2018/04/20 - 2018/04/20
26位(同エリア1419件中)
旅猫さん
今年も、東北の桜を観に行こうと、会津に宿をとった。
会津を訪れることにしたのは、あの戊辰戦争から150年と言う節目だったからだ。
ところが、桜前線が例年よりも早過ぎて、予約した日には、すでに北東北へと進んでいた。
もう鶴ヶ城の桜は散ってしまったようだが、とりあえず、行ってみることに。
そして、もう新緑が観られるかもしれないので、会津若松から南会津へ抜け、栃木の塩原温泉へ抜ける旅程を組んでみた。
- 旅行の満足度
- 3.5
- 観光
- 3.5
- ホテル
- 3.5
- 交通
- 3.5
- 同行者
- その他
- 一人あたり費用
- 3万円 - 5万円
- 交通手段
- 高速・路線バス 新幹線 JRローカル 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
今回は、大宮駅10:26発の『やまびこ133号』に乗車。
天気は上々。
久しぶりの会津路に、少しだけ気分が高鳴る。 -
やまびこ号は、田植えの準備が始まっている南東北を北上。
そして、郡山駅には11:19に到着した。
ここからは、11:39発の磐越西線の普通列車に乗り換える。
列車は、山間を走り抜け会津盆地へ。
猪苗代湖が近づいてくると、車窓には、雪が残る磐梯山が見えてきた。 -
終着の会津若松駅には12:59に到着。
この駅は、一部が終着駅のような構造になっているので、結構好きだったりする。
何より、新幹線や高架とは無縁なところが旅人の心をくすぐるのだ。会津若松駅 駅
-
駅前から、13:15発のまちなか南循環線バスに乗車。
隣のバス停では、まちなか周遊バスを待つ人たちが列をなしていた。
鶴ヶ城へ行く人もいるのだろうが、多くの観光客は周遊バスを利用する。
こちらも目指すは鶴ヶ城だが、普通の路線バスでも行けるし、こちらの方が所要時時間も短い。
しかも、先に出る上、車内は地元の方が二人だけだった。 -
バスは、整備の進む街中を走り、8分ほどで鶴ヶ城西口バス停に着いた。
バス停から脇道に入ると、すぐ濠となり西大手門跡が現れる。
ここが、新政府軍の猛攻をひと月に渡り耐え抜いた鶴ヶ城の跡である。
戦後、すべての建物が取り壊されたが、城跡の大部分が史跡として保存されている。 -
近くには、会津若松市のご当地マンホールが。
もちろん、描かれているのは磐梯山だ。 -
西大手門跡から城内へ入り、西出丸を経て本丸へ。
本丸内は、観光客で賑わっていたが、やはり桜はすでに散った後だった。鶴ヶ城 (若松城、鶴ヶ城城址公園) 名所・史跡
-
それでも、茶店の近くでは、八重桜が咲き始めていた。
別の場所には、女優の綾瀬はるかさんが植樹した『はるか』と命名された八重桜も。 -
天守の石垣近くでは、まだ名残の桜も観られた。
石垣を背にして咲く様は、日本の春の風景そのもの。 -
平成23年(2011)3月に、明治に解体された当時の赤瓦を載せた姿に修復された天守を眺める。
コンクリートの復元天守だが、こうして見るとなかなか美しい。
この日はかなり混み合っていたので、天守へ登るのは諦めた。鶴ヶ城 (若松城、鶴ヶ城城址公園) 名所・史跡
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本丸の一角には、移築復元された茶室『麟閣』があった。
ちょうど紅枝垂れ桜が満開。
少しだけだが、花見ができた。茶室麟閣 グルメ・レストラン
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見事に花を咲かせた枝垂桜と赤い野点傘の競演。
まさに和の美しさ。 -
土塁の上に登ってみる。
桜は散ってしまっているが、なかなかの景色だ。
鶴ヶ城は、秋の紅葉の名所でもある。鶴ヶ城 (若松城、鶴ヶ城城址公園) 名所・史跡
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石垣も多い鶴ヶ城だが、土塁の部分もかなりある。
その土塁に桜がたくさん植えられているので、満開であれば見事だっただろう。 -
春らしい優し気な景色の中を歩いて行く。
日差しはちょっと強かったが、風は爽やかだった。
ここで、僅か150年前に、悲惨な戦いが行われたことが嘘のようだ。 -
そして、廊下橋跡に出た。
会津戦争の際、八重が入城したのは、この橋からだったそうだ。 -
本丸跡に降りると、そこは御三階の跡だった。
御三階は、藩主など、ごく限られた者しか入ることが出来なかった建物で、現在は、七日町にある阿弥陀寺に移築されている。
この場所へ、再び移築する計画もあるようだ。鶴ヶ城 (若松城、鶴ヶ城城址公園) 名所・史跡
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本丸から廊下橋を渡り二の丸跡へ。
こちらは城の東側に当たるが、まだ桜が少し残っている。
日当たりのせいなのか。 -
二ノ丸跡を抜け、博物館の建つ三の丸跡に出た。
そこには、山本八重の銅像が。
会津戦争では、多くの女性が命を落としたが、この八重のように、籠城戦に参加して生き残った者もいる。新島八重之像 名所・史跡
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鶴ヶ城三の丸口バス停から、5分遅れてやって来た14:22発の周遊バス『ハイカラさん』に乗り、今宵の宿がある東山温泉へと向かう。
風遊バスも、会津観光の大事な足だ。まちなか周遊バスハイカラさん 乗り物
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バスに揺られること15分ほどで、東山温泉に到着。
バス停からは。温泉街をのんびり歩いて宿へと向かう。
温泉街を流れる湯川の対岸に、会津藩指定保養所としての歴史を持つ宿『向瀧』の趣のある建物が見えてきた。
この宿も、いつか泊まってみたい宿の一つだ。会津東山温泉 向瀧 宿・ホテル
-
山間の狭い場所にある温泉街は、坂が多いようだ。
この残念坂は、現在の道が明治19年に出来る前までは、温泉街の本道だったそうで、家路に着く客が、帰るのが残念だとつぶやいたことから名づけられたそうだ。
神社があるようなので挨拶をと思ったが、思ったよりも足が疲れていたので、坂下からで失礼した。 -
その先には、射的も。
古き良き温泉街の姿が、まだここには少しだけ残っているようだ。 -
そして、今宵の宿『新滝』に辿り着いた。
湯川に架かる宿専用の橋の親柱には、『新瀧旅館』と刻まれていた。 -
橋の上から眺めると、右岸には、廃業した旅館が並んでいる。
ここ2,3年、外国人観光客が増えたのでどこも盛況のようだが、それ以前に力尽きた宿が、多くの温泉街で目に付くのも現実だ。 -
ロビーでは、いきなり振る舞い酒が。
おもてなしがお酒だったのは初めてだ。会津若松の奥座敷にある老舗の宿 by 旅猫さんくつろぎ宿 新滝 宿・ホテル
-
部屋は、基本の10畳和室のようだった。
でも、落ち着いた感じでなかなか綺麗だ。 -
一休みした後、約千三百年前に行基により発見されたと伝わる東山温泉を堪能することに。
まずいただいたのは、千年の湯。
こちらは、露天風呂と岩風呂に分かれていたが、時間帯により男女、貸切に区切られていて、この時間帯は岩風呂だけだった。
中へ入ると、秘湯感漂う浴室で、二つの湯船のうち一つは、自噴する大岩を利用した、まさに源泉掛け流しの湯船だった。 -
続いて入ったのは『猿の湯』。
この風呂は、川べりに湧く会津藩士に愛された素朴な湯だったそうだ。
傷を負った土方歳三も、この湯で傷を癒したそうだ。
とは言え、その風呂自体は趣の無い湯船だった。 -
湯上り後、お休み処で寛ぐ。
色々な飲み物が無料でいただけるのだが、驚いたことに焼酎まで置いてあった。 -
お休み処はなかなかお洒落で、囲炉裏もある。
居心地が良いので、夕食近くまで、ここで寛いでいた。 -
夕食は、『遊仙』と言う場所。
こちらも趣があり、いい感じだ。 -
会場も明るさが抑えられ、落ち着いた感じ。
テーブルの感覚も広く、ゆったりとしている。 -
先付は、地元産にこだわった食材が。
地元の豆腐屋から吟味して仕入れているという、生トロ湯葉刺しはなかなかだった。 -
平椀は、『こづゆ』と言う会津の郷土料理。
会津塗りの朱色のお椀で供され、冠婚葬祭などのハレの日にふるまわれる料理だそうだ。 -
食事のお供には、会津の地酒『名倉山 純米酒 月弓』を。
名倉山は、思い出のある懐かしいお酒だ。 -
焼物は、鰆の二年味噌焼き。
美味しかったのだが、ちょっと小さかったのが残念。
国産牛と会津地鶏の陶板焼きもあったが、普通に美味しかった。 -
〆は季節のデザートで。
今年も、いちごはかなり食べたな。
食後、宿泊プランに付いていた無料貸切風呂へ。
ところが、最初に入った千年の湯の岩風呂だったのでがっかり。
でも、お湯はなかなかなので、30分ほどゆっくり使わせてもらった。
翌日は、大内宿と塔のへつりへ向かう予定だ。
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この旅行記へのコメント (8)
-
- 前日光さん 2018/10/10 23:54:39
- 花は盛りに、月は。。。
- 隈なきをのみ見るものかは。。。というではありませんか。
鶴ヶ城の桜、満開でないところがまた美し と思いますよ。
こんばんは、旅猫さん。
後でコメントしようと思いつつ、うっかりするところでした。
所々にまだ鮮やかに色が残る鶴ヶ城の桜、ハッとするほど美しいです(^-^)
磐越西線車窓からは、磐梯山がよく見えますよね!
私は雪景色の磐梯山と、その麓に吹き荒ぶ地吹雪が強く印象に残っています。
磐越西線に乗ったのが、2月だったので。
東山温泉に行かれたのですね。
「新滝」に向かう途中の橋から眺めた、廃業した宿の廃れ感は印象的でしたが、今でもまだあの状態が続いているのですね。
東山温泉全体に与えるイメージもありますので、何とかならないものかと思います。
「射的」のお店は相変わらず続いているようですね。
以前はあの「射的」の看板と同じ高さの位置に、昭和を思わせるセクシーな絵があったと思うのですが、さすがに取り外されたのでしょうか?^^;
「新滝」では、おもてなしがいきなりの振る舞い酒とは(^◇^;)
トンデルのかイキなのか。。。
俄然興味が湧いてきました。
そろそろ会津方面にも行かなくては。
前日光
- 旅猫さん からの返信 2018/10/18 20:23:51
- RE: 花は盛りに、月は。。。
- 前日光さん、こんばんは。
お返事が遅くなりすみませんでした。
春の鶴ヶ城の最後の輝き、もちろん綺麗でしたよ。
和の美意識ですね。
磐越西線の車窓に磐梯山が見えると、「あー、会津に来たなぁ」って感じます。
私も、何度も磐越西線に乗っていますけど、やはり冬が一番印象に残っています。
東山温泉は、思ったよりも寂れていますね。
廃業になった崩れかかった宿がそのままなのには驚きました。
印象が悪いですよね。
あの「射的」のお店の近くに、セクシーな看板ですか。
いやぁ、見かけませんでしたよ。
やはり、潰れてしまったのでは?
それにしても、宿のいきなりの振る舞い酒には驚きました。
こんな宿もあるのですね。
旅猫
-
- つきにこさん 2018/09/07 19:22:00
- 500冊
- 旅猫さん
こんばんは!旅行記500冊記念って凄いですね。
おめでとうございます!
それだけたくさんお出かけされているって事ですものね。
桜前線の時期を外したなんて最初ありましたが
まだまだ写真を見る限り桜をバックの写真がいっぱいで良かったですね。
私事ですが今年の桜は見事に早すぎて、娘の結婚式に
わざわざ名古屋城と桜を合わせたくてホテルを予約したのに
(過去ん十年からの統計で早くても遅くても桜を見られるという日)
全くの葉桜・・・1輪も咲いてない状態でした(汗)
振る舞い酒や湯上がりどころにも焼酎があるなんて
呑兵衛さんは大歓迎ですね~!
でも私みたいな下戸な人には何を出してもらえるのかしら?
お料理もお部屋も豪華で素敵な旅館と思いましが
貸し切り風呂はちょっと残念でしたねー。
つきにこ
- 旅猫さん からの返信 2018/09/07 21:56:03
- RE: 500冊
- つきにこさん、こんばんは。
お祝い、ありがとうございます。
自分でも、よく書いたなと(笑)
出掛けるのは、大好きな国内ばかりですが、楽しくて止められません。
この時、桜前線は通り過ぎていましたが、名残の桜に出会えました。
そんあ桜たちが綺麗に見えるように、切り取って写しました。
上手く見せたって感じですかね(笑)
お嬢様の結婚式、葉桜とは残念でした。。。
今年は、本当に桜が早過ぎましたよね。
宿は老舗でそれなりに良かったです。
料理もお風呂も。
貸切風呂は、お湯自体は良かったのですが、ちょっと雰囲気がいまひとつでした。
振る舞い酒には驚きましたねぇ。
呑めない方には何が出るのでしょうかね?
旅猫
-
- hot chocolateさん 2018/09/06 01:41:16
- 会津の春♪
- 旅猫さま
こんばんは~
遅ればせながら、旅行記500冊記念、おめでとうございます。
500冊記念にふさわしい、春爛漫の美しい旅行記ですね。
若松城天守閣は平成23年復元ですか。
新しく、コンクリート造りの復元天守といっても、なかなか美しい姿をしていますね。
白亜のお城に桜、まさに日本の美です。
東山温泉は1300年の歴史があるのですね。
泊まられたお宿もなかなか雰囲気があり、お食事も美味しそうです。
引き続き、大内宿の旅行記にお邪魔しますね。
hot choco
- 旅猫さん からの返信 2018/09/06 20:16:52
- RE: 会津の春♪
- hot chocoさん、こんばんは。
いつもありがとうございます。
よく500冊も書いたなと思います。
継続は力なりですね。
鶴ヶ城は、戊辰戦争後に取り壊されたので、もちろん復元天守です。
コンクリートにしてはなかなか優美な姿ですよね。
瓦も当時のように赤茶色になり、ますます綺麗になっています。
東山温泉は、歴史ある温泉です。
風情のある温泉街に、老舗の宿が建ち並んでいます。
泊まった新滝も、一応老舗ですが、微妙に新しさもありました。
とは言え、昭和の感じですが。
東山温泉は、一人でゆっくり訪れたいと思います。
旅猫
-
- TKさん 2018/08/19 21:36:26
- 500冊記念おめでとうございます!
- 猫旅さん
こんばんは!
500冊記念おめでとうございます!
すごいですね。旅行記500冊なんて、生半可な心構えでは達成できるもんではありません。知的好奇心・調査力・体力・戦略力・お金・運・時間マネジメント能力・ピンチでの判断力・文章能力・筆まめさ・その他もろもろの才能があるからこそのたまものです。
猫旅さんの旅行記で、美しい日本のあちこちや、美味しい地元料理を知ることができました。ありがとうございます。
これからもお身体を大切に、1000冊を目指して頑張ってください。
TK
- 旅猫さん からの返信 2018/08/22 19:59:07
- RE: 500冊記念おめでとうございます!
- TKさん
こんばんは。
書き込みありがとうございます。
500冊、よくここまで来たものです(笑)
まあ、1万冊を超えている人から見れば、カスのようなものですが。
でも、旅行記を褒めていただきうれしいです。
これからも、いろいろな方に読んでいただけるよう、日本各地を旅していきたいと思います。
旅猫
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