2017/07/30 - 2017/08/05
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Rolleiguyさん
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エンガディンには何度も来たのに、ソリオまで足を延ばしたのは一度だけでした。 イタリア側のキアヴェンナにも何度か行ったことがあるのに、途中のソリオに何故立ち寄らなかったのか。それは、スイスに住んでいた時には、この景色に余り魅力を感じなかったのです。不思議なことですが、美しい景色であっても、山がすぐ手の先にあるのか、背景としての山なのかで、その土地の魅力が一変してしまったのです。それは自分の年齢によって変化して来ましたから、多分当時はまだ30歳前後で山に直接触れることが出来る場所でないと、惹きつけられなかったのでしょう。勿論、ここでも山に触れることが出来ますが、触れたい山ではなかったのでしょう。それ以外の説明はつかないような気がします。今回は、私も友人も少し疲れていたので、ここでポピュラーなパノラマルートを歩くことはせず、ソリオの村だけを見ることにして、途中で歩きたくなっても歩けないように、山靴は置いて行きました。
村の見所は限られているため、写真も少なめになりました。いざ、齢を重ねると、こうした景色もいいなと思うようになりました。若い時の感性とはなんだったのだろうと思います。私だけだったのかどうか。
(後記)
ここを訪れた3週間後の8月23日に、ソリオの下の村Bondo が背後の山崩れに襲われて8人が亡くなったことを知りました。
崩れたのはPizzo Cengalo(ピッツォ・チェンガーロ 3,369m)で、
3百6十万立方メートルの土石流だったそうです。この山が写っている写真にコメントしておきました。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- 同行者
- 友人
- 交通手段
- レンタカー
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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今日も朝はシルス・マリアの村と湖を見に行きます。
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村の案内図がありました。
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マロヤの方向を見たところ。日が射すまでは気温が安定しているため、空気が動かず、湖面は鏡のようです。
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今日も好天のようです。朝の静けさが格別です。
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同じ場所から望遠で。
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右手の山々に朝日が当たり始めました。
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犬の散歩に来ていた女性が良い点景になってくれました。
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水が動き出して、湖面の景色が揺れています。
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岩の隙間から成長した木が岩を包んでいます。
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村に戻りますが、まだ人の動きは少ないようです。
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こんなところでもムルメルティーアの油を売っていました。この商品はよほど人気があるのでしょうか。可愛いムルメルの写真付きであるところを見ると、ヨーロッパ人というのは、「可愛い」というのは人間だけに当てはまり、動物の可愛さなどは評価に値しないと、考えているのかもしれないと思いました。
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ムルメルの油を見て気分が悪くなったので、ホテルの庭に咲いていた美しいエーデルワイスで、気を取り直すことにしました。
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ではソリオを目指して出かけます。
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マロヤ峠を下ると、ブレガリア(ドイツ語だとベルゲル)の谷になり、小さく、美しい村が点々と続いています。ひとつひとつ見物したいと思いつつも、時間的制約もあり、通り過ぎるだけになりました。そうした村のひとつにスタンパがあります。ここは著名な彫刻家アルベルト・ジャコメッティが育った村であり、お墓もそばにあります。丁度日本でも彼の作品展が開かれていました。どちらも見られずじまい。
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ピッツ・デイ・ロッシ(Piz dei Rossi 3026m)
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少し進むと上の方に大きなダムが見えました。アルビーニャ湖です。あそこまでロープウェイで行けますが、今回はパス。
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九十九折の坂道を登りきると、そこがソリオです。有名観光地ですが、小さな村であり、訪れる人は少なく、静かでした。何でこんな山に這い上がって村を作ったのか。
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村の見取り図を見ても、簡単に一巡り出来そうです。
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どれも魅力的なハイキングコースのようです。
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午前中は逆光で山々が陰になってしまいますが、それも美しい。
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村の石畳の道。この石を敷き詰める作業を見たことがありますが、ひとつひとつを並べてトンカチでたたき、路面が平らになるようにしていました。大変な作業で、建設費も高くなるに違いありませんが、アスファルトやコンクリートでは台無しになると考えているのでしょう。
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そもそも、こんな山の中腹まで駆け上がり、集落を作るというのはどういうことなのかと不思議です。ここでなければならない理由があったのだろうか。まさか名産の栗が沢山採れるからではないでしょう。
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村の中心部には割と立派なホテルがあり、滞在客が歩いていました。買い物好きな日本人には不向きかも。
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村の水場。斜面にある土地なので、川は流れていないだろうから、こうした水場が必要だったのでしょう。井戸端会議には丁度良い場所に見えました。
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4階建てに見えるお家。地震のない国だから可能なのでしょう。スイスの国旗はどんなシチュエーションでも見栄えがするなと思いました。
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狭い路地。不思議なのは、こんな狭いところで、何故石を積み上げてまで塀をつくるのかということです。小さな集落では泥棒もいないからと、カギをかけない家も少なくないとよく聞きますが、ここは違うのかも。
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右がピッツ・バディーレの岩峰。岩登りには魅力的に見えますが、このくらいになると、登攀難度はIV級以上なので、ガイドがいても熟練者でないと無理でしょう。
(後記)
その左が2017年8月23日に巨大な崩壊を起こしたピッツ・チェンガーロ(3,368m)です。その後この山の登攀記録が見当たらないので、今は立ち入り禁止になっているのかもしれません。温暖化で氷河が消え、山の斜面は抑えを失って至る所でずり落ちているそうです。麓のBondoの村の住人は一年間避難し、土石流への対応をして戻って来たようです。対応と言っても、崩れるのを止めることは出来ないので、砂防ダムのようなものを作ったようです。崩落の瞬間のビデオは沢山ありますが
一つだけ挙げておきます。
https://www.youtube.com/watch?v=nAwgIJGB7D0 -
路地を歩いている人がいました。ちょっと後をつけてみました。
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村の外へ行くようです。
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仕事や散歩ではなく、ハイキングに行くところだったのかもしれません。
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後で写真と照合するために、こうした案内板は写真にしておきます。
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この村は何で生計を立てているのだろうか。
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村の全景。
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ブレガリアの谷に沿って延びる山々
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あの先が眺めが良さそうなので行ってみることにしました。誰かベンチに座っているようです。
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座っていたのは、ドイツのニュルンベルクから来て、村のホテルに滞在しているという親子でした。4歳のアンドレアちゃんはおしゃまな女の子で、珍しい顔の日本人にも物怖じせず、いろいろ解説してくれました。お父さんは6月に日本に行って来たばかりで、IT関係のお仕事とのこと。昨日会ったアルプ・ムントのおじさんもそうでしたが、結構沢山の人が日本に行っているのだと驚きました。ここから夕暮れ時に見る景色は素晴らしい、7時から9時の間に来てみたらと言われました。
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ベンチには本箱が置いてあり、ここで休みながら読書をどうぞ、ということだそうです。来た人が書き込みできるノートが置いてあって、昨日のページには、子供の本があってよかったと書いてあるのに、今日は置いてないのはおかしい、とアンドレアちゃんが言っていました。
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2人にさよならをして村の方に戻ります。
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振り返ったら、親子はもうどこかへ行ったようで、別の2人が立っていました。
これも絵になりそう。 -
さっきのドイツ人が教えてくれた眺めの良い場所。この小道はハイキング道になっているようで、上がって行く人が何人かいました。
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ここから村が良く見えます。
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丘と独立した樹々、その間を抜けて行く道とそばにある家。整い過ぎてサロン風の写真になってしまいました。
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村のはずれから見た中心部。
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麓から通じている道。
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ショーラ(Sciora)の峰々。
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魅力的な山です。何で若い時にはこれを見ても感激しなかったのだろう。
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お昼を食べにイタリアのキアヴェンナまで行くことにしました。途中、スイス側の国境検問所でしつこくいろいろ聞かれてしまいました。免許証、パスポートを見せたら、持って行って何か調べていました。(私の免許証はオーストリアのものでしたが)何でスイスのは持っていないのだと聞かれたので、持っているけど(実際に持っています)今回は日本に置いて来たと言うと、スイスに住んでいないのなら、帰国した時に何で返上しなかったのか、などとめちゃくちゃを言い出しました。「どこか怪しいのか、何でこんなに厳しく調べるんだ」と憤慨したら、いやいや通常のチェックですよだと。去り際に、「楽しいお食事を!」などと言っていました。イタリア側は勝手にどうぞ通って下さいという感じでした。
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キアヴェンナに着いたので、ぐるぐる回ってレストランを探していると、洞窟レストランというのがあったので、そこに入ることにしました。
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上に被さっている岩が落ちて来ないかと少し心配。
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イタリア語は分からず、英語もドイツ語も書いてないメニューでしたので、適当に頼んだところ、乾燥ビーフの薄切りでした。スイスではビュントナー・フライシュと呼んでいる、エンガディンを含めた東スイス地方で知られているものです。
これに胡椒をかけてワインと一緒に頂くととても美味ですが、運転するので肉だけ。 -
町は周囲を山に囲まれていて、斜面にも家々が見えました。ちょっといい感じの町です。
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スイスに戻ります。少しほっとしました。
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ブレガリアの岩山に別れを告げて、次はサンモリッツのセガンティーニ美術館を見学しました。3部作のある展示室ではじっくり時間をかけて作品を楽しみました。
リトグラフの複製があって買おうかどうか迷いましたが、スーツケースに入りそうもないし、持って帰っても家のことだから、どこかに仕舞い込んで終わりというのが目に見えているので、買うのはやめました。今日は歩かなかったのに、暑い日だったせいか結構消耗しました。明日はスイス最後のハイキングです。
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この旅行記へのコメント (4)
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- ネコパンチさん 2017/10/18 00:42:04
- 静寂の村
- Rolleiguyさんこんばんは!
湖には毎日のように足を運ばれたのですね。
やはり早起きしないと、あのような静かな風景には
出会えないのですね~。
犬の散歩のご婦人のカット、まるで絵画のように見えました。
そして、時が止まったかのようなソリオの村、
全ての写真が本当に素敵です。
斜光がなだらかな丘や石造りの道に
印象的な彩りを添えていますね!
ドイツ人親子との交流もほんわかと良い雰囲気です。
好奇心いっぱいのアンドレアちゃんは
利発で可愛いですね。
子供向けの本のくだりは思わず笑ってしまいました。
時間が許せばおすすめの夕日も見てみたかったことでしょう。
というか私がRolleiguyさんの写真で見てみたかったです(笑)
どの写真からも休息日らしい穏やかさが伝わってきました。
1枚ずつ大きくして楽しませていただきました♪
次はいよいよスイスハイキング最終回ですね!
そちらも楽しみにしています。
ネコパンチ
- Rolleiguyさん からの返信 2017/10/18 08:55:52
- RE: 静寂の村
- ネコパンチさん
お早うございます。
旅行中は早起きになります。ネコパンチさんのお写真のように、時間帯の制約があっても、
光を捉える感性は私にはありませんので、朝と夕方の光に助けられている面が大いにあります。昼間の写真は旅の記念としての意味が大きいと思っています。ソリオの村は本当に
静かで、その静けさの中に浸ることが出来てとても幸いでした。美しい景色と、観光客に煩わされない、静かなひと時を両方楽しむことが出来たと思います。
多分、スイスの田舎でこうした場所を探せば、他にもあるだろうと思います。
次に行くときにはそうした場所を訪ねてみたいなと思っています。
旅行記の写真はクロップしてあるものもありますので、大きくするとアラが見えたかもしれませんね。 次もどうぞおいでくださいますよう。
Rolleiguy
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- cheriko330さん 2017/10/17 00:53:47
- どのお写真も絵葉書のようですね☆
- Rolleiguyさん、こんばんは☆
表紙からのお写真は、おこがましいのですが本当に
素晴らしいです。湖面が鏡面になり清々しい写真
ばかりですね。犬の散歩中のお写真も絵画のようで
お気に入りになりました。
この日は、山歩きはお休みだったのですね。
たまには、町歩きも良いですよね。
ソリオも行きたいと思っているので
Rolleiguyさんのお写真で、そちらにお住まいだった
ならではの情報も、お聞きできて楽しめました。
スイスの国旗は確かに見栄えがしますね。同じ色合い
でも日本のだと似合いませんよね。
アンドレアちゃんは、しっかり者で可愛いですね。
国境を越えてイタリアへも行かれて、ランチだなんて
おしゃれですね。
ワイン?がいただけなくて残念でした。
次は、最後のハイキングなのですね。
また、楽しみにおじゃまさせていただきます。
では、お休みなさい☆
cheriko330
- Rolleiguyさん からの返信 2017/10/17 20:37:32
- Re: どのお写真も絵葉書のようですね☆
- cheriko330さん
こんばんわ。寒い日が続きますね。スイスでの暑かった日々がつい2か月前だったと思うと、時間の過ぎる速さを覚えます。ソリオは美しい村でしたが、やはり規模が小さいので、いろいろ歩き回って見る対象が限られていました。なので似たような写真ばかりになってしまいました。丸一日滞在すると、時間の経過で景色も変わってくると思いますが、
ベンチに座って読書に耽っていないと間が持たないかもしれません。
日本人はせっかちですからね。今回の旅は、いろいろな人に出会って
楽しい会話が出来たのがとてもよかったと思います。初対面の人ですから、それほど深い会話など出来ませんが、挨拶より少し多い会話が出来て、旅に彩りを添えてくれました。絶景に出会う感激とは異なる旅の
楽しさだと思いました。スイス最後のハイキング旅行記は準備中ですので、是非またご覧くださいますよう。
Rolleiguy
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