日本百名城の一つ、八王子城から八王子市街の街歩き~後北条氏が滅びた後は家康の所領へ。江戸幕府の直轄領となった八王子は五街道のひとつ甲州街道の宿場町として発展しましたが、その繁栄には武田家の遺臣も大いに貢献しています~
2018/06/02 - 2018/06/02
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八王子城跡は、JR高尾駅から朝7時15分発の一番早いバス便で訪ねました。バスの終点から登り始めて、本丸跡に着いたのが8時5分。そんなに急いだわけでもないのですが、早々と到着しました。ルートは岩がゴロゴロした場所もありますが、比較的よく整備されていて、子供でも問題はないでしょう。ただ、それでも、ルートの片側は気が付くと意外に切り立った崖になっていたり、天然の要害を利用した城であることは間違いない。ここを攻め上り、半日で落城させたという前田利家・上杉景勝軍ですが、少なからずの損害があったというのはうなずけます。
その後、いったん降りてから、御主殿の方にも回りました。頑丈そうな石垣はそこらの城より迫力あり。北条氏が全力を傾けて築城したことがよくわかります。
その後は、八王子市街の散策。八王子城は後北条氏の滅亡で廃城となりましたが、あとを受け継いだ徳川家康は八王子を直轄領に。武田家旧臣の大久保長安を代官頭に任じ、甲州街道の宿場町としての整備も進みます。また、江戸時代後期からの絹織物の産地としての活況、近くは学園都市の顔とか。ぼんやりしていたイメージから、少し具体的な理解に進めたように思います。
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高尾駅から八王子城跡までは、土日だけに運航する西東京バスを使います。当然、観光客は高尾山の方が圧倒的に多いのですが、そこそこ乗っている人がいて、やっぱり東京はどこに行っても人が多いですね。
高尾駅からのバスだとほかには小仏の方に行くバスとかも。こちらは山歩きの人ばかりでした。 -
終点で降りて、ここから歩いて本丸に向かいます。
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神社の鳥居みたいなのがあって、ここから山道に入ります。
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古びていますが、石段があって、しばらくはそれを辿ります。
山腹の曲輪のなかで最大級の金子曲輪。金子家重が守備したという曲輪を抜けて。 -
山の尾根のような場所が連続します。
なんでもないような道ですが、左手はかなり急な崖に近い斜面。北条氏が秀吉に対抗するために難攻不落の地形を探して築いた城という感じがしてきます。 -
しばらく登ったつもりでしたが、まだ7合目ですか。
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柵門跡。本丸に続く尾根。ここが8合目にあたります。
ところで、八王子城の戦いは、小田原征伐の前哨戦。上杉景勝、前田利家、真田昌幸らの部隊1万5千人が攻め込みます。この時、城主の氏照以下、精鋭部隊は小田原本城に入っており、城には城代の横地監物吉信以下、わずかな守備隊がいただけ。一日で陥落するという戦いでした。
しかし、地形を利用した防戦では秀吉軍にも1000名以上の死傷者を出した激戦。この辺りでも殺到する秀吉軍と守備隊の間で相当な戦闘が行われたことが想像されます。 -
さらに進みますが、道は引き続き尾根伝い。
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八王子の市街でしょうか。少し見晴らしのいい場所で一息つきます。
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あの先が小宮曲輪。
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少しばかりの平地があって。
ここは北条方の狩野一庵が守備していましたが、搦手の隠し通路である棚沢道を突き止めた上杉軍に背後から奇襲されて陥落したということです。 -
一段上がったところに朽ちかけた神社は、八王子神社。
三方を本丸、松木曲輪、小宮曲輪に囲まれた窪地です。 -
脇をさらに登っていくと本丸なんですが、
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少し距離がありますね。
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イチオシ
そして、本丸に到着。
八王子城は、それまでの居城である滝山城の防衛力の限界を感じた氏照が秀吉との決戦に備え築城した城。こうして登ってきただけでも、天然の要害であるその地形を最大限に活用したというのはそれなりに実感できる。巨大な石垣とかはなくても攻め手としては限られた場所からしか本丸には迫れない。ここに氏照がいて戦ったらどんなことになったか。歴史にたらればはありませんが、秀吉軍はかなりの苦戦を強いられることになったのは間違いないように思います。 -
本丸からいったん戻って、今度は御主殿のゾーンに向かいます。
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橋を渡った先ですが、その前に。
落城の際には、この川の上流で婦女子や武将が次々と自害したため、三日三晩川の水が赤く染まったと伝えられています。 -
御主殿は、あの小高い場所ですね。
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イチオシ
こちらは、
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本丸への道と違って、堅牢な石垣で作られたもの。そんじょそこらの城の石段より、ずっとスケールも大きいように思います。
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上がりきると広場のようなスペース。
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奥の方に礎石の跡も残ります。
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後先が逆になりましたが、入り口のガイダンスで八王子城の歴史を確認して、終了です。
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バスできましたが、帰りは下り坂。歩いて帰ることにします。
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ただ、高尾駅に帰る途中に少し寄り道。
陵南公園は、名前の通り、武蔵陵墓地の南側に整備された公園。武蔵陵墓地の入口がよく分からなかったので、取りあえず、この公園を目指しました。 -
公園は、小川の流れもあったりする潤いある公園。日本庭園風ですが、涼しげな木々も気持ちいい。家族連れで楽しむには手ごろな公園だと思います。
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武蔵陵墓地は、陵南公園からすぐ。
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参道を進んだ先の広大な敷地の中には、大正天皇の陵である多摩陵と昭和天皇の陵である武藏野陵があります。
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イチオシ
まずは、昭和天皇陵である武藏野陵。形式は、上円下方墳。石をまあるく積んだ姿が印象的ですね。隣りにある皇后の陵も立派です。
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大正天皇陵の多摩陵。こちらも上円下方墳。
ちなみに、明治天皇陵は京都の伏見桃山陵。ここは、関東に天皇陵が作られた始まりになるのでしょう。 -
高尾駅に戻ってきて、一言堂は駅舎に入った食堂。これにパン屋さんも併設されていて、そこでクリームパンをいただきました。
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甘くてふわふわのクリームは、そこらのシュークリームよりずっとうまい。名物と言ってもいい価値あるクリームパンだと思います。
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ついでなので、もう少し高尾駅周辺を散策します。
大光寺は、JR高尾駅の南側。歩いてすぐ。 -
山門から本堂の構えも堂々としていて、なかなか見応えあり。高尾山薬王院に関係する真言宗智山派の寺院です。
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境内に樹齢400年の桜があるのですが、私は百日紅の大木に目が行きました。ここまで大きな百日紅はあまり見たことがないような気がします。
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高楽寺も、高尾山薬王院直系。真言宗智山派のお寺です。
訪ねるとすぐに目に入るのは、境内いっぱいに枝を伸ばしたしだれ桜。 -
イチオシ
この時期は青々とした葉が茂って、いかにも勢いがある様子。樹齢は200年。幹回りは4mということですが、大きさだけでなく、まだまだ若々しいこの樹勢が素晴らしいと思いました。
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さて、高尾駅から西八王子駅に移動。ここからは、後半。寺社やスイーツをチェックしつつ、八王子駅までの散策です。
旭苑は、西八王子駅からすぐの和菓子屋さん。 -
西八王子名物というかりんとう饅頭をいただきました。カリカリッとしたのを想像したのですが、油で揚げたジュワッと油が染みたのがいい感じに豊かな味わい。餡子の甘さともバランスが取れています。
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マルヤ餅菓子店も西八王子駅からすぐなんですが、小さな路地に入ったところなので少し分かりにくいかも。
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ただ、いま作りたてですよといった商品が並んで、元気を感じるような。いかにも地元に密着したお店ですね。
いただいたのは、大福。まあ、餡子餅なんですが、「早く食べないと堅くなりますけど、堅くなっても火にあぶればまた柔らかくなります」と素材そのままの大福。素朴な作りとは言え、餡子の甘さは艶があっていわゆる老舗のおいしさ。ちゃんと年季が入ってます。 -
さて、昼飯は蕎麦 坐忘。ネットの評判も高かったので、楽しみにして訪ねました。
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イチオシ
女性がきびきび対応していて、気持ちいいですね。
一方で、そばの方は少し大人しめ。汁のパンチもほどほどです。私はおろしせいろにしたのですが、季節の小鉢とかがあって、そうしたサイドメニューに真価が発揮されているような感じ。注文した後に気が付きましたが、価格設定もそばとサイドメニューを組み合わせて頼むといったようになっていると思います。 -
最後のくずきり。
使われる食器もこだわりがあってひと工夫あるようだし、 -
やっぱり、蕎麦屋さんは、食器もちゃんとしていないとつまらない。
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あと、トイレに小さなタオル地のお手拭が置いてあったり、そんなところにもちょっと高級そば屋さんの匂いがしています。
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元気が出たところで。
Due Treは、西八王子の市街にある人気のパン屋さん。 -
店内を見まわすとハード系のパンが気になりましたが、一方で、少し大きなカレーパンがふっくら揚がっておいしそう。それにしてみました。カレーのルーの方はちょっとパンチに欠けるかなあという感じでしたが、パンの生地の方は歯ごたえも含めてしっくりと味わい深い。カレーよりパンがしっかりうまい。なるほどこれもあり。個性的なカレーパンでした。
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宗格院は、八王子千人同心の頭、山本忠房が創建した曹洞宗の寺。
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境内にはつつじが咲いていて、公園のようにきれいに整備されています。
一角に、せき地蔵のお堂があって、赤いお札に願い事を書いて貼ってある。それもちょっと気になりました。 -
立川商店は、昔ながらの「甘食」というのが気になってそれをいただきました。
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昔ながらというには、洋風の明るい焼き上がり。食べると水分がなくてパフパフした感じはやっぱり甘食です。牛乳を飲みながら食べるととってもうまいです。
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多賀神社は、ここまで来ると西八王子の市街の端っこ。天慶元年(938年)武蔵介に任ぜられた源経基が滋賀県の多賀大社から分祀したのが始まりです。
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しっかりした広さのある境内には、欅の大木が何本か生えていて、清々しい雰囲気。
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社殿も二重垂木が美しくて、手の込んだ建物。歴史もあるし、格式も感じられる神社です。
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八王子千人同心屋敷跡記念碑は、追い分の交差点の脇。ちなみに、千人同心は八王子の歴史だとなにかと出てくる組織。八王子は代官頭だった大久保長安が支援して宿場町として賑わいますが、その一方で、街で公的な使命を帯びていたのが千人同心。半士半農で、何かあると幕府のために働き、関ヶ原の戦いや大阪の陣にも出兵したのだとか。たぶん、街の治安維持にも一役買っていたのだと思います。
そう言う意味では、屋敷は八王子では陣屋に準ずる存在だったのではないかと想像しました。 -
甲州街道 いちょう並木は、甲州街道追分交差点から高尾駅北口前までの約4km。昭和2年、大正天皇陵である多摩御陵が完成した際に整備されたもの。いちょうの青々とした緑が通りに潤いを与えていて、いい眺め。近辺は欅の並木が多いように思いますが、いちょうもよく根付いています。
そこに建つ追分道標は、「左 甲州道中高尾山道」「右 あんげ道」と記された黒っぽい石柱。ある足袋屋さんが高尾山に銅製五重塔を奉納した記念に建てた道標の一つなんだそうです。脇に金属製の説明板があって、そうしたことが紹介されていました。文化8年(1811年)のこと。少し古びていますが、まだまだ大丈夫。これからも記念碑として、ここに建ち続けることかと思います。 -
西八王子市街から八王子市街に入ってきました。
八王子市内には千人同心ゆかりの寺がいくつもあって、この寺もその一つ。開基は、八王子千人頭、石坂弥次右衛門森信。石坂家は武田家の家臣だったのですが、千人同心となり、いわば家康に拾われたということでしょう。 -
本堂横に大きな顕彰碑があって、これは幕末の戊辰戦争時、日光で新政府軍と戦わないように大鳥圭介らを説得。千人同心の一人が日光が焼失などすることを防いだことを顕彰するもの。日光を守るのは千人同心の元々の役割。立派な碑には、それを無事果たしたことへの誇りも感じます。
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甘納豆 みツ橋は、追分交差点から南の住宅地に入ったところ。こんなところにあるのかあという場所ですが、路地の奥に小さなお店がありました。
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イチオシ
甘納豆を作る作業場がそのまま販売所になっているというお店は、こうやって丁寧に作っているんだという安心感も湧いてきます。ご主人に話を聞くと作るのには4日もかかるんだとか。手間暇を惜しまない正真正銘手作りの甘納豆ですね。
うちに帰って、しばらくかかって食べましたが、めちゃめちゃうまい。八王子に行ったらここに行かない手はないというか、わざわざ行ってもいいくらい。素晴らしい逸品です。 -
パティスリー・タツヤ・ササキは、西八王子駅から通称ケヤキ街道を少し西に向かったところ。住宅地の中におしゃれなお店がありました。
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シュークリームでもいただこうと思ったのですが、「シューケット」というのはなんでしょう。クリームのないシュークリームだそうで、面白そうなのでそれをいただきました。
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なるほど、中は空洞。表面に砂糖の塊りがトッピングされていて、それが甘さのアクセント。軽い味わいでおいしいです。
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けやき通りをさらに西に進んだところの浜屋さん。もう市街から離れて寂しいエリアですが、ちゃんとしたお菓子屋さん。店内に入るとまず目に入るのはカステラ。オーブンから出したそのままの座布団みたいなカステラがケースに入っていて、なかなか迫力ありますね。
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ただ、私がいただいたのは酒饅頭。ちょっと大きめの饅頭は、確かに酒饅頭独特の膨らみ方。この膨らんだ生地の皮が価値ありなんですよね。落ち着いた餡子の味わいも悪くないと思います。
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信松院は、武田信玄の六女、松姫(信松尼)が開基。
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イチオシ
松姫は、武田家が滅ぶ際、勝頼とは別行動で八王子に逃れると、出家して武田家の菩提を弔ったのだとか。寺は境内も広いし、青い屋根の本堂はちょっと奇抜なデザインですが、それなりに豪華な造り。
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八王子の宿場を整備した大久保長安、千人同心も元は武田家の家臣。松姫は心のよりどころとして、慕われたことは想像に難くない。現在の寺の隆盛もそうした支えがあったものと考えれば納得できます。
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こちらは、本堂裏にある松姫のお墓です。
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八王子の街は江戸時代の初め頃、徳川家康に仕えた大久保長安が整備した街なので、市内には長安ゆかりの場所がいくつもあります。産千代稲荷神社もそのひとつ。大久保長安の陣屋内の鬼門除の守護神として祀られたのが始まり。
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今でもちょっと高い場所にあって、うっそうとした森の中。境内も陣屋だった場所の一部だと思いますが、そう見るとそんな雰囲気も感じます。
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富士森公園は、八王子市街の南側。中心部からは少し外れです。テニスコートやかつての野球場なども備えた総合都市型公園。児童公園のエリアが一番賑やかで家族連れがたくさん。
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イチオシ
緑が豊かな小山とかもあって、全体としては悠々とした広さ。なかなか立派な公園です。
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その小山の上に建つのが浅間神社。
八王子に陣屋を構える代官だった大久保長安がここに浅間神社を勧請したのが始まり。まずは6mの塚を築いたとありますが、この小山も工的な感じもしなくはない。街の整備を根本から考えていた長安の考え方が分かるような気がしました。 -
少しずつ八王子の歴史がわかってきたところで。
これは、八王子市郷土資料館。 -
展示は、古代の土器とかの発掘品から始まって
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秀吉との戦いを想定し北条氏照が築いた八王子城に、
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その後の大久保長安の肝いりによる八王子宿の整備。元は武田家の家臣というルーツを持つ千人同心。
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幕末から明治にかけての絹の道による絹産業の隆盛など。いずれも、民力を活用したことで街の繁栄がもたらされた歴史。
八王子はお上の力に頼ってできた街ではないということかなと思います。 -
観音寺は、真言宗智山派の寺。
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立派な三門を入って、
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イチオシ
すぐ目に入るのは本堂の屋根。屋根の両端に2つの擬宝珠。それも花弁の上に桃のようなまあるい実が乗った形のユニークさと見事な大きさ。この本堂は、天正11年に作られたようですが、どこからこのような着想になったのか。擬宝珠の屋根を見るだけでも価値ありのお寺だと思います。
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本立寺は、八王子市街南側にある日蓮宗の寺。通りに沿って長く続く塀と立派な石造りの門が印象的な大きな寺。
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八王子千人頭原家の菩提寺であり、原胤敦墓は、東京都の指定旧跡。幕末、千人同心の子弟100人を率いて北海道に渡り、北海道の開拓に尽力したとありました。
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八王子の千人同心の歴史の一端がここにもしっかり残っています。
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法蓮寺も本立寺の西隣りなんですが、入口は大通りから一本北の通りなので、少し分かりにくいかも。
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本立寺と同じく日蓮宗の寺。ただ、規模は小ぶりで境内の広さも限られます。まあ、ここにもお寺があるんだなくらいの寺かなと思います。
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そのまま進んで、時の鐘。これは、元禄12年(1699年)、八日宿の名主、新野与五衛門の発願により千人同心や近郷近在の村の人々の寄進で造られたもの。昭和の初めまで実際に時を告げてきたそうです。きれいに整った石の櫓は今でもびくともしていないように見えますが、その役割が今では終わってしまったということでしょう。しかし、こうしたものが残るということは、八王子の街の力であり、団結力の証。八王子の歴史を語る立派な遺物の一つでしょう。
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その隣が上野天満神社。
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この辺りの地名が上野町なので、上野天満神社。梅のマークがあったりして、菅原道真、いわゆる天神さんを祀っている神社ですね。ただ、境内はひっそり。石の柵が周囲を囲っていますが、あんまり目立たない。周囲の寺の方が目立っているからかもしれませんが。
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向かいが金剛院。観音寺や本立寺と並ぶ大寺です。始まりは、天正4年(1576)。高野山を本山とする真言宗なのですが、別格本山と書いてあって、特別なお寺のようですね。
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境内は悠々とした広さ。一面に蓮鉢が置かれていて、夏になると花を咲かせるのでしょう。優雅な眺めを想像しました。
ちなみに、ここは八王子七福神めぐりの寺。境内の一角に福禄寿のお堂がありました。
七福神は本立寺、成田山伝法院、金剛院、信松院、吉祥院、了法寺、善龍寺、宗格院。八王子市街の寺も多くて、本立寺、金剛院、信松院、宗格院といったところは、比較的アクセスは容易です。 -
八日市宿跡は、もう市街のにぎやかなエリア。八王子市夢美術館の敷地内です。
ちなみに、旧甲州街道の八王子宿には15の宿があって、八日市宿はそのうちの一つ。八王子宿も宿、八日市宿も宿と呼ぶので、その関係はけっこう紛らわしい。碑の横に説明があって、最初は横山、八日市、八幡の三つの宿。八日市は八王子宿の中心的な宿だったようです。 -
八王子市夢美術館では、
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企画展「広重 二つの東海道五拾三次 保永堂版と丸清版」を拝見しました。展示品は笠間美術館から借用したもののようですが、広重がまだ無名の時代、30代の時に描いた保永堂版と50代になってから改めて描いた丸清版をそれぞれ比較して展示していました。馴染のあるのは保永堂版。出世作となっただけに、勢いというか、面白さは丸清版とは比べ物にならない。これを見ると誰しも旅をしたいという気持ちになってしまいますね。一方の丸清版は円熟したということなのかとか考えながら何度も見ますが、若々しさがなくなって面白くなくなったのは否めない。北斎には晩年になっても絵の進化が止まらない活き活きとした印象があるのですが、広重はかなり違うなあと思わざるをえませんでした。
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八幡八雲神社は、名前が妙な感じなんですが、八幡神社と八雲神社を合祀した神社。
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本殿の奥も二つの祭壇が並んでいて、同等の祀り方。屋根の妻のデザインも二つあって、二つの神社が合体していることを表しています。
ちなみに、八幡神社は八王子創始の地主神。八雲神社は八王子の地名発生の神です。 -
少し小腹も空いてきたところで。
煮干鰮らーめん 圓は、ネットの評価はめちゃめちゃ高いよう。夕方の開店前に訪ねたら、もう何人かのお客さんが待っていました。 -
煮干しラーメンってよくあるラーメンだと思いますけど、ここのはどうなんでしょうね。結論としては可もなく不可もなく。これまで食べたことのある煮干しラーメンでここのよりずっとうまいラーメンはいくつもある。ちょっと期待が大きかったので、評価のバーが上がっていたのもあるとは思いますが、それでも、まあ普通の範囲かなと思います。
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TeA CoZYは、市守神社大鳥神社の裏手の筋。ビルインの渋い構えの洋菓子店です。
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いただいたのは、「キャラメルもなか」。キャラメルというかチョコレートのプレートを最中に乗っけたもの。うーん、キャラメルのチョコレートは悪くないんですが、最中とあっているかと言われれば、そこは微妙。ちょっと無理したお菓子かなと思います。
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市守大鳥神社は、八王子宿の一つだった横山宿の四の日の市の繁栄を願い、天正18年(1590年)に創建された神社。
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境内は子供たちの遊び場にもなっているようで、たくさんの子供連れの姿がありました。場所も便利なのだと思います。
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もう旅も終盤。八王子駅の周辺です。
K-8 京王八王子ショッピングセンターは、京王線八王子駅の駅ビル。JR八王子駅と比べると規模は小さいですが、駅前ロータリーで視界が開けた場所も確保されていて、それなりの姿はしています。一方で、バスセンターが併設されていて、バスの出入りがひっきりなし。交通の便の良さが窺われました。 -
子安神社は、創建1200年を越えるという八王子最古の神社。
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安産の神様のようですが、境内はそれなりの広さもあるし、厳かな雰囲気。
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神楽殿や本殿に向かって右手奥の方には旅館のような錦鯉の泳ぐ池を備えた立派な建物。たぶん、宿泊客がいて活気の溢れる時代もあったような。それも含めて、地元から長く支持を受けてきている神社だと思います。
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福傳寺は、小安神社の並び。
多摩八十八ヶ所霊場77番、武相卯歳観音霊場四十八ヶ所15番。境内はすっきり整備されて都会的な感じ。真言宗智山派の寺だそうですが、高尾山が智山派だし、この辺りでは珍しくないですね。 -
セレオ八王子は、JR八王子駅の駅ビル。かつての八王子そごうなんですが、今でも、一部に京王百貨店が入っていることもあるのでしょうが、入口から奥の感じなど、バリバリの百貨店といった雰囲気がそのままです。入ってすぐには総合案内カウンター。これも他の駅ビルの商業施設ではあまり見ないかもしれません。
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八王子東急スクエアは、八王子駅北口を出た正面。周囲を睥睨するような巨大なビルなのですが、すぐ手前まで伸びているペデストリアンデッキはこのビルまではつながっていない。中のテナントも、ユザワヤとかしまむら。立派なビルなんですが、ちょっとイマイチの印象はぬぐえないように思います。
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八王子インフォメーションセンターは、JR八王子駅の北口を出て、エスカレーターを降りたところ。小さな観光案内所。八王子宿と八日市宿の関係が紛らわしくて、ここで説明を受けました。横山宿とか、ほかの宿との位置関係も地図で説明してくれて、とっても親切なおじさんでした。八王子はあまり観光というイメージはないと思いますが、気が付いたら、気軽に寄ってみることをお勧めします。
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そして、最後は、奥芝商店 八王子田代城へ。八王子駅の北口から歩いて5分くらい。スープカレーのお店です。八王子では大人気のようで、私は30分くらい待ちましたが、すぐに1時間待ちとかになっていて、ちょっとびっくりしました。
店内の雰囲気は若い人とかカップルとかにはいいんでしょうねえ。おしゃれで渋いです。 -
イチオシ
ただ、エビ風味のスープカレーの方は、私としてはイマイチ。これでは、どうかするとラーメンの出汁をカレー風味にしたというような感じ。北海道でも人気ということですが、北海道でもスープカレーは当たり外れがある。例えばスアゲと比べたら、それはまったく話になりません。
さて、これで八王子をめぐる一日は無事終了。多摩の中心地は八王子から立川に移りつつある流れがあるようですが、城下町から宿場町、絹織物産業の町とその役割を変えながらも隆盛を保てきた八王子の歴史。頭の整理をするのはもう少しかかりそうですが、興味深い歴史に触れた一日となりました。お疲れ様でした。
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