2017/07/28 - 2017/07/29
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norijiroさん
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旅もいよいよ終盤。時間が許せばオランダのハーグあたりにも行ってみたいと思っていたが、そのためには早朝の電車に乗らないと日帰りできない。さすがに疲れも出てきたので遠出はまたの機会にすることとし、残りの日程はブリュッセルでのんびりと過ごすことにした。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 4.0
- グルメ
- 5.0
- 同行者
- 家族旅行
- 一人あたり費用
- 30万円 - 50万円
- 交通手段
- 鉄道 タクシー 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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ブルージュからブリュッセルに到着。今回の宿泊にはアパートメントを予約していた。アパートメントにもいろいろとある。フロントが完備されていて、部屋の清掃も毎日行われるようなホテルに近い形態のものから、部屋貸しのみのシンプルなものまでさまざまだ。今回は完全に後者であるが、部屋は広く、中心部の便利な立地。地下鉄駅も同じビルにある。
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時刻はすでに夕食時。きょうは何を食べようか。
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グランプラス近くの「シェ・パトリック」へ。ベルギー料理店で、特に肉料理が有名らしい。
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というわけで、名物の肉団子。正式には「ブレ・ア・ラ・リエジョワーズ」という(覚えられない)。子どもが喜んで全部食べてしまったので味の詳細は書けないのだが、長男は「今まででいちばんおいしい」と高評価を下す。
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もちろんムール貝もいただく。これまでほかの店で食べたものと比べて、よりジューシーかつ塩味のたったキリッとした味わい。個人的にはここがいちばんの好みである。
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明けて翌日。この日は美術館の見学などをメインに、文化的な時間を過ごすことにした。
証券取引所を見ながら、中央駅反対側の王立美術館に向かう。ブリュッセル証券取引所 建造物
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グランプラスを通過。
グランプラス 広場・公園
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歩いて15分ほどで王立美術館に到着した。
ベルギー王立美術館 博物館・美術館・ギャラリー
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こちらにもルーベンスの作品が多く収められている。興味なさそうに寝てる子どもがいるなあ…と思えばうちの子だ。わんぱく盛りの男児と美術館ほど相性の悪いものもない。
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この美術館で推されていたのがブリューゲルである。もちろん、私はその名前は初耳であった。ブルージュやらブリュッセルやらブリューゲルやら、ややこしいなあ、という印象である。
で、こちらはブリューゲルの代表作の一つ「叛逆天使の墜落」。妖怪みたいなものがたくさん描かれていて、しかも少しアニメチックなところもあって、なかなかおもしろい。 -
昔、テレビ番組「美の巨人たち」で見た「イカロスの墜落のある風景」。小学生のころに音楽の授業で「♪昔ギリシャのイカロスは~ ロウでかためた鳥のはね~」などという暗い歌を歌わされた記憶もある。蝋製の羽で空を飛んだものの太陽に近づきすぎて羽が溶け、墜落死した哀れな奴だ。右下の水面に、墜落したイカロスの足だけが「犬神家の一族」のごとく描かれている。そんな大事件が起こっているにもかかわらず、誰もそのことに注目していない。他人の苦難に対する人間の無関心を表現しているとか。
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ヨルダーンス作「酒を飲む王様」。全員へべれけの乱痴気騒ぎである。中央にいるのは本物の王様というわけではなく、何かの祭りで王様に扮している場面らしい。この美術館には、こんな俗っぽい絵がけっこうあって飽きない。
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美術館をいったん出て、昼食はチョコレートで有名な「ヴィタメール」へ。この店のメニューはフランス語で書かれていた。店員にせめて英語メニューはないか尋ねるも、「ない」とのこと。つらい。
ベルギーの北半分はオランダ語圏、南半分はフランス語圏である。首都ブリュッセルは地理的にはオランダ語圏にあるのだが、首都という特性上、両言語の併用地域という位置づけとなっている。しかしその「併用地域」というのはどうも建前のようで、実際はバリバリのフランス語圏であった。かつて首都の支配階級が国際言語であるフランス語を重用したのが理由といわれている。
残念ながら、わが家の一家4人のうち、フランス語を解するものは一人もいない。オランダ語圏だとマイナー言語という認識があるのか、たいていは謙虚に英語併記なのだが、ブリュッセルではフランス語オンリーの場面によく遭う。生意気だ。ヴィタメール (カフェ) カフェ
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とはいえ、ランチメニューと推測される紙には、2品しか掲載されていない。だったら、両方頼んでしまえばよい。
というわけで、こちらが「Cassolette de poissons」。えびのうま味を引き出した魚介のクリームシチューであった。割とサラッとしていて、シチュー味のみそ汁といった感じだ。キャソレッテ何とかというややこしい名前がついているが、ベルギー名物の煮込み料理「ワーテルゾーイ」もしくはそのアレンジと思われる。 -
こちらは「Salades au comptoir」。字面からサラダに関連するものかと思われたが、さらに何らかの肉片がのっていた。後半のcomptoirというのが、肉の種類を表現しているのかもしれない。マヨネーズ風ソースがよく合う。ヘルシーなのでOLさんのランチとかで人気が出そう。
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食後も美術館巡りは続く。今度は王立美術館に隣接する「マグリット美術館」へ。さすがにマグリットは知っている。しかも中学生の時から。今は絶滅した「ア・テスト」(神奈川県出身者以外知る由もない)なるものが深く関連しているので、いまだにマグリットの作品を見ると美術のテストを思い出す。少年時代の刷り込みとはおそろしい。
マグリット美術館 博物館・美術館・ギャラリー
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ある意味わかりやすかったルーベンスやブリューゲルと違い、非常に難解。「帰還」というタイトルらしいが、どのような意図なのか。
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これはなかなかインパクトがあった「光の帝国」。空は昼なのに、家の前は夜。作品解説をみると、マグリット談として以下のコメントがあった。「昼と夜のこの共存が、私たちを驚かせ魅惑する力をもつのだと思われる。この力を、私は詩と呼ぶのだ」。…意味の分かる方、いますでしょうか。
生涯の大半をベルギーで過ごしたマグリットであり、しかも専門の美術館。有名な作品を数多く見られるのかと思っていたが、残念なことに、著名な作品のほとんどは他国の美術館に点在しているようだ。ミュージアムショップでモチーフにされている作品の多くがここにはない、というのもどうかと思った。 -
芸術にまったく興味のなかった二児はようやく解放されて一安心。
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美術館から王宮へ足を伸ばす。普段は国王の執務や迎賓館として利用されているが、夏の間は一般公開されている。
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ちょっと影の薄いベルギー王室ではあるが、宮殿はなかなか豪華。
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王座の間のシャンデリアがすごい。
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もっともインパクトがあったのが、この「鏡の間」。鮮やかな緑色は、何と玉虫の羽である。ベルギーの現代アーティスト、ヤン・ファーブル(昆虫記で有名なファーブルの子孫らしい)によるもので、使用した玉虫は堂々140万匹。白壁と緑の天井のコントラストはとても美しいが、これだけ大量の羽をむしり取ったかと思うと狂気も感じる。
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王宮にあった石像。嫌がらせか。
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王宮や美術館のある一帯は「芸術の丘」と呼ばれている。見晴らしがよい。ブリュッセルの中心部は、けっこう起伏がある。
芸術の丘 広場・公園
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夕食は久々にアジア系が食べたくなり、中華街?へとやってきた。漢字の看板を掲げた店舗がポツポツとある程度で、規模は大きくない。
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「徐記」へ。安定の炒飯。世界中どこで食べても満足。
店員として中国系の方が雇用されているのだが、ここでは中国語のほかに、フランス語およびオランダ語ができないと仕事にならない。現地生まれならともかく、本国から移民となると、かなりハードルが高い。 -
ブリュッセル滞在も長くなってきたが、肝心なところを見ていなかった。グランプラスの夜景である。日没は22時近いので、美しいライトアップを見るためには相当遅い時間でないといけない。
一方、心配されるのがブリュッセルの治安である。ここまで中央駅近辺で特に問題は感じなかったが、安心安全のブルージュとはまったく違い、油断ならない雰囲気は確かにある。外務省によると、強盗やひったくりについて「首都ブリュッセルでの被害が多く、特にブリュッセル市内の南駅、公共交通機関の乗物内、グランプラス周辺において被害に遭いやすい傾向が見られます。…外出中は,常に周辺に気を配る必要があります」とある。特に夜間は注意が必要であろう。
ということで、カメラとポケットの内の20ユーロ札のみで夜のグランプラスへと向かった。万が一カメラを強奪されてもいいように(よくはないが)、これまでの撮影データ入りのメモリーカードは空のものと入れ替えた。
時間が遅いので単身での見学ある。が、現場に着いてみると結構な赤ちゃんがフラフラしていたりしたので、子どもを連れてきてもよかったか。グランプラス 広場・公園
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深夜でもこの人出。
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昼間とは雰囲気が違い、なかなか気品あるたたずまいだ。
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この旅行記へのコメント (2)
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- まほうのべるさん 2017/11/01 20:43:25
- たくさんの『いいね!』有難うございました。
- こんばんは、norigiroさん。
先日はストックホルムの旅行記にたくさんの『いいね!』有難うございました。
グランプラスのライトアップとてもキレイですね。
以前、ブリュッセルに行ったことがありますが日中だけだったので、こんな素敵にライトアップされたグランプラスは見ていないんです。
とても素敵でうっとりして見せていただきました。
小さいお子さん連れの旅。
大変なことも多いかと思いますが、小さな時から海外へ行けるなんて羨ましいです。両親の仕事の都合で家族旅行は海外どころか国内旅行も全く経験がありません。たくさんの思い出が出来ていいですね。
まほうのべる
- norijiroさん からの返信 2017/11/06 10:05:15
- Re: たくさんの『いいね!』有難うございました。
- まほうのべるさま
ご丁寧に書き込みをいただき、ありがとうございました。
ストックホルムほか北欧は、毎回行き先の候補地にはあがるのですが、
北欧的旅情をまったく解さなそうなうちの二児が楽しめるかどうか、
という点が気になり、
候補地のままで終わっております(親としてはとても行きたい)。
拝見させていただいた旅行記を参考にさせていただきます。
今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
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