2018/01/03 - 2018/01/04
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RAINDANCEさん
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イタリア南部、バジリカータ州マテーラ県の北東部に位置する市で、県都でもあるマテーラを訪れました。旧市街は岩をくりぬいた「サッシ」と呼ばれる洞窟住居があることで知られ、それらは「マテーラの洞窟住居」として世界遺産に登録されています。
★世界遺産地区の洞窟住居のアパートメントホテルに泊まり、旧市街を中心に街歩き。
★市街の洞窟風レストランで、コスパに優れたこの地方特産のワインやパスタなどをいただく。
[いただいた郷土料理/ご当地グルメ]
◎フォカッチャ
◎プーリアワイン(ネグロアマーロ)
◎パスタ(オレキエッテ)
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- ホテル
- 4.5
- グルメ
- 4.0
- 同行者
- カップル・夫婦
- 一人あたり費用
- 10万円 - 15万円
- 交通手段
- レンタカー 徒歩 飛行機
- 航空会社
- ルフトハンザドイツ航空 ANA
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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南イタリアをレンタカーで巡る旅、アルベロベッロから西へ約70kmのマテーラへ向かいます。ちょうど良いハイウエイが無いので、一般道を中心に進みます。
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所要時間は1時間半くらいでしょうか。
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マテーラの町が近づいてきました。
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…が、いきなり町に行くのではなく、マテーラ市街の東側のグラヴィナ渓谷を挟んだところにある「ムルジア・ティモーネ展望台(Belvedere di Murgia Timone)」へ立ち寄ります。
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この展望台からは、マテーラ旧市街の洞窟住居のパノラマを見ることができます。
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イチオシ
こちら側がチヴィタ地区。大聖堂が見えます。
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この辺りが、サッソ・カヴェオーソ地区。この日は、この地区の洞窟住居アパートメントホテルに泊まります。
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この地区には、たくさんの洞窟住居が見えます。
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こんな感じでいたるところに穴が…まるで何かの巣の様です。(まぁ、人間の巣なわけですが…)
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そして、あっちの方が新市街。
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マテーラを訪れるのであれば、この展望台は訪れるべき場所のひとつです。
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そしてここは、単なる展望台にとどまらず、この場所自体にも洞窟文化の名残が多く残っています。
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例えば、この崖の下。
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「聖アグネーゼ教会」。11世紀頃のものとされる洞窟教会。
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中には入れませんが、柵越しに内部をパチリ。中に入りたい方は、ガイドツアーがあるようです。
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教会の真上には、雨水をためて水槽に導くインフラが。かつては、こちら側にも谷の対面と同じく人々が暮らしていた様子がうかがえます。
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さて、ムルジア・ティモーネ展望台を後にして市街へ向かいますが、その途上にも何やら遺産が。
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「聖ファルシオーネ教会」。
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ほとんど廃墟です。
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…というわけで、ようやくマテーラの市街へやってきました。ZTLに入り込まない様、中心部から少し外れのご覧の駐車場(ホテルのオーナーとの待ち合わせ場所でもある)に車を置いて、町の観光へ出発です。
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効率的に周るため、まずは駐車場の近場から。
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丘の上の公園「Parco del Castello」、日本語的にいうと、”城址公園”でしょうか。
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この丘のてっぺんに鎮座するのが「トラモンターノ城」です。16世紀にこの地域を支配していたアランゴーナ家からこの土地を買い取った、トラマンターノ伯爵の城だそうです。
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城は築城途中で放棄されています。トラマンターノ伯爵が、重税に怒った住民たちに殺されてしまったかららしい。
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公園からは新市街が見渡せます。
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次は、旧市街へ入っていきましょう。適当に旧市街に入ってみたところがジョヴァンニ・パスコリ広場。
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広場に面して建つのが「ランフランキ邸」。17世紀にマテーラの大司教であったランフランキにより建てられた神学校だそうです。広場の名前にもなっている、イタリアの詩人ジョヴァンニ・パスコリもここで教鞭を取ったとのこと。
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ドメニコ・リードラ通り沿いに歩くと、17世紀の「聖キアラ教会」と「ドメニコ・リードラ国立考古学博物館」があります。元は大司教が17世紀に建てた病院でしたが、修道院として使われた後、20世紀になって医師のドメニコ・リードラ氏が自身の考古学コレクションを収める博物館となったそうです。
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通り沿いの「プルガトリオ教会」、こちらもバロック様式。18世紀のもの。
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サン・フランチェスコ広場に出ました。
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そこに面して建つのが「サン・フランチェスコ・ダッシジ教会」、17世紀のバロック様式。
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セディーレ広場。
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正面に建つのが16世紀に建てられた町役場、「パラッツォ・デル・セディーレ」 。
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ここまでがピアーノ地区、この先からチヴィタ地区に入っていきます。
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いかにも旧市街的なイイ感じになってきました。大聖堂の鐘楼が見えます。
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「マテーラ大聖堂」、13世紀のプーリア風ロマネスク様式です。
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大聖堂の前の高台広場から見渡せるのが…
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…サッソ・バリサーノ地区のパノラマです。今居るチヴィタ地区がサッシ発祥の地で、北側に広がるのがこのバリサーノ地区。
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マテーラらしい風景が広がります。16世紀にナポリ王国支配のもと繁栄を極めたこの町も、人口急増から貧富の差を生み、金持ちは高台に住み貧しい人々は岩窟に住む様になったとのこと。
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こちらの地区は比較的岩窟住居が少なそうです。
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小作農民の住居だったサッシは、20世の人口増加による劣悪な洞窟住居環境から、貧困で不衛生な住居群として行政当局により強制移住させられ廃墟となったとのこと。
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しかし1993年、洞窟住居群の文化的価値が認められ、世界遺産へ登録されたことで町は息を吹き返しました。そして、今やこのような寛ぎスペースが設けられるほどになったようですね。
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サッソ・バリサーノの眺望を楽しんだところで、大聖堂に入ってみましょう。
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かつては外観と同じロマネスク様式だった内部は、改修を重ねバロック様式に様変わりしたそうです。天井には、19世紀の絵画がはめ込まれています。
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大理石の主祭壇、中央の絵は16世紀のもの。
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一時は無人の廃墟となった町の聖堂とは思えないほど煌びやかで美しい大聖堂でした。
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大聖堂の見学を終えたところでカフェタイム。すぐ傍にあったカフェ「ドゥオーモ・カフェ(Duomo Cafe)」にて。
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エレガントな店内。
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冬とはいえ、快晴の暖かい日中に街歩きをしていると汗ばんで喉も渇きます。ここは冷たいビールで。
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ついでに、小腹がすいたのでパニーノ。焼きたてで美味かったです。
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せっかくなので、チヴィタ地区のもうちょっと北の端の方まで行ってみます。
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険しい崖になっていき、人がいないさみしい雰囲気になっていきます。
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谷の対面のサッソ・バリサーノ地区も端っこに行くにしたがって、洞窟っぽい住居になっていきます。
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ほぼ町外れになると、岩壁の穴が目立ってきます。高台には富裕層が住み、貧困層が低地の洞穴に住みついていた構図がみてとれます。
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さて、この日の街歩きはこれくらいにして、ホテルのオーナーとの待ち合わせ時間に合わせ駐車場へ戻ります。
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オーナーのミケーレさんとおち合い、彼の車でサッソ・カヴェオーソ地区にあるホテルまで送ってもらいます。
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こちら(画像奥)がそのアパートメントホテル「イル・ジェコ(Il GECO)」です。”ヤモリ”という名がついた洞窟住居ホテルです。(Booking.comで予約)
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入口を見たときは洞窟住居か?という感じがしましたが、中へ入ってみると、奥のベッドルームはご覧の様に洞窟壁がむき出し。
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キッチン側は増築した感じがあります。
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トイレや洗面…
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そしてバスルームはくり抜いた感があり、この家はどうも向かい合った洞窟住居の間に増築建屋をかぶせた様な感じに見受けられます。
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手作りの装飾で飾られたキッチンのテーブルには、ウェルカムのお菓子。
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棚や冷蔵庫の中にもたくさんの食材や飲み物が置いてあり、これらは全てフリーです。
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冷蔵庫の中。ハム、玉子、水、コーラ、牛乳…すべて込みです。その気になれば、ここで食事は全部済ませられそうです。
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寝心地良さそうなベッド。
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ベッドルームの脇に何やらのぞき窓が。のぞいてみると、洞窟の地下貯水タンクでした。昔はここに雨水などを貯めて、この穴から汲んで使っていたのでしょう。
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ん?なんだこの階段は?…
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…と思ったら、ロフトがありました。おもちゃがあり、キッズスペースの様になってます。
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洞窟住居に感動していると、オーナー夫婦(と思われる)のミケーレとダニエラが再びやってきて、ご覧のワインと…
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…出来立てのフォカッチャを持ってきてくれました。これらもなんとウェルカムサービスです!
ワインはプーリア産の濃い赤ワイン、芳醇フルボディで美味し!フォカッチャはフレッシュなトマトソースがたっぷりでこれまた美味し!いやいや、思いがけないウェルカムぶりにちょっと申し訳ないくらいです。 -
チェックインして落ち着いた後、サッソ・カヴェオーソ地区の街歩きに出かけます。
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既に陽は暮れかかっており、街の灯が灯り始めました。
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まずはサッソ・カヴェソーネ地区きってのビューポイント、「モンテッローネの岩山」に登ってみます。そこから南を見渡すとこんな感じ。
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”サッソ”の複数形が”サッシ”。アルベロベッロの”トゥルッロ””トゥルッリ”と同じ関係ですね。
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北を見渡すとこんな感じ。
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グラヴィナ渓谷を挟んで、来る際に寄ってきたムルジア・ティモーネ展望台。
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望遠で見ると、多くの観光客がこちらの市街を展望中。
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街に灯りが灯り始めてきれいです。右下に見えるのは、サン・ピエトロ・カヴェオーソ教会とその広場。
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下から見たモンテッローネの岩山とサン・ピエトロ・カヴェオーソ教会。
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で、モンテッローネの岩山にひっついてるのがこの「マドンナ・デ・イドリス教会」。半分は岩を掘削して造られたもので、半分は16世紀以前に石造りされたものだそうです。
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17世紀ごろのフレスコ画が描かれています。
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この教会は1940年代まで機能していたそうです。
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まさに洞窟教会ですね。
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岩の上に建つ十字架。
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更に暗くなってきました。
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街の夜景もなかなかです。
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サン・ピエトロ・カヴェオーソ広場と教会。教会は14世紀初めごろの創建で、現在のファザードは17世紀、鐘楼は18世紀のものだそうです。
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サン・ピエトロ・カヴェオーソ教会の内部。中央祭壇は17世紀、天井画は18世紀のものとのこと。
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岩山の下の方へ降りていくと「カサ・グロッタ・ディ・ビコ・ソリタリオ」なるものがあります。
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内部には、農民の暮らしぶりを再現したサッソがあるのですが、観光客の列が長すぎて断念。
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人が少ない周囲の礼拝堂のみ鑑賞。
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洞窟住居に泊まるので良しとしましょう。
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さて、すっかり夜になったところでディナーへ向かいます。
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古い街並みに良く似合う3輪自動車。
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サッソ・カヴェオーソ地区の南部には、マテーラの高評価レストランが集まっています。
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そのうちの一軒、「リストランテ・ソウル・キッチン(Ristorante Soul Kitchen)」をチョイス。名前は韓国料理屋の様ですが、イタリアンです。
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某口コミサイト、トリッ〇アドバ〇イザーでも高評価、ホテルオーナーのミケーレさんのお勧めでもあります。店内は御覧の様に洞窟風…いや、ひょっとして本当に洞窟か?
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ワインはネグロアマーロ(15ユーロ、安っ!)で。プーリア州の黒ブドウを使った、フルボディに近いミディアムボディ。しっかりコクがありタンニンが効いてます。
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パン。今回の旅で思ったのですが、イタリアではなかなか美味しいパンに出会いませんでした。この前年にフランスを旅行したのでなおさらそう感じてしまいました。一部に言われるように、イタリアのパンはやはり美味しくないのでしょうか。まぁ、数日間の旅行では判断できませんね。
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アペリティーボ。
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まずは「サラダ(Insalata)」をシェア。
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バジリカータ州名物パスタを使った一品、「蕪のオレキエッテ」をシェア。硬質小麦の殻粉が使われており、色は黒く歯ごたえはかなり固めです。…が、美味い。
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メインの「サーロインステーキ(Controfiletto)」。
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同じくメインの「タリアータ(Tagliata)」。
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付け合せに「ポテト(Patate)」。これはちょっと余計だったかな、もうお腹いっぱいです。なのでドルチェはパス。
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最後に「カフェ・マキアート」。
全部でしめて66ユーロ(テーブルチャージ込み)、安かったです。 -
一夜明け…次の日の朝は薄曇り。
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朝食は、前日のフォカッチャと冷蔵庫にあった材料で作ったハムエッグ。
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そしてカフェ。
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ミケーレさんと約束した送迎時間を待ちながら…
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…最後にこのアパートメントホテル「Il GECO」の部屋でゆっくりと過ごします。マテーラ世界遺産地区の伝統的家屋に住む様に泊まるという貴重な体験でした。
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そしていよいよチェックアウト、まだ人気の無いサッソ・カヴェサーノ地区を後にします。Pまで送迎してもらい、お土産まで戴いてしまいました。ミケーレさんとダニエラさんのホスピタリティに感謝!
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イタリア半島を縦断し、次の目的地であるパエストゥムに向かいます。
マテーラ…上述の様に20世紀初めのスラム化~廃墟化により「イタリアの恥」とまで言われた町ですが、今や南イタリアを代表する世界遺産の町として大逆転を果たしました。そういう意味では、ここもアルベロベッロ同様に奇跡の町といって良いのではないでしょうか。
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