高崎周辺の隠れメジャースポット探索の旅~中山道12番目の宿、旧倉賀野宿の周辺、群馬の森・群馬県立歴史博物館から世界記憶遺産に登録されたばかりの上野三碑へ。レンタサイクルと上信電鉄+無料巡回バスを駆使してのほぼ一日コースです~
2018/03/24 - 2018/04/21
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たびたびさん
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群馬の観光スポットといえば、一般的には世界遺産になった富岡製糸場が思い浮かぶんでしょうが、それ以外だと途端に分からなくなる。それか、草津、伊香保、四万に水上といった温泉の方になってしまうのがオチでしょうね。
ところが、高崎周辺に絞っても実は隠れたメジャースポットがいくつもありまして、しばらく時間をかけて、その辺りを紹介していこうというのが、この「高崎周辺の隠れメジャースポット探索の旅」。今回はその第一弾です。
まずは、倉賀野。高崎駅から一つめの駅ですが、中山道六十九次のうち江戸から数えて12番目の倉賀野宿があった場所(ちなみに、高崎宿は13番目の宿)。ここから日光例幣使街道が分岐していたし、独自の文化と歴史が匂います。
そして、後半は2017年に世界記憶遺産に登録されたばかりの上野三碑を巡るコース。三碑は、飛鳥時代から奈良時代に造られた古代の石碑という山ノ上碑・多胡碑・金井沢碑のこと。ところで、古代の碑は、そもそも日本に18例しかないんですね。上信電鉄線と無料の「上野三碑めぐりバス」を利用しても、半日はかかる。それぞれそんなには離れてはいないんですが、やっぱりササっと回るといったことはできません。
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高崎線の高崎駅の一つ手前。倉賀野駅で途中下車。駅の隣りでレンタサイクルを借りていざ出発です。
まずは高札場。旅人や住民に向けて重要な知らせを掲載したもの。宿場では必ずあるものです。 -
倉賀野神社は、祭神は大國魂大神。地域の氏神であり、縁結び・家内安全・医療介護の神様として崇められてきました。
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千鳥破風と唐様の軒破風を組み合わせて、赤い縁取りも効果的。キリリとしたデザインです。
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彫刻類も細かくて、こちらも豪華です。
倉賀野宿の名残りって、実はこれというものはあんまりないんですが、この神社が少し気を吐いている存在かもしれません。 -
群馬と言えば古墳というくらい群馬には古墳が多い。この近辺にもいくつかありまして、この大鶴巻古墳は、倉賀野神社から住宅街を抜けたところ。大きな古墳なので少し遠くからでも分かります。
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イチオシ
4世紀末から5世紀初頭にかけて造られたとされる墳丘長123mの前方後円墳。国の史跡にも指定されていて、なかなか雄大な姿。
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古墳の上にはこんもりした大木が小さな森を作っていて、それも景色のワンポイント。悪くないでしょう。
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もう一つは、浅間山古墳。さらに国道沿いに北に向かって進むと、これもこんもりした古墳が見えてきます。ファミレスの駐車場から全景がよく見えるので、これはそこからの眺め。
墳丘長171.5mの大きさは、群馬県内では第2位。関東地方でも第3位の規模となります。近くには大鶴巻古墳や観音山古墳もあって、辺りは古墳の地域でもあります。
ただ、一方で、際のギリギリまで畑が迫っていて、隙あらば浸食しそうな感じ。それがちょっと気になりました。 -
ここからは、方向を変えて。
パン工房シエルは、最寄駅は倉賀野なんですが、離れているので自転車じゃないと無理ですね。 -
地元の人気パン屋さんで、朝早くから開いているのがいいところ。
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かわいらしいイートインスペースもあって、この日もご近所さんが寛いでいました。野菜のフォーカッチャをいただきました。落ち着いた味わいです。
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進雄神社は、倉賀野駅から北へ2キロ強。ここも歩けない距離ではありませんが、やっぱりそれなりの遠さです。
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始まりは、貞勧11年(869年)。清和天皇の勅掟によるもの。源頼義が奥州征討に向かう際には戦勝祈願したとも伝わります。
長い参道を通って境内に入ると、清々しい雰囲気。小学生の写生大会みたいなことが行われていましたが、気持ちよさげな境内で、まさにぴったり。 -
社殿の整った姿も印象的です。
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ここから、パン屋をもう少し。
シュヴァインは、倉賀野というより、もう高崎市の郊外南側です。売り切れ御免みたいな情報もあって、期待してたんですが、 -
けっこう小さなお店です。
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いただいたのは、クリームパン。柔らかでしっとりと優しい味わいのたっぷり入ったクリームが決め手ですね。やさしい分、逆にインパクトは弱くなってしまうかもしれませんが、それがいいところ。リピーターが好む仕上がりでしょう。
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イチオシ
続いては、でいたらぼっち。
住宅地は住宅地なんですが、周辺にはなんにもないような場所。しかし、外観からして、これは雰囲気がありますよ~ -
店内の奥では何人もの人が働いていて、活気もありますね。
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コロネもいい感じですね。
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事前の情報で気になっていたクイニーアマンをいただきましたが、味はクロワッサン。ふかふかの素直な味わいが確かに光ってます。田舎の店に似合わない、上質なパン屋さんです。
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続いては慈眼寺。ここもあまりアクセスはいいとは言えませんね。
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イチオシ
松並木の参道から山門を入ると左手に日本庭園と鐘楼、正面に本堂。
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境内のそこかしこにはしだれ桜が植わっていて、なんとも美しい眺めです。
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しだれ桜の慈眼寺といわれるそうですが、それも納得。
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ここまでのお寺はなかなかないと思います。
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この池を中心とした日本庭園もしっかりした造り。名刹の雰囲気がムンムン。
1250年の歴史を持つ高野山真言宗のお寺というしか情報がありませんが、それ以上に何かあってもいいように思います。 -
イチオシ
慈眼寺から、長躯して、今度は観音山古墳です。
こちらは、6世紀後半に造られた前方後円墳で、墳丘全長は97m。大きさでは、さきほどの大鶴巻古墳や浅間山古墳に劣りますが、盗掘がなく豊富な埋葬品が発見されたことで重要な古墳。
周囲は広々とした敷地で、公園のようにきれい。古墳の上は遊歩道のように歩けるので、それもちょっと楽しいでしょう。
埋葬品は、これから向かう群馬県立歴史博物館で拝見します。 -
イチオシ
さて、これが群馬の森。群馬県立歴史博物館もこの中です。
敷地内には広場や林のエリアがたっぷりあって、家族連れのレクリエーションにはもってこい。しかし、それ以上に、敷地内には、群馬県立歴史博物館の他、群馬県立近代美術館もとんでもなく充実していて、群馬を代表するくらいの内容。
ここが高崎駅にもっと近くてアクセスが良ければ、群馬県の印象すら変わったのではないかと思うくらい。本当に群馬県はもったいないことをしています。 -
群馬県立近代美術館の方を先にしましょうか。
美術館は「明治百年記念事業」として整備されたもののようですが、群馬県出身の画家の作品のほか、フランスの印象派の作品もそれなりに所蔵。これはちょっと思いついて集めたというレベルではありません。鹿児島とか山口とかだと、自分たちこそが明治を切り開いたという誇りが美術館のコレクションに感じられたりするのですが、ここもそんな感じがしなくもない。悠々とした館内でかなりゆったりと鑑賞しましたが、意外な思いさえしてきます。
群馬の魅力はなんだろうといわれる時に、群馬の森が語られることはあまりないと思いますが、ここを見た限りそれはちょっとおかしなこと。これだけの施設があれば、群馬の文化的な充実度はもっと評価されていいのではないかと思います。 -
続いては、群馬県立歴史博物館。先ほども触れましたが、ここのメイン展示は観音山古墳の出土品です。
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観音山古墳は6世紀の後半なので、古墳時代の後期にあたりますが、
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それでもその内容は目を見張るもの。
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人物や馬の埴輪の大きさは1mを越える巨大さだし、
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黄金の装飾品も高度な技術。
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イチオシ
これはこの地にも大和朝廷に十分対抗できるくらいの力があった豪族がいたことを
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想像させるものと言っても過言でないかもしれません。
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邪馬台国がどこにあったかについては、既に畿内説で固まりつつあって、九州ではないとする見方はわずかとなっているようですが、
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いずれにしても、そこまで強力な中央集権国家が出来ていたものではないでしょう。
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九州にも、ほかの地方にも有力な勢力はあったわけで、群馬もその有力な勢力の一つだったと考えれば、不思議ではない。
ところで、私が気になっているのは、関東だと鹿島神宮と香取神宮。出雲の神話で大国主命に国譲りを迫った際に、それに協力したのが鹿島神宮と香取神宮の神様。関東から兵を出したことを想像させる内容なんですね。大和朝廷の勢力が日本中に浸透する中で、関東への浸透は意外に早い時期だったのではないか。とすれば、群馬の勢力も大和朝廷と実は想像以上に大きなパイプがあったのではないか。
そんな説は全くないのですが、自分なりに想像を広げて楽しめました。 -
関東の戦乱の始まりは、永享の乱や享徳の乱。鎌倉公方と関東管領の間で争いが起き、関東を二分する戦乱に発展します。
この長尾景仲は、上野国守護代。白井城(現在の渋川市)を拠点に享徳の乱で活躍した関東管領上杉氏側の武将。太田道灌の祖父にあたります。
いずれにしても、上野国が単独でどうこうという視点ではなくて、関東全体として動いて行くのが歴史。その後の後北条氏の台頭も含めて、多くの地ばえ豪族は自らの安定のために盟主的な存在を求める構図だったように思います。 -
さらに時代が下って、江戸時代。
江戸との商品流通や人的な交流が深まって、経済が豊かになるとともに郷土文化が花開く。 -
人形芝居や歌舞伎も
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農村の大きな娯楽の一つだったことでしょう。
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これは幕末。水戸の天狗党と高崎藩が戦った下仁田戦争。
高崎藩は大敗するのですが、最終的な悲劇はむしろ天狗党。明治維新のフロントランナーだったはずの水戸藩が結果として明治維新に対して何の貢献もしなかった歴史の事実は、これをどう評価すればいいのか。今でも暗澹たる思いになってしまうテーマです。 -
さて、倉賀野周辺の散策を終えて、高崎駅に到着。
駅弁屋2号店は、高崎駅の改札内にあるお店。久しぶりにだるま弁当を買いました。 -
見た目は量がどうかなという感じですが、食べるとそうでもない。
容器に特徴があっても、それだけではない。 -
それぞれのおかずをしっかり味わえる内容がいいと思います。
で、実は、午後から別の用事があって、ここで時間切れ。改めて日を変えて。 -
高崎駅から上信電鉄で吉井駅に到着。
ここからこの無料の巡回バスを利用して、上野三碑に向かいます。 -
ユネスコの世界記憶遺産に選定された上野三碑。まずは、多胡碑に到着です。
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公園の奥の建物が碑ですね。
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碑文は、和銅4(711年)、多胡郡を設置する命令を記述した内容です。
一方で、その書体は一つの完成された書体。書道史においても重要な意味を持つもののようで、確かに、眺めているといろんな気持ちが湧いてくるような気がします。 -
これは、吉田松陰の義弟で、群馬県令だった楫取素彦の歌碑。碑の保管管理に力を尽くしたよう。
歌は、「深草のうちに埋もれし石文の 世にめづらるる時は来にけり」です。 -
敷地内に建つのは吉井町多胡碑記念館。
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立派な建物です。
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展示・解説は、多胡碑だけではなく、上野三碑や石碑とはといった広い視点からアプローチしたもの。
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石碑に彫られたアジアの多様な文字は、文化の多様性そのものを表現しているという理解。当たり前のようですが、確かにそれはそう。ちょっと不思議な感覚にもとらわれます。
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続いては、山上碑。
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参道がきちんと整備されていますが、あの山の上ですか。
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と、到着したら。。その隣りに丸い古墳もありました。
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山上碑は、681年に造られた日本最古級の石碑。ここも建物の中に厳重に保存されています。
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イチオシ
解説によれば、碑文は放光寺の僧である長利が亡き母の黒売刀自を供養するとともに、母と自分の系譜を記して顕彰したもの。この一族は、地元の豪族ですし、極めてプライベートな内容なんですが、この石碑の形が新羅に見られる形とよく似ていて、朝鮮半島とのつながりがあるのではないかというところも価値の一端だとか。
この時代石に文字を刻む技術は朝鮮半島から来た人たちに頼らざるを得ない時代だったのかとか。想像するとロマンが広がります。
ちなみに、白村江の戦いは、663年。しかし、百済を滅ぼした新羅が高句麗に滅ぼされるのも936年のこと。百済から日本に逃れてきた人が多かったことはよく知られていますが、新羅が滅びた際も多くの人が日本に逃れてきたということ。この碑は、本来日本と敵対関係にあった頃の新羅との関係を示していることにも大いに興味がひかれるところです。 -
山上碑から山名八幡宮へ。ここは、山名駅からすぐの場所。駐車場から線路の下をくぐって、境内に入ります。
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清和源氏新田義重の子で、山名氏の祖の山名義範が、豊前国の宇佐神宮の分霊を勧請したのが始まり。今では安産祈願の神社として知られます。
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山の傾斜を利用した構えは、威厳を感じる雰囲気。
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楼門、本殿にもちょっとした華麗さが匂います。
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山名八幡宮の境内。楼門の脇にある小さなパン屋さんは、ピッコリーノ。
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面白いところにあるなと入ってみると、これがなんとも素晴らしい。きれいに焼き上がったパンはどれも美しくて、ほれぼれするような出来上がり。
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山名焼きという小さなパンもあて、餡子のお焼きのような感じ。しっかりした生地とハイレベルな餡子の組み合わせがとってもおいしいです。
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最後は金井沢碑。
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こちらも山の上にありました。
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イチオシ
こちらも、公的な多胡碑に対して、古代豪族三家氏が先祖供養のため造立したというプラーベートな意味合いが強いもの。
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ずんぐりした石で、横から見てもかなり分厚い。だるまさんのようなどっしり感でした。
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金井沢碑から最寄駅、根小屋駅までは歩きました。
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上信電鉄で高崎駅に帰ります。
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お昼は蒼屋へ。高崎駅から歩きましたが、ちょっと距離はあります。
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しかし、ここのソースかつ丼は価値あり。サクッと揚がったカツ丼は豚肉のうまさがしっかり感じられるし、醤油系のソースにしましたが、キレがあって抜群のうまさ。おまけに、量があって、普通の丼でも食べるともうお腹いっぱい。
私は栄寿亭に、藤屋食堂、志多美屋本店など既に群馬県のソースかつ丼でだいたい名店と言われる店は回ったつもり。その視点で言っても、間違いなく群馬を代表するソースかつ丼のお店の一つだと思います。 -
高崎駅に戻って。
高崎駅の改札を出てすぐ右手の駅弁屋。帰って今晩食べようと、おぎのやの峠の釜めしを買いました。 -
陶器の入れ物はずっしり重くて、なかなか迫力ありますよね。
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野菜も肉もしっかり炊き込まれた感があって、これもやっぱり高崎の名物といわれるだけのことはある。一度は試すべき駅弁です。
さて、以上で第一弾は無事終了。お疲れ様でした。
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この旅行記へのコメント (2)
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- M-koku1さん 2019/03/25 07:41:12
- 上野三碑
- 出張にかこつけて
上野三碑を回ろうと思ったのですが
突然の寒さで 諦めました
たびたびさんの この旅行記は
とても参考になります
暖かい季節になったら
この無料バスを使って
回ってみたいと思います
登利平 美味しかったです!
パン屋さんもいろいろあるんですね
近くて遠い 高崎に 興味が湧いてきました
ではまた
Mより
- たびたびさん からの返信 2019/03/26 10:39:43
- RE: 上野三碑
- 近くて遠い高崎ですか。東京からすると、まさにそんなイメージなんでしょう。交通の要衝というだけで、なかなか高崎自体が目的にはなりませんよね。
そういうこともあって、高崎をシリーズにしてレポートしているところ。気づいていただけて嬉しいです。で、最後に箕輪城まつりで一区切りとする予定。これもアップしたら、またお立ち寄りいただければと思います。
たびたび
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