは禁止されています。

景色が全然映らない不思議な水面。

運転手とどうやって合流するかとか一切考えず、遊歩道をどんどん進みました。今は何も考えず景色を楽しみたい。

オフシーズンかと思ったけど、こんな素晴らしいコントラストが拝めるんだからこの時期に来て大正解でした。気候も申し分なし。

太陽の位置も丁度良く、天気も最高。最悪の１日になりそうだったのを最高の１日に出来てとても嬉しい。

高台に上れそうな道が現れたので、迷わず登りました。

上から見るとますます信じられないくらい単色のビッグアルマティ湖。

ハーハー言いながら汗だくになりましたが、気候が爽やかなのでちょっと休むとすぐに乾いて不快感無し。

石ゴロンゴロンの信じられない急坂を上っていくと、上の方にガードレールが見えました。車道に出られる！

上りならともかく、この坂を下ってくる人がいるのが信じられない。危ないよ。

「ビッグ」と名付けられているものの、初めて存在を知って地図アプリで探した時には、周囲の他の湖と比べてあまりに小さいのでなかなか見つけられませんでした。中央アジアの広域地図を見ると分かりますが、アルマトイ近郊にはイシククル湖（直線距離だと凄く近いんです）を始め巨大な湖がいくらでもあります。
ビッグアルマティ湖の大きさは1.6km×1km、深さは30～40m。実際のサイズではなく大都市アルマトイを支える水瓶としての重要性から、この名前が付けられているのかなあと思いました。

やっとのことで上りきり、ガードレールに はしっ としがみ付く。本当落ちるから！

延々と切れ目のないガードレールなので、下をくぐって車道に出ました。はあ、助かった。

上って来た道（？）を見下ろす。ありえない角度だ。

一周繋がっているかは分からないけど、対岸にも遊歩道が見えます。

湖を右手に見下ろしながら車道を下りました。

車道は路駐する車で一杯な上に凄い渋滞。動けない車の間を縫うようにして歩きます。上まで行かなかった、私が乗って来たタクシーの運転手の判断は正しい。

その中で何この車、結婚式？

左が車を降りて最初に乗り越えた堤防の辺り。ビッグアルマティ湖の水は8月が一番多く、2月が一番少ないそうで、水深が20mも変わるらしい。

意外と大回りで湖から離れていく車道。

つづら折りの山道を折り返し、今歩いてきた道を見上げると車がびっしり。

坂の下で誰か待ってると思ったら、運転手さんでした。よくこっちから来るって分かりましたね！（笑）

中央の黒いフォルクスワーゲンがそのタクシー。普通の車に見えますがツーリストインフォメーションの女性スタッフ曰く公認タクシーだそうで、サイドに黄色と黒の格子柄が入っています。

湖滞在はちょうど1時間くらい。行きも帰りもタクシーの窓を開けていましたが、夕方になりつつあるのか行きより寒い気がする。15時前だけど。
でも絶景なので窓を閉めたくない。山の上から砕石が転がり落ちて溜まっているような、不思議な山。

往きは撮り損ねた、イル・アラタウ国立公園の料金所。

メルヘンチックなロシア教会！めっちゃ可愛い。

市内に戻ってくると明らかに暖かくてホッとしました。

訳が分からないくらい豪華な幹線道路沿いの建物。

ビルの青が綺麗！

16時前にコクトベ行きのロープウェイ乗り場に到着。料金と入域料（650Trじゃなくて500Tr≒150円だった）を支払いタクシーを降りました。

アルマトイ名物のリンゴがぎゅうぎゅうに詰められている車。記念撮影スポットのようです。

目の前は共和国宮殿（右）がある広場。正面のビルはカザフスタンホテル。

ここで降ろして貰ったものの、コクトベに行くかどうか実はまだ迷っています。アルマトイ観光をし尽くしちゃうのも微妙だし、高台から見るアルマトイに興味があるかというのも微妙。コクトベってそもそも何があるんだろう？
ロープウェイ乗り場は混んでいたので、とりあえずチケットを買わずに外へ。お腹空いたしトイレに行きたい。建物内にはチケット売り場と乗り場しかありません。MAPS.MEで確認したら、なんとこのすぐ近くにカガナトの支店があるようだ。行きたいと思っていたセルフサービスの食堂。

人気のチェーン店のようで、アルマトイ市内のあちこちで見かけました。
半地下で外から店内の様子が見えないけど、勇気を出して入店。

明るいカフェのような広い店内。トイレに寄ってから料理の並ぶカウンターへ。空港のカフェテリアもそうだけど、仕組み的には丸亀製麵のような感じです。お盆を持ってカウンターに並び、店員さんに注文したり自分で料理を取ったりしながらお盆をスライドさせて進み、レジへ行き会計。
指差しと店員さんの言うがまま（「チャイ？」「はい」）で料理を選びました。プロフと肉団子をそれぞれ頼んだら、プロフの上に肉団子を盛って汁を掛け、電子レンジで温めてくれました。全部で910Tr（282円）、カード可。安っ！！

プロフうま！肉団子の汁が掛かっている部分がますます美味しい。プロフの肉は羊だと思うけど全く癖が無く、パサつき気味の表面なのにジューシーで美味しい。肉団子には癖がありましたが、1口で慣れました。米とか野菜が混ぜ込まれている特大の肉団子、真ん丸すぎてナイフで切るのに手こずる。
ピロシキのようなパンとクッキーは食べきれず、お持ち帰り。
チャイはミルクティーだけど砂糖が無い。バッグに忍ばせていたアシアナ航空の角砂糖が役に立ちました。ここではミルク入りの紅茶だったけど、今回廻ったエリアでは緑茶や中国茶のようなストレートティーが定番のように感じました。

満足してロープウェイ乗り場へ。やっぱりコクトベに行っておこう。そうでもしないと今日の時間を潰し切れないし、他の日に行きたくなっても天気が良くないかもしれないし。ロープウェイのチケットは往復2,000Tr（624円）、カード可。片道1,000Trなので、往復にしても割引とかは無し。チケットのバーコードを改札に当てて乗り場に入ります。
乗り場は混んでいましたがさくさく進みました。1籠に6人くらい、全員座って乗り込みます。乗り込む際もゆっくり動いていて、一定の位置まで来ると扉が閉まります。直線に入ったら一瞬だけ急加速してスタートする感じ。外から見ているとちょっとジェットコースターみたいな急加速ですが、乗っているとそれ程でもありません。

丘の上に観覧車が見えました。

住宅街や幹線道路の上をスイスイと進んでいきます。意外と遠くて乗車時間が長く、籠の中は暑い。

上のロープウェイ乗り場を出ると、目の前が観覧車でした。観光列車も走っています。左の建物は逆さまになっている。コクトベって遊園地なのかな。

民族衣装を着て、腕に鷹をとまらせて記念撮影。

コクトベの地図。うわ、思った以上にめっちゃ広い。ロープウェイ乗り場は左端。

地図でいうと上の方の道を右へ進むと土産物屋が並ぶ通りがあり、その先にテレビ塔が見えました。

道沿いに色々なアトラクションがあります。恐ろしげなお化け屋敷。

ロッククライミング向かいのベンチに座って休んでいたら、子供が挑戦を始めました。てっぺんまでは行けなかったものの、この画面から見切れるくらいの所までは登っていて凄い。頂上には鐘があって、辿り着いたら鳴らすらしい。ゴールしたら景品でも出るのかな。
右は命綱を確保しているスタッフ。勿論彼が全体重を支えるのではなく、支点の所に登山で使うような固定器具があります。

コクトベには家族連れが楽しめるようなものが何でもあって、行楽客で賑わっていました。

突き当たりには何やらテントがありました。営業してないみたいだけど、レストラン？

さっきの地図でいうと下の道を通って戻ります。こっちは西日が凄いからあまり気が進まないんだけど。この方向がアルマトイ市内で、午後は逆光です。

コクトベは普通に遊園地でした。なんでこんな所に1人で来てしまったんだろう。
ありとあらゆる娯楽施設があるけど私が楽しめるものは無く、ベンチでスマホに保存した小説を読んで時間を潰したりしました。旅先でこんなに時間を持て余すのは久しぶりのような気がする。

コクトベを訪れた著名人の写真が展示されていました。

なーんか見たことがあるような気がするけど、気のせい？

…ってマジでスティーブン・セガールじゃん！ 下のキリル文字！

遊園地でもあり動物園でもあるようで、鳥や鹿が展示されていました。
エサを買って与えることも出来ます。

ミラーハウスらしきものも。

何故かビートルズの記念碑があり、音楽が流れていました。

のんびり1時間以上かけて1周してきました。ロープウェイ乗り場の近くの展望台。

日が暮れてくると、アラタウ山脈が昼間よりもくっきりと見えました。

18時半近くになって漸く日没。夜明けが遅いわりに日が長い。

意外と緑豊かなアルマトイ市街地。これはモスク？

日が落ちると寒くなって来ました。ロープウェイ乗り場の隣にあるカフェへ。

テラスではなく店内の席に座りたいけど、温かい物を飲む程ではない気温。ストロベリーシェイク（500Tr≒150円）を頼んだらぬるい。味は美味しい。

昨夜アルマトイに到着する飛行機の中でも思いましたが、アルマトイの夜景は光量が少なめ。特に目立つライトアップの建物も見当たりません。

観覧車がライトアップされていました。

日没前から断続的に行列が出来ていたロープウェイ乗り場に並び、19時過ぎに下へ戻りました。

共和国宮殿前の噴水のライトアップが綺麗。

下のロープウェイ乗り場は不思議なライトアップ。ロープウェイの籠自体も同じような枠だけのライトアップで、暗かったです。

ドスティク大通りを真っ直ぐ北上してサヤハットバスターミナルへ。南側へ行くほど標高が高くなっているアルマトイ、本当にどこまで行っても緩やかな下り坂でした。
道はボコボコで暗く、ちょっと怖い。カザフスタンは中央アジアの中では先進国だと聞いていた気がするけど、この時はあまりそう思えませんでした。

アルマトイ最大の見所と言っても過言ではない、28人のパンフィロフ戦士公園を突っ切りましたが、公園の敷地内は立ち入るのを躊躇するくらい真っ暗でした。ゼンコフ正教教会はどこだ？それらしき灯りが見当たらないのでMAPS.MEを頼りに探すとあった、けど真っ暗！ライトアップされてないんかい！アルマトイいちっていうか唯一といっても過言じゃない外国人旅行者向けの観光スポットが！
あまりの衝撃に、ライトアップすんのかと思ったらせんのかいすんのかと思ったらせんのかいと、吉本新喜劇のネタが脳内を延々リピートしました。アルマトイは夜景を楽しむ街ではないんだな。

最初に見た面からみて教会の裏手に廻ると街灯のある広場があり、子供用のレンタカーがあってベンチで寛ぐ市民の姿がありました。

時間潰しになって丁度いいと思って歩き始めたけど、サヤハットバスターミナル遠い！ロープウェイ乗り場から歩くこと1時間、脇道にあるサヤハットバスターミナルに気付かず、1つ先のバス停を発見してそこから92番バスに乗車しました。
今更ですが92番バスはもっと南から走っているので、サヤハットバスターミナルまで行く必要はありませんでした。ツーリストインフォメーションのお姉さんはきっと分かりやすさ重視で教えてくれたんでしょう。

バスに乗車すると、周りの乗客は皆機械にカードをタッチしています。ハイテクだ！運賃は運転手に直接払えばいいと思っていましたが、バス停での停車時間が短く払いに行く人も居ないので行きづらい。
これタダ乗り出来ちゃうんじゃないのと思いましたが、あったこと全部を旅行記に書く主義なので悪いことはしたくない。空港に着いてから「I'm sorry」と運転手に運賃（150Tr≒45円）を払うと、意外に若かった運転手はちょっとびっくりした後にニコッと笑ってサンキューとお釣りをくれました。すっきり！

21時頃空港に到着。暫くはネットが使えましたが、到着が遅れる旨を通知していた今日泊まるホステルからの返信を開こうとしたら繋がらなくなりました。今朝Wi-Fiを繋げてもらった出発ロビーのインフォメーションに行くと、「No」の一言。はあー？！今朝と違うスタッフだけど出来ないのかよ。到着ロビーのインフォメーションも「No」、ツーリストインフォメーションのスタッフ（今朝と違う人）はもう少し丁寧で、カザフスタンの電話番号を入力しないと繋がらない旨を教えてくれました。試しに昨夜泊まったホステルエアポートの電話番号を入れてみたけど、パスワードを求められアウト。あ～あ。今朝のインフォメーションの人は特別に繋げてくれたんだろうな。
眠くてフラフラしてきました。これで明日の朝8時にはイスカンダルクル日帰りツアーが始まるんだぜ？ 今日湖を見て大満足したのに明日も湖を見るのか。

預けていた荷物を引き取りに行き、到着ロビーの自販機でペットボトルのミックスベリーティー（150Tr≒45円）を買って、カガナトのパンとクッキーを食べました。餃子のような形のパンは柔らかいクッキーのような生地で、中身は摩り下ろしたように細かいニンジンと玉ねぎ。クッキーは細かいドライフルーツとナッツが練り込まれていて美味しかったです。

サモンエアが遅れているのは、そもそもドゥシャンベからアルマトイへ向かう便が遅れているからのようだ。その便は23時台に着くらしい。その便がさらに遅れたらこれから私が乗るドゥシャンベ行きも遅れる訳で、フライトスケジュールを見ながらヒヤヒヤしました。ちなみにそのドゥシャンベ→アルマトイは私が明後日乗る便で、本来は朝9時台アルマトイ着。明後日もディレイするんじゃないだろうな。
私が乗る便のチェックインカウンターが遂にオープンした時は嬉しかったけど、サモンエアのスタッフは反省の色がゼロ。チェックインがなかなか始まらない上に、先頭に並んでいたら車いすの婆さんを連れた若い女に無言で横入りされる。おい、一声かけろや。それとは別に私を挟んで会話する家族が居るわ、大家族の代表者だけが並んで横入りされまくるわでイライラ。チケットとパスポートを投げ返すんじゃねえサモンエアのスタッフ。乗客に外国人旅行者はほぼ居ない様子、というか家族連ればかりで1人でいる人がいない。
こんな虫の居所の悪い状態でタジキスタンに行くの嫌だ、国の印象が悪くなってしまう。

そういえば、今日のタクシー運転手さんが「サモンエアは時々遅れる」と言っていました。時々遅れてもいいけど、13時間も遅れるんじゃねーよ。しかも復路のことを考えると、「時々」と言えるほど低頻度なのかも怪しい。
眠すぎる。こんな判断力低下した状態で治安微妙なドゥシャンベの深夜移動、不安。

アルマトイ空港は小さく、ゲートも4つくらいしかありませんでした。出発ロビーも纏めて1フロアで、ビジネスラウンジの入口もそこにありました。
00:30発のドゥシャンベ行きは本日最終便。23:50搭乗開始のはずが、何のアナウンスも無く普通に遅れる。

3-3の機内、私は窓際で隣2席は空いてる。離陸前から、通路を挟んで反対側の席の赤ちゃんが尋常じゃない泣き方をしている。何十分間も力の限り泣いていて、体力に驚かされる。この区間は昼間なら絶景だろうから窓際に座りたかったけど、夜なら意味なし。前の席のおっさんの頭が臭いので真ん中の席に移る。
音楽を聴きながら、離陸前から眠る。熟睡していましたが、機内食とその後コーヒーが配られる時だけハッと目が覚めました。匂いも無いのに自分の嗅覚（言葉の綾の方）に驚く。周りの席の人は機内食を貰ってないみたいだけど、どうしてだろう。こんな時間だから断ったのか、それとも機内食無しの安いチケットがあるのか。私も食欲は無いのでそのままバッグへ。

それからは着陸の振動で目覚めるまでぐっすり。短時間でもよく寝たお陰か、だいぶ元気になりました。

1:30頃ドゥシャンベ空港に到着。カザフスタンとタジキスタンの間には1時間の時差があるので、少し時間が戻ってラッキー。
着陸してから地球の歩き方を見て、入国カードが必要なことを知る。機内では配られなかったね、まあサモンエアだしな。イミグレの部屋にあった用紙を取って書きながら列に並び、最後の数文字を書き終わらないうちに私の番が来たのでそのままパスポートとeビザと一緒に提出。何か言われたら書こうとペンを構えていましたが、何も言われませんでした。2回同じ内容を書いたものを半分に切り、片方を返してくる（出国時に必要になる）形式なので、片方の欄が全て埋まってるからいいやって感じだったのかも。
タジキスタンeビザは51.25USD（1.25USDは手数料）もするのに、スタンプのみでシールは無く残念。私の今のパスポートは2020年末で切れますが、それまでにページを全て埋め尽くしたいと思っているのです。まだ見開き6ページ残ってる。
それはそれとしてタジクも数年後にはビザ不要になるんじゃないかな、カザフスタンとウズベキスタンもビザ不要になったし。イミグレでは特に質問もなく、パスポートとeビザにスタンプを押して返してくれました。

セキュリティチェックを経て到着ロビーに出ると、タクシーの運転手が盛んに声を掛けてきました。とりあえず無視して到着ロビーを見渡すも、両替所が見当たらない。時間が時間だから営業してないのかも。
タクシーの運転手に運賃を尋ねると「15」だそう。咄嗟に15USDと思い断ってしまいましたが、15ソモニ…200円弱だったりする？ いずれにしろソモニを持っていないので、空港から2km程の宿まで歩きます。

空港からすぐの所に、24時間営業のスーパーを発見。外にATMがあるので操作してみましたが、1台はモニターが壊れているのか砂嵐状態、もう1台はホーム画面から動かない。
あ～水を買いたい…タジキスタンって上下水道の不備で腸チフスが流行することがあるらしいから、水をゲットしないと歯磨きできないんだよな。店内を覗き込んだらレジの女性と目が合ったので入店し、レジのクレジットカードリーダーを指差してカード払い出来るか尋ねると、なんと出来ないそう。なんで！あるのに！
ダメ元でドル払い出来ないか身振り手振りで尋ねると、責任者らしき男性が出てきてOKしてくれました。よかった！ 1ドル渡して7ソモニのお釣りをくれました。水は2ソモニ（約24円）くらいのようです。

そのまま空港前の大通りを北へ真っ直ぐ。概ね歩道があるけど、あまりに暗い所では車道の端を歩きました。通り沿いにはずーっとマロニエの並木があり、点々と実が落ちていました。
夜中の2時近いので歩行者はほぼいませんが、たまにタクシーに声を掛けられます。驚いたことに、道を掃く清掃職員の女性をポツンポツンと2人見かけました。夜中の2時に！国策なんだろうか。こんな時間に女性が1人で外にいられるくらいだから、そんなに治安は悪くないのかな…とちょっと安心。

正面の高架は線路。行ってないけど、左手にドゥシャンベ駅があります。

アイニ通りとの交差点に来ると、急に煌びやかな街並み。人気は少ないけど、そぞろ歩きしてる風の観光客夫婦がいたりしてここだけ別世界。

だってそこから真っ直ぐほんの2分も進むとこれですよ。アスファルトが剥がされて地面が掘り返されてる！
翌日もこの道を歩きましたが、左側に並ぶ店舗は普通に営業していました。ここは商店街のようです。

大通りから、予約している宿がある路地に一歩入るとこの光景。ちょっと！いくらなんでも怖いって！街灯が少なく、ほぼ闇。

帰国してから色んな人に「危ない目に遭わなかった？」と訊かれその度に否定してきましたが、地面に穴が開いてるのと闇なのは物理的に危ないですね。とはいえあくまで別々に存在していて、闇+穴のコンボじゃなくて良かったです。

周りの様子が全く分からず、こんな所にホステルがあるのか不安になりましたが、灯りの付いた看板を無事発見。空港からここまでは30分弱。
チャイムを押すと、暫くして鍵がガチャリと開きました。扉を開けると狭い中庭で、何棟かの建物が建っています。手前の建物の外階段を上がったら、それとは別の奥の建物からスタッフが出迎えてくれました。

グリーンハウスホステル、元々予約していたイエティホステルが閉鎖したと連絡があってから慌ててBooking.comで手配しました。バストイレ付きの個室2泊、朝食付きで330ソモニ（4,055円）。ドゥシャンベでは有名なホステルのようです。
「プライベートルームね」と確認しながらスタッフが案内してくれた部屋に入ってびっくり、ドミトリーのシングルユース！ベッド5つの6人部屋！ 6人部屋のシングルユースって、奇しくも昨日と同じ状況じゃん。やっぱりオフシーズンで部屋余ってるのかな。

早速シャワー＆洗濯！ここが今旅唯一の連泊です。私は常日頃から朝風呂派（というか朝夕2回、頭は朝洗う）ですが、今旅はなんとなく夜風呂にしていました。朝の支度がすぐ済むのが良い感じで。気候が合うのか、日本にいる時より髪がサラサラ纏まりやすい。
ドライヤーのコンセントを求めて二段ベッドの上に上がったら、マットレスの反発が強くて揺れるわ意外と高いわで怖っ！ドミトリーって他の人が起こす振動で安眠出来なさそうで、なかなか利用する気になれません。断続的に揺れる夜行列車なら平気なんだけどな。

部屋の鍵とスーパーで買った水と、つい拾ってきたマロニエの実。この大きさと手触りが大好きで、思わず握りたくなるんですよね～。

Wi-Fiがあっさり繋がったのでネットを使いたいけどもう3時半、寝ないと。明日っていうか今日は7時起きだから。