2017/08/09 - 2017/08/09
20位(同エリア756件中)
+mo2さん
北フランスの旅5日目です。この日は、午前中はパリから移動し、ヴェルサイユ宮殿の見学、午後はパリ市内観光とセーヌ川クルーズというツアースケジュールでした。午後はツアーと別れルーブル美術館三昧(この日は夜9時まで開館)でした。
2020年のGWは、ジャワ島(プランバナン寺院群、ボロブドゥール寺院遺跡群など)旅行予定でしたが、新型コロナウイルスの影響で中止。結局3日間はコロナ対応関連で出勤となってしまったのですが、休日はどこもでかけられず、過去の旅行の写真整理などしていました。ルーブル美術館の旅行記(コレクション紹介)に夢中で、そのまま放置されていたことに気付いたヴェルサイユ宮殿訪問編(2017.8 北フランス8日間の旅行記第7弾)4年ぶりに書き上げました(笑)。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 観光バス
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ヴェルサイユ宮殿は、1661年に太陽王ルイ14世の「ヴェルサイユの地に壮大な宮殿を建て、自らの権力を全ヨーロッパに示したい」という命で建設が始まりました。パリから20kmも離れた地に、フランス中の建築家、画家、彫刻家、造園家、そして何万人という労働者が駆り出されました。主な部分の設計はマンサールとル・ブランによっておこなわれ、庭園はアンドレ・ル・ノートルによって造営されています。
ヴェルサイユの宮殿と庭園 城・宮殿
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開場前に到着しましたが、広場には長蛇の列。暑い中、たくさんの人が並んでいました。
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我々は、団体用のこちらの入り口から入場となります。塗り直したばかりということでフェンスも金ぴかです。
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左が入場した場所で、ここで荷物チェックが行われます。
なお、右の建物は1710年に増築し完成された、王家の礼拝堂です。ヴェルサイユ宮殿 城・宮殿
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階段を上り、豪華な宮殿内に入ります。
ヴェルサイユ宮殿 城・宮殿
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まずは最初の部屋であるヘラクレスの間、巨大な天井画が目を惹きます。ルイ14世の治世の一番最後に作られた部屋で、最も広いサロン。大規模な宴会や舞踏会がここで開催されたそうです。
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フランソワ・ルモワンヌによる巨大な天井画「ヘラクレスの神格化」です。ヘラクレスがゼウスに招かれ、オリンポスの神々に迎え入れられる場面を実に142人もの人物とともに描いています。ルモワンヌは、1733年から1736年の間にこの作品を描き上げましたが、作品の完成に力尽きたルモワンヌは、その後しばらくして自ら命を断ってしまいました。
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フランソワ・ルモワンヌ「ヘラクレスの神格化」1733-36年(部分拡大)
この作品が完成するとルイ15世夫婦をはじめ、宮廷の人々が圧倒されたそうですが見事な天井画です。 -
こちらの部屋(ヘラクレスの間)には、ヴェロネーゼの「パリサイ人シモン家の宴」も飾られています。改心したマグダラのマリアが、キリストの足に香油を塗り、その髪でイエスの足を拭くという、ヨハネの福音書の有名なシーンが描かれた絵です。1570年にヴェネチアの修道院にあったものが、ルイ14世に贈られたものだそうです。
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ヘラクレスの間の隣の三部会の間には、三部会などの議会を描いた作品が展示されています。三部会とは、フランスの中世末から絶対王権確立期までの身分制議会。聖職者・貴族・平民の三身分の代表者から構成され、1302年4月国王フィリップ4世が教皇ボニファチウス8世との紛争について討議するため,全国民の支持を受けることを目的として招集したのが始り。全国三部会は1615年以降は招集されず、1789年5月に再開され、フランス革命の導火線となっています。
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広間全体を囲むフリーズには、1789年5月4日、三部会の開会時に行われた行列が描かれています。
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こちらは、1789年5月5日、革命直前にヴェルサイユで開かれた三部会を描いたもの。第三身分の議員たちが一触即発の状態にある様子が描かれています。
この部屋はツアーから離れ勝手に見学していた記憶が・・・(笑)
ヘラクレスの間に戻ります。 -
次に、ヘラクレスの間から続く王室礼拝堂に入ります。マンサール設計の礼拝堂は二層で構成され、上階は国王や王族用、1階はそれ以外の信者が利用していました。
ヴェルサイユ宮殿 城・宮殿
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王は自身の居住区(グランアパルトマン)から直接来ることができ、二重扉を抜けると祭壇やオルガンの真向かいにある特別室に出られるようになっています。
ヴェルサイユ宮殿 城・宮殿
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王室礼拝堂の25メートルの高さにある丸屋根には、新旧約聖書をテーマに三位一体を表現している天井画が描かれています。天井画の中央には宮廷の筆頭画家であったアントワーヌ コワペルによる「救世主の到来を世界に告げる永遠の父」、祭壇の上方にはシャルル・ド・ラ・フォスの「キリストの復活」などの作品が描かれています。
ヴェルサイユ宮殿 城・宮殿
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室内のあちこちに彫刻が見られます。
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窓から見えた庭園の景色。
ヴェルサイユ庭園 テーマパーク・動物園・水族館・植物園
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続いて、王の居住スペースとして使われていたグランアパルトマンを見学していきますが、一旦、ヘラクレスの間に戻ります。中央の絵はヴェロネーゼの「エリエゼルとレベッカ」です。
ヴェルサイユ宮殿 城・宮殿
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ここは「豊饒の間」。別名「リキュールの間」とも呼ばれ、夜会が開かれる時に、王族貴族たちに飲み物や軽食を振る舞う部屋として利用されました。
ヴェルサイユ宮殿 城・宮殿
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ルネ・アントワーヌ・ウアスによる豊穣の間の天井画。
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美しい「ヴェネス(ヴィーナス)の間」に入ります。1670年に造られたバロック様式の大広間で、ルイ14世に因んだ太陽の装飾や神話を描いた天井画が描かれています。
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「ヴェネス(ヴィーナス)の間」の天井画の別方向からの写真。見ごたえがあります。
ヴェルサイユ宮殿 城・宮殿
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天井中央の楕円部に描かれているのは、ルネ・アントワーヌ・ウアスの「強大国を従わせるヴィーナス」。鳩のひく凱旋車に乗り、三美神に加冠されるヴィーナスと彼女の虜となった神々(マルス、ユピテルなど)が描かれています。
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こちらも「ヴェネス(ヴィーナス)の間」の天井画の一部です。
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南側の壁の中央の窪み部分(ニッチ)には、ジャン・ヴァラン作のローマ皇帝姿のルイ14世の像が置かれています。
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続いて「ディアーヌの間」。ディアーヌとは月と狩猟の女神ですが、当時は、中央にビリヤード台が置かれ、ルイ14世も毎日ここでビリヤードを楽しんでいたそうです。
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「ディアーヌの間」の天井画、こちらも素晴らしい。
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天井画の中央は、ガブリエル・ブランシャールによる、航海と狩をするディアナの絵です。
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「ディアーヌの間」の天井画は、中央画以外も見ごたえがあります。
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ずっと上を見上げていると首が疲れてきます。写真には写っていませんが下(部屋)には人も多く注意が必要です。
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「ディアーヌの間」の入り口正面の暖炉の上に、シャルル・ド・ラ・フォスによる「イピゲネイアの生贄」があります。アウリス港で、アガメムノンが娘のイピゲネイアを女神アルテミスに生贄として捧げましたが、女神は牝鹿を代りに生贄としてイピゲネイアを助けたというシーンです。
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壁の装飾や赤い大理石も美しい。
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大理石のルイ14世像。
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ヴェルサイユ宮殿の総面積は、庭園や公園なども含めると約1000ヘクタール(東京ドーム約220個分)と非常に広大です。今回は、宮殿の見学だけだったので庭園の様子は、途中の窓から撮影。
ヴェルサイユ庭園 テーマパーク・動物園・水族館・植物園
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続いて「マルスの間」です。多くの絵画や調度品が飾られていました。
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ここは、ルイ14世がヴェルサイユにやってきた当初は最大の大広間で「衛兵の間」として使われました。その後、数々の音楽会や舞踏会が開かれた為「舞踏会の間」とも呼ばれています。モーツァルトもここで演奏会をしたことがあるそうです。
ヴェルサイユ宮殿 城・宮殿
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ルイ15世の王妃、マリー・レクザンスカの肖像画は、シャルル=アンドレ・ヴァン・ローが描いたもの。1747年頃ここに飾られています。
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こちらは、おそらくルイ15世の肖像画。
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ル・ドミニカン「竪琴を奏でるダヴィデ像」、もとはルイ14世のお気に入りで、王の寝室にあったものだそうです。
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マルスの間の天井画。中央は、クロード・オードランによる「狼の牽く戦車に乗るマルス」。
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マルスを描いた中央の天井画の両脇には、ルネ・アントワーヌ・ウアスによる「狂乱と憤怒をともなった恐慌」の絵画や6枚の金色のカメオ画や四隅の戦利品装飾などが配されています。
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これら調度品も当時のものでしょうか。
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シャンデリアも豪華です。
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こちらも、ルイ15世の肖像画と思われます。
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暖炉の上のブロンズ像。
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こちらはケンタウルスのブロンズ像、詳細は不明。
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続いては「メルクリウス(メルキュール)の間」です。元々は寝室としてつくられましたが、早々に寝台は運び出されトランプやすごろくを楽しむ部屋となっていたそうです。寝室として使用された時期は短いですが、ルイ14世が亡くなった時には遺体が安置され、葬礼の間になったそうです。
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天井には、シャンペーニュによる「2羽のニワトリに引かれた戦車にのるメリクリウス」が描かれ、天井支えの曲線部にも同じくシャンペーニュによる絵画で飾られています。
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天井四隅のカメオ状の絵画は、ルイ14世の美徳を表したものだそうです。
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メリクリウスの間には、いくつかの肖像画も飾られています。下の肖像画は1730年のイアサント・リゴーによる「ルイ15世の肖像」です。
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次はグランアパルトマンで最も広く絢爛豪華な「アポロンの間」です。ここは、かつて王が客人にあう「玉座の間」でありバレエのための部屋でもありました。壁は大理石でなく深紅のダマスクが覆っています。
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シャルル・ド・ラ・フォスによる天井画を含め、玉座の間の装飾は特別なものになっています。天井画の中心アポロンの車の周囲にはフランスを象徴する人物、擬人化された四季などの姿が描かれ。広間の四隅には四つの大陸を象徴する天井画が飾り、ルイ14世の愛したブルボン家の格言「誰よりも偉大たるべし」が刻まれています。
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「戦争(ジュピター)の間」は、オランダ戦争におけるルイ14世の勝利と終戦時の「ナイメーヘン和約」をテーマとしている部屋です。
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この楕円形のスタッコ装飾のレリーフは、宮廷彫刻家アントワーヌ・コワズヴォーの作品。レリーフには、栄光によって祝福されるルイ14世の騎馬像が刻まれています。
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そのルイ14世が最も気に入っていたとされるのが、18世紀の前半に完成した庭園です。宮殿の奥に広がるこの巨大な庭園は、左右対称に美しい幾何学模様を描く形で花や草が植えられており、その中には、大小で500~600ほどの噴水が置かれ、小道や森の中には一流彫刻家によって造られた大理石製の彫刻などが置かれているそうです。
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再訪する機会があれば、是非、庭園もゆっくり回りたいと思います。
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戦争の間と平和の間(改装中でした)の間は、鏡の回廊となっており、宮殿でもメインの場所であり大勢の観光客がいました。
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長さ約75m、幅10mの長い回廊が広がるこの鏡の間は、17カ所の大きな窓から外部の明かりを取り入れており、荘厳な美しい空間となっており、セヴィニエ夫人はこれを「世界に類を見ない王家の美」と評しています。
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鏡の間は、通常は王が礼拝堂に赴くときに使う通路でしたが、外国からの特使との接見や、大規模な式典、舞踏会などの会場として、たびたび利用されました。また、1919年には第一次大戦の対ドイツ講和条であるヴェルサイユ条約もこの鏡の間で調印されています。
ヴェルサイユ宮殿 城・宮殿
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高さ13mの天井は、ルイ14世の第一画家であったシャルル・ルブランによる天井画で埋めつくされています。この天井画はオランダ戦争やフランドル戦争などルイ14世の統治の業績を描いたものです。また、天井画の下には、無数のシャンデリアが輝いていますが、天井画を見る際に邪魔となるので、必要に応じ取り外しと取り付けを行っていたそうです。
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ルブランによる巨大天井画のわきには、八角形のメダイヨンがあり、フランス国内における王の功績が描かれています。
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この回廊は、1682年、ルイ14世がパリのルーヴル宮から移り住んだ後に、フランスの建築家マンサールにより、が国王の居室と王妃の居室を結ぶ回廊として改造されたものですが、天井画だけでなく、室内の装飾は、彫刻も含め基本的に全てルブランが担当しました。
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この先に平和の間、王妃の寝室などがあるのですが、改修工事中でここで行き止まりとしてありました。
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鏡の間を折り返して戻ります。
窓の反対側には、578枚もの鏡が壁一面に埋め込まれています。ヴェルサイユ宮殿 城・宮殿
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金塗木材の飾り大燭台は80体あり、1769年にのちのルイ16世・0王太子シャルル0とマリー・アントワネットの婚礼準備として納品されたものを再現しています。台座の種類は2種類で、ニコラ・フィリベール・フォリオによる子供の像とピエール・エドム・バベルによる女性像です。
ヴェルサイユ宮殿 城・宮殿
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鏡の間から王の寝室へ移動します。
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赤に金の煌びやかな生地、金の手すり、豪華を極めた「王の寝室」。1701年にルイ14世は、宮殿の東西に伸びる翼にあるこの東向きのサロンに寝室を移動しています。
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王の寝室から見たヴェルサイユ宮殿です。
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「牛眼の間」隣りの部屋が王の寝室で、従者たちの控室だったようです。
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牛眼の間から見たヴェルサイユ宮殿。屋根には金箔や多数の彫像と浮き彫りが施されています。
ヴェルサイユ宮殿 城・宮殿
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重厚な紋章。
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「スタッコの階段」と呼ばれる階段を降りヴェルサイユ宮殿の見学は終わりです。
ヴェルサイユ宮殿 城・宮殿
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写真真ん中が出口になっており、少し建物の周りを歩いてみました。
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ヴェルサイユ宮殿の正面になります。南北の長さが680m。63,154㎡の敷地には今見てきた部屋も含め、全部で2,300もの部屋があるそうです。
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フランス王朝の栄華を築き「太陽王」と呼ばれたルイ14世が作ったフランスの絶対王政の象徴とも言える宮殿であり、1979年には世界遺産にも登録されています。
ヴェルサイユ宮殿 城・宮殿
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十月事件(ヴェルサイユ行進)の時に、ルイ16世とマリー・アントワネットがバルコニーに現れ、押し寄せた群衆にマリー・アントワネットが優雅にお辞儀を
してみせたバルコニーです。ヴェルサイユ宮殿 城・宮殿
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宮殿正面の上部には美しい黄金の時計があります。ちょうど王の寝室の真上にあり、時計の真ん中には黄金の太陽のモチーフが付けられています。時計の周りにある彫刻や、屋根付近の装飾も見事ですね。
ヴェルサイユ宮殿 城・宮殿
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約1時間半の見学でした。パリに戻ります。
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