クロアチアメインの旧ユーゴ4ヶ国と最後に少しオーストリア1人旅 その20：グラーツ編 14世紀にはハプスブルク家の都となった，イタリア・ルネサンス風の建築物に南欧の明るさを感じる世界文化遺産の古都

2017/08/16 - 2017/09/13

1度訪れてみたいと思っていたドゥブロヴニクを皮切りに，旧ユーゴスラビアの国々，クロアチアをメインにモンテネグロ，ボスニア・ヘルツェゴヴィナ，スロベニア，そして最後に2度目のオーストリアに27泊29日という，超が着くほどの長期間行ってきました．正直なところ，長すぎた感は否めませんが…．
宿泊した都市はクロアチア(ドゥブロヴニク，ザグレブ，プリトヴィツェ，スプリト，プーラ)，モンテネグロ(ツェティニェ，コトル)，ボスニア・ヘルツェゴヴィナ(モスタル，サラエヴォ)，スロヴェニア(コペル，リュブリャナ)，オーストリア(グラーツ，ハルシュタット，ウィーン)．また宿泊地を起点に，クロアチア(シベニク，トロギール，ポレチュ)，スロヴェニア(シュコツィアン洞窟群，ポストイナ鍾乳洞，ブレッド湖)，オーストリア(ヴァッハウ渓谷)などにも訪れました．
最後の方なあまりでしたが，前半から中盤にかけては，雨男の私としては珍しく，天気にも恵まれました．「せっかく行くなら1度にたくさん」と思っていたのですが，同じ行程を2回くらいに分けたほうが良かったのかな，とも思います．
都市間の移動には飛行機，バス，鉄道を利用，都市内の移動には地下鉄，トラム，バスを利用しました．前回のポルトガルに引き続きバルカン半島でも，バスは非常に有用な移動手段でした．
ルート概要は 成田→ロンドン(乗継のみ)→ドゥブロヴニク→ツェティニェ→コトル→モスタル→サラエヴォ→ザグレブ→プリトヴィツェ→スプリト(シベニク，トロギール)→プーラ(ポレチュ)→コペル(シュコツィアン洞窟群)→リュブリャナ(ブレッド湖，ポストイナ鍾乳洞)→グラーツ★→ハルシュタット→ウィーン(ヴァッハウ渓谷)→ロンドン(乗継のみ)→成田．

その20：グラーツ編 24,25日目

24日目：この日はホテルで朝食後，この旅最後の国であるオーストリアのグラーツに行くため，ホテルをチェックアウトしてLjubljana駅に向かいます．8:05発のICS14でMaribor駅へ，列車を乗り換えて10:19発のEC158でGraz Hbfへ．グラーツ到着後は，ホテルに荷物を預けて，グラーツ旧市街を観光します．ドームとマウソレウム，シュロスベルク，武器博物館などを見学して，ホテルに戻りチェックイン．駅構内のスーパーで夕食と明日の朝食を購入して，ホテルで晩ご飯をいただきました．
25日目：ホテルにて昨日購入した朝ご飯を食べて，ホテルをチェックアウト．この日はエッゲンベルク城を訪れます．中央駅から1番のトラムでエッゲンベルク城へ向かいます．城ではアルテ・ギャラリーやコインコレクション，考古学博物館，庭園を見学，もちろん豪華な部屋のガイドツアーにも参加します．城を見学後は1番のトラムで中央駅に戻り，ホテルで荷物をピックアップ，この後はハルシュタットに向かいます．

観光ルートは下記の通り．
24日目：ホテル→Ljubljana駅→Maribor駅→Graz Hbf→ホテル→ハウプト広場→王宮，2重らせん階段→ドームとマウソレウム→YogurtLove（フローズンヨーグルト）→ハウプト広場→シュロスベルク(時計塔→厩稜堡→鐘楼)→ハウプト広場→州庁舎中庭→武器博物館→ハウプト広場→ホテル→スーパー→ホテル．
25日目：ホテル→エッゲンベルク城(アルテ・ギャラリー→豪華な部屋ガイドツアー→ゴシック様式の礼拝堂→コインコレクション→考古学博物館→庭園)→ホテル→Graz Hbf．

表紙はシュロスベルクの大砲小屋となりの広場から見下ろすグラーツ市街．

その1：往路+ドゥブロヴニク編① https://4travel.jp/travelogue/11287394
その2：ドゥブロヴニク編② https://4travel.jp/travelogue/11287417
その3：ドゥブロヴニク編③ https://4travel.jp/travelogue/11287454
その4：モンテネグロ編 https://4travel.jp/travelogue/11287473
その5：モスタル編 https://4travel.jp/travelogue/11289753
その6：サラエヴォ編① https://4travel.jp/travelogue/11289840
その7：サラエヴォ編② https://4travel.jp/travelogue/11289850
その8：ザグレブ編① https://4travel.jp/travelogue/11292331
その9：ザグレブ編② https://4travel.jp/travelogue/11292348
その10：プリトヴィツェ編 https://4travel.jp/travelogue/11292435
その11：スプリト編① https://4travel.jp/travelogue/11292456
その12：シベニク編+スプリト編② https://4travel.jp/travelogue/11294664
その13：トロギール編+スプリト編③ https://4travel.jp/travelogue/11294676
その14：プーラ編① https://4travel.jp/travelogue/11294763
その15：ポレチュ編+プーラ編② https://4travel.jp/travelogue/11296747
その16：コペル編+シュコツィアン洞窟群編 https://4travel.jp/travelogue/11296780
その17：リュブリャナ編 https://4travel.jp/travelogue/11296829
その18：ブレッド湖編 https://4travel.jp/travelogue/11298940
その19：ポストイナ鍾乳洞編 https://4travel.jp/travelogue/11298963
その20：本旅行記
その21：ハルシュタット編 https://4travel.jp/travelogue/11301242
その22：ヴァッハウ渓谷編+復路編 https://4travel.jp/travelogue/11301264

エリア グラーツ(オーストリア)

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: 鉄道 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

リュブリャナ4日目(全行程24日目)．
本旅行記はホテルの朝食からスタート．この日は，この旅最後の国オーストリアに入ります．鉄道でグラーツへ行くために，ホテルをチェックアウトして，Ljubljana駅に向かいます．

ibis Styles Ljubljana Centre ホテル

Ljubljana駅に到着．

リュブリャナ駅 駅

Ljubljana駅正面玄関を入ったところ．

こちらの8:05発ICS14で，まずはマリボルに向かいます．グラーツまでのチケットは，日本でOBBのサイトから購入していきました．

車内の様子．列車は定刻に出発．

5分ほど遅れてほぼ10時ちょうどに，Maribor駅に到着．

次に乗るグラーツ行きが13分遅れということで，いったん駅の外に出ました．

やはりスロベニアの鉄道駅にはSLが置かれているようです．

こちらの10:19発EC158でグラーツに向かいます．ちなみに結局20分ほど遅れての出発になりました．

車内の様子．下が客席です．

おそらく写真のフェンスのあたりが，スロベニアとオーストリアの国境でしょう．

グラーツ1日目(全行程24日目)．
20分ほど遅れの11:40頃，Graz Hbfに到着．まずはホテルに荷物を預けに行きます．

グラーツ駅 駅

グラーツでのホテルは駅前にあるこちら，Austria Trend Hotel Europa Grazです．まだチェックイン時間になっていないので，荷物だけ預けてグラーツ散策へ．

オーストリア トレンド ホテル ヨーロッパ グラーツ ホテル

こちらの地下にあるGraz Hbfのトラム駅から，まずはハウプト広場に向かいます．

ハウプト広場に到着．広場中央にはヨハン大公の銅像が立っています．

広場南側には19世紀末に建てられた市庁舎がそびえています．

市庁舎前の観光案内のお姉さんから地図をゲット．

まずは王宮の2重らせん階段を目指します．

王宮前の城門に到着．
皇帝フリードリヒ3世により建設された王宮ですが，現在はほとんど残っていません．

城門をくぐり最初の中庭へ．中央の塔には，1499年に建造されたゴシック時代末期の石工技術の傑作である2重らせん階段が残っています．塔の内部に入場します．

二重のらせん階段（王宮跡） 城・宮殿

このように2つの階段がねじ曲がり，合流します．

上から見下ろす2重らせん階段．

続いて王宮と道を挟んで建つ，ドームへ．
皇帝フリードリヒ3世により，1438～64年にかけて建立された後期ゴシック様式の教会．

ドームとマウソレウム 寺院・教会

教会南西側の壁には，1480年にグラーツを襲った3大災害，イナゴの大群の来襲，ペストの流行とトルコ軍の侵攻の様子が描かれた古いフレスコ画の一部が残っています．

教会南側のこちらの入口から入場していきます．

ファサード側から見た主祭壇側．

内陣．

主祭壇．

主祭壇側から見たファサード側．

パイプオルガン．

説教壇．

右側廊．

左側廊．

次はドームの南側に隣接する，マウソレウムへ．こちらはマウソレウムのファサード．
皇帝フェルディナント2世が眠る霊廟です．

マウソレウムの裏側，こちらから入っていきます．

マウソレウム内のキャサリン教会．
内部の装飾はグラーツ出身，ウィーン・バロック建築の巨匠フィッシャー・フォン・エルラッハが手がけたとのこと．

キャサリン教会の天井画．

キャサリン祭壇．

マリエン祭壇．

キャサリン教会のドーム天井．

キャサリン祭壇側から見た入口側．

霊廟の上部，この地下に霊廟があります．

霊廟上のドーム天井．

地下の霊廟．フェルディナント2世の墓碑が置かれています．

またマウソレウムの鐘楼にも上ることができます．こちらは鐘楼を上ったところ．

マウソレウム鐘楼から見るグラーツ市街．

マウソレウム(左)とドーム(右)．続いてシュロスベルクへ向かいます．

途中のこちら，yogurtloveで昼食代わりのフローズンヨーグルトをいただきます．

いただいたのはブルーベリーのフローズンヨーグルト．

シュロスベルクの麓にやってきました．

260段の階段を使って上まで行くこともできます．

今回はシュロスベルクリフトという，エレベーターを利用して上へ．

この奥にシュロスベルクリフトがあります．

こちらのシュロスベルクリフトで上へ向かいます．

シュロスベルクに到着．
城山に築かれた城は拡張され，難攻不落の要塞となったが，ナポレオン戦争後に取り払われ，現在は時計塔と鐘楼だけが残る公園となっています．

時計塔．
グラーツのシンボルで，グラーツ最古の建造物の1つ．今は無き城壁の最も高い部分として，1265年には言及されており，文字盤の直径は5ｍ以上，長針が時間，短針が分を表しているのがユニークです．時計塔ができた当時は長針だけで用が足りていたが，後に分を示す短針が付け加えられたとのこと．

シュロスベルクから見下ろすグラーツ市街．真ん中にハウプト広場と市庁舎が見えます．

こちらはクンストハウス．今回は訪れていませんが，独特の形のミュージアムです．

時計塔のミニチュア模型も置かれていました．

シュロスベルクバーンというケーブルカーで山を下りるため，少しばかり上っていきます．

厩稜堡．1544年から建てられたもので，高さ20ｍ，壁の厚みは最大6ｍあるそうです．

シュロスベルクから見下ろすグラーツ市街その2．

こちらは大砲小屋．

大砲小屋となりの広場から見下ろすグラーツ市街．

1787年まで，敵の接近を知らせる，4門の大砲として使用されていたとのこと．1809年にはフランスの手に落ち，現在はオリジナルの大砲の代わりに，2つの小さなオーストリア製，2つの大きなパリ製が置かれているとのこと．

さらに上っていくと広場があります．こちらの右手側に鐘楼があります．

シュロスベルク 広場・公園

こちらが鐘楼．
高さ34ｍ，8角形のこの塔は，1588年にカール2世の命により建てられたそうです．

鐘楼の裏側には聖トマス礼拝堂跡．
11世紀に建てられたといわれる円形のロマネスク様式の礼拝堂で，1810年まではこの地に建っていたとのこと．

シュロスベルクバーン山頂駅に到着．

こちらのケーブルカーで山を下りていきます．

それでは出発です．

ケーブルカーとしては珍しくカーブがあり，カーブ部分で2台がすれ違うようになっています．

山麓駅に到着．

シュロスベルクバーンの山麓駅の外観．

ちょうど来た5番のトラムでハウプト広場に到着．次はヘレン通り沿いの州庁舎に向かいます．

州庁舎に向かう途中，ヘレン通りにある壁絵の家．1742年にバロック時代の画家，ヨハン・マイヤーによる，ギリシャ・ローマ神話の神々が描かれたフレスコ画で彩られています．

州庁舎に到着．中庭に入場します．

州庁舎 （グラーツ） 建造物

州庁舎中庭．
中庭にはアーケードがあり，イタリア人ドメニコ・デラリオによるルネサンス様式の傑作とされているとのこと．

次は州庁舎お隣の武器博物館(兼観光案内所)へ．
15世紀のグラーツは，イスラム教のトルコ軍に対するキリスト教の東の砦として重要な位置にあった．多数の武具は州庁舎の屋根裏に保管されていたが，1642～44年に隣に武器庫が建設された．オリジナルの姿で現存する，世界最大の武器庫で，槍，剣，鎧，銃など3万点以上の展示品がギッシリと並べられている姿は実に壮観です．

武器博物館 博物館・美術館・ギャラリー

こちらにはギッシリと銃が並べられています．

全身鎧が並んでいます，今にも動き出しそうです．

中世の美しく保存された美しい装飾の鎧甲冑．

完全な状態を保った馬の甲冑，世界中で7点しかないとのこと．

武器博物館から見た州庁舎中庭．

こちらはロングソード，やはり武具は少年心をくすぐります．

ハウプト広場に戻ってきました．

こちらはルエッグハウス．ハウプト広場の北端にある，漆喰による装飾が美しい建物．現在はスワロフスキーのブティックが入っています．

1番のトラムで中央駅まで戻ってきました．こちらは地下のトラムの中央駅．

今度こそホテルにチェックインします．

オーストリア トレンド ホテル ヨーロッパ グラーツ ホテル

こちらが客室の様子．

客室からの眺望，Graz Hbfが見えています．この後は，駅構内のスーパーで今日の夕食と明日の朝食を買ってきました．

この日の夕食はスーパーで購入したこちら，メキシカンラップとチキンのサラダです．

客室からの夜景．この日はこれでおやすみなさい．

グラーツ2日目(全行程25日目)．
この日はホテルで前日に購入した朝食，クロワッサンサンド，サラダとミックスベリー．朝食後は，ホテルをチェックアウト，荷物だけホテルに預けて，エッゲンベルク城を訪れます．

中央駅から1番のトラムでエッゲンベルク城へ向かいます．

エッゲンベルク城の門に到着．

門をくぐって中に入っていきます．

エッゲンベルク城に到着．
皇帝フェルディナント2世の第1の重臣であったハンス・ウルリヒ・フォン・エッゲンベルクが，1625～35年にかけて建てた城．全宇宙をモチーフとした城で，4つの塔は四季を，12の門が12ヶ月，365の窓が1年の日数を象徴しているとのこと．

エッゲンベルク城 城・宮殿

こちらから城に入っていきます．

入った右手側でチケットを購入します．3F部分にある豪華な部屋はガイドツアーでのみの見学．11時からのガイドツアーに参加します，それまでは2F部分のアルテ・ギャラリーを見学します．

2Fから見る中庭部分．

アルテ・ギャラリーへ．中世の宗教絵画やルネサンス，バロックのヨーロッパ絵画が展示されています．

1300～10年，オーバーラインの聖母子像．

1420年，多翼祭壇画．

ヴィーナス，クピド，3美神（ピエトロ・リベリ）．

マルス，ヴィーナス，クピド（バルトロメウス・スプランヘル）．

村の展覧会（ピーテル・ブリューゲル(子)）．

死の勝利（ヤン・ブリューゲル(父)）．

無実の虐殺（マルティン・ヨハン・シュミット）．

アルテ・ギャラリーを出てチケット売場に戻り，豪華な部屋のガイドツアーに参加します．
このツアーで日本人にとっての最大の見どころは，日本の間です．日本の間を彩る装飾画は，豊臣時代の大阪を描いた屏風絵を解体したものであることが近年確認され，大坂城や当時の街を描いた絵は，現在ほぼ残っていないため非常に貴重だそうです．

3Fから見る塔．

この扉から3F部分，豪華な部屋のツアーがスタートです．1時間ほどでツアー終了です，ちなみに豪華な部屋のツアー中は撮影禁止です．

こちらは城の最古の部分，ゴシック様式の礼拝堂．1470年より以前からあったとのこと．

エッゲンベルク城の敷地内には，クジャクが放し飼いにされています．

城の廊下を走るクジャクたち．

次はコインコレクションへ．

フェルディナント3世のコイン．

計量などに用いられた道具も展示されていました．

庭園を散策しながら考古学博物館へ向かいます．

考古学博物館に到着．

博物館内部の様子．

エジプトの発掘品も展示されています．

紀元前600年頃，シュトレットヴェーグの聖杯受けチャリオット．こちらのメイン展示である鉄器時代のオブジェ．

庭を散策しながら戻っていきます．

庭には池もありました．

オスのクジャクが休んでいました．

エサをもらうオスのクジャク．

エッゲンベルク城前まで戻ってきました．

門からエッゲンベルク城の敷地を出ます．

エッゲンベルク城のトラム乗場から，1番のトラムで中央駅へ，そしてホテルに荷物を取りに戻ります．

ホテルに到着．荷物をピックアップして，Graz Hbfからハルシュタットに向かいます．

本旅行記はここまで．続きは↓
前→その19：ポストイナ鍾乳洞編 https://4travel.jp/travelogue/11298963
次→その21：ハルシュタット編 https://4travel.jp/travelogue/11301242

オーストリア トレンド ホテル ヨーロッパ グラーツ ホテル