フラッシュパッカー 一人旅　スリランカ　１日目（準備・出国、ニゴンボ）

2018/06/03 - 2018/06/11

スリランカへの旅を思い立ったのは、御多分に洩れずシギリヤ・ロックの写真に魅せられたからです。また、これまでバガン、アンコール、ボロブドゥール、ルアンパバーンなど幾多の仏教遺跡を観てきた流れから、スリランカは外せないという思いもありました。

しかし、計画段階でこれまでになく時間を要することになりました。

まず、旅のテーマの選択です。
スリランカには多彩な魅力があります。
・ビーチ、ダイビングとスノーケリング
・市内散策、ショッピング
・仏教寺院
・ワイルドライフ、サファリ
・アーユルヴェーダ
・世界遺産
・コロニアル建築、ジェフリー・バワの建築
などが代表的です。

次に、旅のスタイル（ツアーか、個人旅行か）の決定です。
スリランカの見所は国内に分散、移動は鉄道やバスなど陸路主体で厄介です。また、現地ツアーはあまり見当たりません。
なので効率的に各地を回るため、当初は日本発のツアーを検討しました。しかし、ツアーはどうしても最大公約数的な企画になりがちで、あまり興味のないテーマに付き合うのも気乗りしません。

あれこれ迷いながら、最終的にツーリストカー（運転手付きレンタカー）利用の個人旅行を選択しました。
仏教遺跡・世界遺産をテーマに大まかなスケジュールを作成し、ネットで見積もりを取ったら格安ツアー（１人参加費用合算）と同程度かそれ以下でした。

〈旅程〉
６月　３日　成田→ニゴンボ　　　　　　　　　　　　　　ニゴンボ泊
６月　４日　ニゴンボ→ダンブッラ→ピドゥランガラ　　　シギリヤ泊
６月　５日　アヌラーダプラ→ミヒンタレー　　　　　　　シギリヤ泊
６月　６日　ポロンナルワ→シギリヤロック　　　　　　　シギリヤ泊
６月　７日　シギリヤ→マータレー→キャンディ　　　　　キャンディ泊
６月　８日　キャンディ→ゴール　　　　　　　　　　　　ゴール泊
６月　９日　ゴール→コロンボ　　　　　　　　　　　　　コロンボ泊
６月１０日　コロンボ発　　　　　　　　　　　　　　　　機内泊
６月１１日　成田着

エリア ネゴンボ(スリランカ)

• 旅行の満足度: 3.5
• ホテル: 3.5
• 交通: 4.0

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 25万円 - 30万円
• 交通手段: タクシー 飛行機
• 航空会社: スリランカ航空
• 旅行の手配内容: 個別手配

航空券とホテルはいつも通りネット予約。
もう少し安いフライトもありましたが、やはりスリランカ航空直行便の魅力には勝てません。同社のFlySmiLes Memberに登録すれば、事前座席予約もできます。往路・復路ともなかなかの混み具合です。

スリランカの観光ビザは下記サイトからオンライン申請、35ドル。

http://www.eta.gov.lk/slvisa/visainfo/center.jsp?locale=ja_JP

ツーリストカーはイー・ツアーズさんの下記サイトで予約しました。「歩き方」やネット情報よりやや高めかなと思う見積もりでしたが、対応が迅速で信頼感が高いので一発決定、正解でした。
費用を抑えるため、英語ドライバー・ガイドなしを選択しました。旅行中に英会話の練習ができれば儲けものです（でも進歩がなかった（泣））。

http://tours.yasmeen.jp/

ガイドがいないなら居ないで自分で勉強するしかありません。図書館でこの本を借りました。
「マハーワンサ」は、スリランカの記紀（古事記、日本書紀）とも呼ばれ、５世紀のダートゥセーナ王（AD.459~477）の時代に、王の叔父にあたるマハーマーナという仏教僧によって書かれた叙事詩的歴史書です。
古事記は、天地開闢、イザナギ・イザナミから始まり、神武天皇即位はBC.660年とされていますが、マハーワンサは釈尊成道後９ヶ月目の来降（BC.531?諸説あり）から始まり、BC.483年（一説ではBC.543年）に初代ヴィジャヤ王が即位、マハーセーナ王（AD.334~361年）までの61代？（私算）の王統記です。

もう１冊はその続編「チューラヴァンサ」です。
チューラヴァンサは第36章までのマハーワンサを受け継ぎ、マハーセーナ王（チューラヴァンサではAD.276~303）の子シリーメーガヴァンナ王（AD.303~311）以降、シンハラ王朝最後の王、シリヴィッカマラージャシンハ王（1798~1815）の時代に全島のイギリス支配が確立するまでの141代？（私算、欠落章含まず）の王統記になっています。
日本の天皇家は今上天皇が第125代ですが、スリランカは上記を単純合計しただけで202代となります。しかし、万世一系の日本に対し、スリランカの王権は単純ではなく、暗殺や血を血で洗う抗争も珍しくありません。また、シンハラ人だけでなくタミル人王も何人かいます。
両書ともとても興味深い本ですが、残念なことにあまり手にする人が多くないようで、チューラヴァンサに至ってはまっさらな状態、2013年12月発行以来、最初に借り出したのは私だったみたいです。スリランカに興味のある方はご一読をお勧めします。
物語的にはマハーワンサが面白いと思いますが、チューラヴァンサはスリランカ史上最高の英傑にして王中の王パラッカマバーフ１世の事績が記述の3分の１以上を占め、国の成り立ちを理解する上で必読です。

スリランカでもう一つ思い出すのが、ビゼーのオペラ「真珠採り」。テノールのアリア「耳に残るは君の歌声」が有名です。メトロポリタン・オペラで100年ぶりに上演されました。
時代を現代に引き直してありますが、舞台の大道具の片隅にコロンボの地図が貼り付けてあるのが目を惹きます（写真はMETから拝借）。登場する宗教はヒンドゥー教ですが‥。

今回の荷物はこれだけ（写真は後日）。フラッシュパッカーを名乗るわりに小型のデイバッグとキャリーケース。ツーリストカーを利用するので、バッグパックを担ぐ必要はありません。

スリランカの歴史勉強を終え期待が高まる中、6月3日（日）曇り、最寄駅の空港バス乗り場から出発です。

日曜日の高速は混雑なく、途中のディズニーランド渋滞も想定内。1時間45分ほどで成田空港第２ターミナルに到着。

成田空港第2ターミナル 空港

スリランカ航空は初めてです。

ULはワン・ワールド。スタアラ派の私にはアウェイ。ラウンジが使えないので仕方なくカードラウンジに‥。スペースは狭く、ドリンク以外何もありません。

成田空港 第二ターミナル TEIラウンジ 空港ラウンジ

アルコールは１杯無料、小さなスナックが付いてました。

ラウンジ滞在を短時間で切り上げ、出国手続後93番ゲートに向かいます。

出発時間が少し早まったようです。

機材はA330-300。妻が一緒でないときはエコノミー。予想通り9割くらいの混み具合です。
スリランカ航空の機内は寒いとの情報を得ていたので、薄手のパーカーを重ね着、万全です。

前方に目をやるとバルクヘッドの中央4席が空席です。パーサーに移って良いか尋ねると快くOK。早速移動し、4席独占。
スリランカ航空は、予約時にバルクヘッド指定するとたしか追加料金が必要だったと思うのですが、搭乗後はタダ。ラッキー！！

短い脚ものびのびです。
バルクヘッドはテレビ収納スペースの関係で4席連結は無理ですが、真ん中の肘掛は上げられるので2席連結、残り1席に足を曲げて横になることはできます。おかげで2~3時間仮眠をとることができました。

1回目の食事はライス＆カレー、チキンとジャガイモのカレーは悪くありません。
赤ワインを追加。

ミャンマー上空を通過したあたりで２回目の食事。

シーフードを注文したら焼きそばでした。これも美味しい。

予定より20分ほど早くバンダラナイケ国際空港に到着、小さな空港です。

バンダラナイケ国際空港 (CMB) 空港

おなじみの仏像がお出迎え。事前勉強は４トラでしっかり予習済み、以下同様。

入国審査前に多様な免税店。海外に出稼ぎに出て、帰ってきた自国民向けだそうです。
イミグレはあっけなく終了、ビザの提示も必要ありません。ビザは完全に入国税扱い。

バンダラナイケ国際空港は全くと言って良いほど危険な感じのしない空港です。
両替はどこも同じレート、手数料もなし。
８日間の予定を計算して3万円を両替、41,916ルピーでした。小額紙幣への変更にも気軽に応じてくれます。
￥1=1.3972Rs. 、1Rs.=0.716円。

プリペイドSIMはここで購入、セッティングも全部やってくれます。
ツーリストプラン1,300RS.（930円）。9GB、通話もできてメチャ安。
スリランカは南アジアの中ではモバイル通信網が良く整備されていて、田舎でも意外に4Gが使えるなど快適でした。

ホテルまでのタクシーも簡単、ここですぐ手配してくれます。ニゴンボまで1,500Rs.（1,100円）。

表に出てすぐにタクシー乗車、予想外に順調です。入国後の諸手続きを想定して、２度目の食事ではアルコールを控えたのに、あっけないほど簡単に全ての準備が終わりました。

空港から20分ほどでニゴンボの街。

カトリック教会。夕刻の礼拝に大勢集まっています。
ドライバーの話ではニゴンボはキリスト教徒が多い街だそうです。

今夜のホテルはジェットウィング・ビーチ。ご存知ジェフリー・バワが基礎設計。
当初はコロンボの別のホテルを予約していましたが、その後このホテルが安くなったので変更。タクシー代もニゴンボの方が安いし‥。

ジェットウィング ビーチ ホテル

このホテルについては多くの旅行記があるので、もはや詳しく述べるまでもないでしょう。直線を多用し、アースカラーで統一されたバワの世界の一端を見ることができます。

エクステリアも魅力的です。

日没後でしたが、夕景を見にビーチに出てみました。

ところが湿度が異常に高く、レンズが曇ってカタマランもこんな具合。
今は南西モンスーン期で、赤道付近から湿気を含んだモンスーンが南西部の海岸地区に吹きつけます。

部屋に戻り、ミニバーの缶ビール（645Rs.=450円、高い！）を１本空け、明日からの観光に備えて早々に就寝しました。

この旅行記へのコメント （3）

• Nanaoさん 2018/06/27 07:50:52

  はじめまして＾＾

  beanbagさま
  
  はじめまして。
  7月1日からスリランカへ行ってきます。
  情報収集をとあちこち巡り、こちらへたどり着きました。
  私も成田からスリランカエアを利用します。
  機内が寒い寒いといろんな方が仰っていて(;'∀')
  やはり羽織ものは必須のようですね。
  
  続きの旅行記も拝見いたします＾＾
  
  Nanao
  

• senseさん 2018/06/12 20:35:12

  スリランカの旅！

  もう、帰国されたのですか？すごーい、旅にでられたのですね、私には、なかなか馴染みのない地。
  beanbagさんは、素晴らしき旅をなさる方、おかげで、行かずとも、未開の地を知る事が出来ました、ありがとうございました！
  
  これからも楽しみにしています、^_^

  beanbagさん からの返信 2018/06/14 06:43:04

  RE: スリランカの旅！

  senseさん
  
  いつも拙い旅行記をご覧いただきありがとうございます。
  
  念願のスリランカを訪れることができ、感慨に浸っているところです。
  気候は過酷なところもありますが、人は穏やかで真面目、どこか日本に似たところがあります。とても良い国だと思いました。
  アジアの行きたい国はこれで行き尽くした感じです。最後のアジア旅かなと思っています。
  
  senseさんの旅行記も楽しみにしています。これからもよろしくお願いします。
  
  beanbag