Aswan Hight Dam and Desert ⑪ （2017年12月26日 アスワン・ハイ・ダムと砂漠 ⑪ ）

2017/12/22 - 2017/12/29

イシス神殿を後にして、アブ・シンベル神殿へ向かいました。
その途中でアスワン・ハイ・ダムにちょっとだけ立ち寄りました。
小学生の頃からこのダムのことは知っていましたが、名前だけが一人歩きして実際にはいかなるものか、理解していなかったかもしれません。
そんなアスワン・ハイ・ダムを見た後は・・・・・。
あとは延々と続く砂漠を走って行きます。
私にとって砂漠体験は鳥取砂丘か御宿の月の砂漠ぐらいでしょうか・・。
大島には行ってますが、三原山には行ってないので裏砂漠体験はありません。
なにもないであろうサハラ砂漠も楽しみにしてました。


【旅程】

12月22日（金）成田発 17：30（EY871便）⇒アブダビ着　翌日0：35
12月23日（土）アブダビ発 3：20（EY651便）⇒カイロ着5：30
　　　　　　　 カイロ発 10：35（MS361便）⇒ルクソール着11：45
　　　　　　　 クルーズ船へ
　　　　　　　 カルナック神殿観光
　　　　　　　 ルクソール神殿観光
12月24日（日）王家の谷観光
　　　　　　　 ハトシェプスト女王葬祭殿観光
　　　　　　　 メムノンの巨像観光
　　　　　　　 西岸から東岸へファルーカ船にて移動
　　　　　　　 午後は自由行動
　　　　　　　 クルーズ船にてエドフへ移動
12月25日（月） ホルス神殿観光
　　　　　　　 クルーズ船にてコムオンボへ移動
　　　　　　　 コムオンボ神殿観光
　　　　　　　 クルーズ船にてアスワン移動（予定）
12月26日（火） イシス神殿観光
　　　　　　　 アスワンハイダム観光
　　　　　　　 アブシンベル神殿観光
12月27日（水） アスワン発（NP82便　9：30⇒　カイロ着　10：55
　　　　　　　 考古学博物館入場
　　　　　　　 ハンハリーリバザール
12月28日（木） ギザのピラミッド、スフィンクス観光
　　　　　　　 カイロ発　15：00（EY648便）⇒アブダビ着　20：30
アブダビ発　22：00（EY878便）⇒
12月29日（金） 成田着　12：45

エリア アスワン(エジプト)

• 旅行の満足度: 4.0
• 観光: 3.5
• 交通: 3.5

• 同行者: カップル・夫婦
• 交通手段: 観光バス

アスワン・ハイ・ダムの入場料は20エジプトポンドです。

こちらはアスワン・ハイ・ダムからの眺めです。

先ほどフィラエ神殿に船で向かう時に、アスワン・ダムが見えました。
アスワン・ダムはアスワンの市街から約5km南にあります。
1902年に完成しました。
ただその後も何度か改修されています。
アスワン・ダムによって、エジプトの綿花の生産は3倍に伸びました。
ただし、貯水量は年間の5％と低かったのです。

これに対して、アスワン・ダムの上流約7kmに建設された大型のダムがアスワン・ハイ・ダムです。
1971年に完成しました。
このダム湖（人造湖）をナセル湖と言います。
湖というよりも海のように広大です。

あら、こちらには入場料30エジプトポンドと書いてます。

発電所です。

発電能力は、 2.1GW (175MWが12基)です。

そもそもアスワン・ダムだけではナイル川の氾濫を防止するのと、灌漑用の水を確保するのに足りなかったようです。
ちなみにアスワン・ハイ・ダムに対して、アスワン・ダムのことをロウ・ダムと呼んでいるようです。

このハイ・ダム建設のために、ソビエト連邦の支援を受けて国家事業として計画されました。
高さ111m、全長3,600m、幅980ｍもあります。
まさに巨大ロックフィルダムです！！！

＊ロックフィルダムと言うのは、土砂や岩石を積み上げて建設することです。

【ダムができてプラスになったこと】

・広大なエジプト、スーダンにまたがる土地が耕作できるようになりました。
・漁業が活発になりました。
・エジプトでは大旱魃の被害がなくなりました。（ただ周辺国は被害がありました）

【ダムができてマイナスになったこと】
・水没地域の約9万人といわれる住民が移住しなければならなくなりました。
・水没地域にあった、古代エジプトの遺跡群を保護しなければならなくなりました。
・ナイル川下流域では、土砂が減少することによって河岸や海岸の侵食が激しくなる影響がでました。それと河口付近の海の生態系にも影響がでました。
・ナセル湖ができたことによって、湖面から膨大な蒸発が起こるようになり、ナセル湖周辺では時々豪雨が降るようになりました。
（大部分のヌビア人の約5万人のが、コム・オンボ近くのナイル川から3ー10キロの場所に移動しました。そして「New Nubia」と呼ばれました。
47の村が建設されて、旧ヌビアの関係と似た関係を保っています。）

遠くにぽつりと何かがあります。
いったい何でしょうか。

移動しながらの状態でしたので、うまく写真が撮れませんでした。

これは記念の塔です。
アラブ・ソビエト友好の蓮の花の塔です。
建築家 Piotr Pavlov, Juri Omeltchenko
彫刻家 Nikolay Vechkanov
さんたちによるものです。

まるで海のようです。

このナセル湖の名前は、当時のエジプト大統領の名前ナセル大統領から名づけられました。

このナセル湖は多くのヌビアを氾濫させてしまい、10-12万人の人がスーダンとエジプトに移住しました。
なんだか他人ごとではありません。

ダムの全体的な位置です。

ナイル川流域図

ナイル川と言うとエジプトを連想するかと思いますが、その水源は実は他の国々です。
ちなみに白ナイルと青ナイルが交差するのが、スーダンのKhartoum（ハルツーム）です。
青ナイルはエチオピアのLake Tano（タナ湖）が源流です。
白ナイルはLake Victoria（ヴィクトリア湖）が源流と言われています。
ただしこの湖は、ウガンダとケニアとタンザニアにまたがっています。
そしてヴィクトリア湖には多数の河川が流入してます。
ただ流出しているのはナイル川だけです。
ですからこれら関係国をあげると、エジプト・スーダン・エチオピア・ケニア・南スーダン・ウガンダ・ルワンダ・コンゴ民主共和国・ブルンジ・タンザニアということになります。
でも最後には地中海に注いでいます。

そして世界第２位の長さ6650ｋｍです。
勿論世界第１位はアマゾン川の7570ｋｍです。

そんなナイルに来たと思うとゾクゾクします！

※ 追記
2020年11月、BSプレミアムで榎本孝明氏出演の番組の中で、ナイル川をデルタ地帯から遡上し源流へと向かう冒険紀行を放映していました。
（再放送のようですが。）
その中で源流は青ナイルであるとのこと。
白ナイルは水量が年間を通して一定ですが、青ナイルは雨季に増水します。
エチオピアの第1の石橋→第2の石橋→第3の石橋、タナ湖まで向かいました。
もはや車では行けない地帯です。
昔は海であり、大地が隆起し、マグマが冷えて玄武岩になりました。
この玄武岩が雨や風で砕けて、黒い土になりました。
その黒い土がナイルによってもたらされました。
雨季に上流で雨が降ればナイルが氾濫し、エジプトに肥沃な黒土が運ばれて作物ができました。

また、番組では「ナイル賛歌」の紹介もありました。

大いなるナイル川の流れ
悠久よりたゆたう 岸辺には遥かに古くより
人々の営み護りたもう
灼熱の大地にあって 唯一の生命線なる導き水

太陽神のラーの恵み受けしこの地に
人類文明の曙の 栄光あれ

遺跡の傷は幾千年の時を刻み
職人たちの 思い宿りぬ

壮大な神殿 ピラミッド スフィンクス
亡き王たちの 意志と業績は
時の彼方 砂漠の中に埋もれど
我らの胸に 古の情景蘇らせり
‥‥‥

ダムの断面です。

アスワンダムが完成した後、エジプト海岸の地中海沿岸のいわしの漁獲量は減少しました。
ただその減少の理由はまだわかりません。

さてアスワン・ハイ・ダムを見たら後はひたすら砂漠を走り抜けます。
これは車窓からの景色です。

これも車の中からです。ちょっと反射してしまいました。

この写真ではわからないのですが、蜃気楼が見えました。
とても感動しました。

車で飲み物を飲みながら楽に移動してますが、映画のように何もない砂漠でカラカラに干からびだ状態で蜃気楼が見えたら、やはりオアシスに見えるでしょう。

砂漠の砂を記念に持ち帰ります。
一応サハラ砂漠です。砂漠全域の中では随分東寄りにはなりますが・・。

ただ砂漠ですが、ずっと電線が通っています。

車もほとんど通りません。
こんな所で車が故障したら大変です。（映画の見すぎでしょうか）

地平線の彼方を眺めるとロマンを感じます。

砂漠のオアシスです。
飲み物もあります。

トイレの水道です。
う～～～～～～～ん！むかーしむかーし似たような物を見たことがあります。
蛇口はついているのですが、ポリタンクの水です。

一応私はこちらで手を洗いました。
なぜならこれ以外はなかったので。
そしてその後、船から持ってきたランチ（ボックス）をいただいたのですが・・・。
外で食事をする際には、毎回持参した除菌シートで手を拭いてから食べていました。
ただこの時はなぜか除菌シートではなく、間違って汗拭きシートで手を拭いたようなのですが、悲しいことにお腹の調子が悪くなってしまいました。（軽度でしたが）
この後はアブ・シンベル神殿なのに・・・・。
原因がこれなのかは断言はできませんが。
私の思いこみかもしれません。
せっかくずっと注意をしていたのに。

そして、アブ・シンベル神殿へと続きます。