2017/07/30 - 2017/07/31
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norijiroさん
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長かった旅も残り2日。もっといたいなあ、帰りたくないなあ、と思うのは、よい旅だったということだろう。
そういえば、ブリュッセルといえば誰もが頭に浮かべるあの少年、そう、小便小僧にまだ出会っていない。旅行最終盤にしてようやく対面がかなった。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 4.0
- グルメ
- 5.0
- ショッピング
- 5.0
- 同行者
- 家族旅行
- 一人あたり費用
- 30万円 - 50万円
- 交通手段
- 鉄道 タクシー 徒歩 飛行機
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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この日は朝から地下鉄で移動し、ジュ・ド・バル広場の蚤の市へとやってきた。「ヨーロッパの底値」と評される価格の安さが特徴で、ベルギー最大の蚤の市でもある。
品揃えはさすがに豊富。家具、食器、アンティーク品、アクセサリー、おもちゃ、洋服などなど、ないもの以外はすべてある。ジュ ド バル広場 広場・公園
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ガイドブックではボッホ社(1841年にベルギーに創業した陶器メーカー)の製品を推していたので、あちこちの店で探してみた。こちらが戦利品の平皿で、2枚で5ユーロという激安価格。
ガイドブックだといともたやすく掘り出し物を見つけている感じであったが、売り物の90%以上はジャンク品という印象だった。ボッホの皿も例外ではなく、状態のよいものはめったにない。もちろん、本物という保証もない。
一度突風が吹いて、会場のあちこちから何かの割れる音が響いたのだが、店主たちは顔色一つ変えず残骸を処理していた。どうやら大半はその程度の品のようである。見て回る分には非常におもしろかった。 -
昼食は、駅から広場への移動中にたまたま見つけたベルギー料理の「Restobieres」。
前菜はハムをゼリーで固めたもの。ボリュームたっぷりのハムとほんのり甘酸っぱいゼリーの組み合わせが絶妙で、日本の一流店と比べてもまったく遜色ない。 -
ランチメニューのグラタン。素朴ながらもチーズやベーコンが味わい深い。ガイドブックに載っているような店ではないのだが、大当たりだった。これまでベルギーで入った店のなかでも一、二を争う名店だと思う。
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ビールの品揃えは非常に豊富。地元の人でにぎわっていたので、かなりの人気店なのだろう。
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近くにあった謎の建物。特徴的な丸屋根から教会か何かかと思っていたが、最高裁判所だという。
最高裁判所 建造物
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続いては腹ごなしの散歩もかねて、アールヌーボー建築めぐり。市電で何と変哲もない住宅街にたどり着いたが、実は世界遺産が隠されている。
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「建築家ヴィクトル・オルタの主な都市邸宅群」として世界遺産に登録されているオルタ邸。内部は博物館になっており観覧可能であるものの、撮影は著作権の問題があるとかで超厳禁。オルタ自身の住居兼アトリエとして建てられたもので、独特の曲線を多用したフォルムと、採光の工夫が興味深かった。なぜか和風っぽい雰囲気のあるスペースもある。
オルタ美術館 (オルタ邸) 博物館・美術館・ギャラリー
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付近には、他にもいくつかオルタの手によるアールヌーボー建築があり、これらがまとめて世界遺産となっている。こちらはポール・アンカール邸。
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こちらは、長方形の連続窓と馬蹄形の窓が美しく調和するシャンベルラーニの家。オルタ邸以外はほとんど居住者がいるようで、内部は見られないのが残念。
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美しい建築の後でなんだが、ブリュッセル名物?の小便少女。もちろん小便小僧のほうが有名だが、それに便乗して作られたものらしい。盗難防止のためなのか、よりによって小さな檻に入れられていた(写真は檻の隙間から撮影)。すぐ向かいには大きな飲み屋があり、場末感がただよっている。
檻に監禁された少女の排尿シーン(口に出しただけで逮捕されそうだ)ということで、著しい背徳感を禁じ得ない。周囲の見学者も、何ともいえぬ複雑な表情を見せていた。ジャンネケ ピス(小便少女) モニュメント・記念碑
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一方、こちらが本家・小便小僧。実にすがすがしく堂々たるたたずまいだ。後ろめたさがみじんもない。
ブリュッセルの小便小僧は「世界三大がっかり」の一つというが、先に背徳の少女像のほうを見たせいか、実に爽快な気分で見学できた。やはり路上での放尿は男の特権という気がする。小便小僧 建造物
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壁に描かれたタンタン。ベルギーの漫画のキャラクターだが、人気度では小便小僧にかなりおされている。
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謎の日本人、ヨウコ・ツノ。なぜか通りの名前になっている。こちらもベルギーの漫画のキャラクターらしく、「普段は普通の女の子だが、合気道6段の腕前と知能で悪と対峙して人類を救う」活動を展開している。それだけ人類に貢献していれば、通りの名前くらいにはなるってもんだ。
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おみやげ恒例の立体もの。今回も無意味なものをたくさん買い込んだ。土産店の店頭で目立っていたのは、いま流行のハンドスピナー(もちろん、ベルギーとは何の関係もない)だった。
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迎えた最終日。飛行機は夜便なので、夕方までは観光ができる。
ここで問題になるのが荷物である。すでに宿はチェックアウトしたので、出発までスーツケースをどうするか…。ホテルであればフロントに預けるのだが、今回はアパートメントである。一応、別の場所に近辺のアパートメントの総合受付があるので荷物を預かってくれないか聞いたところ、可能であるとのこと。しかし、その方法が問題であった。
有人のカウンター内に置かせてもらえるのかと思いきや、荷物は待合ロビーの棚に置くように指示される。ここは宿泊客はもちろん、誰でも入れるところである。通りに面した入り口が常に開けてあるので、とっさに強奪されてしまったら係員も止めることはできまい。貴重品は入っていないとはいえ、たとえ日本であっても放置はためらわれるような環境だ。かといってスーツケースとともに観光をすることも難しい。
そこで、初日に宿泊した駅前のヒルトンに事情を話し、預かってもらえないか聞いてみると快くOKしてくれた。すばらしきヒルトン! さすが世界のヒルトン! 正直なところ、今回の宿泊はすべてここにすればよかったと思った。思わず安くて広いアパートメントに流れてしまったが、サービス面ではやはり課題がある。 -
荷物の憂いもなくなり、郊外の「アトミウム」へ足を伸ばすことにした。1958年のブリュッセル万国博覧会のために建設されたモニュメントで、9つの球体がつがった巨大なもの。高さは103mあるという。
アトミウム モニュメント・記念碑
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アトミウム全景。鉄の結晶構造をモチーフに、この個性的な形状ができあがった。
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内部構造はこのとおり。なかなかSFチックで月面のコロニーといった趣がある。
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最上部の球は展望台になっていて、周囲の眺望が楽しめる。
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球と球の間はエスカレーターや階段でつながっている。内部の展示室では、かつての万博や「サベナ・ベルギー航空」の資料が紹介されていた。
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市内中心部に戻り、最後のショッピングタイム。前日に訪れたヨウコ・ツノ通りは、正式名称を「ギャルリー・サンテュベール」といい、ヨーロッパ最古のアーケードといわれている。
世界に支店を持つチョコレート店がいくつもあるので、そのなかから日本未出店の「マリー」でお土産を購入。王室御用達ブランドである。ギャルリ サンチュベール 散歩・街歩き
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喫茶店でベルギーワッフルの食べ納め。ベルギーで食べられるワッフルにはブリュッセル風とリエージュ風がある。サクッとしたブリュッセル風に対し、リエージュ風は甘くてモチッとしている(食感はぬれ煎餅のような感じ)。個人的にはブリュッセル風のほうが気に入った。
ゴーフル ドゥ ブリュッセル スイーツ
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最後にグランプラスに別れを告げる。いい街だったなあ。
グランプラス 広場・公園
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ブリュッセル空港へ到着。ついに帰国の途につく。たまたま競泳の男女日本代表選手団と同じ便で、彼らは同時期にハンガリーで行われていた世界水泳からの帰りであった。よく、「○○競技での海外遠征の際、飛行機の席はエコノミーなんですか」などという質問を掲示板などで見かけるので、答えを。競泳の場合、私でも名前を知っているようなメダリスト数人はプレミアムエコノミー、他の選手はすべてエコノミーであった。
帰路は、コペンハーゲン付近とモスクワ付近の上空で、一時的に狂おしい揺れ(普通の人なら「ちょっと揺れるな」程度かもしれない)があった。「東へ向かう飛行機はジェット気流に乗ろうとするので揺れる」という噂は本当のようだ。ブリュッセル空港 (BRU) 空港
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久しぶりのヨーロッパだったが、ロンドンもベルギーもそれぞれ十分に楽しめた。イギリスはロンドン以外にも行きたくなり、ベルギーはまたいつでも訪れたい。
サンミッシェル大聖堂 寺院・教会
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この旅行記へのコメント (4)
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- あいぼんさん 2017/10/25 20:50:39
- norijiroさんの大ファンです
- norijiroさん
今回のベルギー・イギリス旅もとても楽しく拝見させていただきました。
norijiroさんの旅行記はそこらの小説よりも表現が多彩でよっぽど面白く、いつも引き込まれるように読んでしまいます。
今回はフランス語オンリーの場面を「生意気だ。」とか言い放ったり、蚤の市で「ないもの以外はすべてある。」などと無茶苦茶なことを言ったり、norijiroさん節炸裂で大ウケです。1日の終わりに面白いものを読んで疲れが吹き飛びました。おかげで本日はよく眠れそうです。どうもありがとうございます。
次の旅行はどちらでしょうか。行先はどちらにせよ、norijiroさんの次の旅行記を楽しみに待っています。
- norijiroさん からの返信 2017/10/26 13:35:54
- RE: norijiroさんの大ファンです
- あいぼんさま
いつも旅行記をご覧いただき、ありがとうございます。お楽しみいただいたようで何よりです。あいぼんさんの旅行記も、表現が詩的でいつも感心しております。「太陽だけが、ここが地球だということを教えてくれます。」とか、とても思いつきません。さすがです。滝を木星にたとえたりと、宇宙好きのうちの長男と気が合うかも?
次の予定地ですが、「一番寂しかった」という評のニュージーランド南島です(泣)。とはいえ、どのように寂しいのか、いつものようにルポすべく頑張ってまいります!
アイスランドもずーっと行きたいと思っていて、同じようにレンタカーで回るのが夢です(が、マニュアル車か…。ヨーロッパって、そうなんですよね。MT車はもう20年以上前に教習所で運転したのが最後なので、何度エンストするか見ものです。妻はペーパードライバー一筋20年なので、運転してもらっても3秒で塀に突っ込んで終わりかと思います)。再来年の夏ごろにもトライしたいと思います。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
- あいぼんさん からの返信 2017/10/26 18:42:05
- RE: RE: norijiroさんの大ファンです
- norijiroさん、こんばんは。
早速のお返事どころか、私の恥ずかしい旅行記に詩的などとのコメントをいただき、どうもありがとうございます。
少しだけフォローさせていただくと、ニュージーランド南島は単に独身女の一人旅だったから寂しかっただけですので、ご家族で旅行されればそれはそれは楽しい日々を過ごすことができ、最高の旅行記が仕上がることと思います。
楽しみに待っております!!
もうひとつ、アイスランドのレンタカー会社にはちゃんとオートマの準備がありますので、安心して再来年の旅先に選んでいただけたらと思います。
私は結婚するまで神奈川県民でしたし、うちの息子も将来の夢が宇宙飛行士なぐらい宇宙好きですので、少し共通点がありますね。こんなところにファンがいるということで、よろしくおねがいいたします。
- norijiroさん からの返信 2017/10/29 18:19:15
- Re: norijiroさんの大ファンです
- あいぼんさま
お返事ありがとうございます。ニュージーランドは、「ちょっとそこまで300km」といった感じなので、単独でドライバーを務める私としては若干の懸念があります。いちいち、「東京と名古屋の距離か...」などと換算せず、前向きにドライブを楽しみます!寂しくはないということで、よかったです。
アイスランドはオートマもあるんですね。ただでさえ、左ハンドルに外国語の標識というハンデがあるのでどうしようかと思っておりましたが、オートマなら何とかなりそうです。前向きに検討します! あと、夏でも天気がよくないイメージがあったのですが、旅行記を拝見すると、そうでもなさそうな気がしました。
うちの長男も当初は宇宙飛行士になりたいと言っていたのですが、最近、「訓練が厳しそう」という理由で、現在は宇宙物理学者志望に転向しました(まだ小2だというのに、情けない...)。いつか子ども同士で何か接点があるかも??
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
旅行記も楽しみにしております。
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