2018/08/07 - 2018/08/15
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ダルガフスは、北オセチア共和国随一の観光名所でもあり、北コーカサスではダゲスタン共和国のデルベントと並ぶ観光地でもある。
北コーカサスはチェチェン戦争の影響による政情不安であり、観光客も行きにくい場所であったが、ダルガフスはヴェルフニー フィアグドン等他の地域よりも早くに観光が可能となった場所である。
ダルガフスと言えば世界的にも知る人ぞ知る、「死者の町」がある。5000メートル級のコーカサス山脈の麓にあり、氷河を上を走った風が「死者の町」を通り抜け、「死者の町」は夏でもジャージのようなものがなければ寒くて立っていられない。
9世紀頃から墓地として形成され、疫病が流行した時代には、病に罹患した住民が自らこの「死者の町」に入ったとも、連れていかされたとも言われ、「死者の町」で静かに命の灯火が消えるのを待った町。
冷たい風が常に「死者の町」を吹き抜けるため、遺体は腐食せずミイラ化し、現在もその姿を見ることができる。
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8/7 KIX JL220 6:35 -HND 7:40
羽田空港からリムジンバス 7:55- 成田空港第2ターミナル9:00
NRT JL421 10:40 - DME15:00
ドモジェドヴォ国際空港からアエロエクスプレス→地下鉄5号線→アエロエクスプレスでヴヌコヴォ国際空港へ
8/8 VKO UT559 0:45 - MCX3:15
朝方は首都のマハチカラ市内を周遊
10:00車をチャーターし、アヴァール人の村、カヒブへ。
マハチカラに19:30着
8/9 7:00車をチャーターし、世界遺産の町、デルベントへ。デルベントを12:30に出発しチェチェン共和国の首都、グロズヌイへ17:00着
8/10 10:30車をチャーターし、イングーシ共和国を通って北オセチアーアラニア共和国の首都、ウラジカフカスへ12:30着
その後ウラジカフカスを散策。
8/11 10:00車をチャーターし、イングーシ共和国の山岳部をリクエストしていたが、結局北オセチアとイングーシの紛争等による感情的な問題からイングーシに行くことを拒否され、北オセチアの以下のルートに変更
ウラジカフカス→カルダガヴァンスキー渓谷→ドジフギスのスカリナヤクレポスチ遺跡→ヴェルフニー・フィアグドン→ダルガフスの「死者の町」→ギゼリのパーミャトニク・ペトル・バルバショヴ→ウラジカフカス17:00着
8/12 車をチャーターし、ベスランのメモリアリノエ・クラドビシェへ。
OGZ S7 882 13:55-DME16:20
モスクワ市内を散策
8/13 モスクワ市内を散策
0814DME JL422 17:10-
0815-NRT8:35
HND12:30-13:30
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 4.0
- グルメ
- 4.0
- 交通
- 2.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 15万円 - 20万円
- 交通手段
- 鉄道 タクシー 徒歩 飛行機
- 航空会社
- JAL S7航空
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
今回訪れている北コーカサス諸国の場所をおさらい。コーカサスは黒海とカスピ海の間に位置するエリアで、ヨーロッパで最も標高の高い5000メートル級の山がそびえるコーカサス山脈がコーカサスを南北に分断している。
南コーカサスにはソ連から独立したアルメニア共和国、グルジア共和国、アゼルバイジャン共和国の他、グルジアから独立宣言したアブハジア共和国、南オセチア共和国、アゼルバイジャンから独立宣言したナゴルノカラバフ共和国がある。
一方北コーカサスにはロシアから独立宣言し、長い間北コーカサスの政情を揺るがせたチェチェン共和国、ダゲスタン共和国、イングーシ共和国、北オセチア-アラニア共和国等が位置し、何れもロシア連邦を形成する。
今回の旅では北コーカサスの上記4か国を旅した。。 -
ルートはブルーのルートで旅をした。ダゲスタン共和国の首都マハチカラからスタートし、ダゲスタンの山岳部や世界遺産のある町、デルベントに訪れた後、北上してチェチェン共和国、イングーシ共和国を経て、北オセチア-アラニア共和国の首都ウラジカフカスに達した。北オセチア-アラニア共和国は名前が長いので一般的に「北オセチア共和国」とも言われている。
北コーカサスはチェチェン戦争の影響によるテロが多発し治安も悪かったが、現在は治安も良好となり、安定している。
北コーカサスには数十もの北コーカサス系民族やイラン系、トュルク系民族が居住し、ダゲスタンだけでも35の民族にも及び、その殆どが独自の言語をもつ。
宗教はイスラム教が非常に多いがコーカサスには世界で最初にキリスト教を受け入れたアルメニアや2番目に受け入れたグルジアがあり、正教会の影響も大きい。北オセチア共和国はイラン系民族が多く、大半がロシア正教を信仰する。ロシアとの関係が微妙な北コーカサス諸国ではあるが、北オセチア共和国はロシアとの関係も良好だ。しかしこうしたことが周辺諸国から疎まれる原因ともなっている。
北オセチア共和国とグルジアから独立宣言した南オセチア共和国は同じイラン系のオセット人で、両国は合併し、南オセチア共和国はロシアへ併合されることを望んでいる。
なお、南オセチア共和国へのアクセスは北オセチア共和国からでも可能だ。
北オセチア共和国とイングーシ共和国は1992年に紛争しており、両者の関係は悪い状況にある。
北コーカサスでは英語は殆ど通じずロシア語での会話となる。 -
ツィミティ遺跡のあるヴェルフニー フィアグドンから「死者の町」が位置するダルガフスまで直線距離は20キロもないが、両町の間には山々が連なるため、峠を越えていかなければならないのでかなり時間を要する。
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ヴェルフニー フィアグドンとダルガフスを結ぶ峠道は未舗装で路面状況が非常に悪い場所もある。この道幅なので、大型車が対向車で来ると、離合も大変だ。
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峠道の途中にあるクルタの石塔Башня Курта 。クルタの石塔から麓の町を眺めることができ、景観が素晴らしい。しかし残念がら雨足が強くなり、石塔までの道もあまり良くなく、滑落する恐れがあるのですぐ近くまで歩いていくに留まった。
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車は普通のセダンなので、轍にはまるなどすると抜けられなくなってしまう。しかも未舗装の峠道なのでタイヤが滑るので峠を降りるまでスリリングな状態が続く。
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路面がマシになるとかなり飛ばす。カーブで見えにくいところでもお構いなしだ。対向車が来ないか、ヒヤヒヤものだ。
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峠を下り高原に到達すると、民家がチラホラある。民家のすぐ横に歴史的建築物があるのには驚かされる。
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これが北オセチア共和国の随一の観光名所でもあるダルガフスの「死者の町」。。
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さすがにダルガフス迄来ると多くの観光客を目にするが、ロシア人や地元の人ばかりだ。
ダルガフス (死者の町) 史跡・遺跡
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「死者の町」を守護する!?バシニャ
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「死者の町」は9世紀頃から墓地として形成され、その数は97とも99とも言われる。
ダルガフス (死者の町) 史跡・遺跡
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墓地は大きく三種類に分類され、キノコ頭の民家のような建物、半地下状態の建物、そして地下になったものとあるようだ。
ダルガフス (死者の町) 史跡・遺跡
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民家のような建物の中には多くの白骨化した遺体が数多く眠っている。
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建物には一つだけ入口があり、観光客もなかに入ることができ、内部に入っている人もいたがあまりおすすめはできない。何故なら、、、、
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内部はこんな感じだ。人骨が散乱している。このぐらいまだマシなほうで・・・
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かなり人骨が散乱している場所もある。
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中には衣服を身に纏いミイラ状態になったものやミイラに進行中!?のものまである。遺体が船のような木枠に入れられているのは、舟が死者の魂を運んでくれるものだと考えられていたからなのだそうだ。
何だか三途の川のようだ。 -
「死者の町」の前を流れるミダグラビンドン川。ひょっとするとこの川に対する思想や影響も入っていたのかもしれない。
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川上を風が強く吹き抜け、「死者の町」にはいつも強い風が吹き付けているのだという。
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ミイラ化した遺体。遺体の数は数百にもなるのだという。
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ダルガフスは両サイドを山に囲まれたとても静寂な場所だ。
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以前には村も点在していたのだろうが、自然以外なにもない。まるで黄泉の国への入口のようにも感じる。
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ダルガフスの中心部には破壊を免れたバシニャもあるようだ。
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北オセチアでは16世紀から18世紀にかけて疫病が流行し多くの人が亡くなったといわれている。ダルガフスもその例外ではない。
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オセチアには18世紀には約20万人いた人口が19世紀には何と16000名にまで減少したと言われている。
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その時疫病に罹患した人達は自らこの「死者の町」の建物に入り死を待つものや連れていかれたものもいたともいわれている。
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この「死者の町」に入ったもので生きて出られたものは殆どいないといわれている。
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遠くから見るとまるで谷に住む妖精達の住み処のようにも見えるのだが。。。
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「死者の町」は疫病者が亡くなっていることからソ連時代は閉鎖され、ようやく人の立ち入りができるようになったのが1960年代に入ってからなのだそうだ。
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強い風が遺体に吹き付けるので腐食せず、ミイラ化したともいわれている。
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「死者の町」の背後には4000メートル級の山がそびえるため、風がメチャクチャ冷たい。
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お盆頃にも係わらず、自分は薄手のパーカー、ジャージ、そしてウインドブレーカーを着ていたほどだ。
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当時はまだコーカサス山脈の氷河もそこまで溶けていなかっただろうから、今より風が冷たかっただろう。
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身体も弱り、こんな風が通る場所に取り残されたら。。。。
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ダルガフスでは風の音と川の音しか聞こえてこない。
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ダルガフスを訪れたあと、首都のウラジカフカスに戻る。途中渓谷の谷間を抜けながら走る。
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道も悪く谷間を縫うように走る。岩盤が固そうなのでトンネルを作るのも難しいのかもしれない。
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トンネルがあるにはあるが、何と見ての通り落盤を起こしているではないか!
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映画監督のセルゲイ ボドロフ。ロシアでは「ブラザー」という映画で有名なのだそうだ。2002年に氷河が雪崩のように崩落し、100名を超える犠牲者が出たそうなのだが、セルゲイ ボドロフもその氷河の犠牲となった。このトンネルも氷河期流れてきて落盤したのだろうか。ボドロフはこの周辺で亡くなったらしい。
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少しだけトンネルの中に入ると落盤の跡が生々しく残っている。
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落盤したトンネルから。
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いくつかトンネルがあったが何れも落盤を起こしてあるものが殆ど。落盤してないものもあったが、車はもちろんトンネルを迂回する。
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